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【過去問の泣き所】共有者が行方不明でも土地は動かせる
2026-08-13 12:41

【過去問の泣き所】共有者が行方不明でも土地は動かせる

共有している土地の共有者の1人と連絡が取れない——それでも土地を動かす方法が、令和5年施行の民法改正で整いました。改正部分は出題可能性が高いのに、テキストでは手薄になりがちなところです。

▼今回のポイント
・軽微な変更(形状・効用の著しい変更を伴わないもの)は持分の過半数でできる
・重大な変更は共有者全員の同意が必要
・所在不明の共有者は、裁判所の決定を得て「分母」から除外できる(令和5年施行の改正)
・過半数は持分の「価格」で数える——頭数ではない

<このシリーズについて>
【過去問の泣き所】は、過去問で手が止まる「分岐」だけを数分で整理する、音声だけのオマケ配信です。まとめ図解の配信は毎週月曜の本編のみとなります。

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今日は、共有物の管理と変更、【過去問で迷うところ】だけやります。
あの、少し想像してみて欲しいんですが、あなたが親族2人と一緒にある土地を相続したとしますよね?
はい。
立地もすごく良くて、その土地を綺麗に整備して駐車場として貸し出そうと計画した矢先に、
親族の1人が、まあ20年前から温身不痛であることが発覚したとします。
ああ、なるほど。それはかなり厄介なパターンですね。
そうなんですよ。実はつい最近まで、あなたはこの状況下において、
法的に完全に身動きが取れない状態に陥ってしまっていたんですよね?
ええ、完全にフリーズ状態です。
はい。なので今回は、令和5年の民法改正が、この絶望的なフリーズ状態をどうやって打破したのか、
あなたが最も迷いやすい意思決定プロセスに特化して深掘りしていこうと思います。
あの、この共有物のルール変更というのは、実社会の強烈なニーズと、
個人の財産権という絶対に守るべき権利がぶつかり合う、非常にスリリングで奥深い領域なんですよ。
ええ。
提供していただいた資料をもとに、あなたが直面するであろう最も厄介なケースの構造を解き明かしていきましょう。
では早速なんですが、典型的なケースを1つ読み上げますね。
お願いします。
えっと、A、B、Cの3人が共有する土地があります。Cが長期間行方不明です。
この度、AとBはこの土地に工事を加えて手を加えたいと考えています。
さて、どのような手続きが必要でしょうかというものです。
はい。現実の不動産実務でも過去問でも頻繁に登場するまさに王道の設定ですね。
ええ。受験生であるあなたがここで迷うのは、そもそも過半数で進めていいのか、それとも全員の同意が必要なのかという線引きの曖昧さなんですよね。
そうですね。そこが一番のハードルになります。
さらに、行方不明のCさんがいることで手続きが永遠にストップしてしまうんじゃないかという絶望感がありますよね。
これって、あの企業の取締役会にすごく似てると思うんですよ。
取締役会ですか?
ええ。つまり、日々のちょっとした方針転換は多数決でいけるけれど、事業の根幹を変えるような重大事は全員一致が必要になる。
なるほど。
でも、温心不通の役員が一人でもいたら、会社全体が意思決定できずにフリーズしてしまいますよね。
令和5年の法改正は、このフリーズ状態をどうやって発掘したんでしょうか?
あの、その取締役会のたとえ、事実の志をついていますね。
法律がまさにそのフリーズ状態にメスを入れたのが今回の法改正のハイライトなんですよ。
はい。
まず、土地に手を加える。つまり、変更の度合いによってベースとなるルールが明確に分かれているんです。
変更の度合いというと、具体的にどう分かれるんですか?
そうですね。たとえば、土地に生えている邪魔な木を一本切り倒すのと、土地全体をアスファルトで舗装して建物を建てるのでは、不動産としての重みが全く違いますよね。
確かに全然違いますね。
03:01
その直感的な違いが、そのまま法的な線引きになります。
まず、形状や工用の著しい変更を伴わないもの。これを軽微な変更や管理行為と呼ぶんですが、この場合は持ち分の価格の過半数で決定することができます。
たりしまり厄介でいうところの日常的な業務の決裁ですね。多数派の意見でスムージーに進められると。
