1. 犬からの伝言
  2. 犬の鼻は人間の何万倍──嗅覚の..
犬の鼻は人間の何万倍──嗅覚の科学と、その先にある世界
2026-05-07 17:27

犬の鼻は人間の何万倍──嗅覚の科学と、その先にある世界

ドッグトレーナーのひらたじゅんです。

この番組は、他の人よりも少しだけ犬と話すことが得意な私が、「犬目線」で犬との向き合い方を考えるポッドキャストです。


愛犬が散歩中に地面の匂いを熱心に嗅ぐ姿を見て、「何をそんなに調べているんだろう?」と思ったことはありませんか? 今回のエピソードでは、犬の驚異的な嗅覚の秘密に迫ります。人間の何万倍とも言われるその能力が、どのように愛犬の日常を彩り、さらにはがんの早期発見、災害現場での人命救助、国境の安全確保といった、私たちの社会を支える重要な役割を果たしているのかを、科学的な視点から深掘りします。愛犬の「鼻」が持つ無限の可能性を知り、彼らとの暮らしがより豊かになるヒントを見つけましょう。


🏠 お家でできるチェックポイント

✅ 今日の散歩で1箇所、愛犬が納得するまで匂いを嗅がせてあげる

✅ お家で「どっちの手ゲーム」を試してみる

✅ 草むらで止まった愛犬を見て「何を読んでるんだろう」と考えてみる


🐾 犬からの伝言

世界は匂いで満ちているよ

僕の鼻は君の知らない世界を見せてくれる

一緒に匂いの旅に出よう


📌 note(図解・過去回一覧) ⁠⁠https://note.com/msg_fr_dog⁠⁠

📌 番組へのお便り ⁠⁠msg.from.dog@gmail.com ⁠⁠

📌 X(旧Twitter) ⁠⁠https://x.com/dog_msg

#犬からの伝言

感想

まだ感想はありません。最初の1件を書きましょう!

