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羽ばたけ!ムーちゃん、日本の国庁大紫。 豊かな自然に囲まれた八ヶ岳高原の北都市長坂町は、全国一の生息地です。
大紫センターは、NPO法人 自然と大紫に親しむ会が運営しており、夏になると美しい大紫と出会うことができます。
大紫センターは、自然環境を図る基準ともいえる大紫の保護と研究、それらを取り囲む自然環境の保護に取り組む中心的な施設です。
大紫センターは、大紫と友達になること、森と友達になること、自然と友達になることをお手伝いするプログラムを用意しています。
大紫センターへの訪問を心よりお待ちしております。
今週も、羽畑、むーちゃんの時間がやってきました。
今日は、北都市大紫センターの小林美香がお伝えしていきます。
どうぞ最後までお付き合いください。
今年の冬は、本当に寒暖差が激しいですね。
年が明けてしばらくした頃に、日中がポカポカと暖かくて春のような陽気の日がありました。
お正月から寒い日が続いていたので、これくらい暖かいとすごしやすくていいなーって思ってたんですが、そのすぐ後に寒波がやってきましたね。
本当に一瞬の春の陽気でしたが、その暖かさに慣れてしまった体には応える寒さでした。
しかも、乾燥しているという上でのマイナスの気温となると、もう肌が切れそうなくらい冷たさが痛く感じます。
これが少しでも雪が積もっていれば、同じ寒さでも体感温度は変わってきますね。
湿度があるかないかでだいぶ寒さの感じ方が違います。
内陸部の山間部は乾燥しているところが多いので、雨や雪が降ってくれるとありがたいと思いますが、日本海側が大雪に見舞われている時というのは、大体山梨はそれほど雪が降らないことが多いですね。
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今年もその傾向のようで、日本海側では被害が出るほどの大雪となっていますが、山梨では逆に乾燥しすぎている状況となってしまっています。
南アルプスや八ヶ岳に雪雲がかかることはあるのですが、少し積もる程度ですぐに溶けてしまいます。
自然の中の植物や様々な生き物、そして人間にとってもある程度の湿気は必要ですが、多すぎるのも問題なので、ちょっと悩ましいところです。
そんな寒波が押し寄せてきていた最中に、大村崎センターでは毎年恒例の越冬幼虫調査を行いました。
これは微バリウム内で孵化した幼虫がどれぐらいの数なのかを調べるもので、幼虫が越冬していて動かない状態の時に行っています。
1月下旬の調査の日には雪こそ降ってはいなかったものの、その日の最高気温がマイナスとなっていた日で、とても寒い日でした。
調査は室内で行いますが、幼虫が起き出さないようにするために、部屋では暖房はつけずに作業をします。
まるで冷蔵庫の中にいるような寒さでしたね。
調査のやり方というのは毎回決まっています。
まず微バリウムの中の番号が付いているえのきの木の根元から落ち葉をかき集めていきます。
そしてそれぞれの番号ごとに拾ってきた落ち葉を広げて、葉っぱを1枚1枚めくっていきます。
葉っぱに付いている幼虫を見つけたら数をカウントしていくという流れをすべての番号の分も繰り返して行います。
そして最後に集計すると、今現在微バリウムの中にどれぐらいの幼虫がいるのかがだいたいわかってくるんですね。
ただひたすら葉っぱをめくっては幼虫の姿を確認するというとても単純な作業なんですが、
この時期の落ち葉は形が崩れてしまっていて、ボロボロになりかけたものが多いんです。
また微バリウムの中にはえのきの木だけではなくて、くぬぎやもみじ、その他にも様々な木が植えられています。
その落ち葉が風で移動するので、えのきの木の根元にも様々な種類の落ち葉がたまります。
大紫の幼虫は、越冬のために木から降りて落ち葉の下に潜ると落ち葉の裏にぴったりと張り付きます。
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大紫の幼虫が食べる葉っぱはえのきの葉っぱなんですが、越冬するために選ぶ葉っぱは特にこだわりがありません。
