他の誰かが選ばれていくのを喜べなかった
2026-07-07 46:24

他の誰かが選ばれていくのを喜べなかった

好きだった。憧れていた。
だからこそ、喜べなかった。


第10回は、「好きな人が選ばれていくのを、喜べなかった」をテーマに話しました。


問題提起|この感情も、同時に存在していいんですか
オープニング|未定で結構、へのアンチテーゼ
CHAPTER.1 |最初は、ただ話したかった
CHAPTER.2 |半分祝福で、半分出血
CHAPTER.3 |すっぱいブドウ
CHAPTER.4 | チャンスの前髪を、奪いたかった
CHAPTER.5 |言えないくせに気付いてほしい
CHAPTER.6 | だいすきなPodcastが、毒になった日
CHAPTER.7 |離れたら楽になると思っていた
CHAPTER.8 |僕が 戻った理由
CHAPTER.9 |それでも、応援されたい
今日のまとめ エンディング|次回は、おたより回をやってみます


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サマリー

このエピソードでは、他者の成功や幸福を素直に喜べないという、複雑で「汚い」と感じられる感情について深く掘り下げています。話者は、憧れている相手や好きな相手が選ばれていくのを見て、祝福したい気持ちと同時に、嫉妬や羨望、時には「消えてほしい」というような醜い感情が湧き上がってくる経験を語ります。これらの相反する感情が同時に存在することを認めつつも、その感情の醜さゆえに、自身のポッドキャスト活動から1年間離れた経緯を明かします。才能や魅力を持つ他者への羨望が、自己肯定感の低下や「自分は選ばれない」という劣等感につながり、それがポッドキャストを聞くことさえ苦痛に変えてしまったと振り返ります。しかし、その嫉妬の奥底には、まだ「見つけてほしい」「応援されたい」という諦めきれない願いがあることに気づき、再びマイクの前に戻ってきた理由を語ります。綺麗事ではない、泥まみれで血まみれの自分を受け入れ、その感情を隠さずに表現することで、リスナーにも「自分だけではない」と感じてもらえることを願っています。

問題提起:相反する感情の共存
この感情とこの感情は同時に存在していいと思うんです。 この番組で僕は何度もそんな風に話してきました。
矛盾しててもいい。 相反する感情が同時に存在しててもいい。
好きやけど苦しい。 幸せやったけど傷ついた。
終わったけれどなかったことにはならない。 寂しいけど自由。
一人で大丈夫やけど本物は少しだけ寂しい。 そういう割り切れへんような感情をこの番組ではずっと扱ってきました。
では今から僕が話す感情についても同じように 同時に存在していいと言えるんでしょうか。
祝福しているでも失敗してほしい。
好きでも消えてほしい。 すごいと思う。
でも認めたくない。 応援したい。
でも僕より先に見つからないでほしい。 あの子には才能がある。
それはわかる。 あの子が愛される理由もわかる。
人が集まってくる理由もわかる。 あの子のために誰かが動きたくなる理由もわかる。
わかる。 わかるから余計に腹が立つ。
それは相手を悪者にできないからです。 例えばあの子がもっと嫌な人やったら楽でした。
あいつはずるい。あいつは調子に乗ってる。 あいつは大したことない。
そう思えるのならまだそこに逃げ場があった。 でもそうじゃないんです。ちゃんと面白い。
ちゃんと魅力がある。 ちゃんと愛される理由がある。
「チャンスの前髪」を奪いたかった醜い感情
だからこちらが悪者になるしかない。 僕はあの子が嫌いやったわけではありません。
むしろ好きでした。 憧れてました。
すごいと思ってました。 だからこそ自分の中から出てくる汚い感情が余計に許すことができませんでした。
なんであの子なんやろう。 なんで僕はあんな風になられへんねやろう。
なんであの子のためには人が動くのに僕のためには誰も動いてくれへんねやろう。
なんで僕はこんなに言葉を探して削って整えて誰にも頼まれてないのに自分の傷口開いてそこから何か言葉になりそうなものを拾って並べてまた捨ててもう一度拾ってこれなら誰かに届くかもって何度も何度も考えてんのになんで僕はこんなに見つからへんねやろう。
チャンスの女神は前髪しかないと言います。 通り過ぎたらもう掴まれへん。
だったら僕はあの子が掴んだその前髪をむしり取ってでも欲しかった。 最低なこと言います。
あの子のチャンスの前髪をむしり取ってむさぼってやりたいと思ってました。 僕にもよこせよ。全部持っていくなよ。
僕もここに居るんやけど。僕もずっと手伸ばしてるんですけど。 ねえ、それ僕の分はないんですか?
