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232吉川英治「三国志-桃園の巻」二(朗読)
2026-05-19 1:01:47

232吉川英治「三国志-桃園の巻」二(朗読)

張飛登場!

今回も寝落ちしてくれたら幸いです


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00:07
寝落ちの本ポッドキャスト。 こんばんは、Naotaroです。
このポッドキャストは、あなたの寝落ちのお手伝いをする番組です。
タイトルを聞いたことがあったり、実際に読んだこともあるような本、
それから興味深そうな本などを淡々と読んでいきます。
作品はすべて青空文庫から選んでおります。
ご意見ご感想ご依頼は、公式Xまでどうぞ。
寝落ちの本で検索してください。
また、別途投稿フォームもご用意しました。
リクエストなどお寄せください。
それから、まだ知ってないよという方、ぜひ番組のフォローをよろしくお願いします。
そして最後に、おひねりを投げてもいいよという方、
概要欄のリンクよりご検討いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
さて、今日は吉川英治さんの
三国志-桃園の巻の続きですね。
また今日も1時間ぐらい読んで、
節目のちょうどいい頃を見届けたら終わりにして、
次へみたいな形でバトンをつないでいこうかなと思います。
全体的に長いのでね。
桃園の巻だけで多分十数万字あったので、
1時間ずつぐらい読んでいこうかなと思っています。
調皮が出てくるところですよ。
はい。
今日はいつも我が家にいる猫2匹に加えて、
もう1匹今お預かり保育中なんで、
その子がどんな動きをしますことやら不安ですが、
今のところ大人しくしていますけど、
どうなるでしょうか。はい。
じゃあやっていきましょうか。
どうかお付き合いください。
それでは参ります。
三国志 桃園の巻 調皮卒
白馬はソリンの細道を西北へ向かって真っ白らに駆けて行った。
秋風に舞う木の葉は安城の劉備と扶養の影を荘屋のようにかすめた。
やがて広い野に出た。
野に出ても二人の妙なおようなりがかすめた。
今度のは木の葉のそれでなく鋭い矢尻を持った鉄球の矢であった。
お、あれ行くぞ。
女を乗せて。
では違うのか?
いや、やはり劉備だ。
どっちでもいい。逃がすな。女も逃がすな。
賊兵の声越えであった。
ソリンの影を出た途端に黄金賊の一隊は早くも見つけてしまったのである。
獣軍の声が時を作って白馬の影を追い詰めてきた。
劉備は振り向いて
しまった。
思わず呟いたので彼と白馬の足と唯一の頼みにしがみついていた扶養は
ああ、もう。
切れるようにおののいた。
万が一つも助からぬ者とは観念しながらも劉備は励まして
03:00
大丈夫、大丈夫。ただ振り落とされないように。
駒の盾紙と私の海に必死で捕まっておいでなさい。
と言って鞭打った。
扶養はもう返事もしない。
ぐったりと盾紙に顔をうつぶせている。
その鞭抜の白さはおののく白布用の花そのままだった。
川まで行けば。
県軍のいる川まで行けば。
劉備の打ち続けていた怠きの鞭は川が剥げて白木になっていた。
低い土波のうねりを踊り越えた。
遠くに帯のように流れが見えてきた。
閉めたと劉備は勇気をもり返したが
河畔まで来てもそこには何者の影もなかった。
余裕に躊躇していたという県軍も
賊の勢力に恐れをなしたが
陣を払ってどこかへさってしまったらしいのである。
待て。
驢に乗った精悍な影は
その時も五騎六騎と彼の前後を包囲してきた。
言うまでもなく黄巾賊の小砲小刀もくらである。
驢を持たない徒歩の卒どもは
駒の足に続ききれないで途中であえいでしまったらしいが
二十半をはじめとして騎馬の小砲たち七八騎たちまち追いついて
止まれ。いるぞ。と怒鳴った。
鉄球の鶴を離れた石志は白馬の簡易に突き刺さった。
喉に矢を立てた白馬は竿立に躍り上がって
一声いななくとどうと横ざもに倒れた。
扶養の身も劉備の体もともに大地へ放り捨てられていた。
そのまま扶養は身動きもしなかったが
劉備は立ち上がって
何かと叫んだ。
彼は今日まで自分にそんな大きな精霊があろうとは知らなかった。
百獣もために怯み荒野をのび越して渡るような大活が
口から無意識に出ていたのである。
賊はぎょっとし劉備の大きな目の光に驚き
驢は彼の大活に蹄をすくめて止まった。
だがそれは一瞬。
何を仰にさえ。手向かう気か。
驢を飛び降りた賊は鉄球を捨てて大剣を抜くもあり
槍を回して劉備へいきなり突っかけてくるもあった。
どういうあくびと悪い包囲をたどってきたもんだろうか。
黄河のほとりからここまでの間というものは
劉備はいくたび視線を方向したことか知れない。
これでもかこれでもかと彼をためさんとする百難が
ついついに形を変えて待ち構えているようだった。
もうこれまで。
劉備もついに観念した。
避けようもない賊の包囲だ。
斬り死にせん者と覚悟を決めた。
けど身には寸鉄も帯びていない。
少年時代から片時も離さず持っていた父の片身の剣も
先に賊将の馬元儀に取られてしまった。
劉備はしかしただは死なぬと思い
石ころをつかむが早いか近づく者の顔へ投げつけた。
見くびっていた賊の一名は不意をくらって
あっと花柱を押された。
劉備は飛びついてその槍を奪った。
そして大音に
市民を悩ます害虫どもももはや許しはおかん。
06:00
たっけんの劉備玄徳の腕のほどを見よや。
と言って捨て身になった。
賊の処方を李朱班は笑って
この百姓めがと半月槍を奮ってきた。
もとより劉備はさして武術の達人ではない。
田舎の老僧村で多少の武技の稽古はしたこともあるが
それとて程の知れたもんだ。
武技を磨いて身を立てることよりも
むしろ追って母を養うことのほうがすでに彼の急務であった。
でも必死になって七人の賊を相手に
ややしばらくは一命を支えていたが
そのうちに槍を打ち落とされ
よろめいて倒れたところを李朱班に馬乗りに組み敷かれて
李の大剣はついに彼の胸板に突きつけられた。
おーい
すると
いやさっきからその声は遠くでしていたのだが
献撃の響きで誰の耳にも入らなかったのである。
遥か彼方の野杖から
おーい
待ってくれ
呼ばわる声が近づいてくる。
のび子のようにすごい声は思わず賊の頭を振り向かせた。
両手を振りながら
居立てんとこの辺へかけてくる人影が見える。
その速いことはまるで
疾風に一葉の木の葉が舞ってくるようだった。
だが瞬く間に近づいてきたのを見ると
木の葉どころか身の丈七尺もある大男だった。
やっ
張卒じゃないか。
そうだ
近頃卒の中に入った下っ端の張卒だ。
賊は不審そうに顔を見合わせて言い合った。
