オープニング:主役ではないものが支えるものづくり
どうも、しぶちょーです。
ものづくりnoシテンは、産業機械の現役エンジニアである私、しぶちょーが、
ものづくりに関するトピックを独自の視点で解説する番組です。
最初に一つだけお伝えしておきたいんですけど、この番組は、
AIが原稿を生成して、それを音声化してお届けしている、AIポッドキャストなんですね。
普段のものづくりnoラジオとは別のラインで、最新のニュースをAIに整理してもらって、
そこにしぶちょーシテンを乗っけた台本を読み上げてもらっている、いわば実験的な番組です。
なので、内容にたまに事実と微妙に違うところとか、ニュアンスが本来とちょっとずれてる箇所が混じる可能性があるってのは、
ぜひ頭の片隅に置いておいてほしいんだよね。
気になった情報は、概要欄のリンクから一時ソースを確認してもらえると、より楽しめると思います。
さて今日は、今週分のニュースから、主役じゃないものが一番働いてるっていう視点で繋がる3本を揃えました。
1本目はアメリカのGMの工場で、1個15万円した道具が1万円になった話。
車そのものじゃなくて、車を組むために現場で使うジグを3Dプリンターで作ったら、1つの工場だけで年間に億円浮いちゃった。
2本目は、コンビニの店員さんがメガネをかけて品出しをしてる話。
そのメガネが記録した何気ない手の動きが、ロボットの教科書になろうとしてるのよ。
そして3本目は、電池もコンピュータもエンジンも積んでない、何もしないように設計された人工衛星の話。
それが打ち上げから50年、未だに科学の最前線で働いてる。
道具、何気ない動作、何もしない弾、どれも主役じゃないでしょ。
でも今日の3本、どれもなくなったら全体が止まるものばっかりなんですよ。
それでは早速いきましょう。
GMの工場で3Dプリント治具を導入
じゃあ1本目いきましょう。
1個15万円した道具が1万円になった話です。
アメリカのGM、ゼネラルモーターズの工場でね、
トラックの荷台の後ろの扉、テールゲートを組み付ける時に使う金属製の道具があったのよ。
1個1000、1000ドル、日本円で15万円ちょっと。
それを500個買ったところが数ヶ月で、いくつも壊れちゃった。
500個買って数ヶ月で壊れるって現場としてはたまらないよね。
現場がどうしたかっていうと、同じ役目の道具を3Dプリンターで作り直したの。
1個60ドルから70ドル、1万円くらい。
しかも磁石で固定する構造にしたから、塗装した面に傷がつかなくなった。
安くなった上に前より良くなってるんですよ。
こういう製品そのものじゃなくて、製品を作るために現場で使う道具のことを治具って言います。
部品の位置を決めるやつ、抑えておくやつ、検査で当てるやつ。
お客さんの目には一切触れないし、カタログにも載らない。
でもこれがないと、1分に1台のペースで車は組めないのよ。
GMがすってるのも、位置決め、部品の保持、組み立ての固定、品質検査のゲージ、塗装面の保護、作業者の補助具、怪我防止の道具。
見事に地味なものばっかりなんですね。
9月14日に3Dプリンタメーカーのストラタシスが発表したんだけど、
GMはこの治具の3Dプリントを北米と南米の20を超える工場に広げてる。
ミシガン州のランシングデルタタウンシップ工場っていう、
だいたい1分に1台SUVが出てくる工場があって、
そこだけで年間およそ140万ドル、2億円以上の節約になってるそうです。
EVを作ってるファクトリーゼロっていう工場では、
ロボットアームの先っぽにつけるスイッチのホルダーとか、
搬送装置の安全部品とかを吸ってて、
従来の加工に比べて平均80から90%のコスト削減、
数週間かかってたブラケットが4時間でできる、
安全対策の部品を1日で設計して数百個吸った。
なんて話も出てくる。
いやー私は産業機械の設計が本職だから、
この数字の意味が痛いほどわかるのよ。
ジグってね、図面を書いて、加工屋さんに出して、
待って、届いて、合わなくて、直して、また待つ。
その待つが一番高い。
LINEの改善案が浮かんでも、ジグが来るまで試せないじゃない。
それが4時間になるっていうのは、
安くなった以上に、現場が思いついたその日に試せるようになったってことです。
改善の回転数そのものが変わるのよ。
しかも金属のジグって、壊れたら同じものをまた頼んで、また待つでしょ。
3Dプリントならデータが残ってるから、壊れた瞬間にもう一個擦り始められる。
