オープニング
どうもしぶちょーです。ものづくりnoシテンは、産業機械の現役エンジニアである私。 しぶちょーが、ものづくりに関するトピックを独自の視点で解説する番組です。
最初に一つだけお伝えしておきたいんですけど、この番組はAIが原稿を生成して、それを音声化してお届けしている AIポッドキャストなんですね。
普段のものづくりnoラジオ等は、別のラインで最新のニュースをAIに整理してもらって、そこにしぶちょー視点を乗っけた台本を読み上げてもらっている、いわば実験的な番組です。
なので、内容にたまに事実と微妙に違うところとか、ニュアンスが本来とちょっとずれている箇所が混じる可能性があるっていうのは、ぜひ頭の片隅に置いておいてほしいのよね。
気になった情報は概要欄のリンクから一時ソースを確認してもらえると、より楽しめると思います。
今日は今週分のニュースから、賢さの電気代っていう視点でつながる3本を揃えました。
1本目は、数百円の定番マイコンESP32の上で、個人開発者が本物の言語モデルを動かしちゃった話。
使うメモリはわずか81kBでネット接続もいらない。その切り詰めの設計がとにかく見事なのよ。
2本目は、写したものを何でも別の決まった絵に変えちゃう不思議な鏡の話。
アメリカの大学が作ったんだけど、電源も計算機も一切使ってないのに画像変換ができちゃう。
週やかしを聞くと、これがまた深いのよね。
そして3本目は、2035年にはロボットの食う電気がフランスの原発の発電量に迫るっていうちょっとゾッとする予測の話。
ほとんど電気を使わない知能から国家級の電気を食う知能まで、賢さと電気代の関係をものづくりの目線でたどっていく回です。
それでは早速いきましょう。
数百円のESP32でLLMが動いた——使うメモリは81KB
じゃあ1本目いきましょう。
先週この番組で50年前のパソコンがカセットテープの音でAIを読み込んで喋り出したって話をしたじゃない。
あっちはロマン枠だったんだけど、今週は実用の匂いがプンプンする方です。
数百円で買える定番マイコンESP32の上で外付けの部品を一切足さずに対話できる言語モデルを動かした個人開発者が現れたのよ。
推論に使うメモリはたったの81キロバイト。
クラウドのAIがGPUをずらっと並べて動いているご時世に、電子工作の定番チップ1個でネットにも繋がずAIとおしゃべりできちゃうってわけ。
このESP32ってマイコン、電子工作をやる人なら知らない人はいない土定番でね。
Wi-FiもBluetoothも入って数百円。
自作のIoTデバイスなんてだいたいこいつで作るって意思なのよ。
ただ載ってるメモリは全部で512キロバイト。
言語モデルってのは普通ギガバイト級のメモリを食う代物だから、常識で考えたら千分の一くらい足りない。
無理だと思うじゃない。
で、からくりがまた美しいのよ。
動かすモデルは約520万パラメーターで、いわば専門家チーム方式。
層ごとに16人の専門家が控えていて、入ってきた話題に応じて毎回一人だけを呼び出す仕組みなの。
全員をいっぺんに働かせないから計算もメモリも一気に軽くなるんですね。
実はこの方式最先端の巨大モデルでも主流になりつつある筋の良いやり方でね。
それを個人がマイコンサイズに落とし込んでるのがめちゃくちゃ痛快なのよ。
さらに、モデルの中身の数値は4ビットまで削って1バイトに2個ずつ詰める。
会話の記憶は48トークン分で打ち切って、溢れたら古い話から押し出す。
そういう涙ぐましい切り詰めの積み重ねで、推論中のメモリが81キロバイトに収まってる。
速度は1秒に5トークン前後。
おしゃべりといっても声じゃなくて、画面に文字でぽつりぽつりと返ってくる感じだけど、ちゃんと会話が成立するのよ。
これで食う電気は豆電球にも届かないんだから。
大したもんだよね。
しかもこの開発者、まだ先があってね。
ESP32よりさらに古くて安い、メモリが15キロバイトそこそこしかないESP8266ってチップで動く版まで用意してるの。
ここまで来ると、もう執念よ。
私もE資格を取った時に、深層学習の中身は一通り勉強したんだけど、
量子化にしろ専門家方式にしろ、教科書だとモデルを軽くする技術って一行で流されがちな脇役なのね。
それをここまで極限まで積み上げると、データセンターの技術が数百円の石に降りてくる。
制約がきついほど設計は研ぎ澄まされるっていう、ものづくりの一番おいしいところを見た気分なのよ。
もちろん賢さはスマホで使うAIと比べ物にならないですよ。
語彙も1024種類しかないし、難しい相談相手にはならない。