自分らの部下の中にいる張卒という一卒だからである。
他の大勢の補卒は
騎馬に追いつけずみんな途中で遅れてしまったのに
張卒だけがたとえ一足遅れたにせよ
このくらいの差で追いついてきたんだから
その脚力にも賊将たちは驚いたに違いなかった。
なんだ張卒。
李朱班は膝の下に劉備の体を押さえつけ
目手に大剣を持ってその胸板に擬しながら振り向いていった。
将宝将宝殺してはいけません。
その人間はわしに渡してください。
何。
誰の命令で貴様はそんなこと言うのか。
卒の張飛の命令です。
はっ馬鹿。張飛は貴様自身じゃないか。
卒の文在で。
という言葉も終わらぬ間にそうのじっていた李朱班の体は
二丁も上の空へ飛んでいった。
一つの張飛がいきなり李朱班をつまみ上げて宙へ投げ飛ばしたので
いやこいつが。
と卒の将宝たちは劉備もそっちの気にして彼へ総係になった。
やい張卒。
なんで貴様は味方の李朱班を投げおったか。
また俺たちのすることを邪魔だってするか。
許さんぞふざけた真似をすると。
党の軍律に照らして成敗してくれる。
それに直れ。
ひしめき夜と張は
はっはっはっはっほえろほえろ。
肝をつぶした野良犬目だが。
なに野良犬だと。
ふんふんそうだ。
その中に一匹でも人間らしいのがおるつもりか。
うーん。
新米の卒の文才で。
わめいた一人が槍諸共踊りかかると張飛は内輪のような大きな手で
09:01
その横顔を張り付ける槍なや
槍をひったくってよろめく尻をしたたかに打ちのめした。
槍の柄はおれ。
撃たれた賊は腰骨が砕けたようにぎゃっともんどり打った。
思わぬ裏切り者が出て賊は狼狽したが
日頃からずぬけた大男の鈍物と小馬鹿にしていた卒なので
その返り気を目に見てもまだ張飛の進化を信じられなかった。
張飛はさながら岩壁のような胸板をそらして
ふん。
まだ来るか。
無駄な命を捨てるよりおとなしく逃げ帰って
皇家の姫と劉備の身は先頃賢女を焼かれて皇家の滅べた時
降参と偽って黄巾族の卒に入っていた張飛という者の手に渡しましたと
有程に報告しておけ。
あ。
では汝は皇家の旧臣だな。
ふん。
今気が付いたか。
こちらは賢女の南門英章徳を務めていた皇家の武士で名は張飛
あざ名は玉徳と申すもんだが
無念やこちらが他県へ公用で留守の間に黄巾族の輩のために賢女を焼かれ
主君は殺され両民は苦しめられ
一夜に城地は焦土と化してしまった。
その無念さ
いかにしても恨みを晴らしてくれ者と身を偽り敗北の兵と化けて
一時そちらどもの賊の中に卒となって隠れていたんだ。
大方馬元義にもまた総大将の強賊張角にもよく申しておけ
いずれかいつかはきっと張飛玉徳が思い知らせてくれるぞと。
雷のような声だった。
ひょうとうかんがん。
張飛がそう言ってくわっとねめつけると
賊の将法らは足もすくんでしまったらしいが
まだ衆を頼んで
さては皇家の残兵だったか
そう聞けば尚のこと生かしておけん
と一度に打ってかかった。
張飛は腰の剣も抜かず
よりつく者を取っては投げた。
投げられた者はみな脳骨を砕き
眼皮を取り出し
瞬くうちに壁血の大地
惨として二度と起き上がる者はなかった。
劉備は呆然と張飛の働きを眺めていた。
遠飛劉備ん。
蹴れば雲を生じ
ほゆれば風が起こるようだった。
なんという豪傑だろう。
残る二三人は
驢に飛びついて逃げ失せたが
張飛は笑って追いもしなかった。
そしてきびすをめがらすと
劉備のほうへ大股に近づいてきて
いや旅の人
えらい目にあいましたな
と何事もなかったような顔をして話しかけた。
そしてすぐ腰に帯びていた
二剣のうちの一つをはずし
また懐から見覚えのある茶の骨棒を取り出して
これはあなたのものでしょう。
賊に取り上げられたあなたの剣と茶壺です。
さあ取っておきなさい
と劉備の手へ渡した。
あ、私のです。
劉備はなくした玉が返ってきたように
剣と茶壺の二品を張飛の手から受け取ると
幾度も感謝をあらわして
すでに命もないところを救っていただいた上に
この大事な二品まで自分の手に戻るとは
なんだか夢のような心地がします。
大人のお名前は先ほど聞きました。
心に銘記しておいて
五音は生涯を忘れません。
と言った。張飛は神戸を振って
いやいや徳は子ならずで
12:00
貴公がそれがしの九州
皇家の姫を救い出してくれた義臣に対して
自分も義を持ってお答え申したのみです。
ちょうど最前
古塔のあたりから白馬に乗って逃げたものがあると
張飛の知らせに
今宵黄巾族の張飛が泊まっていた蚊の寺が
すわと一度に混雑に落ちた隙を伺い
幽黒見ておいた貴公のその二品を
馬元義と李書班の眠っていた内人の団から
素早く奪い返し
御手の卒とともに
これまで掲げてきたものでござる。
貴公の行進と誠実を
自然御手に戻ったものでしょう。
と訳を話した。
張飛が武勇に誇らない謙遜な言葉に
劉備はいよいよ感じて
感銘のあまり二品のうちの剣の方を差し出して
大人
失礼ですがこれはお礼としてあなたに差し上げましょう。
茶は国に待っている母の土産なので
分かつことはできませんが
剣はあなたのような義短の豪傑に
持っていただければ
むしろ剣そのものも本物でしょうから。
と再び張飛の手へ授けていった。
張飛は目を見張って
で、この衆難をそれがしに
賜るとおっしゃるのですか。
劉備の孫子です。
どうか納めておいてください。
自分は根っからの武人ですから
実を言えばこの剣の
世にまるな名刀だということは知っていますから
欲しくてならなかったところです。
けれど同時に貴公とこの剣との
来歴も聞いていましたから
望むに望めないでおりましたが
いや
命の恩人へ報えるにはこれをもってしても
まだ足りません。しかも剣の進化を
そこまで分かっていてくだされば
なおさあ差し上げても張り合いがあり
自分としても満足です。
そうですか。
しかれば他ならぬ品ですから
頂戴しておこう。
と張飛は自身の剣をすぐときつて
渇望の名剣を身に履いて
いかにも嬉しそうであった。
じゃあ早速ですがまだ賊が押し返してくるに決まっている。
それがしは皇家の御足場を建てて
旧種の残兵を集めことを図る考えですが
貴公も一刻も早く
郷里へそしてお帰りなさい。
張飛の言葉に
おおそれでは
と劉備は扶養の身を助けて張飛に託し
自分は賊の捨てた牢を拾ってまたがった。
張飛は
先に自分がときつてた剣を
劉備の腰に履かせてやりながら
こんな剣でも
帯びておいてなされ
まだ宅剣までは数百里もありますから
と言った。
そして張飛自身も扶養の身を抱いて
白馬の上に移り名残惜しげに
いつかまた再会の日もありましょうが
ではご機嫌よく
おおきっとまた会う日を待とう
あなたも分運めでたく
皇家の最高を成し遂げられるように
ありがとう
では
おさらば
劉備の露と扶養を抱えた張飛の白馬とは
相帰り見ながら西と東に別れ去った。
久和の家
1
多久県のローソン村は
