リスナーからの悩み:SNSでの比較と落ち込み
ポッドキャスト番組犬からの伝言です。 今回もリスナーさんからいただいたお手紙をご紹介していこうと思います。
前回同様ですねリスナーの皆さんも良い悪いとかはジャッジせずにこういう場合だったら私だったらどう思うかなどうするかなーっていうのをちょっとフォーカスしながら聞いてみていただければ嬉しいなと思います。
ちなみにこの番組ではリスナーさんのプライバシーも考えてお名前は読み上げないようにしていますので皆様も安心して送ってください。
それではお便りを読んでいこうと思います。 ひらたさん、いつも聞いています。ありがとうございます。
トイプードルと暮らして3年になります。 夜、愛犬が遊び疲れて寝てしまった後になんとなく sns を開くのが私の習慣になっています。
そういう人も多いと思います。 そこで同じくらいの月齢の子がドックダンスもバックフリップ、バックテンですね。
バックフリップもできている動画とかを見かけるとうちの愛犬はまだこんなこともできないんだって急に落ち込んでしまいます。
もちろん比べても仕方ないっていうのは頭ではわかっているんですがそれでもつい似たような動画を探して見てしまいます。
しつけの本も何冊か読みましたし sns のトレーニングアカウントもいくつかフォローしているんですけれども
見れば見るほどうちの愛犬が遅れているような気がしていて 愛犬のことはもちろん大好きなんですがこの比べてしまう癖だけはどうしても抜け出せない
というお便りです。 こういう気持ちはどうしたら楽になれるんでしょうかというお手紙ですね。
比較してしまう心理とSNSの仕組み
送ってくださいまして本当にありがとうございます この手の話は正直私自身も心当たりがあるというかですね
トレーナーでもよく聞く話なんですよ 他のトレーナーのトレーニング動画みたいなのについ見入ってしまうことがあるんですよ
だから今日はこのお便りを出発点にじっくりちょっと皆さんで考えていきたいなと思います どうして比べるとこんなにしんどくなるんでしょうか
改めましてK9ハーモニードッグトレーナーの平田順です お便りを送ってくださいまして本当にありがとうございます
いただいたお便りにお答えしつつ今日の終わりには皆さんが比べる相手が変わっていると嬉しいです
それと sns を我慢したり見ないように頑張ったりしなくても楽になる考え方 この2つっていうのをお話ししてみようと思います
sns をやめましょう必要なのは気合ですみたいな話ではないので安心してください
まず比べちゃダメだって思えば思うほどなぜかまた見ちゃう 私の意思が弱いのかなぁと悩む方もいらっしゃるかもしれませんがこれはあなたの意思が
弱いからではないんですよ 人間の脳みそっていうのはもともとそういうふうにできています
例えば想像してみてくださいあなたが初めてのジムで運動をすることになったとします 見たこともない機会がいっぱい並んでて今やっている方法が正しいのか正しくないのか
自分では全くわからないそういう時は人っていうのはだいたい周りを見るんですよね で自分よりうまくやっている人なんとなく使いこなしている人を見て
こうやって使えばいいんだって一つの物差しを作ります これ自体は悪いことじゃなくて人間が昔から持っているごく自然な仕組みなんです
でここにもう一つ大事な事実があります そもそもあなたの愛犬をよその犬と比べること自体に実はほとんど意味がないんです
なぜそう言い切れるかというとここにもちゃんとした理由があります しかも理由はあなたの気の持ちようとかそういう話ではなくて犬っていう生き物の
性質 まあ遺伝そのものに根っこがありますこの後順番にお話をしていこうと思います
まず人間側の話からしていこうと思いますが心理学に社会的比較 っていう考え方があるんですね
1954年にレオンフェスティンガーさんという研究者が言い出したものなんですけど 人って自分が今どれぐらいの状態なのかはっきりした物差しがないとき
つい周りの人と比べて自分に現在地っていうのを作るんですね さっきお話しした初めてのジムの話と同じ仕組みです
でこの中でもちょっと厄介なのが上を見る比較です 自分よりもできている人と比べるパターンですね
これは時々励みにももちろんなるんですよ あの人ができるなら私もできるでしょうっていう感じにもなるんですけど多くの場合は
逆に働きます 自分よりもできている人を見てあ私はまだまだなんだとか
僕はなんてダメなんだとか思い込んでしまって自尊心をじわじわと削っていくんですよ 研究でもこの上を見る比較が続くと不安とか気持ちの落ち込みに繋がりやすい
っていうのははっきりと報告をされています でここにさっきの sns が重なってきます
