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2024-11-22 17:13

書籍『中国農村の現在 「14億分の10億」のリアル』

中公新書から出ている「中国農村の現在 」を読みました。

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こんにちは、ninjinkunです。
今日は本を読んだので、その話をしようと思うんですけど、
田原四季っていうのかな?
『中国農村の現在 14億分の10億のリアル』というですね、
これは中古新書から出ている本を読みました。
これ何で知ったんだったかな?
これはもう多分、アフターシックスジャンクション経由だったような気がするんですけど、違うかも。
とにかく、私は図書館を使っていて、
気になる本は図書館のカートにポンポン入れて、
予約の列が長そうなやつは予約に並んでおくので、
たまに何で予約したかわからないタイミングで、
忘れている頃に予約した本が近所の図書館に届きましたという通知がメールでくるので、
取りに行って読むんですけど、
その中の一冊で、これでも結構人気の本みたいですね。
2024年2月25日発行なんで、今年出た本です。
で、この著者の田原文輝さんは東大の先生なのかな?
社会学の研究者の方で、中国の農村にフィールドワークとして実際に農村に足を運んで、
現地の方々と交流されて、その様子を観察して研究していくというようなことをされている先生で、
その先生が自分のね、してきた調査をベースに、
中国の農村社会という、かなり我々から遠いところにある人々の実態を書いて、
それによって、中国ってね、いろんなイメージがあると思いますけど、
その中国のイメージの幅を広げてもらおうというような感じの趣旨かなと思います。
いやーこれね、かなりね、濃密な本というか270ページぐらいあるのかな?
はい、えーと、ので、結構ね、あり得た2週間で読み切るのは割と大変だったですね。
毎日読んでたわけじゃないんですけど。
いやでも面白かったですね、これ。
実際の農村の様子みたいなものが、この先生が一緒に農村に行って、
泊めてもらって、そこで村の人たちと一緒に話したり、ご飯を食べたりする中で、
いろんな様子を観察していて、それが描写されているんですけど、
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例えば農村もね、だんだん現金収入、豊かになっていっていくんだけど、
自分の豊かであるってことを誇るために、農村の中に突然4階建てのビルみたいなものが出現すると。
自宅を新しく作るときに、最初はみんな2階建てとか3階建てだったんだけど、
誰かが4階建てにすると、他もみんな4階建てにするみたいな、そういう見栄の張り合いですよね。
そういうことが行われていて、ただ、中は全フロア使ってるわけじゃないから、
1階、2階までは内装があるけど、4階はまだないですとか、そういうね、ちぐはぐなことになったりしているらしく。
農村に行くと、突然そういうビルが現れるような光景があったりとか、
あとは出稼ぎですよね。農村だけだと、畑は両親が耕しているから、
子供は出稼ぎに行って現金を取ってくるみたいな、そういう出稼ぎカルチャーがすごいあって、
で、そのさらに、例えば息子娘が結婚して子供がいると、子供は農村の方に残して、
おじいちゃんおばあちゃんや近所に面倒を見てもらい、血縁関係の人たちがね、すごい周りにいるらしいんですよね、農村は。
で、両親は出稼ぎに行くようなことがあると。出稼ぎに行っている人たちも、農村にいたいのかと思いつつ、
出稼ぎの方が、農村の仕事の方がきついから出稼ぎの方が楽って言っている人も結構いるとか、
なかなかそういう話があって面白いですね。
そういうのもどんどん時代とともに変わってるっぽくて、それが2000年代ぐらいの話で、
今はもっと、例えば子供たちも大学に行くようになって、
で、中国の方針で農村の人たちをもう少し、この中では県域って書いてあったんですけど、
それぞれのローカルな都市に集めていくような感じの政策がされていて、
大都市の大学に行ける人は本当に一部のエリートなんで、しかもそういう人たちはあまり帰ってこないから、
勉強ができて野心もある人たちは大都市で何か人肌あげようとするから帰ってこないと。
で、ちょっとそれよりレベル落ちる地方の大学に行って、農村までは帰ってこないけど、
