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2022-04-20 17:54

柔道男子・鈴木桂治監督 初陣、目標は全階級「金」

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ご本人へのインタビュー音声。柔道日本男子は2021年東京五輪で史上最多5個の金メダルを獲得した。さらなる飛躍が期待される24年パリ五輪に向け、新たに監督に就任したのがアテネ五輪金メダリストでもある鈴木桂治氏だ。

監督として初めて挑む22年10月の世界選手権(タシケント)の日本代表は、4月初旬の全日本選抜体重別選手権を経て、7階級9人のうち8人が決まった。代表選考に巡らせた思いや、世界選手権への決意などについて語った。

 

■この番組は

産経Podcast「音声で聴く スポーツ、ここが知りたい」は、アスリートご本人やコーチ、団体運営者の肉声インタビューをお届けします。

【制作】産経新聞東京本社・運動部
【更新】毎週水曜日(予定)

 

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00:01
産経Podcastでお送りするスポーツを聴くのコーナーが始まりました。担当する産経新聞運動部の田中と言います。よろしくお願い致します。
記念すべき第1回は、柔道日本男子の鈴木圭司監督をお招き致しました。鈴木監督は産経新聞で好評の矢原のすすめを連載いただいております。
柔道に精通した産経新聞の説員の森田圭司記者とともに、今日は鈴木監督にお話を伺っていきたいと思います。森田です。よろしくお願いします。
鈴木監督、本日はよろしくお願いいたします。よろしくお願いします。
まずテーマなんですが、今日は世界選手権の代表選考についてお話を伺いたいと思います。
4月の2日、3日に全日本選抜最重別選試験が開催されました。コロナ禍以降では柔道競技で初めて観客を入れての開催にもなりました。
ここでは10月に多市圏都で開催される世界選手権代表も選考されました。
60kg級で高棟選手、66kg級で安倍選手、丸山選手、73kg級で橋本選手、81kg級で永瀬選手、藤原選手、90kg級で町山選手、100kg級で飯田選手と。
残る100kg長級は全日本で決まるわけですが、監督から見てすでに決まった8人の顔ぶれをどう見ていらっしゃいますか。期待のほどお聞かせ願いますか。
はい、まず60kg級の高棟選手、東京オリンピックのキメダリスト、今回の選抜最重別選2位ということで、非常に今後も期待できる選手じゃないかなと思っております。
今回決勝戦で高賀選手に敗れはしましたけれども、実績ともに十分な選考になっているんじゃないかなと、高賀選手の方がという意見もあったんですけれども、やはり我々は目の前の大会だけではなく、最終選考までの過程というものをしっかりと経てきていますので、
当日のインパクトは十分ありましたけれども、高賀選手、我々はそこに振り回されることなく、冷静に分析した結果の選考であるということは理解していただきたいなと思っております。
その中で高棟選手、これはもう誰も異論ありませんでした。その中で選考しましたし、オリンピック終わった後の数ヶ月間はメディアに出たりとか、オリンピックキメダリストとして仕事を全うしてくれました。
今回選抜に向けて体重を落として、しっかり決勝戦に上がってくるまでの力を戻してということで、ますます10月までの世界選手権までの期間で、もっともっと強い高棟直久選手が見れると思っていますので、そこはあまり不安には思っておりません。
期待しながら、そしてキメダリストとしてさらに強くなった高棟直久を見たいなというところであります。
高知としてこれまで井上監督の下で100キロ級や100キロ長級の選考にこれまでも携わっていらっしゃったわけですが、監督として臨んだ世界選手権の代表選考というのは、高知として臨んだ時と向き合い方というのは重圧も含めて違いましたか?
03:16
やっぱり違いはあるかなと思います。まず全階級をしっかり把握しなきゃならないということと、海外での戦いぶり、また国内での戦いぶりというものも踏まえた上での代表選考になります。