sns ってもちろんみんなの一番いい瞬間だけが切り取られて並んでいる場所ですよね で完璧なお座り完璧な待てドックダンスだったりとか綺麗なバックフリップだったりとか
つまり上を見る比較っていうのを四六時中 浴びれる装置なんですよ
なので実際 sns をよく使う人ほど 幸福感が下がりやすくてその理由の多くがこの上を見る比較だという研究もあります
だからあなたが sns を見て落ち込むのはあなたが弱いからではなくてそういう仕組みの 上に知らず知らずのうちに乗っかって巻き込まれてしまっている
ということなんですよ でここからが犬の話です
犬と比べることの無意味さ:環境と経験の重要性
さっきよその犬と比べる意味がないというお話をしましたけれどもこれもちゃんとした 根拠があります
犬の性格や今表面に出ている行動が生まれつきの遺伝で決まる割合って まあ大体どのぐらいだと思いますか
これは研究で見ていくと多くて35%ぐらい なんですよ
なので残りの65%以上は全部環境と経験で作られているというふうに言われています さらに言うと研修というくくりだけで説明できる部分はたったの9%しかないんですよ
例えば穴掘りが得意なダックスフンドもあのアナグマを飼ってた習性があるダックスフンドですね 穴掘りが得意なんですけれども何もないところを無意識に掘り起こそうとして引っ掻いているというような
研修由来の特定行動というのも未だに見られます ただこの研修由来の特定行動というのは実は9%程度しかないんです
つまりあなたの愛犬の今の性格今この行動 っていうのは遺伝とか研修というよりはあなたと暮らしてきた
毎日が作ってきたものというのが65%以上を占めています 世界にたった一つしかない組み合わせが大半を占めているということが言えると思います
だからよそのお利口な犬と同じ物差しで測ること自体がそもそも成り立たないんですよ 平均的な犬なんていうのはどこにも存在しません
私自身現場で sns と自分を比べて落ち込んでいる飼い主さんというのにももちろん合います で私がよく言う言葉はあなたが今一緒に過ごしているのは犬じゃなくて
あなたの愛犬あなたの家族なんですよっていうお話をいつもさせていただきます 愛犬家族なんだからドックダンスとかバックフリップでバズらなくても誇っていいじゃない
ですか それ以上に大切な世界でそこにしかない絆というものが目の前にあります
どういうことかというとよその犬を見ている間ってフォーカスは愛犬に当たってないと思うん ですよね
まああのピントがよそに当たっちゃっている状態なのかなと だから主語が愛犬の性格とか愛犬の個性
2人の絆じゃなくて犬っていう主語に置き換わっている状態なんだと思うんですね カメラをやる方だったらわかると思うんですけど
背景にピントがあってて主役がぼやけてるみたいな状態ですね だからもっとあなたの愛犬にフォーカスを当ててあげることっていうのが大事だと思うん
ですね なぜフォーカスを当てる必要があるかというと理由があって
飼い主さんの家庭にはそれぞれの愛し方があって正解は一つじゃありませんこれは僕の 持論です
よその家庭のやり方や本に書いてある正しい書き方をそのまま当てはめる必要は ないんですよ
あなたの愛犬は他のどこのご家庭の犬とも同じじゃないんです もうこの世界でたった1匹あなたと暮らしてきたからこそ
今のこの性格この行動が見えている それは他の家庭で暮らしている犬たちには見られない特別なことというのが大半を
占めています あなたの愛犬も日々向き合っている相手というのはあなたとあなたと過ごすその過程だけ
なんですね sns の向こうの犬でも本に書かれた正しい
犬でもないんです 目の前のあなたと目の前の毎日ただそれだけを見ているんですね
愛犬に焦点を戻す:比べる場所を変える
だとしたらですよ あなたがやることは切り抜かれて寄せ集められたよその犬と見比べて
あうちの子はこれができないうちの子はこれができないこれもできないこれはまだまだ あって足りないところを数え上げることよりも目の前のあなたの愛犬の今日できたこと
というのを見つけてあげるっていうのにフォーカスを当てると他の家庭の犬のことは関係 なくなります
私自身もトレーニングの現場でお客様の犬ができたっていう瞬間はもうめちゃくちゃ褒め ます
その時あの sns の犬がどうとかお隣さん家の方が時間がかからなかったとか そういったものは全く関係ない目の前のこのその瞬間だけを見てるんですね
つまりこれは比べるのをやめるとかという話ではなくて 見る場所を変えましょうという話なんですよ
医師の力とか気合とかっていう話ではありません sns を見ないように気合で我慢するのめちゃめちゃしんどいじゃないですか
で我慢しようとすればするほど余計見たくなっちゃう それがまあ人間だと思うんですよね
だから見ないように頑張るんじゃなくて見る場所そのものを変えるという考え方ですね 愛犬が好きそうなトレーニング探しのツールくらいに流し見をしてスマホの画面から目の前のあなたの
