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2026-03-17 06:13

🌋『北極星』


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00:04
あのー、あなたが夜ふと空を見上げた時に、あそこが北だって教えてくれる絶対的な道しるべってありますよね?
いや、北極星ですね。
そう、北極星です。昔の船乗りたちも、不動の光を頼りに海を渡っていたじゃないですか。
でも今回、あなたから届いた数々の天文学の資料を読み込んでいて、私ちょっとパニックになったんですよ。
あー、パニックですか?
いやだって、あのー、北極星ってずっと同じ星じゃないのって。え?違うの?みたいな。
そうなんですよね。これすごく驚かれることが多いんですけど、私たちが今北極星って呼んでいるあの星は、特定の星の名前じゃないんです。
え?名前じゃない?
はい。時代ごとに天の北極に一番近い星が担当する、いわば役職名みたいなものなんですよ。
役職?じゃあ、今はポラリスっていう星がたまたまそのシフトに入っているだけで、いずれ後退するってことですか?
まさにそういうことです。ただ、星が自分で動いて後退しに来るわけじゃなくて、地球の北極と南極を結ぶ見えない櫛のような地点軸がありますよね。
はい。
あれがずっと同じ方向を指しているわけではないからなんです。
地球の北極が指す方向が変わるってことですか?
その通りです。これは最差運動と呼ばれる現象でして、約2万6千年かけて軸そのものがゆっくりと円を描くように動いているんですよ。
ちょっと待ってください。軸が円を描く。地球自体が傾きながら回っているのは知ってますけど、その傾く方向自体がずれていくってことですか?
なんか想像するだけで目が回りそうというか。
そうですよね。地球って完璧な球体ではなくて、赤道のあたりが遠心力で少し膨らんでいるんです。
はい。なんか楕円っぽいって聞いたことあります。
そこに太陽や月の引力が引っ張る力、つまり小石力が働くことで軸の向きが少しずつブレてしまうんですね。
もしかしてあの子供の頃に休んだ駒と同じですか?
勢いよく回っている駒も回転が落ちてくると軸の先がぐるぐると首を振るように回り始めますよね。
まさにそのイメージです。すごくわかりやすいですね。
地球という巨大な駒が2万6千年かけてゆっくりと首を振っている状態なんです。
なるほど。じゃあ駒の首振り運動のせいで地球の指さす先が変わるから見上げる星も変わるってことか?
そうです。だから昔の人々があれが北だと見ていた星は今のポラリスとは全然違う星だったんですよ。
すごい。じゃあ昔の人たちは別の星を見てたんですね。具体的にどんな星だったんですか?
資料にもありますが壮大な星のバトンリレーが行われていまして、
例えば約5000年前、エジプトでピラミッドが作られていた頃の北極星はリュウジャのトゥバンという星でした。
03:02
ピラミッドの時代はトゥバン。
へー。
そしてさらに下って、先週時代、あのコーシが生きていた時代の北極星はHR4927という星だったんです。
ピラミッドの時代とコーシの時代ですでに違う星だったんだ。
でも今のポラリスみたいにどれも明るくて見つけやすい星だったんですよね。
いや実はそこが面白いところでして、必ずしも明るい星が探教するわけではないんですよ。
え、違うんですか?
はい。ピラミッド時代のトゥバンは4等星ですし、コーシの時代のHR4927に至っては6等星ですから。
ちょっと待って、6等星って今の都会じゃ絶対見えないレベルの暗さですよね?
ええ。肉眼で過労死で見えるかどうかのものすごく暗い星ですね。
そんな見えにくい星を頼れに、古代のエジプト人たちはピラミッドを正確に真北に向けて建てていたんですか?一体どうやって?
不思議ですよね。ただ、現代の私たちには想像しにくいですけど、当時は光害が全くない真っ暗な夜空でしたから、今よりもはるかに多くの星がはっきりと見えていたはずなんです。
ああ、なるほど。街灯とかないですもんね。
ええ。それに彼らは、ただ目立つ星を探したのではなくて、夜空の星々がどの点を中心に回っているかを何世代にも渡って辛抱強く観測し続けたんです。
やきの尊くの話ですね。
はい。その回転の中心にたまたま位置していた暗い星を正確な測量の基準として使ったんですね。
明るさじゃなくて、星々の動きの中心を正確に見極めていたんだ。古代人の観察力と執念、恐るべしですね。じゃあこれからの未来はどうなるんですか?
実は、今から約1万2千年後には、夏の夜空で一際明るく輝く一等星、コトザのベガが北極星のポジションにつくんです。
え?ベガってあの織姫星ですよね?
はい。いわゆる織姫星です。
織姫星が北極星!それはめちゃくちゃ豪華な夜空になりそうですね。いやあ、暗い星が担当する時代もあれば、とびきり明るい星の時代もあると。
そうですね。2万6千年という途方もない時間をかけて、夜空の主役が後退していくわけです。
ほんとにダイナミックですね。私たちが絶対に変わらないものの代名詞みたいに思っていた北極星も、実は地球っていう駒の壮大な首振り運動によって、バトンをつないでいる途中だったんだな。
はい。私たちが固定されていると信じている風景も、宇宙のスケールで見れば常に変化し続けているということです。
いや、面白いです。今夜あなたが北の空を見上げるとき、少し想像してみてください。絶対的な道しるべだと思っていたあの光も、壮大なリレーの今のランナーに過ぎないんですよね。
ええ、その通りですね。
1万年後の未来の人々は、今とは全く違うベガを頼りに旅をしているはずです。その時、彼らはその新しい北極星にどんな狙いを込め、どんな新しい神話を語り継いでいるんでしょうか。あなたもぜひ、そんな未来の星空を思い浮かべてみてくださいね。
06:08
はい。
06:13

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