個数二三百の生育であったが
春秋は北から南へ
南から北へと流れる旅人の多くが
この宿場で牢をつなぐので
酒を売る規定もあれば呼吸をひく
ひなびた女などもいて相当に賑わっていた。
15:03
この地はまた
大衆劉焉の寮内で
後尉崇正という大官が役所を置いて支配していたが
何分近年の仏場
壮然たる黄匪の徴領に脅かされているので
ローソン村も例に漏れず
夕方になると明るいうちから
村外れの縄文を固く締めて
旅人も居住者も一切の往来は止めてしまった。
縄文の
鉄壁が閉まる時刻は
大陸の災害に真っ赤な太陽が沈みかける頃で
暴漏の役人が六つの壕を叩くのが合図だった。
だからこの辺の住民は
そこの門のことを
六個門と呼んでいたが
今日もまた赤い夕日が
鉄の戸に差し掛ける頃
暴漏の壕がもう二つ三つ四つとなりかけていた。
待ってください
待ってください
彼方から
路を飛ばしてきた一人の旅人は
危うく一足違いで
一夜を縄文の外に明かさなければならない間際だったので
手を挙げながら駆けてきた。
最後のこの一つが鳴ろうとした時
からくも旅人は縄文へついて
お願いいたします
通行をお許しくださいまし
と、牢底で降りて
肩のごとく関門調べを受けた。
役人は旅人の顔を見ると
やあ、お前は劉備じゃないか
と言った。
劉備はここローソン村の住民なので
誰とも顔見知りだった。
そうです
今旅先から帰って参ったところです。
お前なら顔が手形だ
何も調べはいらないが
一体どこへ行ったんだ今度の旅は
また馬鹿に長かったじゃないか
はい、いつもの商用ですが何分
どこへ行っても近頃は工費の横行で
思うように飽きないものできなかったもんですから
ああ、そうだろう
関門を通る旅人も
毎日減るばかりだ。さあ早く通れ
ありがとう存じます
再び路に乗りかけると
ああ、そうそう
お前の母親だろう
よく関門まで来ては今日もまだ息子は帰りませんか
今日も劉備は通りませんかと
夕方になると尋ねに来たんだが
この頃姿は見えんと思ったらわざと寝ているんだぞ
早く帰って顔を見せてやるがいい
では母は留守中に病気で寝ておりますか
劉備はにわかに胸騒ぎを覚え
路を急がせて関門から城内へ駆けた
久しく見ない
街の暮れ色にも目もくれないで
彼は路を家路へ向けた
道幅の狭いそして短い宿場町はすぐ途切れて
道は再び悠長な田園へかかる
ゆるい小川がある
水田がある
秋なのでもう村の人々は狩入れにかかっていた
そしてところどころに見える農家の方へと
他の人影も水牛の影も戻っていく
ああ、我が家が見える
劉備は炉の上から手をかざした
薄づく火の中に黒くポツンと見える一つの屋根と
そして遠方から見ると
まるで大きな社会のように見える桑の木
劉備の生まれた家なのである
どんなに自分をお待ちなされておることやら
思えばわしは紅葉を励むつもりで
実は不幸ばかり重ねているようなもの
母上、すみません
彼の心を知るか路も足を早めて
やがて懐かしい桑の大樹の下までたどり着いた
18:03
2
この桑の大木は何百年を経たものか
村の頃でも知るものはない
靴や蟲籠を作る劉備の家
と聞けば
ああ、あの桑の木の家さと指さすほど
それは村のどこからでも見えた
古老が言うには
ローソンソンという地名も
この桑の木が茂るときは
まるで緑の楼台のように見えるから
この木から起こった村の名かもしれない
とのことであった
それはともかく劉備は今
ようやく帰り着いた我が家の家の裏に
路をつなぐとすぐ
お母さん、今帰りました
玄徳です
玄徳ですよ
と広い家の中へ駆け込むように入っていった
休暇なので家は大きいが
何一つあるではなく
中庭は靴を編んだり蟲籠を織る仕事場になっており
そこも劉備の留守中は職人も通っていないので
荒れたままになっていた
おや、どうしたんだろう
明かりもついていないじゃないか
彼は召使いの老婆と下辺の名を呼び立てた
二人とも返事もない
劉備は舌打ちしながら
お母さん
他母の部屋を叩いた
浴びか
と飛びつくように迎えてくれるであろうと思っていた
母の姿も見えなかった
いや、母の部屋だけにたった一つあった
タンスも寝台も見えなかった
いや、どうしたんだろう
呆然
胸さあげを抱いてたずんでいると
暗い中庭の方でカタンカタンと
蟲籠を織る音がするのであった
おや
廊へ出てみると
そこの仕事場にだけ薄暗い
木陰がたった一つ掲げであった
その日の下に
白髪の母の影が後ろ向きに腰掛けていた
ただ一人で星の下に
後ろを追っているのだった
母は彼が帰ってきたのも
気がついていないらしかった
劉備がすがりつかんばかりに駆け寄って
今帰りました
と顔を見せると
母はびっくりしたように立ってよろめきながら
おお、浴びか
浴びか
ちのみ子でも抱きしめるようにして
何を問うよりも先に
嬉し涙を目にいっぱい溜めたまま
しばしば母は子の肌を
子は母親の懐を愛用して
ぬくめ合うのみであった
縄文の番人に
お前の母親は病気らしいぞと言われて
肝そぞろに帰ってきたんですが
お母さん、どうしてこんな夜露の日より外で
今頃むしろなど追っていらっしゃるのですか
病気
ああ、縄文の番人さんはそう言ったかもしれないね
毎日のように
関門までお前の帰りを見に行っていた私が
この十日ばかりは行かないでいたから
では、ご病気ではないんですか
病気などはしていられないよ
お前
と母は言った
寝台もタンスもありませんが
劉備が問うと
税理が来て持って行ってしまった
コーヒーを討伐するために
年々軍費がかさむというので
今年は途方もなく税が上がり
お前が用意しておいただけでは
間に合わないほどになったんだよ
母親が見えませんが
母親はどうかしましたか
息子がコーヒーの仲間に入っているという
疑いで縛られていった
若いけぼくは
21:01
兵隊に取られていったよ
ああ
すみませんでしたお母さん
劉備は母の足元に
ひれ伏してわびた
3
わびてもわびてもわびたらないほど
劉備は母に対してすまない心地であった
けれども母は
久しぶりに旅から帰ってきた我が子が
そんなに自責に泣き悲しむことは
かえって不便やら気の毒やらで
自分の胸も痛むらしく
あびや泣いて遅れてない
何をあびることがあるもんかね
お前のせいではありはしない
世の中が悪いんだよ
どれアワでも似て久しぶりに
二人して晩のお膳を囲もうね
定めし疲れているだろうに
今湯を沸かしてあげるから
汗でも拭いたがよい
とむしろばたの前から立ちかけた
この機嫌をとってこの罪を責めない
母のあまりな優しさに
劉備はなおさら大愛の姿をぬかづいて
もったいない
私が戻りましたからにはそんなことは
厳徳がいたします
もう不自由はさせません
いいえお前はまた明日から働いておくれ
稼ぎ人だからね
ばあやも下僕もいなくなったんだから
台所のことぐらいは私がしましょうよ