その上で担当階級はこう考えてこう選考してるんだなということを監督として理解しなきゃいけませんし、その上で担当コーチの意見を尊重した上で監督としての考えを述べるということに今は考えてやってますので、
ただただ自分が思ったことを伝えるだけじゃなくて、担当コーチの意見を十分に理解した上での選考をしなきゃならないというところでは、少し考え方が変わってきてるなという感じがします。
やっぱり最後監督が決断することで選ばれる選手もいるし、選ばれなくなる選手もいるという部分でいうと、厳しさというのはこれまで以上に感じる?
そうですね。教科委員会にしてもそうですし、教科委員会後の会見に関してもこの前初めてやったんですけど、やっぱりいろんな質問が飛んできますよね。
なのでその質問に対しての答えというものはしっかりとするためにも全階級把握しておかなきゃいけませんし、選んだ以上は世界一に導くということが我々の役目ですので、
選ぶことが我々の仕事ではなくて、選んだ後に勝たせるということが大きな課題だと思ってますので、
その辺はいろんな意見をいただきましたけども、別に適当に決めてるわけでもないし、好き嫌いで決めてるわけでもないし、ましてや非決めに見てるわけでもないので、
そこはグッとくるものはありますけども、我々としては与えられた課題をしっかり全うするだけだなというふうに思ってます。
やっぱり8人カーブで自信を持って選んだという。
自信を持って選んで結果もあって、こいつたちだったら勝てるなっていう選手を選んでるつもりですので。
今様々な質問があるというお話されていましたけども、全日本柔道連盟の協会委員会というのは今メディアに公開されていて、
その選考過程もその中で出る意見も全てが表に出ていくという状況にあります。
そういう中で100キロ級の代表に選ばれた飯田選手に対して、少し協会委員会の方からもあえて選ばないことで厳しさを感じてもらう。
その分岐につなげたいというような意見もあったと思うんですが、監督としてはやっぱり選びたかった。
飯田選手というよりは100キロ級で代表を出したかった。あるいは飯田選手を選びたかった。
06:00
その辺りはどういうふうな思いで飯田選手を選考されたんでしょうか?
そうですね、まず基本的には選ばないということは考えたくないです。
これは私がコーチの時にやりましたけど、あんなことを何回もやるもんじゃないし、本来ならあってはいけないことですので、なるべくなら避けたいというところ。
ある委員からは選ばないという選択肢はなかったんですかっていうことを言われましたけども、基本的にはないです。
当時初めて選手を選考しなかった時は、
2014年の世界選手権ですね。
一つもメダルを取ってないんですよ。どのグランドスラムでも取ってない。
どの世界選手権でも1回戦2回戦敗退ということで選ばなかった。
要するに金メダルを取れると思えなかった。勝てると思えなかったということです。
やっぱりそういった状況によっても違いますし、
基本的には代表全て選考する。
全階級代表を選ぶということが一番大事じゃないかなと思っています。
なので今回グランドスラム3位が2回で、決して納得するような結果ではないかもしれないですけども、
選ばないことが強化につながるとは基本的には思わないです。
これは飯田だけじゃなくて100キロ級のために、どうしても飯田がフューチャーされてますけど、
その下にいないだけの話であって、それが例えば羽賀選手の名前も出ましたけども、
100キロ級では2年間試合に出てないんですよね。怪我で欠場とか。
2年間この階級で試合してないのに代表に選べるかっていうことが、
多分普通に考えたら非常に違和感を感じるところだと思うんですよ。
2年間試合してないですけど大丈夫ですかって。
我々はそう見ました。
全日本選手権で優勝等もありましたけども、やっぱりそういった階級ごとに課題はもちろんあります。
選んだ以上は勝たせる方向で強化していくしかないのかなというふうに思ってます。
監督、今おっしゃられた2014年の世界選手権の100キロ級の見送りなんですが、
あの時第1任者だった羽賀選手は非常に悔しい思いをされて、
15年の世界選手権ではその屈辱を晴らすような優勝をして、
