聞き終わった後には愛犬が怖がっている時の小さなシグナルと、
その時に飼い主ができることというのが一つ見つかっていると嬉しいなと思います。
最初に何かを怖がる犬っていうのは全体の中でどれぐらいいるんでしょうか。
2020年にフィンランドのサロネンさんという研究者たちが飼い主さんへのアンケートで犬の怖がりや不安というものを調べています。
対象はおよそ14000頭、犬種でいうと260種類以上です。
さあ一番多かった恐怖の対象物というのは一体何だったでしょうか。
正解は音です。
3割ちょっとの犬が何かしらの音を強く怖がっていたそうです。
研究では音の中でも一番恐怖を感じたのは花火だったそうです。
そして2番目が音以外の怖がりで3割近く、こちらでは他の犬を怖がるというのが一番多かったというふうに書かれています。
つまり音だけでも3頭に1頭くらいは強く怖がっているということですよね。
もちろんこれは犬自身に聞いたわけではなくて飼い主さんへの聞き取りアンケートですしフィンランドでの結果です。
獣環境とか文化交通事情の違う日本の犬にそのまま当てはまるとは限りません。
ただ怖がりは決して珍しいことではないというのは言えると思います。
この研究では年齢による違いというのも見ています。
音以外の怖がりは4歳から8歳の犬で一番多かったそうです。
音への怖がりは年を重ねた犬の方が多かったそうです。
年齢によって怖がるものや怖がり方が変わるということもあるということです。
シーズン6で一生のいろんな時期のお話をしたいと思ったのはここにも理由があります。
もう一つ別の研究を紹介したいと思うんですけれども
2012年にワンサンという研究者たちが犬を飼っている人飼ってない人合わせて2000人余りの人に犬の動画を見てもらっています。
事前に犬の専門家たちが嬉しそうな犬と怖がっている犬に分けておいた動画です。
それを見てこの犬はどんな気持ちだと思うかというのを答えてもらいました。
結果ですが嬉しそうな犬は9割以上の割合で嬉しそうだと見分けられていました。
犬と暮らした経験があってもなくてもほぼ同じです。
ところが怖がっている犬になると話が変わります。
犬と暮らしたことがない人だと怖がっていると答えられたのは3割程度だったそうです。
ちなみに犬の専門家では7割以上が答えられました。
経験が増えれば増えるほど見分けられるようになっていったという結果がここから見て取れます。
ただこれは動画を見ての結果なので実際の場面とは少し違うかもしれないというふうに研究者自身も書いています。
もう一つ面白いのは経験のある人ほど犬の耳をよく見ていたということです。
顔のどこを見るかで見分けやすさが変わるのかもしれません。
それでも嬉しい気持ちは伝わりやすくて怖い気持ちというのは見落とされやすい。
これは私もトレーニングの現場でずっと感じてきたことです。
では私がよく出会う犬が怖いと思う瞬間というのをいくつかご紹介したいと思います。
一つ目は最初にお話しした散歩中に急に止まる場面です。
大きな道路沿いでトラックとかバイクの音に驚いて止まるというのは本当に多いです。
二つ目は家の中の掃除機です。
掃除機に向かって吠えて飛びついて飼い主さんの中にはじゃれて遊んでいると思っていることが多いです。
実は怖がっていることも多々あります。
ここで見ていただきたいのは愛犬が音に反応しているのか動きに反応しているのかです。
電源を入れずにノズルの先だけをゆっくり動かしてみてそれで反応するようなら動きに注目しています。
電源を入れて掃除機は動かさずモーター音に反応するようであれば音に反応しています。
動きがあった場合は掃除機の電源を入れずにゆっくりノズルを動かしながら優しく撫でてあげて徐々に鳴らしていってあげましょう。
音に反応している場合であれば掃除機の音を録音して小さい音から流して鳴らしていきます。
インターホンも録音して小さい音から鳴らせます。
ただ鳴った後に玄関の扉をじっと見続けてしまう場合、これは見ている間は触らずに待ってあげてください。
目線が扉から外れた瞬間、要は録音が外れた瞬間に褒めてあげます。
3つ目は初めてのものや場所です。
例えば傘とかも犬にとっては見慣れないものだと思うんですけれども、
部屋の中の愛犬が自由に近づけて自由に離れられるところにあなたの傘を置いておきます。
その傘に対しての警戒心がなくなってきて落ち着いてきたら、
傘の近くにおやつを置いて少しずつ傘に近づいても大丈夫だよという風に教えていってあげてください。
今度は徐々に徐々に傘を開いてゆっくりと音を立てる、静かに音を立てるという感じで徐々に徐々に強度を上げていきます。
これは床の素材が苦手という子もそうです。
床の素材が苦手な場合は一歩踏み出せば食べられる場所におやつを置いて、愛犬が自分から乗るのを待ちます。
乗れたら2歩3歩とおやつの場所を伸ばしていきます。
全身で乗れたらその上でしか食べられないボーンなどを上げて、ここにいると良いことが起こり続けるという風に覚えてもらいます。
もし苦手そうだったら無理せずにその日は終わりにしてあげてください。
そして4つ目です。
実は現場で一番多いなと感じるのは手を怖がる、いわゆるハンドシャイというものです。
抱っこしようとするとスーって抜けていったりとか後ろに下がってしまったりとか、ハーネスを付けようとすると逃げちゃったりとか。
研究の世界でも触られることへの怖がりは図られていて、シャンプー、ブラッシング、爪切り、病院での診察などが例に挙がっています。
2013年の研究では体の小さい犬種ほどこの触られることへの怖がりというのが高い傾向が出ています。
ただこれは犬種ごとの平均を比べた結果ですので、小さい犬だから必ず触られるのが苦手ということではありません。
なのでそこは安心してください。
抱っこが苦手な子これも多いですね。
まずは愛犬が隣に来ておやつの匂いを嗅がせている間に抱っこのポーズだけ取ります。
お腹の下に手を入れてちょっとだけ持ち上げようとする圧をかけるような感じですね。
この時実際には持ち上げないでください。
で、この手を外したらおやつを食べてもらいましょう。
これを繰り返していって隣に来て抱き上げられる体勢を取られるのは怖くないんだよというのを教えてあげるというのがこのトレーニングの目標になります。