ずつ中そんなことがあろうとは
少しも知らず
つい旅先で長くなって思わぬご苦労をかけました
さあこんな大きな息子がいるんですから
お母さんは部屋へ入って
安らくに寝台で寝ていてください
と言って劉備は無理に母の手を
誘ったが考えてみるとその寝台も
税理に税の代わりに持って行かれて
しまったので母の部屋には身を
横たえるものもなかった
いや寝台やタンスだけではない
それから彼が明かりを持って
台所へ行ってみると鍋もなかった
死後はあの鳥と一匹の牛もいたのであるが
そうした家畜狂いまですべて
領主の軍需と税に挑発されて
寝ほしいものは何も残っていなかった
こんなにまで
領主の軍費も詰まってきたのか
劉備は身の生活を考えるよりも
もっと大きな意味で安坦となった
そしてすぐ
これも後悲の害の一つの
現れだ
どうなるんだろう
世の行く末を思いやると彼は
いよいよ暗い心に閉ざされた
物置を開けて彼は
湯気にする泡や豆の俵を見回した
驚いたことには
多少その中に蓄えておいた穀物も
干し肉も天井に
潰しておいた関西まで綺麗になくなっているのだった
もう母に聞くまでもないこと
彼はまたそこで
暴出していた
すると無理に部屋へ入れて休ませておいた母が
部屋の中で何か小さい物を
通させていった
行ってみると床板を上げて
途中の亀の中からわずかな泡と
植物を取り出している
あ、そんなところに
劉備の声に彼女は振り向いて
浅ましい自分を笑うように
少し隠しておいたんだよ
生きていくだけの物はないと困るからね
世の中は
急転しているのだ
これはもうただ事ではない
何億の人間が生きながらガキと
なりかけているのだ
反対に一部の黄巾族がその血をすすり
肉を喰らって不当な復帰と
あくらすな営業を欲しいままにしているのだ
24:01
アビア
明かりを持っておいでよ
泡が煮えたよ
何もないけれど蓋でして食べればおいしかろう
やがて老いている母は
貧しい宅から子を呼んでいた
4
貧しいながら親子は
久しぶりで共にする晩の食事を楽しんだ
お母さん
明日の朝はきっと喜んでいただけると思います
今度の旅から私は
素晴らしいお土産を持って帰ってきましたから
お土産を
ええ、お母さんの大好きなものです
まあ
何だろうね
生きているうちにもう一度味わってみたいと
いつかおっしゃったことがありましたろう
そう、それですよ
母を楽しませるために
劉備もそれが洛陽の名茶であるということを
しばらく明かさなかった
母は我が子のその気持ちだけでも
もう目を細くして喜んでいるのである
じらされていると知りながら
おりものかい
と聞いた
いいえ、今も言ったとおり味わうもんですよ
じゃあ
食べ物
に近いものです
何じゃろう、わからないよ
あびや、私にそんな好物があるかしら
望んでも望めないものと
諦めの中に忘れておしまいになったんでしょう
一生に一度はと
お母さんが何年か前に言ったことがあるので
私も一生に一度はとお母さんとその望みを叶えてあげたいと
今日まで願望に抱いておりました
まあ
そんなに長年心にかけてかえ
なおさら
わからなくなってしまったよ、あび
一体なんだね、それは
お母さん、実はこれですよ
鈴の小さい茶壺を取り出して
劉備は宅の上に置いた
洛陽の名茶です
お母さんの大好きなお茶です
明日の朝はうんと早起きしましょう
そしてお母さんは
裏の桃園に蒸し籠を敷きなさい
私は楼に乗って
ここから四里ほど先の京村まで行くと
とてもいい清水の湧いているところがありますから
番人に頼んで一桶清水を汲んでいきます
母は目を丸くしたまま
鈴の骨棒を眺めて物も言えなかった
ややしばらくしてから
何か怖いものでも触るようにそっと手に乗せて
壺の横に貼ってある
四線のような文字などを見ていた
そして大きなため息をつきながら
目を息子の顔へ上げて
あびや
お前一体これはどうしたんだい
声まで潜めて
尋ねるのだった
劉備は母が疑いのあまり
案じてはならないと考えて
自分の気持ちやそれを手に入れたことなど
勘で含めるようにして話して聞かせた
民間ではほとんど手に入れ難い品に
間違いないが
自分が求めたのは正当な手続きで
あらがなったんだから少しも懸念をする必要はありません
と付け加えていった
ああお前はなんて優しい子だろう
母は茶壺を置いて
若子の劉備に手を合わせた
劉備は慌てて
あ、お母さんメッソもない
そんなもったいない真似は良してください
ただ喜んでさえ頂ければと手を取った
そうして愛用したまま
劉備は自分の気持ちの報いられた嬉しさに泣き
母はこの行進に
27:00
感動のあまり涙に暮れていた
あくる朝
まだ夜も白まぬうちに起きて
劉備は炉の背に水を共有付け
自分も乗って京村まで
水を汲みに行った
5
もちろん劉備が出かけた頃
彼の母も特に起きていた
母はその間にかまどの下に豆柄を焚いて
朝の稼ぎをしておき
やがて家の裏の方へ出て行った
桑の大木の下を通って裏へ出ると
牛のいない牛小屋があり
鳥のいない鳥小屋があり
何もかも荒れ果てて
一面に秋草が伸びている
だがそこから100歩ほど歩くと
羽うような姿をした果樹が背を並べて
何千坪が一面にそろっていた
それはみんな桃の木であった
秋は葉も落ちて寂しいが
春の花の盛りには
この先の番塔が落下で赤くなるほどだったし
桃の実は町に売り出して
村の家何軒かで分け合って
それが一年の生計の重要なものになった
おお
彼女は一人で出たような声を漏らした
桃園の彼方から日が昇りかけたのだ
金色の日輪は
三寸を噛み破るように
端だけ見えていた
今や何か尊いものが
この世に生まれかけているような感銘を
彼女も受けた
彼女はひざまずいて三礼を施した
子供のことを祈っているらしかった
それから宝器を持った
たくさんの落ち葉が散らかっている
桃園は村の共有なので
日頃誰も掃除などはしない
彼女も一部を這いただけであった
新しい蟲籠をそこへ敷いた
そして一個の泥と茶碗などを運んだ
彼女はもともと
宇治すじょうのいやしくない人の娘であったし
隆家も元来正しい家柄なので
そういう品もどこかに
何十年も使用せずにしまってあった
清掃した桃園に座って
彼女は水を汲みに行った息子が
やがて京村から帰るのを
心静かに待っていた
桃園の梢の海を
秋の小鳥が来て様々な音色をまろばした
日はうらうらと雲を越えて
朝霧はまだ
むらつきばんだまま大陸によどんでいた
わしは幸せ者よ
彼女はこの一朝の満足をもって
死んでもいいような気がした
いやいやそうでないとも思う
一人強くそう思う
あの子の行く末を見届けねば
ふと彼方を見ると
その劉備の姿が近づいてきた
水を汲んで帰ってきたのである
炉に乗って炉の蔵に小さい桶を結びつけて
おうおっかさん
桃園の小道をぬって
劉備はまもなくそこへ来た
そして水桶をおろした
慶尊の水はとてもいい水ですね
