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第20回 歴史のバトン【戦国編】第14走者 徳川慶喜(3/4話)
2026-07-25 06:49

第20回 歴史のバトン【戦国編】第14走者 徳川慶喜(3/4話)

徳川慶喜の第4話

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今晩は、今夜もまた、おやすみ歴史ラジオの時間がやってきました。
ベッドに入って、一番リラックスできる姿勢で聞いてね。
さて、徳川慶喜の物語も、いよいよ最終幕となる第4話。
本編歴史レースの最後を飾る、感動のグランドフィナーレです。
前回は、戸場伏見の戦いの後、江戸城が無欠解除され、
徳川の家が守られたこと、そして吉信が孫夫、
現在の静岡で30年にも及ぶ静かな陰頓生活に入ったお話でしたね。
彼は写真や自転車といった趣味に凶じる一方で、
過去の政治や大阪城脱出について一切の弁明をせず、
泥をかぶったまま静かに沈黙を守り続けました。
そして明治時代も後半に入り、皇爵の借位を授けられ、
明治天皇との対面を果たしてついに名誉回復を遂げたのでした。
明治の世が成熟し、かつて幕末の激動を共に駆け抜けた
伊藤博文や山形有朋といった新政府の要人たちも、
歳月と共に目撃者から歴史の当事者へと変わっていきました。
かつて朝廷の敵として追い詰められた吉信でしたが、
彼が保ち続けた気高き沈黙と、一切の野心を持たずに新時代を受け入れた姿は、
いつしか新しい国を作った人々からも深い敬意を集めるようになっていたのです。
明治32年、吉信は30年暮らした静岡の地を離れ、再び東京へと京を移しました。
かつて将軍として君臨した江戸城は皇居となり、
町には路面電車が走り、レンガ作りの建物が立ち並ぶ近代都市へと様変わりしていました。
その劇的な変化を吉信は感慨深く見つめていました。
自分の決断によって江戸の町は火の海にならずに済み、
今こうして多くの人々が穏やかな平和を享受している。
その光景こそが彼がすべてを投げ出して守りたかったものの答えでした。
明治35年には皇爵の釈意を授けられ、
貴族院議員として再び公の場に姿を現すことになります。
しかしかつての絶対権力者としての面影を残しながらも、
彼は決して政治の決定に割り込もうとはしませんでした。
ただ静かに座し、国の歩みを見守る長老としてその存在感を放っていたのです。
東京での吉信の暮らしは穏やかで、そしてどこまでも心豊かなものでした。
菅野や小石川の屋敷ではたくさんの子供や孫たちに囲まれ、
かつてのおも苦しい政治の責任から解き放たれた温かな一家の主としての時間を過ごしていました。
孫たちは奇策で優しいおじいようとして吉信を主体彼が語る昔話や、
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自慢のカメラで見せてくれる写真のコレクションに目を輝かせていました。
かつて全日本の命運をその両肩に背負い、
夜も眠れぬほどの苦悩と恐怖に耐え続けていた男は、
今や家族の笑顔に囲まれた穏やかなお年寄りとなっていたのです。
それでも彼が過去の記憶を完全に忘れたわけではありませんでした。
晩年、吉信の元には彼の激動の生涯を記録しようとする歴史家や記者がたびたび訪ねてきました。
なぜあの時大阪城を去ったのか、なぜ戦わずに強順を選んだのか、
人々は幕末最大の謎と呼ばれた彼の本心を知りたがりました。
しかし吉信は多くを語りませんでした。
自分が弁明をすれば、かつて自分を信じて戦った旧幕府の家臣たちや、
新政府を打ち立てた人々との間に、再び無用な対立や悲しみが生まれてしまう。
すべては自分が泥をかぶったまま、歴史の闇の中に持っていけばいい。
自分一人が非難されることで、新しい日本が一つになり、
平和な道を歩めるのなら、それ以上の望みはない。
それが江戸幕府という250年の歴史の最後に立ち、
それを自らの手で終わらせた男の徹底した美学であり、静かな誇りだったのです。
大正2年11月、季節が冬へと向かい、澄み切った空が東京の街を包み込む中、
吉信は76歳の生涯を静かに閉じました。
徳川15代将軍の中で最も長生きをし、
そして江戸幕府の終わりと、明治、大正という新しい日本の夜明けを
誰よりも深く見届けた最後の一人でした。
彼の不法が伝えられると、かつての家臣たちだけでなく、
新政府の刺激たちや一般の民衆に至るまで、多くの人々がその死を痛みました。
葬儀の列には、かつて敵味方に分かれて傷つけ合った者たちが一堂に会し、静かに手を合わせました。
誰もが、あの激動の時代に彼が下した決断の重さと、
一人で背負い続けた孤独の深さをかみしめていたのです。
吉信が命を懸けて守り抜いたものは、徳川の意向でも己の立場でもありませんでした。
それは、この国に生きる何百万という人々の命であり、
傷つきながらも未来へ進もうとする日本の平和そのものでした。
すべてを失う覚悟で歴史の表舞台から退き、
傷つきながらも気高く生き抜いた彼のしなやかな強さは、
今もなお、私たちの胸の中で静かに輝き続けています。
足利義明から始まった、この長い長い歴史のレース。
天下を夢見た者たち、家や仲間を守るために戦った者たち、
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そして新しい時代を信じて命を燃やした人々。
彼らが次の世代へと大切に繋いできたバトンは、
こうして最後の将軍吉信の手によって、
一つの大きな実りを結び、平和な未来へと受け継がれたのでした。
今夜のお話は、これでおしまいです。
すべてを包み込むような深い静けさの中で、
これまで歴史を駆け抜けてきた草舎たちの熱い思いに耳を傾けながら、
どうか今夜は心も体もゆっくりとお休みさせてあげてくださいね。
次は一体どのような物語があなたを待っているのでしょうか。
それではおやすみなさい。
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