こんな感情も同時に存在していいんでしょうか。 好きやのに奪いたい。
憧れてるのに壊したい。 応援してるのに僕より先に行かないでほしい。
この感情も 矛盾していてもいいですね。
で、済ませてしまっていい感情なんでしょうか。 済ませてしまってはダメな気がしてるんです。
だって汚いから。 嫉妬という言葉だけでは足りない。
もっと湿ってて、もっと臭くて、 もっと底の方に溜まっていて、祝福のふりをした呪い。
憧れのふりをした恨み。 応援のふりをした飢え。
自分でも見たくないものです。 でも今日はそこを話します。
ポッドキャストから離れた理由:自分の小ささとの対峙
僕が1年間ポッドキャストから離れた理由。 それはポッドキャストが嫌いになったからではありません。
好きやったからです。 大好きやった場所で自分の小ささと汚さと飢えを
見せつけられるのが嫌やったからです。
ハオー あなただけのゲイトもタオ風邸ウルフです。
この番組未定で結構は恋愛、家族、孤独、将来のこと。 生きていく中でまだまだ答えの出ていないことや名前のないモヤモヤを少しずつ言葉にしていくポッドキャストです。
うまくまとまってなくて大丈夫。 結論が出てなくても大丈夫。
未定のままで結構です。 と毎回言ってます。
でも今日はその未定で結構という言葉を僕自身が少しだけ疑っています。
未定で結構。 矛盾していても結構。
整理できてなくても結構。 ほんまに?
ほんまにこれもそれでいい? 人の成功を見て心のどこかで失敗すればいいのにと思ってしまうことも?
好きな相手やのにそのチャンス僕にもよこせよと思ってしまうことも? 笑顔で拍手しながら手のひらから血が出ているような気持ちになることも?
それも同時に存在していいんですか? 今日はそこをできるだけ綺麗にまとめずに話してみたいと思います。
前回は幸せになれなかったんじゃなくてという話をしました。 幸せがなかったのではなく、届いていた幸せを幸せとして受け取れなかったのかもしれない。
そんな話でした。 でも今回は第10回ということもあって
一番今まででみっともない回を作ろうとあえて考えています。 幸せを受け取れなかったではなく、人の幸せが許せなかった。
人の成功が眩しすぎて憎かった。 人の才能を好きやのに好きだからこそ見ていられなかった。
今日は僕がマイクの前から離れた1年間の話です。 そしてその1年間の底にあったかなり汚い感情の話です。
チャプター1 最初はただ話しだかった。
ポッドキャストを始めた頃は僕はもっと単純でした。 シンプルに話したいことがありました。
誰にも話されへんような感情があって、それをどうにか言葉にして誰かに伝えたかった。
誰かに分かってほしいというよりも同じように感じている人が一人でもいるっていう風に思いたかった。
自分の中にあるぐちゃぐちゃしたものをマイクの前で少しずつ解いていく。 それが嬉しかった。
楽しかった。 非難されるんじゃないかって怖かったけど楽しかった。
声は固い。 編集は終わらへん。
撮り終わった音声を聞き返すと、 えーっと
あのーが多すぎて、これはもうポッドキャストというより えーっとあのーの養殖場って感じでした。
超大量豊作。今年もよく育っております。 でもそれでも楽しかったんです。
自分の中に閉じた感情が音声になって外に出ていく。 ただモヤモヤしただけのものが
誰かに届くかもしれへん形になっていく。 誰かの生活のどこかにほんの少しだけ置いてもらえるかもしれへん。
それが嬉しかった。 その頃の僕は多分まだ自分の言葉だけを見ていました。
番組の内容が良いとか悪いとか話し方が上手いとか どうかは別として伸びるかどうかは別として
誰かと比べてどうかではなく自分の中から何が出てくるかというのを見ていた。
でも続けていくうちに少しずつ見ている場所が変わっていきました。 自分の言葉ではなく誰かの背中を見るようになりました。
誰かの番組、誰かの声、誰かの人気、誰かの周りに集まる人、
誰かのために動く人。 あの番組は面白い。
あの人は愛されている。 あの子の言葉は広がっていく。
あの子が何かを言えば周りが反応する。 あの子が困っていれば誰かが助ける。
あの子が何かを始めれば誰かが見に行く。 あの子が笑えばその場が明るくなる。
あの子のためには人が進んで動いてくれる。 じゃあ僕は?