定めしこれで茶を煮たらおいしいでしょう
まあご苦労だったね
慶尊の水のことはよく聞いているけれど
あそこはとても怖い谷間だと言うじゃないか
あとでわたしはそれを心配していたよ
なに
道なんかいくら険しくてもなんでもありませんがね
清水には水盤がいまして
なかなかただではあくれません
少しばかり金をやってもらってきました
黄金の水
洛陽のお茶
それにお前の行進
30:01
王侯の母に生まれてもこんないい思いには
めぐりあえないだろうよ
おっかさん
お茶はどこへ置きましたか
ああそうそう
わたしだけがいただいては済まないと思い
ご先祖のお仏壇をあけておいたが
ああそうですか
盗まれたら大変ですすぐ取って参りましょう
劉備は家の方へかけて
宝鐘を抱くように茶壺を捧げてきた
母は泥へ火を起こしていた
その前にひざまずいて劉備が茶壺を差し出すと
その時
何が母の目に映ったのであろうか
母は手を出そうともしないで
劉備の身の回りを改まった瞳でじっと見つめた
劉備は母がにわかに改まって
自分の身なりを見ているので
どうしたのですか
おっかさん
といぶかしげに聞いた
母はいつになく厳粛な様子をつくって
阿備
と声まで常とは違って呼んだ
はい何ですか
お前の履いている剣は
それは誰の剣ですか
私のですが
嘘多い
旅に出る前のものとは違っている
お前の剣はお父さんから片身に頂いた
ご先祖から伝わっている剣のはずです
それをどこへやってしまったのです
はい
はいではありません
片時でも肌身から離してはなりませんぞと
私からもくれぐれ言ってあるはずです
どうしたんだいあの大事な剣は
実はその
劉備はさしうつむいてしまった
母の顔は
いよいよ瞬間に変わっていた
劉備は口こもっているとなお追求して
まさか
手放してしまったのではあるまいね
と念をした
劉備は両手を使えて
申し訳ありません
実は旅から帰る途中あるものに礼として
与えてしまいましたので
と言うと母は
え?人に与えてしまったって
まああの剣を
と顔色を変えた
劉備はそこで黄巾族の一軍に捕まって
人質になったことや
茶壺も剣も取り上げられてしまったことや
それからようやく救われて
族の群れから脱出してきたが
再び追いつかれて
黄匪の順位に落ちすでに
卑怯事にしようとした時
卒の張飛というものが一命を助けてくれたので
嬉しさのままに何か礼を与えようと思ったが
目に持っているものは剣と茶壺しかなかったので
やむなく剣を彼に与えたのです
と坪さんに話して
族に捕まった時も
張卒に助けられた時も
その檻はもう何もいらないという気持ちになっていたのです
けれどこの名茶だけは
命懸けでも持って帰って
お母さんにあげたいと思っていました
剣を手放したのは申し訳ありませんが
そのわけでこの名茶を命から二番目のものとして
持ち帰ったのでございます
剣は先祖伝来のもので
大事なものには違いありませんが
靴やむしろを作って暮らしている間は
張卒からもらったこれでも
決して間に合わないこともありませんから
母の惜しがる気持ちをなだめるつもりで
彼がそう言うと
何を思ったか劉備の母は
33:01
ああわしは
お前のお父様に申し訳がない
亡き両親に顔向けがなりません
わたしはこの育て方を誤った
と同酷して叫んだ
何をおっしゃるんですお母さん
どうしてそんなことを
母の心を汲みかねて
劉備がおろおろと言うと
母は谷庭に目の前にあった鈴の小さなチャツ棒を取り上げ
阿備おいで
ときつい顔して
彼の腕を片手で引っ張った
どこへですお母さん
どこへいらっしゃると言うんですか
彼の母は答えもせず
劉備の腕首を固くつかんだまま
桃園の果てへ駆け出していった
そしてそこの万島川の岸まで来ると
持っていた鈴のチャツ棒を
川の中ほどめがけて
放り捨ててしまった
7
ああなんで
びっくりした劉備は我を忘れて
母の手首をとらえたが
母の手から投げられたチャのツボは
小さいしぶきを見せてもう川の底に沈んでいた
お母さん
お母さん
一体何がお気にさわったんですか
なんでせっかくのチャを川へ捨てておしまいになったんですか
劉備の声は震えていた
母に喜ばれたいばかりに
百難の中を命がけで持ってきたチャであった
母は喜びのあまりに
気が触れたのではあるまいか
何を言うんです騒がしい
母は劉備の手を払った
そして乳のような顔をした
劉備は厳しい母の眉に
思わず後ろへ下がった
生まれてから初めて母にも
怖い姿があることを知った
阿備
お座りなさい
お前がわしを喜ばせるつもりで
はればれ苦労して持っておいてた
チャを川へ捨ててしまった母の心が
わかりますか
わかりませんお母さん
玄徳は愚鈍です
どこが悪い何が気に入らんと
叱ってください
おっしゃってください
いいえ
母は強く頭を振り
勘違いをしてない
母は自分の生きままから
叱るのではありません
大事な権を人手に渡すような
お前を育ててきたことを
私は母としてご先祖にも
死んだお父さんにも
すまなく思う宝です
私が悪い
ございました
お黙り
そんな簡単に聞かれては
母の心がお前にわかっているとは
言えません
私が怒っているのは
お前の心根がいつの間にや
苗しぼんで
ローソーソンの水飲み百姓になりきって
しもうたかと
それが口惜しいのです
残念でならないのです
母は
こう叱るたびに励ましていると
我が声に泣いてしまって
本王の袖を老いの目にあてた
お忘れかよ阿備
お前のお父様もおじい様も
お前のように靴を作りむしろを織り
土民の中に埋もれたまま
お果てなされてはいるけれど
もっともっと先のご先祖を尋ねれば
官の駐山聖王劉将の正しい一筋なんですよ
お前は紛れもなく
京帝の元尊なのです
36:00
この品をひとたびは統一した
帝王の血がお前の体に流れているのです
あの件は
その飲酒と言うてもよいものです
だが
こんなことは滅多に口に出すことではない
なぜならば今の御官の提出は
私たちのご先祖を滅ぼして
立った帝王だからです
京帝の元尊と別れば
とうに私たちの家筋は断ち切られておるでしょう
だからと言うてお前までが
土民になりきってしまってよいものか
私はそんな教育をお前にした覚えはない
ゆりかごに寝て
子守唄をうとうて聞かせた頃から
またこの母が膝に抱いて
眠らせた頃から
お前の耳へ母はご先祖のお心を
血の中へ教え込んだつもりです
時の子のうちは是非もないが
時節が来たら世のために
また官の政党を再興するために
剣を取って候から立たねばならぬぞと
はい
阿備
その剣を人手に渡して
その他は生涯蟲籠を織っている気か
剣よりも茶を大事に思いか
そんな少年の子が求めてきた茶などを
喜んで飲む母と思いか
私は腹が立つ
私はそれが悲しい
と母は慟哭しながら
劉備の襟を捕まえて
赤子を懲らすように接管した
母に討ち据えられたまま
劉備は身動きもしなかった
