AIブームと原子力の意外な関係
みなさん、こんにちは。 米国株投資の耳よりの話へようこそ。
よろしくお願いします。
いやあ、毎日厳しい暑さが続いていますよね。本当に。
そうですね。外に出るだけで溶けちゃいそうです。
ですよね。なので、リスナーのあなたも涼しい部屋でリラックスしながら、あるいは移動中の耳のお供として、ぜひ最後まで楽しんでいってくださいね。
はい。リラックスしてお楽しみいただければと。
さて、今日のテーマなんですが、次世代原子力企業オクロの最新決算、2026年第二四半期について、がっつり深掘りしていきたいと思います。
おお、オクロですか。今、テクノロジーとエネルギーの交差点で間違いなく最も重要なプレイヤーの一つになっていますよね。
そうなんですよ。AIブームに乗っていろんな銘柄が話題になる中で、え?なんで今さら原子力?って、リスナーのあなたも不思議に思っているかもしれません。
ええ、よくそういう声は聞きますね。
ですよね。だって巨大テック企業って、2030年までにカーボンゼロとか小枝化に宣言してるじゃないですか。
はい、グリーンな未来を約束してますよね。
なのに、AI革命のトップランナーたちが、今何十億ドルもの資金をこの原子力に投じていると、これ一見すると完全に矛盾しているように見えるんですよ。
確かに、一昔前の感覚だと矛盾して見えますよね。でも今日はこの奥路の決算を紐解いていくと、その理由がはっきりわかると思います。
そうなんです。なぜAI社会の未来が原子力の最低限にかかっているのか、その辺りを探っていきたいと思います。
非常にエキサイティングなテーマですね。AIの進化と電力の限界っていう、今世界が直面している最大のジレンマへの答えがここにあるかもしれない。
オクロのSMR技術:液体ナトリウムと燃料の革新
まずは基本的なところからおさらいしたいんですが、奥路ってSMR、つまり小型モジュール炉を作っている会社ですよね。
はい、そうです。出力が300メガワット以下の比較的小規模な原子力ですね。
でも奥路って単に今までの原発を小さくしただけの会社じゃないんですよね。
全然違います。彼らは原子炉の冷却方法と使っている燃料そのものを根本から変えようとしているんです。
そこなんですよ。他のSMRと決定的に違う部分って具体的に何なんでしょうか。
最大の違いは原子炉を冷やすための媒体なんです。
媒体ですか。
はい。従来の巨大な原子力発電所って基本的に水を使って炉心を冷却しているんですね。
水が一番ポピュラーというか普通ですよね。
そうですね。でも奥路のオーロラっていうモデルは水じゃなくて液体ナトリウムっていう液体金属を使っているんです。
ちょっと待ってください。水の方が安全で扱いやすい気がするんですけど、なんでわざわざ液体金属なんか使うんですか。
そこにはですね、すごくシンプルな物理法則が関係していまして。
物理法則ですか。
水って100度で沸騰して水蒸気になりますよね。
はい。お湯を沸かすのと同じですよね。
でも原子炉の中ってものすごい高温になるので水を使うと膨大な水蒸気が発生してものすごい圧力がかかるんですよ。
あーなるほど。
その恐ろしい圧力を抑え込んで絶対に放射性物質を外に出さないようにするために従来の原発には厚さ数メートルの鋼鉄とコンクリートでできた巨大な高圧容器とか格納容器が必要になるんです。
あーだから原発ってあんな巨大な要塞みたいな見た目になってるんですね。
そういうことです。
つまり例えるなら圧力鍋みたいなものですかね。水を200度とかまで加熱しようと思ったら分厚くて頑丈な金属の蓋でガチガチに密閉しないと爆発しちゃうから。
まさにその通りです。圧力鍋ですね。
じゃあ液体ナトリウムだと何が違うんですか。あの天ぷら油みたいな感じですか。
その天ぷら油の火は完璧ですよ。
本当ですか。やった。
はい。油って200度に熱しても沸騰せずに鍋の中で静かにしてますよね。
確かに。水みたいにボコボコ水蒸気が出たりはしないですね。
ええ。液体ナトリウムも同じで沸点が約900度と非常に高いんです。だから原子炉が高温になっても沸騰しないんですよ。
じゃあ通常の空気の圧力、大気圧のままで運転できるってことですか。
そうなんです。恐ろしい圧力がかからないので巨大な高圧容器が一切不要になるんですよ。
ああなるほど。だからオクロの原子炉ってよくあるSF映画みたいなドーム型の要塞じゃなくてスタイリッシュなAフレーム型の山小屋みたいなデザインなんですね。
ええ。データセンターの隣にポンと置けるくらい建屋そのものを劇的に小型化してシンプルにできるんです。
従来の原発が何年もかけて現地で建てる巨大な特殊なタワーマンションだとしたら、
はい。
SMRは工場で作って運んでくる最新設備のモジュール式スマートハウスみたいなイメージですね。
まさにそれです。工場で部品を大量生産して現地で組み立てられるので工期もコストも大幅に削減できるんですよ。
いや、リスナーのあなたの近所に設けちゃうくらいコンパクトってことですよね。
そういう未来も十分にありえますね。
とはいえですよ。やっぱり一番気になるのは安全性じゃないですか。
もちろんです。そこは一番重要ですね。
もしも大地震とかテロがあって施設が完全に停電しちゃったらどうなるんですか?
