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2026-09-10 07:00

第33回【群雄・武将シリーズ】島津義弘(3/3話)

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今晩は、今夜もまた、おやすみ歴史ラジオの時間がやってきました。
ベッドに入って、一番リラックスできる姿勢で聞いてね。
前回は、豊臣秀吉の大群勢と相まみえ、異国の戦場でも圧倒的な武勇と温かな情けで味方を守りぬいた島津義弘の熱い生き様をお届けしましたね。
今回は、天下分かち目の大決戦、関ヶ原の戦いにおいて、歴史に語り継がれる奇跡の退却劇を成し遂げ、薩摩の家と誇りを守りぬいた義弘の晩年を書く第3話をお届けします。
秀吉の死後、天下の主導権をめぐって徳川家康と石田三成の緊張が高まり、世の中は急速に不穏な空気に包まれていきました。
京に滞在していた義弘は、もともと家康と婚姻にしており、伏見城の防衛に協力しようと駆けつけます。
しかし、城を守る徳川の将から疑いを持たれ、入場を拒否されてしまったのです。
行き場を失った義弘のもとへ、石田三成からの強い参戦要請が届きました。
義弘は苦渋の末、西軍として戦うことを決断します。
しかし、本国である薩摩からの増援はほとんど届かず、義弘の手元にいたのはわずか千数百人という極めて少数の兵だけでした。
そして慶長5年、天下分け目の関ヶ原の戦いが開幕します。
東軍と西軍の合わせて十数万の兵が激突する乱戦の中、義弘率いる島津軍は自陣から一歩も動かず、静かに戦況を見極めていました。
戦いが進むにつれ、小早川秀明の裏切りによって西軍の陣形はそう崩れとなり、西軍の武将たちは次々と敗走を始めてしまいます。
気づけば、島津軍の周囲はすべて勝利に常じる徳川の大軍勢によって完全に囮り囲まれていました。
絶対絶命の包囲網の中、誰もが島津軍の全滅を確信したその時、義弘は前代未聞の決断を下すこととなります。
大路を完全に断たれた義弘が下した決断、それは背後の敵から逃げるのではなく、あえて目の前に立ちふさがる徳川軍の主力陣形に向けて突き進むという、前代未聞の敵中突破でした。
島津の軒口と呼ばれるこの決死の退却作戦において、義弘たちは正面の東軍へ向けて一直線に突撃を開始します。
目の前には徳川家康の本陣が鎮座しており、敵のど真ん中を打ち破って駆け抜けるという、あまりにも壮絶で大胆な退却撃でした。
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圧倒的な大軍の渦の中へ飛び込んだ島津軍に対し、東軍の武将たちは驚愕し、大混乱に陥ります。
義弘を守るため、薩摩の兵たちは捨てがまりと呼ばれる捨て身の戦法を取りました。
この戦法は、数人ずつの小隊がその場に座り込んで止まり、追撃してくる敵の大軍を死ぬ気で食い止め、自らが討ち死にしたら次の小隊がまた止まるという、血で血を洗う過酷な時間稼ぎの作戦でした。
義弘の老いである豊久さや、長年支え続けた家臣たちが、次々と義弘の盾となってその命を散らせていきました。
殿だけは、何としても薩摩へお返しする、という兵たちの命を懸けた強い思いが、義弘の背中を押し続けたのです。
激しい追撃の中、徳川軍の誇る猛将である井伊直政や本田忠勝らも手傷を負い、追撃の手を緩めざるを得なくなりました。
無数の味方の尊い犠牲と、死をも恐れぬ薩摩武士の執念によって、義弘は遂に敵の包囲網を破り、見事に戦場からの脱出を果たしたのです。
関ヶ原の戦場を生き延び、命懸けで無事に帰還した薩摩の兵は、わずか数十人だったと伝えられています。
無事に薩摩の地へと生きて帰り着いた義弘を待っていたのは、戦後の厳しい外交交渉でした。
関ヶ原で敵となった徳川家康に対し、義弘と兄の義久は粘り強い交渉を続けます。
もし家康が薩摩へ攻め込んでくるならば、国中の兵と領民が一丸となって最後まで徹底交戦するという断固たる姿勢を示しつつ、決して無駄な戦いは望まないという誠意を伝え続けたのです。
関ヶ原で見せつけられた島津軍の凄まじい決死の強さと、義弘の不屈の覚悟を知る家康は、ついに薩摩への侵攻を諦め、島津家の本領をそのまま安堵することを認めました。
命を懸けた敵中突破と命懸けの粘り強い交渉によって、義弘は島津の家と領民の未来を見事に守り抜いたのです。
晩年の義弘は家徳を息子の忠恒に譲り、鹿児島の地で静かに穏やかな日々を過ごしました。
戦場で見せた鬼人のごとき勇猛さからは想像もつかないほど、晩年の義弘は温かく優しい目をしたおじい様として人々に深く愛されました。
かつての敵味方の分け隔てなく、戦で散っていったすべての命のために深い祈りを捧げ、若い武士たちには武芸だけでなく、人を思いやる心を持ちなさいと優しく語り聞かせたといいます。
元那五年、多くの家臣や領民たちに見守られながら、島津義弘は八十五年の波乱に満ちた生涯を静かに閉じました。
鬼島津と恐れられ、圧倒的な強さで乱世を駆け抜けながらも、誰よりも仲間を愛し、最後まで家と民を守り抜いた薩摩の英傑。
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その勇士と温かな誇りは、今も桜島の雄大な姿と共に語り継がれています。
島津義弘のお話、第三話はこれでおしまいです。
命を懸けて信念を貫き、温かい愛で家を守り抜いた島津義弘。
次は一体どのような物語が待っているのでしょうか。
今夜はどうぞ、ぬくもりのある布団に包まれて、心も体もゆったりとお休みさせてあげてくださいね。
それでは、素晴らしい夢が見られますように、おやすみなさい。
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