僕が話しているこの言葉は誰の何になっているんやろう。 誰が待ってくれてるんやろう。
誰かが僕の言葉を広げてくれるんやろうか。 誰かが僕のために時間を使ってくれるんやろうか。
誰かが東風邸ウルフの言葉を必要としてるんやろうか。 考えれば考えるほど僕という存在がどんどんどんどん小さく見えました。
一番好きな場所にいるはずやのに、そこで一番自分のことがつまらなく見えた。
ポッドキャストを聞くのも、SNSを見るのも、誰かの盛り上がりを知るのも、だんだん苦しくなりました。
誰かの成功が、そのまま自分への不採用通知みたいに見えてたんです。 あなたは選ばれませんでした。
あなたにはその面白さはありません。 あなたには人を動かす力はありません。
あなたの言葉は、そこまで必要とされてません。 誰もそんなこと言ってへんのに。
全部全部、自分の中で勝手になってた音です。 でもその音がうるさすぎて、僕はマイクの前に座ることができなくなりました。
半分祝福、半分出血:嫉妬の正体
チャプター2 ハンビンシュクフクD ハンビンシュケツ
僕は嫉妬していました。 ここはもう変にきれいに言い換えない方がいいと思ってるんです。
刺激を受けた、ではありません。 悔しかったんです。
うらやましかったんです。 めっちゃ腹立ってたんです。
あの子はすごい、そう思ってました。 でも同時に、なんであの子ばっかりって思ってました。
あの子の何がそんなに人を惹きつけるんやろう。 いや分かる。分かるから腹が立つ。
分からへんかったら、なんであんな人が?って言えたんです。 でもその理由が分かってしまう。
面白い、軽い、明るい、かわいい。
巻き込む力がある。 人が手を貸したくなるような好きもある。
ちゃんと愛される才能がある。 だから辛かった。僕はその人の成功を
ちゃんと、 ちゃんと半分ぐらいは祝福してました。
よかったね。 すごいやん。ほんまにすごいと思う。
本当に心の底からそう思ってました。 でももう半分の心は血が出てました。
半分祝福で半分出血。 拍手している手のひらからは
血がにじんでる感じです。 しかもその血を誰にも見せたくない。
見せたら負けやから。 嫉妬してるってバレたら、自分の小ささがバレるから。
だから笑う。 だから拍手する。
だからすごいね!って言う。 でも心の中では言ってる。
なんであの子なんやろ? なんで僕はああいう風になられへんねやろ?
なんで僕じゃないんやろ? なんで僕のためには誰も動いてくれへんねやろ?
なんで僕はこんなに言葉を探しているのに、 こんなにも誰からも見つからへんねやろ?
好きという感情と嫉妬という感情は同じ箱に入る。 憧れと憎さも同じ場所に置かれる。
祝福と出血は同時に起きる。 僕はこの番組で、愛反する感情が同時に存在しても良い
というふうにこれまでの1話から9話でずっとお話ししてきました。 でもそれはどこかまだ綺麗な感情の話においてはっていうのが
本当にミソだったのかもしれません。 愛していたけど傷ついた。
幸せやったけど苦しかった。 好きやけど離れた。
それは全部全部痛いけどまだ美しい。 でもこれはどう?