県域には公務員の仕事とかが結構あるので、公務員の仕事というのは先生とかね、
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普通のいろんな官僚もいるでしょうし、役所の人もいると思うんですけど、
人気がそれなりにあるから、親からの評判もいいらしいので、地方の大学に行って、
さらに地元の都市に帰ってきて、農村そのものには帰れないんだけど、
そっちの都市の方に移動して、だんだん親とかも呼んだりとか、そういう感じで、
県域の都市に人を集めようというのが結構今の中国の上層部の意向らしく、
それにみんな、層部というか、という形で移動が起きているんですよとか、
あとは貧困を撲滅したぜっていう宣言が2021年にあったらしいんですけど、
それも、もともとね、農村というのが貧困が生まれやすいところだったんですけど、
そういっても、豊かな農村もね、今どんどん増えてて、
山岳部の農村がとにかく厳しいというので、山岳部の農村の人たちは移住させられて、
県域の都市の方に移住させられてですね、
そっちで暮らせば暮らし向きが良くなるから貧困なくなりましたという仕組みになっているらしく、
いやちょっとやっぱやることダイナミックだなっていうか、地元を追われた人たちめちゃくちゃ気の毒だなっていうことが書かれていたりしました。
あと面白かったのは、統治体制の違いみたいなことが書かれていて、
欧米や日本は今は民主主義として、それぞれのローカルな行政を選んだり、国会の議員を選んだりする。
それもでも地方ごとに選んで、自分たちの代表として議員を選んでいくっていう風な議会制民主主義が発達しているわけなんですけど、
中国はご存知の方も多い通り、中国共産党による一党独裁、
さらにそれぞれの自治体には官僚が派遣されてきて治めるという感じなので、
どうも地方自治みたいな概念はだいぶ薄いっぽいですね。
これに対する考察として、
法権制をもともと強いていたところは、それが議会制民主主義に変わっても、
基本的な仕組みというか、階層みたいなものは一緒だから、
法権制から議会制民主主義の移行というのは非常に馴染みが良かったと。
一方で中国は法権制というのが秦の時代に廃止されて、その後は軍権制だったかな。
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それぞれの法権制だとローカルお殿様、ローカル王様がいるわけですって、
その人たちが地方を治めていると。
その上にさらに将軍なりがいるとか皇帝がいる体制が法権制ですけど、
これも法権制、皆さん社会科で習うと思うんですけど、
私ももうだいぶどういう概念か忘れてたんで、もう1回この本で法権制習ったと思ったんですけど、
中国は法権制をもうやらなくなっても本当に長いと。
この2000年、紀元前3年だって書いてあったかな。
秦が法権制を廃止したのが。
それ以降はずっとそういう軍権制、王様はすごい遠いところにいて、
その王様が官僚を派遣してきて、
官僚も別にローカル王様じゃないので入れ替えられたりもするし、
という感じの体制でやってきていて、
それが今の中国共産党の体制に変わっても同じであるという感じなので、
そういうこれを、
例えば日本や西洋諸国の議会選民主主義に入れ替えるのはどう難しいんじゃないかっていう風に、
いろんな人が思っているらしいですね。
中国の人は思っているし、
外から観察しているこの先生もそういう風に思っているらしいですね。
比較としてインドとかは、
インドはもう完全に民主主義、その議会選民主主義が根付きまくっていて、
もうインドの選挙ってすごいらしいんですけど、
とにかくみんな選挙に対する意識があるらしいんですけど、
インドの農民の人とかも。
それもやっぱりもともとインドも封建制で、
ローカル王様が治めていて、
それにいろいろ統治体制はね、
メガル帝国とかイギリスとか変更はあったけど、
確かイギリス時代はローカル王様がいた部分と、
イギリスがローカル王様を滅ぼして直轄自治をしていた部分と、
確かそれがまだらだったと思うんですけど、
何にせよ、それなりに封建制の名残はあり、
なのでそこからね、今の議会選民主義への移行というのは、
そんなに無茶ではなかったという論調だったんですが、
中国の場合はそうではないと。
まあね、読むとそうなのかなって分かって分からんような。
面白いですよね。
僕たちも中国の人と何人か話したことはあるけど、