外部の電源とか冷却ポンプが止まっても自然に冷えるなんてこと、物理的に可能なんですか?
メルトダウンしないのかってことですよね。
そうですそうです。それが一番怖いです。
そこで効いてくるのが受動的安全性パッシブセーフティと呼ばれる設計思想なんです。
パッシブセーフティ?
ええ。実は液体金属って水よりも熱を伝える力がはるかに高いんですよ。
へえ、そうなんですね。
なので万が一全ての電源が喪失してもポンプとかの機械を使わずに温かい液体は上に上がって冷たい液体は下に下がるっていう自然帯流の法則だけで。
お風呂のお湯みたいな感じですね。
そうそう。その自然法則だけで炉心の熱が金属を通じて勝手に外へ逃げていくように設計されているんです。
つまり物理法則そのものが冷却システムとして機能するってことですか?
そうなんです。人間の操作とか非常用のディーゼル発電機とかに依存しなくていいんですよ。
それは画期的ですね。しかも使ってる燃料も特殊なんですよね。一度の燃料交換で何十年も動くって聞いたんですけど。
ハリウーと呼ばれる低濃周久フランっていうのを使用します。
ハリウー。なんだか強そうな名前ですね。
そうですね。従来の原活で使うウラン燃料って核分裂を起こすウラン235の濃度が3%から5%くらいなんですけど、このハリウーはそれを5%から20%の間に高めているんです。
濃度を上げることで何が変わるんですか?
単純に言うとエネルギー密度が劇的に上がるんですよ。
密度が上がる。
はい。濃度が高い分少ない体積でより長く核分裂反応を維持できるんです。
なるほど。従来の原発ってどれくらいの頻度で燃料交換するんでしたっけ?
だいたい1年半ごとには交換しないといけないですね。
1年半?それはオクロの場合は?
このハリウーを使うことでまるで超大容量のバッテリーみたいに一度燃料を入れれば数年から数十年も連続で稼働させることが可能になるんです。
なるほど。ウランの濃度を上げることで何十年も交換不要な超高密度の化学バッテリーを作っているようなものなんですね。
まさにそういうイメージです。
AI時代のエネルギー問題と原子力の再評価
さてここまでの技術的なブレイクツルーは素晴らしいなと思うんですが、なぜ今これが市場で爆発的な需要を生んでいるのか?
はい。そこが今日の最大のポイントです。
私たちが知る限りでもAIのデータセンターって既存の送電網を食いつぶす勢いで電力を消費してますよね?
ええ、尋常じゃない量です。AIの学習とか推論って従来のクラウドサーバーの数倍から数十倍の電力を食うんですよ。
数十倍ですか?
現在1ギガワットクラス、つまり大型の原発1機分ものの電力を丸ごと消費するような巨大データセンターの計画が次々と立ち上がっています。
原発1機を丸ごとデータセンターに使うんですか?恐ろしい時代ですね。
そうなんですよ。でも既存の送電網、グリッドはすでに老朽化が進んでいて、それほど巨大な電力を新たに遠くから運んでくる余裕はもうないんです。送電ロスも馬鹿になりませんし。
そこでデータセンターの真横に発電所を置くオンサイト給電が必要になってくるわけですね?
その通りです。
でもちょっと待ってください。さっきも言いましたけど、マイクロソフトとかグーグルって環境問題にすごく敏感じゃないですか?
ええ、ESG目標ですね。
そうそう。それなのに原子力に頼るのってやっぱり矛盾してないですか?
実はですね、むしろクリーンエネルギーとして再評価されているんですよ。
再評価ですか?