祝福はしてるけど失敗してほしい。 好きやけど消えてほしい。
すごいと思うけど絶対に認めたくない。 応援はしてるけど僕より先に遺憾とってほしい。
これはほんまに同時に存在していい感情なんでしょうか? 僕はそこから目を逸らしたかった。
だってこの感情たちを認めたら、僕がほんまに自分は嫌な人間やっていうふうに認めることになるからです。
だからポッドキャストからも目を逸らしたんやと思います。
「選ばれたい」という欲求と他者への憎しみ
僕は長い間自分には面白さが一切ないというふうに思ってました。
もっと瞬発力がある人。 もっと明るく返せる人。
もっと人を笑わせられる人。 もっと場を回せる人。
もっと軽やかに愛される人。 もっと周りがほっておかへん人。
そういう人たちを見るたびに自分の言葉が重く暗く湿っていて面倒くさいものに思いました。
僕の話は長い。 僕の話は暗い。
僕の話はこじれてる。 僕の話は誰かが気軽に、「ねえ聞いてみて!」って言いやすいものではない。
そりゃ広がれへんよね。そりゃ応援もされへんよね。 そりゃ人は集まってけへんよね。
そうやって僕は自分の番組を出す前から何度も何度も殺していました。
でもね、ほんまはね、僕も面白くなりたかったんです。 人を笑わせたかった。
人を惹きつけたかった。 あの人の話また聞きたいって思われたかった。
この人をもっと広めたいって思われたかった。 この人には売れてほしいって思われたかった。
その願いを認めるのが すごく恥ずかしかった。
だってそれって言ってしまえばただ僕は選ばれたかったということやから。
見つけてほしかった。 才能があると言ってほしかった。
あなたの言葉が必要ですって言ってほしかった。 かなり重いです。でも実際そうやったんやと思います。
そしてその欲を認められなかったからすでにそれを持っているように見える人たちが憎らしく見えた。
あの子の前に人が集まるたびに自分の前が空っぽに見えた。
あの子が人を笑わせるたびに自分の言葉が死んでいくように感じた。 あの子のために誰かが動くたびに自分は誰にも必要とされてない気がした。
それは多分全部あの子や この子その子の問題ではありません。
僕の上の問題です。 僕はずっとお腹が空いていました。
認められたい 選ばれたい
応援されたい 必要とされたい
そんな空腹を隠したまま僕は別に平気です お腹なんて空いてませんけどみたいな顔をしていました。
腹ペコの人間が隣のテーブルのご馳走を見ながら 僕別にお腹空いてないしって言ってるようなもんです。
嘘つけ!めっちゃ見てるやん! 皿の枚数まで数えてるやん!ソースの照りまで見てるやん!
誰が取り分けてもらってるかまで見てるやん! 誰が美味しいねって話してるかまで見てるやん!
自分の水の減り具合と隣のグラスに注がれるワインの量まで比べてるやん! そのテーブルに誰が呼ばれて誰が隣に座って誰がまた来てねって言ってるのかまで見てるやん!
僕はそんな感じでした。 欲しくないフリをして誰よりも見てました。
そんないらんわ!っていう顔して、ほんまは全部欲しかった。 面白さも、愛され方も、応援される空気も、誰かが自分のために動いてくれることも、そのテーブルに座ることのできる資格も、全部全部欲しかった。
でもそれを欲しいって言われへんかった。
だから僕は、隣の皿を見ながら、自分の皿が空っぽであることに、勝手に一人で傷ついてました。
チャンスを奪いたかったほどの飢え
チャンスの女神には前髪しかない。そんな言葉があります。 チャンスは通り過ぎた後では掴めない。だから、来た瞬間に掴まなければならない。
わかります。 わかるんですけど、僕にはその前髪がずっと他人の手の中にあるように見えてました。
あの子が掴んだ。あの人が掴んだ。 僕が手を伸ばしても届かへんところで、誰かがもうすでに掴んでしまってる。
そんで、その周りに人が集まって、「よかったね。すごいね。君なら当然やよ。」って言うてる。
僕はそれを、少ーし離れた場所から一人ぼっちで見てる。
拍手しながら、笑いながら、「よかったね。」って言いながら。
でもね、ほんまは少しだけ思ってる。 その前髪、僕にも少しよこせよ。
全部持ってくなよ。 僕だってずっと手を伸ばしてたんですけど。
僕もずっとここにおったんですけど。 僕もそのチャンス欲しかったんですけど。
もっと汚い言い方をすれば、僕はその前髪を奪いたかった。
あの子が掴んだチャンスの前髪をむしり取ってでも欲しかった。
むさぼってでも自分のものにしたかった。
だって食べてしまえば、もう取り出すことはできないでしょ?