でもね、ネットに繋がず手元で完結するAIってのは、
応答が早いとか電気代が安いとかだけじゃなくて、
会話の中身が一切外に出ないってことでもあるのよ。
データを外に出せない工場の設備とか、電波の届かない場所で動く機械とか、刺さる場面は確実にある。
設備の中のマイコンが異常の兆候をその場で言葉にして知らせてくれる。
そんな未来の入り口がもう数百円で売ってるというわけです。
うちでもラズベリーパイが自宅サーバーとしてずっと常駐してるんだけど、
ESP32でのAIはまだ試せてないのよね。
コードは全部公開されているので、聞いているあなたも腕に覚えがあればぜひ覗いてみてください。
リンクは概要欄に貼っておきます。
数百円の石でAIが動く時代のその入り口が見えた話でした。
何を映しても別の絵になる鏡——電源も計算機も不使用
じゃあ2本目いきましょう。
さっきのESP32はAIの計算を極限まで切り詰めて手のひらに乗せた話だったじゃない。
でもどれだけ切り詰めても計算してる以上は電気を食う。
じゃあ一層計算そのものを電気ゼロにできないか。
それを大真面目にやってのけたのが、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校CULAの研究チームでね。
映したものを全部別の絵に変えちゃう鏡を作ったのよ。
今月頭に科学誌、ネイチャーの姉妹誌に載ったばかりの研究です。
どういうことか。この鏡の前に手書きの数字をかざすとするじゃない。
普通の鏡なら数字がそのまま映る。
ところがこの鏡に映るのは全然関係ないあらかじめ決められた1枚の絵なの。
数字を変えても服をかざしても動物の写真を見せても出てくるのは毎回同じその絵。
しかも電源もチップも一切なし。ただの板がそれをやってのけるのよ。
いやー初見だと完全に手品でしょう。
種明かしをすると普通の鏡の手前に薄い板が1枚置いてあって、
その表面に光の波長の半分くらいの微細な凹凸が縦横120個ずつ合わせて14400個びっしり並んでる。
光って波だから凹凸を通る度に波のタイミング位相ってやつがほんの少しずつずれるのね。
そのずれ方が絶妙に仕組まれていて反射した光が進むうちに波同士が干渉しあって狙った絵の形へ勝手に組み替わっていく。
計算機で画像処理をしてるんじゃなくて光が反射して飛んでいくっていう物理現象そのものが画像変化になってるってことです。
しかも板の厚み方向は波長の53倍ほど。可視光なら1ミリにも満たない薄さなのよ。
試作は青緑赤の3つの波長でちゃんと動くことが確認されている。
ここが一番痺れるところなんだけど、この凹凸の配置、人間が手で設計したんじゃなくて深層学習で最適化されているの。
つまりAIが働くのは設計の時1回だけ。 答えは板の形として焼き込まれて、あとは光が当たるたびに高速で電気代ゼロで何億回でも変換が走る。
計算のコストを設計時に全部前払いしているわけ。私は機械設計者だからこの発想にはちょっと馴染みがあってね。
昔の機械ってカムっていう部品の輪郭に動きの手順を焼き込んでコンピューターなしで複雑な動作をさせてたのよ。
ミシンとか自動版とかあれ全部そう。この鏡はいわばあのカムの光学版。
気候好きとしてはめちゃくちゃ筋のいい話に見えるのよね。 さらに面白いのが学習に使っていないもの。
落書きでも普通の写真でも何をかざしてもちゃんと例のに揃うってこと。 回転させても位置をずらしてもノイズが乗っても崩れない。
その上一度変換された光からは元の像を原理的に復元できない設計になっている。 ってことはよ例えばカメラの前にこの板を1枚置けば何かが動いたことは
検知できるのに誰が写っていたかは物理的に取り出せない。 プライバシーを材料で保証するセンサーなんてものが作れるかもしれない。
研究チーム自身は防衛や警備エンタメを応用先に挙げてるんだけど 情報の加工をソフトウェアじゃなくて物質にやらせるって方向は妄想が広がるでしょ。
聞いているあなたの仕事の中にも毎回ソフトで計算してるけど 実は形とか材料に任せられる処理が眠ってるかもしれない。
ちょっと探してみてほしいのよね。 計算しない計算機、電気を使わない画像処理。
ものづくりの側から情報の世界を見るとまだこんな手が残ってたのかって話でした。 じゃあ3問目行きましょう。
2035年、ロボットの電気はフランスの原発並みに
ここまでAIをメモリ81ケリベイに切り詰める話、 計算そのものを板に焼き込んで電気ゼロにしちゃう話と賢さを小さく安くする方向で来たじゃない。
