覆面姿での仕事と73歳男性との出会い
いやー、どうです? 眠い?眠いの?
なんか目があれやけど、しょぼしょぼしてる感じやけど、大丈夫? うん、しょぼしょぼしてるわ。
なんか最近待ってない? え?何が? 空気中にいろいろ。 あー空気中に?誰が待ってるのかと思った。
あ、そうだな、待ってるよな。なんかあんねんだよ、きっと多分これは。 あのー、喉の調子も悪いしさ。
もうだって車が真っ白になるんだよな、もう。
まあそんなんはどうでもいいね。 そうやな。 なんか話したいことあるって言うから。話したいことあんねん、俺。
聞きたいんやけど。 分かった。 いや今日ね、俺仕事場でちょうど年配の方が多いんよ。
なんか今日作業してたら、急に喋りかけられて、
あなたはドコドコ大学の学生ですか?って聞かれて。 いや違いますよ、僕社会人ですし、
まあ僕はでも暑いから、外作業やから、覆面してるからさ、あんまりその顔とか見えてないから、まあそういう若そうな子やなって思ったんやと思う。
どんな格好でしてるんやっけ? え、もうだから銀行強盗みたいな感じ。もう覆面して、サングラスかけて、
まあのツバ全部ある帽子かぶって、あの手袋したりして、もうほぼ肌露出してないから。
変質者よ、見た目は。残念ながら。まあ外やしね。 コナンの犯人みたいな。 まあそうやな。
行っていいかな?で、そういう喋り方の、まあおじいさんやな?で、僕37ですよって言ったら、
ああ、私は73ですって言われて。かわいい。 じゃあ僕の年齢ひっくり返した感じですね、みたいな感じで。
そうですね、みたいな感じで。こんな感じなのか?で、なんかむっちゃ喋りかけられるから、なんか、なんか、俺もなんか、
73歳男性の人生観と後悔
いや、めっちゃ喋りかけて気張るやん?と思って。めっちゃ作業してんのに、むっちゃ喋りかけられるから。
もうなんか、もうなんかちょっとなんか、もうそんな喋りかけられんやったら、もうこっちもなんか逆にじゃあ、なんかもう聞きたいこと聞こうかなと思って。
なんか、いややっぱそんだけ言ったら、73って言ったら、もう自分の倍以上、倍ぐらいやな。
ちょっと計算が、暗算が、倍ではなかったな。倍よりマイナス1?まあまあいいや。 いやいや、もっとやろ。
もっとか、まあまあいいや。で、そんなやしさ、まあ大先輩やからさ、もうデイ先輩やん。だからデイ先輩だ。
で、何やったっけな?なんか、なんか、もう、そのそれぐらいの年齢になってきたら、なんか日々なんか、どんなこと考えはるんですか?みたいな感じで聞いたら、
何にも考えてません。って言われて。そうですよね。何にも考えてないです。断言するやん。そうなんですね。でも少し考えることはあります。
あるん?あるやん。違う違う。なんか、だからこういう仕事はいいんですと。無心でやれるから。これがいいんです。何も考えないのがいいんです。だから健康にもいいんです。
だから脳作業も私はよくしますけど、脳作業してる時はもう夢中でやってるんで、そうやって無心で考えてない。これがいいんです。って言われて。
ってことは、それをやってない時は、なんか考えることがあるってことなんですか?って聞いたら、はい、もういらんことばっかり考えます。みたいな。
あ、じゃあ考えてあるんですね。何を考えはるんですか?って聞いたら、楽に死ねたらなーとか、痛い痛い辛い死に方は嫌だなーと思います。って言われて。
なんか笑わせるから。そうですよねみたいな。そこ?そういうの考えるんやな。じゃあもう死について考えてはるんやろな。だからもうそういうことばっかり考えます。
えー? えー?みたいな。でも確かにそれだって確かになんか夢中で仕事してる方が確かにいいかもしれませんねみたいな。そうですみたいな感じで。
なんかもうちょっと聞いてみたくなっていろいろだから。めっちゃほんまに素直に全部答えてくれはるから。なんか真剣に答えてくれはるから。なんか今俺まだ30、その人からしたらまだ若いし。
なんか若い頃、これやっといたらよかったなーとか、なんかそういうことってあるんですか?とかって聞いたら、あります!って言われて。あ、あるんですね。
いちいちなんかすごいな。
即答であるんやーってなって。え?何ですか?って聞いたら、世間の常識に従っていく、いやもっと世間の常識に抗っていけばよかったなーと思います。
流されて仕事してきました。でもね、もっと家族と過ごす時間を大事にしたらよかったなーと思います。
あ、そうなんですね。そうです。あの若い時はね、会社の社内での評価ばっかり気になって、バリバリ仕事しなあかんするんやって、そればっかり考えてましたけど。
今思うと、そんな評価なんて別に気にせず、一緒に好きな大事な人と過ごす時間を大事にすればよかったなーと思います。
聞いてよかったな。そうなんですね。そう思うもんなんですね。そう思います。私らの時代はね、それが当たり前だったんで。でももっとそんなの気にしなきゃよかったなーと思います。
週2で絶対にお酒を飲んでました。よく会社の帰りにヘベレ系になって帰ってました。
登山して山頂に登った時にすごく気持ちいいなあ、すっきりしたなあっていう気分になるでしょう?わかるでしょう?あんな感じですわ。それがお酒飲むだけでそういう気持ちになれるから気持ちいいなあと思ってやってましたけど。
あんなもんせんかったらよかった。そうなんですか。健康が大事です。もっと健康に気遣って生きればよかった。若い頃はそういうのも気にしないでしょう。確かにそうっすね。健康一番ですよ。
そうなんですね。っていう話を。
語り手が受けた衝撃と感想
なんか目の前落語でもされてるのかなと思ったけど。びっくりした俺。なんでそういう口をまで似せて。びっくりしたわ。ちょっと俺も染みるもんがあったから。リアルだってもう実際にそこで聞いてるからさ。
シワとかも見ながら刻まれてるやろ。日焼けしちゃったりとかしてる染みとかがあったりとかするお顔とかそういうもんから物語るもんがあるもんな。
染み出てくるものが多い。やっぱり俺も刺さったな。刺さったわな。 なるほどね。確かにね。聞くけど、よくは聞くけどやっぱり実際にその存在してる目の前にいる人がそういうものをポロリポロリと話したときのそういうもんってちょっと違うよな。
刺さるものがあるったわな。そりゃ何も感じひんことはないわな。やっぱそうなんすねみたいな感じで。いやーみたいな感じで。そうっすかーみたいな感じだったけど。そんなことがありましたわ。