で、GMが上手いのはここから先でね。
機械と材料をストラタシスで全社統一して、設計のやり方も揃えた。
だから、南米の工場で生まれたジグのデータが、そのまま北米の工場で擦れる。
ジグのデータベースを全社で共有して、月に1回成果を持ち寄る会議までやってる。
製造担当のバイスプレゼントは、投資回収の目標を6ヶ月に置いてて、
今年はその倍のペースで達成できそうだって言ってます。
3Dプリンターの話って、どうしても最終製品を擦る方に目が行くでしょ。
でも本当に効いてるのは、効いてるあなたの職場にもある、あの地味な道具の方なのよね。
主役の製品は1ミリも変わってないのに、脇役を変えただけで年間に億円。
もし現場に高い、遅い、すぐ壊れるジグがあるなら、
その中の1個だけでいいから、机の上の3Dプリンターで置き換えてみてください。
さっきは製品じゃなくて道具の方が効いてたって話だったじゃない。
コンビニ店員の動作をロボットの教科書にする
今度は作業そのものじゃなくて、何気ない動作の方に価値があったって話です。
コンビニの店員さんがメガネをかけて品出しをしている。
棚を見て商品に手を伸ばして掴んで並べる。いつも通りの仕事です。
ところがそのメガネが、店員さんがどこを見てどう手を伸ばしてどう掴んだかを全部記録しているのよ。
そしてそのデータがロボットの先生になる。
KKDDが9月9日に発表した取り組みで、東京高輪のKDTE本社の中にある社員専用のローソンで、
テンポスタルAIグラスをかけてもらって、バックヤードの在庫の出し入れから売り場の陳列や補充まで
作業している本人の目線のデータを集める。ロボット側のカメラから見た映像も一緒に集めるそうです。
こういう本人目線のデータをエゴセントリックデータって呼ぶそうです。
これを使って小ぶりや物流の現場で働くロボットのロボットの土台になるAI基盤モデルを作る。
経済産業省と二堂の国家プロジェクトGEN-ACに採択された研究開発です。
なんでそんなデータがいるのかっていうとね、ロボットにとってコンビニってめちゃくちゃ難しい職場なのよ。
袋菓子みたいに柔らかくて形が一個ずつ違うものを掴む。隣の商品を倒さずに棚の奥に補充する。
商品ごとに大きさも重さも硬さも違うし、棚の高さも並び方も一定じゃない。
工場のラインみたいに同じ部品が同じ向きで流れてくる世界じゃないのよ。
人間は何も考えずにやってるでしょ。
でもその何も考えずにやってる部分こそ、誰もマニュアルに書いてないからロボットに教えようがなかった。
もうAIはネット上の文章を読んで賢くなったけど、ポテチの掴み方はネットのどこにも落ちてないのよね。
だから現場で集める。AIグラスっていうのがまた絶妙でさ。
カメラを店に置くんじゃなくて人の目の高さに乗せるから、視線と手の動きがセットで取れるわけ。
しかも集めた実データを種にしてコンピューターの中に再現したテンポ、デジタルツインの上でいろんな状況をシミュレーションして学習データを増やす。
現実の店だけじゃ集めきれないパターンまで作るわけ。
体制も本気で日本語のAIで知られるELISAとKDED総工研究所が技術を出して、ローソンが現場と運営の知見を出す人型ロボットの本体やベースになるモデルは別の会社のものを使って国内外のロボットで実証を重ねる。
自前で抱え込まずに開かれた仲間づくりでいくっていう宣言なのよ。
2028年度以降にはできた基盤モデルを技術公開して国内の行為や物流に広げる計画です。
背景にあるのは人手不足で2035年には卸売と小売で77万人、物流で23万人、合わせて100万人規模が足りなくなるっていう予測が挙げられてます。
私はE資格を取ってAIの実装もやる側の人間なんだけど、この話で一番グッとくるのはデータの出どころなのよ。
AIの性能って結局はデータで決まる。
で、体を持ったAIに本当にいるデータは研究室じゃなくて現場で毎日働いている人の手の中にあったベテランのなんとなくこう持つが次の世代のロボットの教科書になるってことです。
これ製造業も全く同じだと思うのよね。聞いてるあなたの現場にも誰も言葉にしてないけど全員がやってる動作あるでしょ。
それは今まで当たり前として捨てられてきたけどこれからは一番価値のある資産かもしれない。一度自分の手元の動きを誰かにとってもらって見返してみてください。
何もしない衛星LAGEOSが地球を測る
さあ最後の3本目。道具何気ない動作ときて最後は究極の脇役です。何もしないように設計された人工衛星の話。