00:08
愛犬と一緒にお散歩に行くと、ひたすら地面の匂いを嗅いでたりとか、公園で草むらに顔を突っ込んでリードを引っ張っても、もう絶対動かない。
ただの草むらなのに、何がそんな気になるの?って思ったことありませんか? 今日はその答えをお届けしようと思います。
犬の嗅覚がどれだけすごいのか、そしてその能力が、今、癌の発見、災害救助、国境の安全まで、人間の生活のありとあらゆる場面で使われています。
あなたの愛犬の鼻について一緒に考えたいと思います。
ドッグトレーナーのひらたじゅんです。
私がトレーニングの現場でよく話すことの一つに、探索ポイントという言葉があります。
散歩中に犬が匂いを嗅ぐ場所のことなんですけれども、その子にとっての、まあ、SNSチェックのような時間です。
今日はその探索ポイントを支えている、嗅覚の科学と同じ能力が世界でどう使われているのかをお伝えします。
あなたの愛犬の行動の意味が変わって見えてくると思います。
まずは数字からお話をしたいと思うんですけれども、人間の鼻、人間の鼻にある匂いの受容体、これは約600万個と言われています。
犬は、というとブラッドハウンドという犬種で約3億個と言われています。
ただ、この何倍かという数字は、匂いの種類によって全然違います。
文献によると、1000倍から1億倍という幅があります。
ニンニクでは約2000倍の感度、サクサンでは1億倍の感度と、すべての匂いを均一に感じるわけではなくて、匂いの種類によって感知できる濃度の加減が全く異なってくるということですね。
構造の話をすると、犬の球状皮、家具に上に皮と書いて球状皮と言うんですけれども、これは匂いをキャッチする鼻の粘膜部分です。
その面積は人間の約20倍と言われています。
さらに匂いを処理する脳の部位である救急家具に球と書いて救急と言うんですけれども、この救急が人間の約30倍の大きさと言われています。
03:02
もう一つ面白いことがあって、犬は左右の鼻孔で全く異なる神経経路を使い分けているんです。
なじみのない匂いは右の鼻孔で調べます。
向かってみた時に左側の鼻ですね。
慣れ親しんだ匂いは左で嗅ぐと言われています。
向かってみた時の右側の鼻ですね。
なじみのない匂いは右の鼻孔、慣れ親しんだ匂いは左の鼻孔。
探索ポイントで犬が鼻をひくひくさしている時、左右の使い分けにはちゃんと意味があるんです。
さらに犬の鼻には人にはない特別な器官があります。
これはヤコブソン器官、専門的にはジョビキと呼ばれるものです。
場所は口の中、上あご、前歯のすぐ後ろあたりにあります。
いわばもう一つの鼻のようなものですね。
何をしているのかというと、普通の鼻が空気中の匂い分子をキャッチするのに対して、
ヤコブソン器官は主にフェロモンと呼ばれる化学物質を専門に感知しています。
これは脳の中でも普通の嗅覚とは別の経路で処理されています。
相手の性別、繁殖状態、感情の手がかりといった社会的な情報を読み取るのに使われていると考えられています。
あなたの愛犬が他の犬のおしっこを長々と嗅いだ後に、
口を半開きにして歯をカチカチさせていたりとか、舌を上あごに押し当てるような不思議な動きをすることがあると思うんですけれども、
あれはヤコブソン器官にしっかり匂い分子を送り込んでいる時の動きです。
そんな時は、あ、今深く読み込んでいるんだなって思ってみるだけで、
あなたの愛犬の行動が違って見えてくるのではないでしょうか。
ここが今日の第一の発見です。
散歩中に草むらで泊まるのは、その子にとってのSNSの通知を受信している時間です。
人間が視覚で世界を認識しているとすれば、犬は嗅覚で世界を認識しています。
探索ポイントを大切にすることは、その子の精神的な充足に直接つながっているんです。
実際に嗅覚から得た情報で外界を認識している犬にとっては、
匂いを嗅ぐことができない状況は不安につながることが研究でも示されています。
06:02
逆に言えば、嗅ぎ歩ける環境がその子の安定につながります。
なので、特に新しい場所、普段行かない環境では、
匂いを自由に嗅がしてあげる。これが大事になってきます。
ちなみに、散歩中に誰かがおしっこをした匂いを嗅ぐと、どんな情報が得られるのでしょうか。
これはもう皆さん、ネットとか本とか、いろんな情報を見ていると思います。
ただ、中には根拠がないものという情報も多くあります。
根拠があるものとしては、自分の尿か他人の尿か、知り合いなのかどうか、
性別、繁殖状態、あとはメスの場合だったら発情期であるかどうか、
あとは体格、ストレス状態、マーキングがどれぐらい前にされたものなのか。
この辺は根拠があって分かっているものです。
もちろん、近年では研究も進んでいるので、これ以上にかぎ分けている可能性もあります。
ただし、よく見かける社会的な優位性だったりとか、あとは食事の内容、健康状態、年齢が分かるというのは、
科学的にはちょっと疑念が残る部分かなと思います。
とはいえ、これだけの情報を収集して、自分のお散歩コースにどんな動きがあったのかをチェックしている状態ということには変わりません。
まさに我々人間がニュースやSNSで、世界で何が起きているのかをチェックしている時間に似ているんじゃないでしょうか。
この嗅覚の能力が今世界のどんな場面で使われているのか、これが今日一番伝えたいことです。
一つ目は、ガン探知犬です。
犬が人間の血液の匂いを嗅いで、ガン患者の血液特有の匂いを嗅ぎ分けるという研究が進んでいます。
また、2006年にアメリカのパインストリートファウンデーションが発表した研究では、
訓練した犬が肺ガンについて感度・特異性共に99%、乳ガンは感度88%、特異性98%という結果を出しています。
日本でも10年以上の研究の積み重ねで、肺ガンや胃ガン、乳ガンなど15種類以上のガンを嗅ぎ分けることが示されています。
千葉県の立山市にあるガン探知犬育成センターでは、研究と実際の検査が行われています。