なので、ただただ葉っぱを確認するというだけの単純な作業の中なんですが、一番気を使うのがそこかもしれないですね。
というのも、まさかこんなところにはいないだろうなという場所にもくっついていることがあるので、しっかりと確認しないと幼虫を見逃してしまうんです。
単純な作業なんですが、結構神経を使う調査なんです。
では、ここで1曲お聴きください。
スピッツでおけら
FM八ヶ岳、羽畑、むーちゃん
北都市大紫センターがお届けしています。
越冬幼虫調査をするビバリウムの中には、えのき以外にもさまざまな落ち葉が混ざって、しかも葉っぱの形が崩れて欠片のようになった小さな葉へまで見逃さないようにしっかりと確認していくという結構根気のいる作業。
葉っぱを調べていると、幼虫がくっついている様子もさまざま見られるんですね。
例えば、大きな葉っぱを1匹で広々占領しているものもあれば、本当に小さな欠片に2匹3匹とくっついているものもありました。
また、葉っぱの端っこがくるっとカールのように丸まって、そのトンネルのようになった空間に隠れるように入っているものもありました。
同じ葉っぱの表と裏にくっついているものもあったり、葉っぱの端っこと端っこに離れていたり、逆に仲良く2匹並んでくっついていたり、そんな様子を見ていると偶然とは思えないような気がしてくるんですね。
一緒に固まっているのは、もしかして兄弟なのかなとか、最初は仲良く並んでいたのに途中で喧嘩して裏と表に別れちゃったのかなとか、つい何か物語を騒動してしまうんですね。
そんなことを考えながら作業していると、地味な作業も結構楽しくなってきたりします。
そして今年の幼虫の数はどうだったかというと、結果は1000匹を超える幼虫が確認できました。
例年の平均で考えると、この1000匹というのは多い方ではないかなと思います。
幼虫が成虫になるまでにはまだまだ長い時間がありますので、この先何かしらの理由で減ってしまう可能性はありますが、今年の成虫がどれくらい出てくるのかが今から楽しみですね。
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この越冬幼虫調査では、オオムラサキの幼虫以外の生き物も見つかります。
ほとんどはクモの仲間なんですが、中にはミノムシもいましたね。
ミノムシというのは誰もが知っているものだと思うんですが、これはミノガと呼ばれるガの幼虫の総称となっています。
そのミノガにも種類がいくつかあって、特に大きなミノを作るものがオオミノガですね。
一時期ミノムシの数が減っているというのが話題になったことがあるんですが、それがこのオオミノガのことなんです。
今でも場所によっては絶滅の危機にある状態とされていますね。
この個体数が減った原因というのは、90年代に日本に入ってきたオオミノガヤドリバエですね。
このハエはオオミノガにのみ寄生する寄生バイで、オオミノガの近くにとても小さな卵を産みつけます。
オオミノガの幼虫は葉っぱと一緒にその卵を食べてしまって、体内に入り込んだ卵は幼虫の体の中で孵化をして、幼虫の栄養を奪いながら成長すると、今度はその幼虫の体を破って出てくるんですね。
そしてそのままミノの中でマユを作って、成虫になると外へ出ていくんです。
なんとも恐ろしい生態のハエなんですが、実はこのオオミノガヤドリバエに寄生するという寄生バチが存在しています。
この寄生バチがいれば、オオミノガがオオミノガヤドリバエの寄生になることが減っていくんです。
外来種によって絶滅の道をたどってしまう生き物もあれば、その外来種の天敵となるものが現れて存続できるものもあるという、
まるでドラマのような世界が小さな生き物たちの日常で生まれていると思うと、もっといろんなことを垣間見たくなってきますね。
大村崎センターの開館状況やイベント情報については、ホームページでご確認いただけます。
お電話でのお問い合わせは、0551-32-6648までお願いします。
この番組は、NPO法人自然と大村崎に親しむ会が運営する副都市大村崎センターがお届けしました。
それでは、副都市大村崎センターでお待ちしています。
ラジオではまた来週お会いしましょう。