蝶々と母がぶつたびに
母の大きな愛が骨身にしみ
さんさんと涙が止まらなかった
すみません
母の手をいたわるように
劉備はやがて打つ手を抑えて
自分の額に押しいただいた
私の
考え違いでございました
まったく玄徳の愚かがいたした
落ち度でございます
おっしゃるとおり
玄徳もいつか
土民の中に貧窮しているため
心まで土民になりかけておりました
わかりましたか阿備
そこへ気がつきましたか
ご朝着を受けて
幼少の御訓言が
骨身から呼び起こされてまいりました
大事な剣を失いましたことは
ご先祖へも申し訳ありませんが
ご安心くださいお母さん
玄徳の魂はまだここにございます
するとそれまで老いの手が
しぶれるほどこう打っていた母の手は
屋庭に阿備の体をひしと抱きしめて
おほほ
阿備やではお前にも一生
土民で朽ち果てまいという思う気持ちは
終わりかいまだ忘れないで
私の言葉を魂の中にお持ちかい
なんで忘れましょう
私が忘れても
京帝の玄尊であるこの血液が
忘れるわけはありません
用意なさった阿備よ
それを聞いて母は安心しました
許しておくれ
許しておくれよ
何をなさるんです我が子へ手をついたりして
もったいない
いいえ心まで落ちぶれ果てたかと
悲しみと怒りのあまりお前を朝着したりして
ご恩です
大愛です今のご朝着は
私にとって真の悠久を奮い立たせる
神軍のつづみでございました
ブッダの杖でございました
もし今日のお怒りを見せてくださなければ
玄徳は何を胸に考えていても
お母さんが世にあるうちはと
39:00
卑怯な土民を装っていたかもしれません
いいえそのうちについ年月を過ごして
本当の土民になって朽ち果てて
しまったかもしれません
ではお前何を思ってもこの母が心配するのを
恐れて母が生きているうちは
ただ無事に暮らしていることばかり
願っていたんだね
ああそう聞けばなおさら私の方が
済まない気がします
もう私も腹が決まりました
でなくても今度の旅で
諸州の乱れやら
珈琲の惨害やら地上の民の苦しみを
目の痛むほど見てきたんです
お母さん玄徳が今の世に生まれ出たのは
天上の諸邸から何か
使命を受けて世に出たような気がされます
彼が真実の心を吐くと
彼の母は天地に木刀を捧げて
いつまでも寮の懐根の中に
額を埋めていた
しかしこの日の朝のことは
どこまでも親子二人だけの密かことだった
劉備の家には相変わらず
むしろ綿を織る音が
何事もなげに毎日外へ漏れていた
土民の手荒の者が
職人として雇われてきて
日ごとに中庭の作業場で靴を編み
むしろを煮作りして
それが溜まると城内の市へ持っていって
穀物や布や母の自薬などと
交易してきた
変わったことといえばそれくらいなもので
家の竜宮にある高さ五畳あまりの
桑の大樹に春の鳥が歌い
秋は落葉をして
いつかここに三四年の清掃は過ぎた
すると先春のある日
白いヤギの背に
二個の酒亀を乗せて
それを引いてきた旅の老人が
桑の下に立って一人で何やら
寛嘆していた
誰かの反りと
無断で家の横から中庭へ入ってきた
劉備は母と二人でむしろを織っていた
無断といっても
土塀は崩れたままだし門はないし
通り抜けられてもとがめる訳にも
行かないほどな家ではあったが
おや
振り向いて親子は目を見張った
そこに立った旅の老人よりも
酒亀を背に乗せている
ヤギの毛の切迫な美しさに
すぐ気を取られたのである
ごせいが出るの
老人はなれなれし
むしろ端のそばに腰を下ろし
何か話しかけたい顔だった
おじいさん
どこから来なさったね
大層毛のいいヤギだな
いつまでも黙っているので
帰って劉備から口を切ってやると
老人はさもさも何か感じたように
一人で首を振りながら言った
息子さんかのこの方は
はいと母が答えると
良い子を産みなすったな
わしのヤギも自慢だが
この息子には敵わない
おじいさんはこのヤギを引いて
城内の道へ売りに来なすったのかね
はっはっ
何このヤギは売れない
誰にだって売れないさ
わしの息子だもんな
わしの売り物は酒じゃよ
だが道中で悪者に脅されて
酒は飲まれてしまうだから
亀は二つとも空っぽじゃ
何もない
ではせっかく遠くから来て
お金にも帰られずに帰るんですか
42:01
帰ろうと思ってここまで来たら
偉いものを見たよわしは
何ですか
お宅の桑の木さ
ああ
あれですか
今まで何千人
いや何万人となく村を通る人々が
あの木を見たろうが
誰も何とも言ったものはないかね
別に
そうかな
珍しい木だ
桑でこんな大木はないとは
誰も皆言いますが
じゃあわしが告げよ
あの木は霊木じゃ
この家から必ず鬼神が生まれる
蝶々社外のような枝が皆そう言って
わしへ囁いた
遠くない
この春桑の葉が青々と付く頃になると
いい友達が訪ねてくるよ
高梁が蜘蛛を得たように
それからここの主は恐ろしく身の上が変わってくれ
おじいさんは
駅舎かね
わしは驢の李邸というものさ
と言うて年中ひょひょとしておるから
故郷に居たためしはない
ヤギを引っ張って酒に酔うて
時々市へ行くので
皆が妖仙と言ったりする
妖仙様
じゃあ世間の人は
あなたを仙人と思っているので
はっはっは
迷惑な話さ
何しろ今日は喜ばしい人と話し
珍しい霊木を見た
この子のおっかさん
はい
このヤギをお祝いに献上しよう
おそらくこの子は自分の誕生日も
祝われたことはあるまい
だが今度は祝ってやんなさい
この亀に酒をかい
このヤギを頬振って
血は神壇に捧げ
肉は厚物に煮て
はじめは戯れであろうと仲間笑いながら聞いていたところ
妖仙はほんとにヤギを置いて立ち去ってしまった
置いて
桑の下まで駆け出し
往来を見ましたが
もう姿は見えなかった
共犯風談
1
番桃河の水は赤くなった
龍岸の桃園は高架を引き
夜は眉のような月がかおった
けれどその水にも
詩を読む人を乗せた一層の船もないし
背を引いて商用する
我人の影もなかった
おっかさん
行ってきますよ
ああ行っておいで
何か城内からおいしいものでも買ってきましょうかね
劉備は家を出た
靴やむしろをだいぶ納めてある
城内の鳥屋へ行って
値をとってくる日だった
昼から出ても
用達を済まして日のあるうちに
楽に帰れる道のりなので
劉備は路にも乗らなかった
いつか養成の置いていった柳がよく慣れて
劉備の後についてくるのを
母が後ろで呼び返していた
城内はほこりっぽい
雨が久しくなかったので
靴の裏がぽくぽくする
劉備は鳥屋から銭を受け取って
あうらびかりのしている市の軒並みを見て歩いていた
蓮根の歌詞があった
劉備はそれを少し買いまとめた
けれど少し歩いてから
45:01
蓮根は母の寿命に悪いのじゃないか
と取り替えに戻ろうかと迷っていた
がやがやとたくさんの人が筋に集まっている
いつもそこは
のがもの丸揚げや餅などが売っている場所なので
その混雑かと思っていたが
ふと見ると大勢の頭の上に