鈴木監督、当時コーチですね。
いつも100キロ級で勝てなくて、
軽量級の選手が金メダルを持って帰ってくる時に、
すごく監督にも申し訳ない思いをしていた。
そういう思いも全部晴らすことができたという、
メディアからしてもグッとくるようなお話をされたと思うんですね。
あの時は見送った決断を、羽賀選手もその続き、
コーチが見送った決断を、
その悔しさを多分わかっていて晴らしたんだと思うんですけども、
今回そのあえて選ばれたことで、
飯田選手も生きにくい部分あると思うんですが、
監督、選んだ以上、飯田選手にどういう柔道を期待したいという思いが今お持ちでしょうか。
09:01
そうですね。選んだ方、我々がまず、
そういうふうな意見をたくさんいただいているということは、
本人にも来ているかもしれませんし、
今は直接伝えられる時代ですから、SNSや何かで、
直接来ている可能性も十分ありますし、
悔しさとか、みじめな考えもひょっとしたら持っているかもしれませんけども、
やっぱり勝負の世界に、
僕はよく言うんですけど、勝負の世界にいる人間として、
そういった思いを晴らすのはやっぱり勝つことだけだと思うんですよね。
本人がどこまでそういった気持ちをぶつけることができるかだと思います。
そこはもう僕たちの域ではないと思うんですよね。
我々は技術指導だったりとか、対海外選手だったりとか、
最後にやっぱり意地とか、
そういった悔しい思いをぐっと溜め込んで爆発させるっていうのは、
やっぱり最後は本人だと思うので、
本人の心の強さだったりとか、
大会に対する思いだったりとか、
そういった選んだ、当時は羽賀くんは僕のことを言ってくれましたけども、
基本的に尾野先生が飯田で戦うということをちゃんと決めてくれましたので、
僕が決めてるわけじゃないんです。
担当コーチがちゃんといますので、
担当コーチが飯田で行きますっていうことをちゃんと言ってくれたので、
私もじゃあそれで行きましょうっていうことで言ってる、
こういった過程もありますので、
まずは尾野先生に対してそういった思いを、
尾野先生の覚悟をしっかりと止めてほしいな、
思いをとどめてほしいなというふうには思います。
僕のためじゃなくて、
担当コーチのためにしっかりとやってもらいたいなと思いますね。
なるほど、わかりました。
ちょっとここから森田記者に質問していただきたいと思うんですが、
森田さん今回気になられた選考というのは、
どういうところがありましたでしょうかね。
そうですね、記者会見でも質問がありましたけれども、
まず100キロ級のウルフ選手、
それから73キロ級の尾野選手、
ケガで本大会、選抜大会に決勝ということで、
本来万全の状態で来たら、
金メダル、世界選手権でも有力なのかなというふうに
見ていたんですけれども、
今回の選考から外れたという理由を改めてお聞かせください。
はい、前回級共通して言えることなんですけど、
全員選手に、まずは戦いの場に戻ってきてほしいということは伝えました。
その中でヨーロッパの、まずはグランドソラム・パリに
出場するかどうかという意思の確認をしました。
その中で全員原沢・向井以外は
選抜勝負しますということで返事をいただきました。
その中で新しく新体制となって、
またオリンピックまであと2年という状況の中で、
オリンピック金メダリストだからという選考はできないんじゃないかと
という判断をしました。
この世界選手権に関しては、
オリンピックに繋がりますから、この世界選手権というのは。
12:02
ですので、オリンピックで金メダルを取っているから
試合でなくても代表になるでしょうという
考えを持っている方もたくさんおられると思うんですけど、
そういった選考はまずするべきではないというように
新体制の監督コーチで決めました、ある程度。
なので、選抜に出なかったからじゃなくて、
試合に出なかったからじゃなくて、
何もしていない選手をオリンピック代表、金メダリスト
というだけでは厳しいよねと。
その中でもちろん金メダリストとして出場した選手もいますし、
そういった選手の活躍というものを見た上で判断しました。
安倍選手、長谷選手は優勝、高堂選手は2位ということで、