ええ、そうです。一方で、形状や工用に著しい変更を伴う重大な変更を加える場合は、やはり共有者全員の同意が必要になります。
重大な変更は全員一致。空地に新しく建物を建てるとか、会社の根幹を揺るがつ決定には当然承認が求められるわけですね。
ええ、まさに。
日常的なものは過半数、重大なものは全員一致。そこまではすごく論理的でわかりやすいんですが。
はい。
ただ問題は、行方不明のCさんの存在ですよね。
そうなんですよ。
重大な変更をしようにも、Cさんがいなければ全員の同意なんて物理的に不可能じゃないですか。
そこが今回の法改正における最大のブレイクスルーなんです。
ここで、あなたが複雑な事例に直面した際に、立ち返るべき確固たる判定基準のフレーズをお伝えしますね。
はい、お願いします。
軽微な変更は持ち分過半数、重大な変更は全員同意、所在不明は裁判所の決定で分母除外。
分母除外ですか。
ええ。
つまり全員の同意が必要な場面であっても、行方不明のCさんを計算のベースから最初からいなかったことにしてしまうということですか。
結果としてはその通りです。なぜこのような大胆なルールが作られたのか、少し視野を広げて考えてみましょうか。
え、気になります。
現在、日本中で所有者不明土地が深刻な社会問題になっているんですよ。
ああ、ニュースでも見ました。九州本島の面積を上回るほどの土地が所有者不明になっているそうですね。
ええ、何世代にもわたって相続登記がされなかった結果、一つの土地に何十人もの権利者がひしめきあっていて、しかもその多くがどこに住んでいるのかすらわからないという状態が日本中にあふれているんです。
そうか、再開発をしたくても一人の所有者が見つからないだけで、巨大なプロジェクト全体がとんざしてしまうわけですね。
まさに従来のルールでは、そういった土地は事実上アンタッチャブルでした。放置されることで雑草が生えしぶり、不法登記の温床になって周辺の環境悪化を招く。
なるほど。
それでも誰も手を出せなかったんです。この国家的な損失を防ぐために、多数決の分母となる総自分や総人数から所在不明者を法的に消し去るという画期的な仕組みが導入されたんですよ。
そういう背景があったんですね。行方不明のCさんがいるせいでAさんとBさんが何もできなくなるのは、社会全体から見てもマイナスが大きすぎると。
06:00
はい。
でもちょっと待ってください。分母から除外するって、裏を返せばCさんの財産権を強制的に無視するってことですよね。
ええ。
もしAさんとBさんが、最近Cさん見ないし面倒だから除外しようって勝手に決めてしまえるなら、個人の権利があまりにも軽視されていてかなり危険な気がするんですが。
非常に鋭い視点です。実務上もそこが極めてセンシティブな部分になりますからね。当然ながら、話し合いや自己申告だけでCさんを除外することは絶対にできません。
ああ、やっぱりそうですよね。
個人の財産権を制限する以上、極めて厳格なプロセスが求められます。だからこそ先ほどのフレーズにもあった通り、裁判所の決定という公的なお墨付きが絶対条件になるんです。
つまり、AさんとBさんは裁判所に対して、Cさんが本当に所在不明であることを客観的な証拠を持って証明しなきゃいけないんですね。
ええ。住民票を調べたり、戸籍をたどったり、やれることをすべてやった上で、裁判所が確かにこれは所在不明だと判断して初めて除外が認められるんです。
なるほど。
そして、この所在不明者を分母から除外するという思想は、実は他の法律にも波及しているんですよ。
他の法律にもですか?
はい。資料を読み解いていくと気がつくと思いますが、例えばマンションなどのルールを定めた区分所有法です。
ああ、老朽化したマンションの建て替え問題ですね。あれもまさに同じ構図じゃないですか?
ええ。マンションの建て替えという極めて重大な集会決議においても、行方不明の区分所有者がいることで決議がストップし、老朽化した危険な建物が放置されてしまう問題が多発していました。
ええ。
そこでも同じように、所在不明は分母除外という考え方が根底に流れているんです。
社会のフリーズ状態を解消するという一つの大きな理屈が法律全体を貫いているんですよ。
法律全体の美しい統一感ですね。
不動産のジャンルが変わっても、直面する社会課題が同じなら、法的なアプローチもリンクしてくるんですね。
そうなんです。
そう考えると、バラバラの知識が一つのストーリーとしてつながってきましたね。理屈と背景は完全に腹落ちしました。