たかだかと盾札が見えている
何だろう
彼も好奇に駆られて
人々の間から考察を仰いだ
見ると
あわねく天下に義勇の死を募る
という布告の文であった
黄巾の日
諸州に放棄してより年々の害
鬼畜の毒
惨として創生に成全なし
今にして貴族を忠誠ずんば天下知るべきのみ
大衆流言
遂に市民の急告にふるって
討伐の天候をならさんとす
故に隠れたら候の君子
野に潜むの義人
鬼畜に散ぜよ
近前各種の武勇によって
府に迎えん
宅邸行為
何だねこれは
兵隊を募っているのさ
ああ兵隊か
どうだ主観して言って
人働きしては
俺などはダメだ
武勇も何もない
他の能もないし
誰だってそう能のあるものばっかり集まるもんか
こう書かなくてはいさましくないからだよ
なるほど
憎い甲姫を討つんだ
槍の持ち方がわからないうちは馬の飼い馬を買っても戦の手伝いになる
俺は行く
一人が呟いて去ると
その呟きに決心を固めたように
二人去り三人去り
皆縄文の役所の方へ
力のある足で急いで行った
劉備は時勢の足音を聞いた
民心の赴く後を見た
が連婚の歌詞を手に持ったまま
いつまでも考えていた
誰もいなくなるまで
考察と睨み合って考えていた
ああ
気がついて間が割れそうにそこから離れかけた
すると誰か
擁竜の後ろから
ワゴード待ちさまえ
と呼んだものがあった
さっきから擁竜の下に腰掛けて
道端の酒売りを相手に
こわだかに話していた男のあったことは
劉備も知っていた
自分の様子を横目ででも見ていたのだろうか
二三歩考察から足を退けると
貴公
それを呼んだが
片手に杯を持ち
片手に剣の束を握って不意に立ってきたのである
擁竜の向きより大きな肩幅を
後ろ向きに見ていただけであったが
立ち上がったのを見ると実に見上げるばかりの
異常部であった
突然山が立ったように見えた
私ですか
劉備はさらに改めてその人を見直した
うん
貴公より他にもう誰もいないじゃないか
黒質の髭の中で
ボタンのような口を開いて笑った
声も年頃も
劉備といくつも違う前と思われたが
異常部は髪から顎まで隙間もないように
艶々しい髭をたくわえていた
48:00
読みました
劉備の答えは過言だった
どう読んだな貴公は
と彼の問いは深刻で
その目は軽々として鋭い
うーんさあ
まだ考えているのか
あんなに長い間
考察と睨み合っていながら
ここで語るのを好みません
うん面白い
異常部は酒売りへ
善逸と杯を渡してずかずかと
劉備の側へ寄ってきた
そして劉備の口真似をしながら
ここで語るのを好みません
いや愉快だ
その言葉に俺は真実を聞く
さあどこかへ行こう
劉備は困ったが
とにかく歩きましょう
ここは人目の多い位置ですから
よし歩こう
異常部は葛藤した
劉備は並行して行くのに骨が折れた
あの公共の辺はどうだ
良いでしょう
異常部の指差すところは
町外れの揚流の多い池のほとりだった
虹をかけたような石橋がある
そこから先は廃園であった
何とかいう学者が池を掘って
政権の学校を建てたが
時勢は政権の道と逆行するばかりで
真面目に通ってくる生徒はなかった
学者はそれでも根気よく
石橋に立って道を解いたが
市の住民やわらべは
気狂いだと耳も貸さない
それのみか小賢しい奴だと
石を投げる者もあったりした
学者はいつの間にか
本当の教授になってしまったとみえ
遂には荒ぬことを絶叫して
学園の中をさむやっていたが
そのうちに波水池の中に
哀れ死体となって浮かび上がった
そういう遺跡であった
ここはいい
掛けたまえ
異常部は皇居の石欄へ腰を掛け
劉備にも進めた
劉備はここまで来る間に
異常部の人物をほぼ見ていた
そしてこの人間は偽物でない
と思ったので
ここへ来た時は彼もかなりは
落ち着きと本気を示していた
時に失礼ですが
尊名から先に受けたまわりたいものです
私はここからほど遠くない
ローソン村の住人で
劉備玄徳というものですが
すると異常部は
いきなり劉備の肩を打って
交換
それはもう聞いておるじゃないか
この方の名はってよくご承知のはずだが
と言った
3
え?
私も以前からご存知の方ですって
お忘れかな
異常部は肩をゆすぐって
顎の黒いヒゲをしごいた
無理もない
頬の刀傷で要望も少し変わった
それにここ3、4年はつぶさに
浪人の心酸をなめたからな
貴公とお目にかかった頃には
まだこの袋ヒゲもたくあえてはなかった時じゃ
そう言われても
劉備はまだ思い出せなかったが
ふと異常部の腰に入っている剣を見て
思わずあっと口をすべらせた
あ、あ、恩人
思い出しました
あなたは数年前
私が工場から拓圏の方へ帰ってくる途中
51:01
工費に囲まれてすでに危うかったところを
助けてくれた工家の老子
しかし張飛
よく得とおっしゃったお方ではありませんか
ふん、そうだ
張飛はいきなり腕を伸ばして
劉備の手を握りしめた
その手は鉄のようで
劉備の手を握ってなお腰が余っていた
ふんふん、よく覚えていてくだされた
いかにもそのおりの張飛でござる
格の如くヒゲをたくあえ
要望を変えているのもいない
志を得ずに世の裏に潜んでおるがためです
で、実は貴公にわかるかどうか
試してみたわけで
最善からの無礼はどうか許され
異常ぶは似合わず
礼には扱った
すると劉備はより異常を因義に言った
豪傑
失礼はむしろ私の方にこそ
咎められるべきです
恩人のあなたを見忘れるなどということは
たとえいかに当時とおかわりになっているのせよ
相すまないことです
どうか劉備の罪は許しください
いやあ、ご提唱で恐れいる
ではまあ、お互いとしておこう
時に豪傑
あなた今この県城の町に住んでおるのですか
いや
話せば長いことになるが
いつかも打ち明け申した通り
どうかして黄巾族に奪われた
主家の県城を取り返さむ者と
敏感に隠れては兵を起こし
また敗れては敏感に隠れ
幾度も幾度もことを図ったが
黄匪の勢力は盛んになるばかりで
近頃はもう矢も尽き刀も折れたという格好です
で、先頃からこの宅県に流れてきて
三野の猪を飼って
猪をほふり
それを市に被災で路面を繋いでおるような状態です
お笑いください
ここのところ張飛も
おはうちからした体たらくなので
ああそうですか
少しも知りませんでした
そんなことならなぜローソン村の私の家を訪ねてくれなかったんですか
いや
いつかは一度お目にかかりに
参る心ではいたが
そのおりには是非孫公に
うんと承知してもらいたいことがあるので
その準備がまだこっちにできていないからだ
この劉備にお頼みとは
一体何事ですか
劉君
張飛は鏡のような目をした
乱々とその中に胸中の巨火が燃えているのを
劉備は認めた
孫公はきょう
死で献上の不礼を読まれたであろう
うーん
あの考察ですか
あれを見てどう思われましたか
拘否討伐の兵を募るという文を見て
別にどうといって
何の感じもありません
ない