愛犬にフォーカスを愛犬のために見る それだけでいいと思います
さあそれでは最初の質問に戻りましょうどうして比べるとこんなにしんどくなるのか 答えは sns の上を見る比較は仕組みとしてあなたの気持ちを削るようにできている
しかもあなたが比べる相手平均的なお利口な犬なんていうのはそもそもどこにもいないんです あなたは実在しない物差しを使って世界にたった一つのあなたの愛犬を図ろうとしていたんだと思います
だから物差しをちょっと変えてみましょう さっきフォーカスを愛犬に戻すというお話をしましたがそれをもう一歩具体的にすると
比べる相手をよその犬から昨日のあなたの愛犬に変えてみてはいかがでしょうか
昨日よりもちょっとお散歩が落ち着いてできた 昨日よりも少しだけ目が合う時間が長くなった
ご飯を待てる時間がほんの少しだけ伸びた こういう小さな変化だけを見てあげてください
これなぜ昨日なのかというと理由が僕なりにあって よその犬と比べる限りは物差しはあなたの力ではどうにも影響を与えられない外側にあり続けます
でも比べる相手を昨日のあなたの愛犬にすると 物差しはあなたの影響が与えられるあなたと愛犬の内側に移ってくるんですね
なので力の及ばない外の誰かにあなたの気持ちを預けなくて良くなるんです
前回はつい強い声を出してしまうっていうような罪悪感のお手紙もいただきました
今日の比べてしまうというのも僕は根っこが似てるんじゃないかなと思ってて
どちらもやっぱり飼い主さんが自分で自分を追い詰めてしまうような心の癖というか仕組みに乗っかってしまっているものな部分が気がするんですよ
もちろん人間なので自己嫌悪になったりとか こんなはずじゃなかったのにとか理想とは違うとか思うことはあると思います
ただそんな時にはちょっとだけ自分に問いかけてみていただきたいんですけど
私は今何と愛犬を比べてるんだろうというのをちょっと思い出してみてください
もしこの比べている比較対象がよその犬の姿だったらもうそれは比べる相手を
自分の愛犬が昨日からできたことは何だったのか
昨日の愛犬と今の愛犬に切り替えるタイミングだと思います
先ほども言った通り平均的な犬お利口な犬というのはどこにも存在しません
あなたの愛犬はあなたと過ごした毎日が作った世界にたった一つだけの絆です
なので比べる相手はよその犬じゃなくて
昨日のあなたと愛犬の絆の深さというところにフォーカスしてみてはいかがでしょうか
なので今日からできることとしては
今日からできること:愛犬を観察し、誇る
もしSNSでよその犬を見てなんかうーんってもやもやしたら
その時は一旦画面を閉じてください
そして目の前のあなたの愛犬を10秒だけ見てあげてください
それだけでも十分だと思います
今日できていることを一つ見つけましょう
もしくはいつも百発百中でできるお座りでもいいですし
名前を呼んだら目があったでも何でもいいです
もしその場でできたりとかしたら目いっぱい褒めてあげてください
こういうふうに行動に一歩移すと
簡単なことであってもフォーカスがよりはっきりあなたの愛犬に向くと思うんですよね
それが今日見つからない日っていうのもあると思います
それでもいいと思います
落ち込まなくていいと思うんですよね
この見つけようとしたという行動に移したこと自体が
もうフォーカスを愛犬に戻す1個のトレーニングになっていると思います
犬からのメッセージと次回の予告
さあということで最後犬の目線で一つだけお伝えしたいと思います
バズるような芸ができる存在だから犬を飼ったわけではないはずです
お座りなどのしつけはあなたと愛犬の絆を深める相互意志のためです
あなたの愛犬が見ているのはよその犬でもSNSの向こう側でもなくて
ただ目の前のあなただけです
あなたの愛犬はあなたと暮らした毎日が作った世界でたった一つの存在で
比べる物差しなんていうのは最初からどこにもないんです
こんな形でお便りの回答になりましたでしょうか
番組へのご感想や質問はmsg.from.dog.gmail.comまでお待ちしております
messagefromdog.gmail.comまでお待ちしています
今回いただいたお便りのようにもちろんお名前は出しませんので
あまり意気込まずにどうぞ気軽に送ってください
また今回送ってくださった方も改めまして本当にありがとうございます
そして次回のお話です
来週は完璧な飼い主をやめませんかというお話をしたいと思います
ちゃんとやろうとすればやろうとするほどしんどくなってくる
その肩の力の抜き方みたいなのをメンタル的な話ですかね
ちょっと仕上げとしてお話をしたいかなと思います
それでは本日のお散歩お疲れ様でした
気をつけてお帰りください
K9ハーモニードッグトレーナーのひらたじゅんでした