選ぶべき材料はちゃんと整ったなというところです。
世界選手権に関してはちょっと選ぶ材料が
オリンピック、金メダリストだけじゃちょっと
他のグランドスラム優勝した選手、
グランドスラム入賞した選手、
選抜に入賞した選手と比べると
選ぶことはできないよねという話になった上で
協会委員会に挙げました。
今代表が8人決まって、残る100キロ長級を加えて
9人の世界選手権の代表ということになりますけれども、
今回のメンバーに世界の舞台で求めることは何かございますでしょうか。
先ほども言いましたけど、オリンピックにつながる大会だと思います。
世界選手権。
オリンピックに出て金メダルを取るという思いを
しっかり持った上で戦ってもらうということだけですね。
経験値だとかそういったレベルの選手を選んでいるつもりはないので、
オリンピックにつながってくる選手たちじゃないかなと思っています。
ご自身の経験も踏まえて、
オリンピックの2年前の世界選手権というのは
かなり重要な位置づけになりますか。
そう思いますね。
またアジア大会もしっかりですけれども、
例えば大野選手は2018年のアジア大会は出場してますよね。
そこからオリンピックチャンピオンになっていますし、
そういった意味では世界選手権だけではありませんけれども、
2018年の世界選手権を得た人間が
オリンピック代表になっている確率は非常に高いと思うんですよね。
なので、今回の世界選手権の位置づけというものは
そういったところに絡んでくるんじゃないかなと思っています。
そういう意味では来年も世界選手権がありますけれども、
そういう意味ではそこに出た方がより近くなるような感じで
まだまだ今回出られなくてもチャンスはあるという感じですかね。
そうですね。来年の世界選手権はそれこそ
オリンピックに直結してくるんじゃないですか。
確定ではもちろんないですけれども、
かなりの確率でオリンピックの世界選手権の代表選手が
15:04
もちろん一番手ですから、第一候補になってくるでしょうし、
それ以外にアピールする場は今年のアジア大会みたいな大会もありませんので、
かなり世界選手権の結果というものが勝っても負けても
オリンピックにつながる結果になってくるんではないかなとはやっぱり思います。
今回の世界選手権、井上監督の去年の体制からバトンを受けて
初めて臨む鈴木監督としての世界選手権になります。
監督が自らに勝つテーマというのは何かございますでしょうか。
やっぱり全体制と比べるつもりはもちろんありませんけれども、
基本的には全階級金メダルというものはしっかりと目標としては持っていきたい。
強く持っていきたいなと思っています。
あとは団体戦、今連覇してますよね確か。
その団体戦というものに関してもパリオリンピックでも団体戦の金メダルと
私自身も大きな目標として掲げてますので、
この世界選手権の団体戦もしっかりと
仙台が積み上げてきたものを崩さないように
戦っていきたいなというところです。
なので金メダル8個を持ち帰ってくるということが
やっぱり自分の大きな目標です。
それだけ高い目標、高いのか当然だと受け止められているのかわからないですけれども、
明言されるというのは重圧を感じますか。
それともこれだけの選手たちと一緒にやってやろうという
強いやる気に満ちてますか。どんな感じですか。
まあ半々くらいじゃないですか。
やっぱり言ったからにはやらなきゃならないし、
監督としての責任というものもありますし、
その辺は自分自身も重々感じてますので、
ただこうなんか逃げることとかそういうことは考えてないですし、
考えたくもないし、
そうですね、その選手選考に関しても、
そういう考えもあるよな、そういう考えもあるよなと思いながらも、
やっぱり自分で決めたこと、自分が自分たちのチームで仲間で決めたことですから、
そこはブレることなくいきたいなと思います。
わかりました。ありがとうございます。
本日は鈴木監督に来ていただきました。どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
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