最低です。ほんまに最低です。
でも、あの頃の僕はそのくらい飢えてました。
もちろん、ほんまに誰かを傷つけたいわけではありません。
でも、感情としては、そのくらい凶暴で乱暴で醜い感情でした。
そのくらい、あの子ばっかりっていう気持ちがありました。
あの子が努力してないなんて思ったことは一度もありません。
あの子に魅力がないなんて思ったことも一度もありません。
あるのよ。むしろありすぎるのよ。だからきつい。
努力してるのもわかる。才能があるのもわかる。
人に愛される理由もわかる。
だから文句のつけようがないんです。
でもね、それでも思ってしまうんです。
神様、僕にもください。僕にもチャンスをください。
あの子のように、僕にもチャンスをください。
僕はずっとそれを祈っていたのかもしれません。
祈りというには、あまりにも汚い形で
嫉妬という形で
恨みという形で
拗ねという形で
でもその奥にあったのは、たぶんずっと同じものでした。
僕も見つけてほしい。僕も選ばれたい。
僕も誰かに、あなたの言葉が必要ですって言われてみたい。
言えない欲求:気づいてほしいのに言えない
チャプター5 言えないくせに気づいてほしい
当時の僕は、僕のために動いてくれる人なんておらへんって
そんなふうに思ってました。
これはね、かなり拗ねてます。
でも本気でそんなふうに思ってました。
誰々さんのためには人が動く。
誰々さんのためには感想を書く。
誰々さんのためには告知をする。
誰々さんのためには会いに行く。
誰々さんのためにはお金を使う。
誰々さんのためには予定をあける。
誰々さんのためには声をあげる。
でも僕のためには?
僕が何かを出しても、世界は特に動かへん。
僕が頑張っても、別に誰も振り向かへん。
僕がいなくなっても、何にも変わらへん。
そんなふうに思ってました。
そして、そんなふうに思ってしまっている自分がまた、いやでした。
もう恐ろしいぐらいなんてズズズしいんでしょう。
誰かに動いてほしいなんて、誰かに応援してほしいなんて、
自分のために時間を使ってほしいなんて、
一体何様やねんと。
そう思う一方で、それでもやっぱり、誰かに動いてほしいと思ってた。
ただ、聞いておしまいじゃなくて、感想を書いてみてほしかった。
ただ、いいねするだけじゃなくて、誰かに勧めてほしかった。
ただ、見守るだけじゃなくて、この人もっと知られてほしいって言ってほしかった。
こうやって言葉にすると、ほんまにめっちゃ欲深いですね。
でもね、創作とか発信をしている人間の中には、少なからずこういう欲深さがあると思います。
見返りなんていりません。聞いてくれるだけで十分です。
そんなふうに言える日もあります。
でも、ずっとそれだけではおられへんのです。
ほんまは反応がほしい。ほんまは広がってほしい。ほんまは応援してほしい。
ほんまは自分のために誰かが少しだけ無理をしてくれたら、泣くほど嬉しい。
僕はその気持ちを自分で汚いものというふうに思いすぎていました。
だから、応援されている人を見るたびに、自分の中の欲が暴れてしまった。
あの子にはある。僕にはない。
あの子のためには人が動く。僕のためには誰も動かへん。
あの子は持ってる。僕は持ってない。
そうやって自分が持っていないものばかりを数えて、どんどんどんどん自分を嫌いになっていきました。
でも、もっとめんどくさいのはここからです。
僕は応援してと言えませんでした。
聞いてください。感想をください。広めてください。待っていてください。僕の言葉は必要だと言ってください。
そんなこと言えなかったんです。
重いから。恥ずかしいから。負けを認めるみたいだから。
欲しがってる自分を見られたくなかったから。
でも、言わへんくせに言わなくてもわかってほしい。そんなふうに思ってました。
最悪です。応援してとは言わへん。
でも、応援されへんかったら傷つく。
広めてとは言わへん。
でも、広がらへんかったら勧める。
待っててとは言わへん。
でも、待っててくれへんかったら、やっぱり僕は必要ないんや。って思う。
心の当たり屋です。
自分で車道に立っておいて、なんで避けてくれないんですか?って言ってるようなもんです。
でも、実際そうでした。
僕は自分の欲を認められなかった。
だから、応援されてる人を見ると、その欲が嫉妬に変わって、恨みになって、拗ねになって、どんどんどんどん汚く汚れていきました。
ポッドキャストから離れたというよりは、僕はポッドキャストを見ることができなくなっていきました。聞くことができなくなっていきました。
好きな番組を聞くと、胸の中がザワザワする。好きな人の声を聞くと、自分の声が嫌になる。
楽しそうな空気を感じると、自分がそこに入っていかれへん人間のような気がする。
誰かの人気を見て、誰かの反応を見て、誰かの周りに集まる人を見て、自分の何もなさを確認してしまう。
僕は好きだったものを楽しめなくなっていきました。
それが悔しかったです。
本間は好きやのに、本間は聞きたいのに、本間はその場所にいたいのに。
僕の嫉妬が邪魔をする。僕のコンプレックスが邪魔をする。
自分の、「僕だって!」っていう声が、すべてを濁らせていく。