張飛は切り込むような語気で言った
明らかに激怒の血を顔に動かしてである
けど劉備は
はい
何も思いません
なぜなら私には一人の母がありますから
したがって兵隊に出ようとは思いませんから
水のように冷静に言った
4
秋風が橋の下を吹く
皇居の下には枯葉の葉がカラカラ鳴っていた
びらっとイロハのソヤが飛んだと見えたのは
水を離れた河蝉だった
嘘だ
張飛は静かな話を吐いて
いきなり怒鳴って腰掛けていた
54:01
橋の石欄から突っ立った
劉君
貴公は本心を人に非して
この張飛へも深く包んでおられるな
いやそうだ張飛をご信用なさらんのだ
本心
私の本心は今言ったとおりです
何をあなたに包むものか
しからば貴公は今の天下を眺めて
何の感じも抱かれないのか
皇居の外は見ていますが
小さい貧欲に一人の母さえ養いかねている身には
人は知らず張飛にそんなことをおっしゃっても
張飛はあなたをただの土民と見ることはできん
打ち明けてください
張飛も武士です
他言は断じて痛さぬ男です
困りましたな
どうしても
お答えのしようがありません
偶然として張飛は
黒質の髭を秋風に吹かせていたが
何か思い出したように突然
履いている剣体を解いて
大覚えがあるでしょう
と鞘を握って竜尾の表
横ざまに突きつけていった
これはいつか貴公から
礼にと手前へ賜った剣です
また私から所望した剣であった
だが父将は
いつか孫公に再び巡り合ったら
この品はお手元へ返そうと思っていた
なぜならばこれは張飛のごとき
卑怯が持つ剣ではないからだ
しひぶく戦場でまた戦に敗れて
落ちゆく草枕の目覚めに
幾度となく拙者はこの剣を抜き払ってみた
そしてそのために拙者は剣の声を聞いた
龍君
底元は聞いたことがあるかこの剣の声を
一気して風を立てば剣は
シュシュと鳴くのだ
腰ついて剣刃から帽子まで不行すれば
朧の雲と曲がる光の符は
皆剣の涙として拙者には見える
いや剣は
剣を持つ者へ訴えて言うのだ
いつまで我が身をなすなく
室中に閉じ込めておくぞと
劉備の脳
嘘と思わばその耳に剣の声を聞かそうか
剣の涙を見せようか
あっ
劉備も思わず石欄から腰を立てた
止める間はなかった
張飛は剣を払ってびゅっと秋風を切った
正しく剣の声が走った
しかもその声は劉備の腹音を立つばかり胸を打った
聞かずや
張飛は言いながらまた一振り二振りと
虚空に剣光を描いて
何の声かそも
を叫んだ
そしてなおも答えのない劉備を見ると
もどかしく思ったのか橋の石欄へ
片足を踏みかけて
枯葉の池を望みながら一人行った
あたら
智国愛民の宝剣も
いかにせ持つ人も無き末世と会っては是非もない
例あらば剣も女性
居残りの浪人の腰にあるよりは
むしろ地中に葬って
姉や
剣は皇居の下に投げ捨てられようとした
劉備は驚いて走り寄るなり
彼の腕を支え
五血待ち給えと叫んだ
57:00
張飛はもとよりせっかくの名剣を
泥池に捨ててしまうのは本意ではないから
止められたのを幸いに
何かとわざと身を引いて
劉備の元を待つもののように見守った
まずお待ちなさい
劉備は言葉静かに
張飛の悲壮な顔色を眺めて
真の勇者は
後悔せずと言います
また大治は
蟻の穴よりもるというたとえもある
ゆるゆる話すとしましょう
しかしそっかが偽物でないことは
よく認めました
異常分の真実を
一時でも疑った罪や許してください
おお
風にも耳
水にも目
大治は路傍では語れません
けれど自分は何をつつも
勘の中山性を劉少の行為で
京帝の幻想に当たるものです
何をか好んで靴をつくり
むしろ追って
高校の末期を心なしに見ておりましょうや
と声は小さく
語韻はささやくごとくであったが
凛たる者を家に潜めていい
そしてにこと笑ってみせた
後欠
これ以上もう多言は吐く必要はないでしょう
お寮を見てまた会いましょう
今日は市へ来た出先で遅くなると
母も安じますから
張飛は四字首を突き出して
噛みつきそうな目をしたまま
いつまでも無言だった
これは歓喜余った時にやる彼の癖なのである
それからやがて唸るような息を吐いて
大きな胸をそらしたと思うと
そうだったのか
やはりこの張飛の目には誤りがなかった
いやいつか古塔の上から飛び降りて死んだ
かの労僧の言ったことが今は思い当たる
うーん
貴方は京帝の幻想になったのか
知らん工房の長い清掃の間に
名門名族は泡沫のように消えていくが
血は
行ってきても残されればどこかに伝わっていく
ああありがたい
生きていた甲斐があった
今月今日張飛は会うべきお人に会った
一人ちそう埋めいたかと思うと
彼はにわかに石橋の石の上にひざまずき
剣を奉じて劉備へ行った
涼しんで
剣は尊主へお返しします
これはもともとやつがれの身ぬい吐くものではない
が正しです
貴方はこの剣を受け取られるや否や
この剣を吐くからには
貴方はこの剣とともにある使命もあわせて
吐かねばならんが
劉備は手を伸ばした
何かおごそかな姿だった
受けましょう
剣は彼の手に返った
張飛はいく度も
拝死の礼を繰り返して
ではそのうちにきっと
ローソン村へお尋ねして参るぞ
おおいつでも
劉備は
今まで吐いていた剣と吐きかえて
前のものは張飛へ戻した
それは張飛に救われた
数年前に取り替えたものだったからである
日が
暮れかけてきましたな
じゃあいずれまた
夕闇の中を
劉備は先に足を早めて別れ去った
風に吹かれていく
水色の服は汚れていたが
剣は目に見える黄昏の晩曜の中で
1:00:00
何よりも異彩を放って見えた
身体に持っている貴貧というものは争いのもんだ
どこか貴公子の風がある
張飛は見送りながら
一人皇居の上に立ちくれていたが
やがて我に返った顔をして
そうだ
雲長にも聞かせて早く喜ばしてやろう
とどこともなく駆け出したが
劉備と違ってこれはまた
一陣の風が黒いものとなって
飛んでいくようだった
1989年発行
後断写
吉川英二歴史時代文庫
三国志1
より一部独領
読み終わりです
おー
張飛が出てきましたね
しかも最後雲長に知らせなきゃ
ってことは次関羽が出てくるね
楽しいなこれ読んでて
リクエストしてくれた人ありがとうございます
楽しいねこれ
次回関羽が出てきますやったね
まだ今日は
まだ1時間くらいになったので
今日はこの辺で終わりにしますが
関羽が出てくるぞ
これ長いね
まだ
桃園の地下やってないもんね
ゆっくりたっぷり楽しみましょうか
楽しいですねこれね
ゆるゆるとお付き合いください
そして
寝落ちにもお付き合いください
じゃあ終わりにしていきますか
無事に寝落ちできた方も
最後までお付き合いいただけた方も
大変にお疲れ様でした
といったところで今日のところはこの辺で
また次回お会いしましょう
おやすみなさい
01:01:47

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