中国の人たちは中国の政府にいろいろ思うことはありつつも、
あの体制じゃないと中国は治められないっていう意見では
どうもみんな一致してるっぽいので、
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何かしらそこに説得力があるものがあるんでしょうね。
その実態が何かはまだあまり自分は、
何ですかね、理解はできてないですけど、
でもみんなそう思ってるっぽい。
そうですね、そんなこんなで。
あとは何があったかな。
先生が実際にどうやって調査をしてたかとか、
調査が失敗した話とかも結構取り上げてあって、
住民と仲良くなるのに失敗した話とか、
あとはなんかフォーマルなお酒の話がよく出てくるんですけど、
中国の人たちはみんな社会的飲酒者だって書いてあって、
なのでみんな家飲みとかはほぼしない人が多いんだけど、
とにかく宴会になるとみんなめちゃくちゃ飲むと。
中国の宴会ヤバいっていうのは聞いたことはあったんですけど、
偉い人が来たりとか、
例えば先生が正式な調査団として、
上の政府の方から、この人たちを調査団として行かせるからって言われると、
とにかくもてなされて宴会になって、そこでめちゃくちゃ酒飲む感じになると。
最後はみんな潰れてわけわかんなくなるっていう。
酒はフォーマルな場では必ず出て、その場ではめちゃくちゃ酔っ払う必要があるというカルチャーらしくて、
ただそういうふうにやっていくと、とりあえずそれはもてなしたことになっちゃうから、
実際の調査になって、それでイコール協力してくれるとは限らないし、むしろそうじゃないことの方が多いみたいな。
なのでこの先生はそういう正式なルートは使わずに、
個人的に仲がいい中国の先生から大学院生とかを紹介してもらって、
その大学院生の地元に行って調査するみたいな。
そういう列族を辿って行って調査するような手法で現地に入っているらしくて、面白いですよね。
とにかくね、酒のエピソードがね、時々挿入されるんで、この先生もお酒は大好きっぽいんですけど、
そういう宴会の様子とか、とにかくね、宴会でめちゃくちゃになるって話が多くて、面白いんですよね。
そういうことがいろいろ書いてあり、
ただ残念ながらね、だんだん中国政府が外国人による調査とか、
あとは外国のカルチャーとか考え方が入ってくるようにだいぶ警戒心が今強くなっていて、
調査に入っても結構すぐに公安を呼ばれてしまったりとかして、調査ができなくなってきてますと。
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今ではほとんど現地には行ってませんみたいな感じになっていたので、
これはその一時期、だから90年代、2000年代、2010年代前半ぐらいまでの現地に入り込めた時代にできた調査の記録が書かれている感じです。
という感じで、何でこの本を読もうと思ったんだろうな。
でもね、知らない外国の話をするのは面白いなと思うんで、読んでよかったなと思いますね。
私は北京と上海には行ったことあるんですけど、
北京なんかもう20年ぐらい前かな。
あの時はオリンピックの直前か直後かで、すごい建設ラッシュでしたね。
私、上海は多分コロナ前ぐらいだけど、もうめっちゃくちゃ大都市で、多分東京よりもでかい都市なのでばというぐらいの発展ぶりだったんで、
そういうふうに発展している中国しか知らなかったんですけど、
こういう農村みたいなね、さらにそこから遠いローカルな暮らしというのがね、どういうものかをね、この本を通して知れたのは良かったですね。
そう思うとね、別に日本に来た人だって東京とかね、大阪とか京都だって見て、日本ってこうだなっていうふうに思うかもしれないけど、
別にもっといろんな地方にはいろんな人がいて、農家の人もいるし、漁業してる人もいるし、そういうそれぞれの暮らしがある、
そういうものはね、確かに普通の観光では見えないんだよなと思うと、
なかなか本当に自分が目に見えたり体験できるものってごく一部なんだよなっていうふうに思いますね。
そういう時にね、こういう本を読んだりとか、あとはね、そういう映画をね、見ることで結構リアリティのね、ラインを理解を深めることができると思いますので、
俺に触れてこういう本も読んでいこうと思います。
はい、それではありがとうございました。
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