誰かが楽しそうにしているだけで、僕は勝手に傷つく。
誰かが愛されているだけで、僕は勝手に置いていかれる。
誰かが選ばれているだけで、僕は勝手に落選する。
めっちゃしんどいです。しかも誰にも文句を言われへん。
だって、相手が悪くないことを僕はちゃんと理解してるから。
悪いのは、勝手に比べて、勝手に傷ついて、勝手に腐ってる僕っていうことがちゃんとわかってるから。
逃げ場がありません。
怒りの矛先が全部自分に跳ね返ってくる。
だから僕はポッドキャストから離れました。
見なければ比べなくて済む。
聞かなければ傷つかなくて済む。
作らなければ負けを確認しなくて済む。
出さなければ届かなかった現実を見なくて済む。
告知しなければ反応がない寂しさを見なくて済む。
そうやって僕は一番好きあった場所から自分で自分を遠ざけました。
ポッドキャストから離れた理由:好きだからこそ見られなくなった
ポッドキャストが嫌いになったわけじゃありません。
好きやから見られなくなった。
好きやから聞けなくなった。
好きやから自分がそこに届いていないことをこれ以上見たくなかった。
ポッドキャストを聞かない。
SNSを見ない。
収録をしない。
編集をしない。
告知をしない。
そうしたら全て楽になるはずでした。
だって比べなくて済むし、傷つかなくても済む。
自分のつまらなさを見る必要もなくなるし。
でも楽にはなりませんでした。
ずっとどこかで引っかかってました。
本間は話したいことがある。
本間は戻りたい。
本間はもう一度聞いてくださいって言いたい。
本間はまだ終わったことにしたくない。
僕はポッドキャストを諦めたかったのではなく、
諦めたふりをしていただけなのかもしれません。
戻ってきた理由:諦めきれない願い
だって、本間にどうでもよかったら嫉妬なんてしないはずなんですよ。
本間に興味がなければ、誰が聞かれてようが、誰が愛されていようが、どうだっていいはずでしょう。
でもどうでもよくなかった。
悔しいっていうことは、まだ欲しているということなんです。
嫉妬しているということは、まだ諦めてないということなんです。
あの子のようになりたい。
いや、あの子にはなれない。
でも、僕も見つけてほしい。
僕も聞いてほしい。
僕も必要とされたい。
その願いがずっと喉の奥に残ってました。
綺麗な夢ではありません。
かなり泥のついた願いです。
でも、泥がついているからといって、願いそのものが嘘になるわけではない。
僕は、自分の嫉妬の奥に、まだ死に損ないの願いがあることに、少しずつ気がついていきました。
では、なぜ戻ってきたのか。
何か大きな成功があったわけではありません。
急に自信が湧いたわけでもありません。
嫉妬が消えたわけでもありません。
今でも比べます。
今でも数字は気になります。
今でも誰かが眩しく見える日はあります。
あの子はすごいな。
僕は何をしてるんやろ。
そんな風に思う日は、普通にあります。
ありますよ。
ありますとも。
人格が完成したわけじゃないんで。
未定で結構どころか、
情緒も収録スケジュールもだいたい未定です。
でもそれでも戻ってきたのは、たぶんまだ欲しいと思ってるからです。
僕はまだ話したかった。
僕はまだ誰かに見つけて欲しかった。
僕はまだ自分の言葉を負けたことにしたくなかった。
綺麗な理由ではありません。
誰かのためにもう一度話したいと思いました。
みたいな、そんな美しい話だけでは戻ってきたわけじゃないんです。
もちろんね、聞いてくれる人の言葉めっちゃ大切です。
でもそれだけじゃないんです。
僕がまだ諦めたくなかったんです。
僕がまだここにいたかったんです。
僕がまだ東風邸ウルフを終わった存在にしたくなかったんです。
そういう割と自分勝手で身勝手な理由で戻ってきました。
でもね、今はそれでいいのかもしれないなというふうに思ってます。
誰かを救うためとか、誰かに寄り添うためだけに話すなんて、僕はそんな立派な人間ではありません。
自分が救われたいから話してる部分もある。
自分が認められたいから話してる部分だってある。
応援されたいから続けたいっていう部分もある。
チャンスの前髪をまだ掴みたいと思ってる部分だってある。
それでいいのかどうかっていうのは正直まだわかりません。
でも少なくともそれを隠してきれいな顔をしているよりは、まだマシなんちゃうかなって僕は思ってるんです。
「未定で結構」という番組のあり方
僕はあの子のようにはなれない。
あの子のようには笑わせられない。
あの子のように軽くはない。
あの子のようには愛されない。
あの子のようには人を動かせない。
その事実は多分変わりません。
でも僕は東風邸ウルフという存在にはなれる。
僕の言葉は明るくありません。
軽くもありません。
すぐに笑えるようなものでもありません。
でも人が見ないようにしている感情をしつこく見に行くことはできる。
嬉しかったはずやのに苦しい。
応援したいはずやのに悔しい。
幸せやったはずやのに認められへん。
好きだったはずなのに離れてしまう。
祝福しているはずやのに心のどこかで失敗を願ってしまう。
そういう感情の隅っこに、ちょっと待って、ここ何かありますよね?
