00:01
映画1000本で文化史の地図を作ってみた。こんにちは、雨宮です。 ここ数日ずっと映画のリストを作っていました。
最終的にファッション史250本、世界史日本史各200本、 ヨーロッパ史は150本、アメリカ史とイギリス史は100本ずつ、合計の1000本です。
今日はこの1000本を選んでみて分かったことを話したいと思います。 最初に言っておくと
かなり疲れたリスト構成でした。 そもそもの発想は、映画を見ながら歴史や文化をたどれないか、ということでした。
例えばファッション史なら、ビスコンティの山猫。 舞台は1860年のシチリアで、イタリア統律によって貴族の世界が終わっていく時代です。
貴族の礼装や軍服、女性たちのドレス、誰がどんな服を着て誰と踊っているかを見ているだけで、 当時の階級社会が見えていきます。
服が綺麗というより、社会の主役が誰から誰へ移ろうとしているのか、 そこまで服装から読めてしまいます。
ファッション史って、流行のシリエットを覚えるだけじゃなくて、 服から政治や階級の変化まで見ていくと、一気に面白くなります。
日本史のリストを作っていたときは、実は一番考えました。 最初はどうしても戦国時代や幕末、戦争みたいな作品を中心に考えてしまいます。
でも途中で、政治だけが歴史じゃないなって思いました。 例えば、フラガール。
普通は日本史映画とは呼ばれないと思います。 でも背景には炭鉱の衰退があります。
エネルギー源が石炭から石油へ変わり、街が生き残るために観光へ転換し、 そこで女性たちが新しい仕事を始める。
これは戦後の日本の産業構造転換の映画であると考えました。
歴史って単純に総理大臣や戦争だけじゃなく、 仕事が変わることも街が変わることも歴史なんだと思っています。
他にも1492コロンブスは数字として年号を人間の壮大なスケールに引き戻してくれますし、
さらば青春の光は若者のファッションと音楽から戦後のイギリス階級社会まで見せてくれます。
1本ずつ開けていくとキリがないのですが、こういった発見が1000本分あちこちに転がっていました。
正直1000本を選ぶ作業で一番苦労したのは、映画を見つけることではなかったんです。
何を落とすか、何を採用するか。 例えば候補が250本ある。
でも枠は200本。両方とも名作の場合、どっちを残すか。 その時代を理解する助けになるのか。
03:00
それとも映画として面白いのか。 生活や文化まで見える映画なのか。
他の映画で大会はできないだろうか。 そしてもう一つ、今実際に見れるかということも考えるようになりました。
紹介を聞いて見てみたいと思ったのに、配信もDVDもなくて見れない。 それだと少し寂しいですよね。
だから同程度の作品ならできるだけ見やすいものを選ぶ。 でもその1本でしか見れないものがあるなら、見にくくてもそのリストに残す。
この判断を延々と繰り返していました。 そして全部並べてみて一番面白かったのはここです。
山猫から服装と階級を見る。 フラガールからエネルギーと地方経済を見る。
1本の映画から別の知識へ伸びていく。 すると映画が1本ずつ独立した作品ではなく、大きな文化史の中にある一つの視点に見えてきました。
だから今回作った1000本は、おすすめの映画、先遷というより、映画から歴史や文化へ移動するための地図だと思います。
しかもこの1000本を1本ずつ紹介するつもりはありません。 同じ時代の作品を2本、場合によっては3本、組み合わせることもあります。
権力者を描いた映画と庶民を描いた映画。 男性から見た映画と女性から見た映画。
その国自身が作った映画と外国人がその国を描いた映画。 並べてみると、1作品だけでは見えなかった時代の立体感が出てくると思います。
これからやってみたいのはまさにそこです。 まだ第一版のリストなので、これから何度も入れ替わると思いますが、とりあえずのベースはできました。
今回改めて感じたのは、映画って2時間の物語を楽しんで終わるだけじゃなくて、 服、宗教、政治、階級、産業、家族、仕事、そこから世界を見る入り口にもなるということです。
僕が作りたいのはそういう映画紹介なんだと思います。 これはいずれYouTubeの企画としてどんどんアップしていくつもりです。
ということで今日は、映画1000本で文化史の地図を作ってみたという話でした。 それではまた次回、アメミヤでした。