はい。これを理解するにはベースロード電源と間欠性電源の違いを知る必要があります。
ほうほう。
太陽光とか風力って素晴らしいクリーンエネルギーなんですけど、夜間や風が止まった時には発電できないっていう。
天候に左右されちゃうってことですね?
はい。間欠性という致命的な逆転があるんです。
でもAIのデータセンターは24時間365日、1ミリ秒たりとも止まることは許されませんから。
巨大な蓄電池を並べれば解決する問題じゃないんですか?
ギガワット規模の電力を何日かもバックアップできるような蓄電池は、現在の技術とコストでは全く非現実的なんです。
ああ、なるほど。
だからこそCO2を一切出さずに、天候に左右されず24時間一定の出力を出し続けるクリーンなベースロード電源がどうしても必要になる。
なるほど。その条件を消去法で絞っていくと?
現時点ではもう原子力しか残らないんですよ。
そういうことか。環境保護とAIのフル稼働を両立させるための苦渋の、でも唯一の最適解がSMRだったというわけですね。
まさにその通りです。
サム・アルトマン氏とオクロの戦略的関係
だからこそ、オープンAIのCEO、サム・アルトマン氏も深く関わっているわけですよね。
アルトマン氏は2015年からオクロに出資していて、長年会長も務めていました。
単なる株主じゃなかったんですね。
はい。彼はAIの進化における究極のボトルネックは、知能じゃなくてエネルギーだっていうのをずっと前から見抜いていたんです。
さすがですね。
2024年の5月には、彼自身のSPAC、特別買収目的会社通じてオクロを上場させていますし。
でも、彼は2025年の4月にオクロの会長を辞任してますよね。
はい。辞任しました。
これ一見すると、自分で育てて上場させておいて、一番おいしいところで辞任したの?オクロを見借りたの?って思いがちなんですけど。
いえいえ、むしろ逆なんですよ。これは極めて合理的な戦略的撤退なんです。
戦略的撤退?
ええ。今後、オープンAIの次世代データセンターを稼働させるために、オープンAIとオクロの間で巨大な電力供給契約、PPAを結ぶ可能性が非常に高いんです。
はいはい。
その時、アルトマン氏が両方の会社のトップに座っていると、利益相反になってしまって、ガバナンス上すごく問題になるんですよ。
ああ、なるほど。自分がトップのままだと、オープンAIという立場を利用して、自社でオクロの電力を爆買いする契約が結びづらくなるのか。
そういうことです。だから、あえて席を譲って、将来の巨大契約に向けた法的な血ならしをしたわけです。
いやー、AIの進化にとって最大のブトルネックがエネルギーだと見抜いた上での、したたかな戦略ですね。
ええ、恐らしいほどの先見の目ですよね。
オクロの決算速報:開発進捗と財務状況
ただですね、ビジョンがいくらすごくても、今日の電気代は払えないわけですよ。
確かに。
まだ商業路が一つも稼働していない、売り上げも実質ゼロの企業が、2026年現在どうやって生き残っているのか。
ここからが今回のハイライト、第二四半期決算の中身ですよね。
はい。今回の決算、一言で言えば、開発先行型の事業基盤構築フェーズの決算と言えます。
準備期間ってことですね。
ええ、当然ながら純損質赤字を出しているんですが、こうしたディープテック企業の場合、市場が見ているのは足元の筋じゃないんです。
では何を見ているんですか。
技術とビジネスのマイルストーンを予定通りクリアしているかどうかですね。
なるほど。売上げがゼロで赤字垂れ流しって聞くと、リスナーのあなたも大丈夫って足がすくむかもしれませんが、今はそういうフェーズじゃないと。
はい。今回の経齢人のガイダンスでは、大きく4つの重要なポイントが発表されました。
その4つのマイルストーン、具体的に教えてください。
まず一つ目は、技術的な大躍進です。決算直前の8月6日に、グローブスという試験炉が稼働から1年未満で初の臨界を達成しました。
初の臨界、つまり原子炉の中で核分裂の連鎖反応が自律的に安定して継続する状態に入ったってことですね。
ええ、その通りです。単なる設計図上の理論じゃなくて、物理的なエンジンとして自力で動き始めた証明ですね。
これ、エネルギー省の認可もクリアしてるんですよね。
はい。規制当局の厳しい基準をクリアして実証炉が動いたというのは、とてつもない信頼の証になります。
それは大きいですね。2つ目は何ですか?