っていう風に言いに行くことができる。
嫌なやつです。
墓荒らしみたいなもんですね。
心の立ち入り禁止区域に懐中電灯を持って勝手に入ってくるタイプです。
こちら、未処理のシートが腐敗してますね。
もう帰れ!ほんまに。
でもそれがこの番組なんかもしれません。
綺麗にまとめない。
正解にもしない。
救いにもしない。
感動にもしない。
汚いなら汚いまま置いてみる。
そのままでは人に見せられへん感情を少しだけ人前に出してみる。
それを見た誰かが、
あ、自分だけじゃないんやって思えるなら、
この汚さにも少しだけ意味があるのかもしれません。
応援されたいという素直な願い
ここまで話してきて、最後にまた恥ずかしいこと言います。
僕は応援されたいです。
この未定で結構という番組を聞いてほしいです。
これからも続けて聞いてほしいです。
面白いって思ってもらったら誰かに勧めてほしいです。
感想だってほしいです。
お便りだってほしいです。
更新がないときは待っててほしいです。
また1年ぐらい休むようなことがあったら、
戻ってきてくれてよかったって言ってほしいです。
あなたの言葉が必要やって、少しでいいから思ってほしいです。
重いですね。
でももういいんです。重いです。
この番組はそういう番組です。
僕はずっと応援されたいと言えないくせに、応援されないと傷つく人間でした。
広めてほしいと言われへんくせに、広がらへんと拗ねる人間でした。
待っててって言われへんくせに、待っててくれへんかったら、
やっぱり僕は必要ないんですねと思う人間でした。
めんどくさいです。ほんまにめんどくさい。
でもそういう自分を隠してると、またいつか詰まる気がしてるんです。
だから今日は言います。
応援してほしいです。聞いてほしいです。
この番組を一緒に存在させ続けてほしいです。
ポッドキャストは一人で撮れます。一人で編集もできます。一人で配信もできます。
でも一人ぼっちでは続かないんです。
聞いてくれる人がいる。待ってくれてる人がいる。何かを感じてくれる人がいる。
その気配があるからマイクの前に戻ってこられるんです。
僕は自分のために動いてくれる人はいないというふうにこの1年間思ってました。
でも再生ボタンを押してくれた人がおった。
最後まで聞いてみようとしてくれた人がおった。
感想をポストしてくれた人がおった。
戻ってきて嬉しいと言ってくれた人がおった。
それを小さい応援というふうにさまつなものとして扱っていたのは、僕の方やったのかもしれません。
大きな応援だけを応援と呼んで、小さな応援を受け取れなかった。
でも今はその小さな応援をちゃんと受け取りたいんです。
そして応援したい、欲しいと思っている自分ももう少しだけ許してあげたいんです。
リスナーへの問いかけ:あなたにも心から祝福できない人はいますか?
ここまで聞いてくださっているあなたにも聞いてみたいです。
あなたには心から祝福できなかった誰かがいますか?
好きなのに羨ましかった人。
すごいと思っているのに見ていると自分がみじめに思える人。
応援したいのに、でも僕は?と思ってしまわがいて。
その人のテーブルを見ないふりしながら、ほんまはずっと見てたことはありませんか?
皿の枚数を数えて、ソースの照りを見て、
誰が取り分けてもらっているかを見て、
誰と誰がおいしいねって話しているか見て、
自分は欲しくないしっていうふりしながら、ほんまはずっと欲しかったものはありませんか?
誰かが掴んだチャンスの前髪を見て、ほんまは、
それ、僕だって掴みたかったって思ったことはありませんか?