今地球の上空5900キロを直径60センチの金属の玉が回ってます。表面はゴルフボールみたいにボコボコしてて見た目はミラーボールそっくり。この衛星、電池がない。
代用電池もない。コンピュータも通信機もエンジンもない。電気で動くが一つも入ってないのよ。それなのに1976年の打ち上げから50年、いまだに現役で科学メディアのテックメディアのハッカデーがこの変わりものを改めて取り上げてました。
名前はラジオス。NASAが1976年5月4日に打ち上げた衛星です。何をしてるかっていうと、地上から撃ったレーザーを来た方向にそのまま跳ね返す。それだけ。
表面のボコボコは全部光をまっすぐ送り主に返す特殊なプリズムで426個ついてる。そのうち422個が赤いガラスで残りの4個だけゲルマニウム製。
地上の観測局はレーザーが行って帰ってくるまでの時間を測る。光の速さは決まってるから時間がわかれば距離がわかる。その精度が数千キロ離れて2.5センチ以内です。
ちょっと想像してみてほしいんだけど、夜の観測所からレーザーが空に伸びて5900キロ先の60センチの球に当たって同じ道を帰ってくる。往復で0.04秒くらい。それを延々と繰り返してるのよ。
これで何がわかるかっていうと、地球そのものなのよ。世界中の観測局から同じ球までの距離を測り続けると観測局同士の位置関係がセンチ単位でわかる。つまり大陸が年に何センチ動いてるかプレートの動きが直接測れる。
地球の形や重力のムラ、時点のふらつき、一般相対性理論の検証にまで使われてきた。1992年にはイタリアが作った2号機も上がってて、ニコノキューで精度をさらに上げてます。
じゃあなんで何も積まなかったのか。ここがものづくり視点で痺れるところでね。この衛星に求められたのはただ一つ、軌道が安定していること。測る側の基準点が勝手に動いたら物差しにならないじゃない。
だから設計者は壊れる可能性のあるものを全部捨てた。その上で直径60センチの球に407キロの重さを詰め込んだ。中身は真鍮の塊で外側がアルミ。小さくて重いと僅かな大気の抵抗や太陽の光のありの圧力に押されにくい。
何もしないっていうのは手抜きじゃなくて、動かない基準点という機能を極限まで突き詰めた結果なんですね。
いやー本当に美しいと思うのよ。私は宇宙は専門外の機械屋だけど、設計って普通機能を足していく仕事でしょ。でも一番長持ちして一番信頼されているのは足すのをやめた設計だった。
壊れる部品がないから壊れない。
当たり前なんだけど、これがなかなかできないのよね。この球、あと800万年くらい軌道に留まる見込みで、中にはカールセイガンがデザインした銘板が入っている。
大昔と今と800万年後の大陸の形が刻んであって、遠い未来にこれを拾った誰かへの手紙になっているそうです。
地味な脇役を磨くものづくり
ジグ、店員さんの手の動き、そして何もしない球。
今日の3本、全部主役じゃないものの話だったじゃない。でもどれもなくなったら全体が止まる。
聞いてるあなたも自分の設計に機能を足したくなった時、一回だけ逆を考えてみてください。
これを引いたらもっと長く働くんじゃないかって。
今日はGMの工場で1個15万円のチグが1万円になった話。
コンビニの店員さんの何気ない動作がロボットの教科書になる話。
そして何もしないように設計された衛星が50年働き続けてる話。
この3本をお届けしました。
並べてみると全部主役じゃないものの話だったのよ。
お客さんの目に触れない道具。
誰もマニュアルに書かなかった手の動き。
機能を1つも積んでない金属の玉。
でもどれもなくなった瞬間に全体が止まる。
ものづくりって光が当たってる製品の周りにこういう地味な脇役が何十倍もあって、
実はそっちの出来で勝負が決まってるんだよね。
だからあなたも自分の仕事の中で一番地味で誰も褒めてくれないものを1つ思い浮かべてみてください。
それが止まったら何が起きるかを想像できたら、
そこがあなたの現場で一番磨く価値のある場所だからね。
というわけで今回はここまでとさせていただきます。
私は技術ブログ支部長技術研究所も運営していますので、
そちらの方もぜひチェックしてください。
Xの方も毎日ものづくりに関する投稿してますのでよろしくお願いします。
ポッドキョストものづくりのラジオの方も毎週土曜日週一で配信中です。
お時間あればぜひ聞いてください。
というわけで今回はここまで。
以上、支部長でした。
ではでは。