山形県では実際にガン探知犬を使った健康診断が実施されています。
09:01
2つ目は災害救助犬です。
地震や土砂崩れで倒壊した建物の下に生き埋めになってしまった人を、犬の嗅覚で探し出します。
人間の呼吸に共通する体臭を追って、コンクリートや土砂の下にいる生存者を感知する訓練を受けています。
2018年の西日本豪雨では、自衛隊の災害救助犬が行方不明者4名の発見に貢献しました。
北海道胆振東部地震では8人、2024年の野党半島地震にも派遣されています。
視覚も機材も届かない場所に鼻だけで入っていける存在、それが犬です。
3つ目は動植物検疫探知犬というものです。
空港に行ったことがある方は見たことがあるかもしれませんが、ビーグル犬が荷物の間をすり抜けて歩いている、あの犬たちですね。
農林水産省の動植物検疫探知犬、
こちらは海外から持ち込まれる肉製品や果物をかぎ分けて、
伝染病が日本に侵入するのを水際で防いでいます。
2005年に成田に初めて導入されて、現在は全国の空港、海港、国際郵便局で約140棟が活躍しています。
探知犬数の約4割がこの犬たちによるものなんです。
キャリーバッグの外側から真空パックされた肉製品を見つけ出すほどの能力を持っています。
4つ目は麻薬探知犬、爆発物探知犬です。
麻薬探知犬は空港や港で荷物に隠された麻薬をかぎ分けます。
爆発探知犬は火薬特有の匂いを覚えて危険物を発見します。
東京オリンピックやG7広島サミットの警備にも訓練を受けた探知犬が使われています。
ここが今日の2つ目の発見です。
散歩中に草むらで探索ポイントを楽しんでいるあの花が、
癌を見つけて生き埋めの人を救って国境の安全を守っているんです。
その能力は特別な犬だけのものではなくて、あなたの愛犬も同じ構造の花を持っているんです。
それでは今日から家でできることをお伝えしたいと思います。
おうち時間の時にぜひ試してみてください。
まずは基本編です。
12:00
どっちの手ゲームというのをご存知でしょうか。
おやつを片方の手に握って両手を犬の前に出します。
どちらの手に入っているかを嗅いで当てさせるゲームで、正解したらおやつを渡す。これだけです。
これがノーズワークの基本形で、
検疫探知犬や麻薬探知犬のトレーニングと同じ原理で成り立っています。
これができるようになったら次は応用編です。
部屋の中でのかくれんぼをしてみましょう。
小さなおやつを部屋のあちこちに隠して探しての合図で見つけてもらいます。
最初は目の前に置いて食べてもらいます。
慣れてきたらソファーの下、本棚の隙間、クッションの後ろ、いろんなところに隠してみてください。
犬も人間も遊んでいるつもりなんですけれども、これは嗅覚を使う本格的な認知運動になります。
他にもタオルをいくつかくるくるまとめて、その中のひとつにだけ中におやつを入れておきます。
ランダムないろんな場所に丸めたタオルを置いておいて、どのタオルの中に入っているか解で探させるゲームです。
これはお家にあるもので今日からできるのでやりやすいと思います。
代わり種の2つ目としてはカップゲームというのがあります。
プラスチックのコップを3つから5つぐらい並べて、ひとつだけにおやつを入れて蓋をします。
どの中におやつが入っているのか匂いを嗅いで当てさせる。
これは競技のノーズワークの入門的な形になります。
代わり種の3つ目としては特定の匂いを覚えさせる。
ラベンダーやカモミールのティーバッグ、ひとつを容器に入れて、これを見つけたらおやつという訓練を繰り返します。
特定の匂いを覚えさせるという点では、ガン探知犬の訓練の入り口と同じ発想になります。
屋外では散歩中に探索ポイントの時間を意識的に作ってあげてください。
例えばこの電柱から次の電柱まで自由に嗅いでいいよと決めてあげる。
そこだけはリードを緩めて好きなだけ嗅がせてあげる。
5分でも十分です。
あなたの愛犬が何を読んでいるのか横に立って一緒に過ごしてみてあげてください。
目安は愛犬の歩く速度が少しゆっくりになる場所です。
ここでは決してリードが張らないように自由に満足するまで匂いを嗅がせてあげましょう。
これをするだけで引っ張り癖が収まる子もいるぐらい満足度の高い報酬になります。
15:01
それでは今日からできること3つご紹介いたします。
1つ目、今日のお散歩で一箇所だけ探索ポイントを作ってあげてみてください。
そこだけは急かさないでその子が納得するまで嗅がせてあげてください。
2つ目、おうち時間ではどっちの手ゲームを一回やってみてください。
10分もあれば十分です。
その子の集中力の変化を見て飽きてきたらもうやめてあげましょう。
3つ目、今日以降草むらで立ち止まったときに、
あーもうまた嗅いでるよじゃなくて、今何を読み取ってるんだろうなって思ってあげてください。
これだけで見え方が変わってきます。
毎日のお散歩であなたの隣で鼻をひくひくさせている。
これもかわいいんですけれども、
ガンを見つけたり生き埋めの人を救ったり国境を守ったり、これも同じ花なんです。
その子が探索ポイントに立ち止まるたびに、
あの花がどれだけのことをしているのか思い出してもらえたら嬉しいです。
それでは本日の犬からの伝言です。
ニオイカギは自分の住んでいる場所の情勢チェック。
必須ではないけどあれば満足度が激変します。
さあ、今日は犬の嗅覚の科学と探知犬たちの世界をお届けしました。
番組へのご質問やご感想は、
メッセージfromdog atmarkgmail.comまでお願いします。
msg.from.dog atmarkgmail.comまでお願いします。
来週は来客に吠える、飛びつくをテーマにしたいと思います。
しつけで起こって直すのではなくて、
なぜそうなるかを理解した上で整え方をお伝えします。
それでは本日もお散歩お疲れ様でした。
お気をつけてお帰りください。
ドックトレーナーのひらたじゅんでした。
17:27

コメント

スクロール