2つ目はデータセンターとの提携パイプラインです。
オハイオ州で、あのメタ社と1.2ギガワット規模の開発合意を結んだことが報告されました。
1.2ギガワット。SMRでそれだけの規模ってことは、数十機のモジュールをずらっと並べるような巨大プロジェクトじゃないですか。
そうなりますね。巨大テックが本気でオクロの技術を当てにしている証拠です。
すごいな。じゃあ3つ目は?
3つ目はアキレス圏ともいえる燃料確保についてです。
さっきより波粒ですね。
セントラス社との調達合意を結んだり、関連技術を持つ企業を買収したりして、サプライチェーンの自社構築、いわゆる垂直統合を順調に進めています。
外部のサプライヤーに依存して工期が遅れる、みたいな原発あるあるのリスクを今のうちから自社でコントロールしようとしてるんですね。手堅い。
そして最後の4つ目が、投資家にとって一番切実な資金繰りです。
これ大事ですよね。
はい。オクロは現在約25億ドルの手元資金を持っていると発表しました。
25億ドル。当面の追加資金調達リスクはなしってことですか?
ええ。これだけ潤沢なバッファーがあれば、商用路が本格稼働し始める2020年代後半まで、既存の株主の価値を希薄化させることなく走り切れる十分なランウェイがあるといえます。
臨界も達成して、メタっていう巨大な顧客もついて燃料も確保して、おまけに商用化まで食いつなぐ現金もある。完璧じゃないですか。
そう見えますよね。
これなら決算後の株価はさぞかし爆上げしたんでしょうね。
それがですね、株価は高根県での落ち着いた揉み合い、一部反落したり横ばいだったりとかなりおとなしい反応だったんです。
え?なんでですか?これだけ高材料揃ってるのに。
典型的な材料の織り込み済み、セルザニュースですね。
最大の目玉だった初の臨界達成っていうビッグニュースが決算の数日前にすでに発表されていたので。
株価はそこに向けてすでに買われていたと。
そういうことです。決算発表を無事に通過したことで、一旦利益確定の売りが出たんですね。
なるほど。株の世界の格言、噂で買って事実で売るの典型みたいな動きですね。
商業路の本格稼働は2027年から28年頃なので、市場は短期の業績じゃなくて、次のカタリストを待っている状態です。
次のカタリストっていうのは、実際の着工とか、さらなる大型契約とかですか?
はい。AI関連株特有のボラティリティの高さもある中で、今はまさに次なるビッグウェーブへのエネルギー充填機関といったところですね。
SMR実用化がもたらす未来像
なるほどな。足元の動きは非常によく分かりました。
ここで少し視点を上げて、未来の話をしてみたいんですが。
未来の話、いいですね。
もしこのオクロのSMRが世界中に配置されて、オンサイト給電が当たり前になったら、私たちの生活とかAIってどう変わるんでしょうか?
そうですね。まず、AIの電力の壁が完全撤廃されます。
電力の壁?
はい。計算資源のための電力が事実上無制限になれば、超大型AIとか、人間を超えると言われるAGIの開発が一気に加速するはずです。
いやー、恐ろしいスピードになりそうですね。
さらに、オンサイト発電ができるようになれば、土地が安くて、丁寧な場所に自由にデータセンターを建設できるようになりますから。
つまり、SMRの実用化っていうのは、AIっていう巨大なスーパーカーに燃料台を気にせず、永遠に回り続けるエンジンを積むようなものですね。
まさにその通りです。今はみんなAIの賢さを競ってますけど、数年後はAIを動かすインフラを制したものが勝つ世界になるわけです。
推論コストも劇的に下がるので、企業とか個人へのAI普及が爆発的に進むでしょうね。
なるほどな。いやー、今日のお話ものすごくスリリングでした。
サム・アルトマンがなぜここまでエネルギーに執着するのか、その全貌が見えた気がします。
ええ、本当にこれからの動きから目が離せませんね。
さて、今日のお話を踏まえて、リスナーのあなたに一つ考えてみてほしいことがあります。
もし、無人像でクリーンな電力が当たり前になった社会では、AIの進化だけでなく、私たちの暮らしや都市の形はどう変わっていくでしょうか。
遠くの発電所や電力網から完全に解放された、完全自給自足のスマートシティなんかも、大自然のど真ん中に生まれるかもしれませんよね。
ぜひ、あなたなりの未来を想像してみてください。
番組からのお知らせとリスナーへの問いかけ
さて、そろそろお別れの時間です。
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全部読んでますから。
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今日もありがとうございました。
それでは次回もお耳を拝借。