ところが視点をグッと引いて世界全体を見ると侵略のことが起きてるのよ。 エネルギー調査会社のウッドマッケンジが新しいレポートを出してて
2035年には世界中のロボットが食う電気が年間363テラワットアワーに達する見込みだっていうの
数字だけ聞いてもピンとこないでしょ。 これアメリカの一般家庭3500万世帯分
フランスの原子力発電諸軍が1年に生み出す電気とほぼ同じ規模なのよ。 いやいや盛りすぎでしょって思うでしょ。
まあ聞いてよ。内訳を見ると結構リアルでね。 まず現時点でも世界の産業用ロボットは年間78テラワットアワー食ってる。
ロンドンの街全体の年間消費の2倍と言われたらもう他人事じゃない規模じゃない。 でその産業用ロボットの稼働台数が今世界に約500万台。
これが2035年には1600万台まで増えるとみられている。 年間の新規設置も10年前は20万台だったのが今は50万台。2032年には100万台を超えるペースなのね。
台数が3倍になれば電気も素直に膨らんでいくわけ。 ここで面白いのがヒューマノイドの扱いなのよ。
人型ロボットって今一番騒がれているジャンルでこのレポートでも年率90%超のえげつない成長率で2035年に
1000万台以上が稼働する予測なの。 じゃ電気も食うんでしょって思うじゃない。
ところが2035年時点のヒューマノイドの消費電力は全体363のうちたったの6テラワットアワー。
主役は完全に工場で黙々と働く産業用ロボットの方なの。 派手な人型に目を奪われがちだけど電力インフラの視点で見ると聞いてくるのは工場の中の話なんですね。
でその工場がどこにあるかっていうとこれが中国一郷でね 産業用ロボットの年間設置台数の7割超ヒューマノイドの展開に至った9割近くが中国。
中国の国家電網電力会社の親玉みたいな組織は今年10億ドルを投じて ai 搭載の自立ロボットを8500台買うって発表している。
総電網の点検をロボットにやらせる。 つまり電気を運ぶインフラをロボットが支えてそのロボットがまた電気を食うという
鳥と卵みたいな構図になってきているのよ。 しかもロボット本体はどんどん安くなっている。
ヒューマノイドの平均価格はこの5年で9割以上下がって58,000ドルぐらい。 めちゃくちゃな下がり方でしょ。
ユニツリーのG1なんて16,000ドル。 軽自動車1台分ぐらいまで来てる。
1日8時間働かせた電気代は年間82ドルって資産でね。 人件費と比べたら5さんみたいなもんでしょ。
それは導入が進むのも当然だよね。 とにかく安くなれば増える。増えれば電気を食う。
産業機械のエンジニアとしてはロボット導入の話で語られるのって。 いつも設置スペースとサイクルタイムと投資回収で電気は正直脇役だったのよ。
でもこの規模になってくると工場の受電設備とか地域の総電網の側が先にボトルネックになりかねない。
聞いているあなたの現場でも設備を入れる段になって電源容量の話が最後に出てきて慌てるみたいなことってあるじゃない。
あの騒ぎが桁違いのスケールで世界中に来るってことです。 だから次にロボットのニュースを見かけたら性能とか価格だけじゃなくてこいつの餌代
電気はどこから来るんだって視点でも眺めてみてください。 AIデータセンターの電力問題は散々騒がれてるけど次の主役は案外工場かもしれないよって話でした。
エンディング
今日は数百円の esp32でメモリ81kBの言語モデルが動いた話、何を映しても同じ絵になる電源いらずの鏡の話、そして2035年にはロボットの電気消費がフランスの原発並みになるっていう予測。
この3本をお届けしました。並べてみるとね全部賢さの電気代をいつどこで払うかって話だったのよ。
マイコンの中で切り詰めて払うのか、板の形に焼き込んで設計時に前払いしちゃうのか、それとも世界中の工場でまとめて払い続けるのか。
知能そのものと同じくらいその置き場所と払い方の設計に価値がある時代になってきたんだよね。 だからあなたも普段クラウドに丸投げしている処理を一つだけ思い浮かべて、これ手元の安い石でできないか
そもそも毎回計算しなくていいんじゃないかって疑ってみてください。 その問いこそがこれからのものづくりの武器になるからね。
というわけで今回はここまでとさせていただきます。 私は技術ブログ支部長技術研究所も運営していますのでそちらの方もぜひチェックしてください。
Xの方も毎日ものづくりに関する投稿してますのでよろしくお願いします。 ポッドキャストものづくり脳ラジオの方も毎週土曜日週1で配信中です。
お時間あればぜひ聞いてください。 というわけで今回はここまで。以上支部長でした。