その感情は全部きれいとは言えないかもしれません。
たぶん誰にも見せたくないと思います。
自分でも認めたくないと思います。
でも、その嫉妬の奥には、
あなたが本当は欲しかったものがあるのかもしれません。
選ばれたかった。見つけて欲しかった。
愛されたかった。応援されたかった。
自分にもチャンスが欲しかった。
その願いを、今すぐきれいにする必要はないと思います。
泥だらけでいい。汚いままでいい。
情けないままでもいい。
整理されてなくてもいい。
ただ、なかったことにしなくてもいい。
だって、この番組は未定で結構なので。
まとめ:泥まみれの願いと共に
と、今日は言い切るのが少し怖いです。
でもね、たぶん怖いまま言うしかないんやと思います。
この感情も同時に存在していいのかもしれません。
きれいではないけれど、そして正しくもないのかもしれへんけど、
それでも、この世に生まれてきて存在してしまったものとして。
ということで、今回は、
僕が1年間ポッドキャストを離れた理由みたいな話をしてみました。
僕はポッドキャストが嫌いになったから離れたのではありません。
好きやったから離れました。
好きだった場所で自分の小ささを見せつけられるのが辛かった。
あの子のように面白いこと言ってみたかった。
人を惹きつけられるような力が欲しかった。
自分のために団結してくれる仲間が欲しかった。
応援してくれる人が欲しかった。
必要とされてみたかった。
あの子が掴んだチャンスの前髪を、僕も少し掴んでみたかった。
でも、それを認めるのが恥ずかしくて、
嫉妬してる自分を見たくなくて、僕はマイクの前から離れました。
今でもその感情が全部なくなったわけではありません。
今でも比べます。今でもめっちゃ嫉妬します。
今でも誰かの眩しさに勝手に傷つく日があります。
でも、その嫉妬の奥にはまだ諦めきれてない願いがありました。
僕はまだ話したかった。
自分の言葉を負けた言葉にしたくなかった。
だから戻ってきました。
綺麗に戻ってきたわけではありません。
泥だらけのまま、血だらけのまま、拗ねたままです。
まだたぶん腐ったままです。
でもね、そのまま戻ってきました。
でね、こんななんか重たい、長い話をした回なんですけど、
次回予告:お便り回
10回目節目ということで、
ちょっとね、これまでね、実はね、1から5回は、
現在から未定を考える。
で、6話から10話は、過去から未定を考える。
っていう風なテーマでやってたんですけど、
次回はね、少し形を変えて、
お便り回をやってみようかなという風に思っています。
これまでにいただいているお便りの中から、
いくつかをピックアップして、
未定のまま一緒に考えていきます。
そしてですね、収録自体はですね、
今日が配信火曜日で、
たぶん土曜日ぐらいまで、
配信収録する時間があるので、
水木金の間にお便りいただければ、
その中からさらにピックアップしたものも出てくるかと思うので、
もしよかったらお便り何でもいいので書いてみてください。
恋愛のこと、家族のこと、孤独のこと、仕事のこと、将来のこと、
誰かに嫉妬してしまうこと、
ほんまは応援してほしいのにそれを言われへんかったこと、
人の幸せを喜ばれへんこと、
ほんまは欲しかったのにいらないふりをしていたもの、
誰かのチャンスを見て自分の中がぐちゃぐちゃになったこと、
誰にも言われへんけど心の中でずっと腐らせてること、
全部全部全部、この1話から10話まで通して感じたことがあれば、
きれいにまとまってなくて大丈夫です。
一度送ってみてください。
むしろきれいにせずに送ってください。
ちゃんとした相談文にしなくていいです。
結論もいらないです。反省もいらない。
いい人のふりだっていらないです。
ぐっちゃぐちゃのまま送ってください。
こちらで勝手に一緒にぐちゃぐちゃします。
あなたの未定をこの番組に少しだけ預けてもらえたら嬉しいです。
ここまで聞いてくださってありがとうございました。
もし今日の話を聞いてまたこの番組聞いてみたいかもと思ってくださった方は、
ぜひフォローをお願いします。
感想やお便りもそっと送ってもらえたら嬉しいです。
あなたの1回の再生や何気ない一言が、
僕がもう一度マイクの前に座る理由になっていきます。
それではまた次回。
今回のお相手はあなただけのゲイとも豆腐でウルフでした。
さいちーん。
46:24

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