それは良かったです。
ええ。ただですね、過去の出題データなんかを見ていると、出題者はこの理屈を理解している受験生に対しても、あの手この手で巧妙な罠を張ってきていますよね。
ええ。もちろんです。
例えばこんなケースで私は少し迷ってしまったんですが。
はい。どんなケースですか?
Cが確保名なので、AとBの話し合いだけでCを分母から除外し、重大な変更を行ったというものです。
実もスピーディーに進めるための合理的な対応に見えてしまって、一瞬正しいを選びそうになったんです。
ああ、典型的なひっかけですね。しかし、私たちが先ほど議論した財産権の保護という観点を思い出せば、瞬時に論破できるはずですよ。
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そうですよね。話し合いだけで他人の権利を消し去ることはできない。
ええ。
必ず裁判所の決定という厳格な手続きを経なければならないという理屈を知っていれば、これが完全な誤りだと見抜けます。
その通りです。表面的な言葉の暗記ではなく、背景にある理由を知っていれば罠にはまることはありません。
はい。
では、もう一つよくあるパターンのひっかけを紹介しますね。
お願いします。
先ほどの軽微な変更に関する記述で、軽微な変更は共有者の人数の過半数で決定できるというものがあります。
人数の過半数。Aさん、Bさん、Cさんの3人なら、2人いれば過半数という計算ですよね。これも直感的には正しそうに聞こえますが。
はい。
ここで先ほどの取締役会の例が聞いてきますね。
気づきましたか?株式会社の議決権が株主の人数ではなく、持っている株式の割合で決まるのと同じロジックなんですよ。
つまり共有物の管理も頭数ではなく、持ち分の価格、つまり割合で決まるんですね。
ええ。
例えばAさんが80%の持ち分を持っていれば、BさんやCさんが反対しても、Aさん1人で過半数を占めているから、軽微な変更は決定できるということですよね。
まさにその通りです。もし人数でカウントしてしまうと、わずか1%の持ち分しか持たない人が複数集まることで、90%の価値を所有している人の意向を安々と動かせてしまうことになりますから。
確かに。それは資本の論理として非常に不合理ですね。
ええ。出題者は私たちが過半数という言葉を見た瞬間に、勝手に人数のことだと脳内変換してしまう錯覚を狙っているんですよ。
なるほど。そういう巧妙な罠を確実に回避するためのメンタルモデルとして、先ほどの判定基準のフレーズをもう一度復習しておきますね。
はい。お願いします。
軽微な変更は持ち分過半数、重大な変更は全員同意、所在不明は裁判所の決定で分母除外、これですね。
はい。完璧です。このワンフレーズの中に、共有物管理の基本原則、社会問題に対する大胆な解決策、そして財産権を守るための厳格な手続きのすべてが凝縮されていますから。
このモデルを持っていれば、どんなに複雑な事例問題が出ても、必ず正解への道筋が見えてくるはずです。
今回の深掘りを通して、共有物の管理や変更、そして行方不明者への対応という一見複雑な手続きが、いかにシンプルかつ合理的な思想で成り立っているか、あなたにもお分かりいただけたかと思います。
はい。
迷ったときは、基本の持ち分過半数か全員同意かの精密化を、分母除外する際の裁判所の決定という厳格さを思い出してください。
知識は、その背後にある理由とたまに理解することで、極度の緊張状態にあっても決して揺らがないカッコだる武器になりますからね。
そうですね。
それでは、番組の最後を締めくくるにあたり、あなたの脳裏に深く焼き付けるため、判定基準のフレーズを最後にもう一度お伝えします。
12:01
はい。
軽微な変更は持ち分過半数、重大な変更は全員同意、所在不明は裁判所の決定で分母除外。
はい。
ありがとうございます。今回の深掘りはこれで終えますが、最後に一つ、今回の資料の内容から派生する問いをあなたに提示させてください。
分母除外固有協力法流が稼働し始めたことで、あなたの住む街にある放置された空き地や、老朽化して誰も手をつけられなかった不動産は、今後どのように再生していくでしょうか。
ええ。
法律のテキスト上のアップデートが、物理的な街の景色をこれからどう作り変えていくのか、ぜひ明日道を歩くときに少しだけ想像してみてください。
12:41

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