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099.【遺伝子工学の歴史】【遺伝子工学の歴史02】細菌を食べるウイルスから、DNAを切るハサミへ
2026-11-02 34:01

099.【遺伝子工学の歴史】【遺伝子工学の歴史02】細菌を食べるウイルスから、DNAを切るハサミへ

遺伝子工学の歴史シリーズ、第2回です!
前回は、遺伝子工学の舞台となる大腸菌のお話でした。今回の主役は、その大腸菌に感染するウイルス、バクテリオファージです。

細菌に感染するウイルス、ファージ。この小さなウイルスは、遺伝子の正体がDNAだと示す実験の舞台になり、さらに、大腸菌がウイルスから身を守る「大腸菌の免疫」のしくみを明らかにしました。そして、その免疫の主役こそが、遺伝子工学の「ハサミ」、制限酵素です。

【今回のハイライト】
・1915年と1917年、2人の研究者が、ファージを見つけた
・自転車で世界を旅した男、デレルとファージ療法
・デルブリュックたちの「ファージグループ」が、分子生物学を育てた
・遺伝子の正体はDNAだった。グリフィス、エイブリー、ハーシーとチェイスの実験
・ファージの研究から見つかった、大腸菌の免疫
次回は、いよいよ、DNAを切るハサミ、制限酵素のお話です。

【関連動画】
死んだ菌が生きた菌を変えた?遺伝子の正体を探す第一歩
・グリフィスの実験 https://www.youtube.com/watch?v=ivA3WgKhCA4&t=94s

【遺伝子の正体】タンパク質かDNAか?
科学界の常識を覆した1944年の真実『エイブリー(アベリー)の実験』
https://www.youtube.com/watch?v=Uhk_R0cD02o&t=179s

ついにDNAが遺伝子だと証明された!ウイルスを使ったハーシーとチェイスの実験
https://www.youtube.com/watch?v=qRBbZ5LcrQ8&t=9s

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サマリー

今回は、大腸菌に感染するウイルス、バクテリオファージの発見と研究の歴史をたどります。1915年にフレデリック・トワートが細菌コロニーを溶かす現象を見つけ、1917年にはフェリックス・デレルがファージと名付け、プラークによって数や種類を調べる方法を確立しました。デレルはファージ療法も試み、薬剤耐性菌への治療法として現在あらためて注目されていることが紹介されます。1940年代にはマックス・デルブリュックらがファージを共通の実験材料として使う「ファージグループ」を築き、分子生物学の研究基盤を整えました。 T2ファージを題材に、遺伝子の正体がタンパク質かDNAかという論争も説明されます。グリフィスの形質転換実験、エイブリーらの分解実験、ハーシーとチェイスの放射性同位元素による実験によって、遺伝情報を担うのはDNAだと示され、1953年のワトソンとクリックの二重らせん構造発表で考えがさらに確かなものになりました。後半では、大腸菌が外来DNAを見分けて切断し、自分のDNAには目印を付けて守る制限酵素の仕組みが扱われます。無差別にDNAを切る初期の制限酵素から、狙った場所を切る酵素へと進むことで、次回の遺伝子工学の「ハサミ」につながります。

大腸菌に感染するバクテリオファージ
【生命科学の冒険者】
ようこそ、生命科学の冒険者へ。
プレゼンターのあきです。
アシスタントのとみーです。
前回から、遺伝子工学の歴史をお届けさせてもらっております。
前回、大腸菌でした。
前回は、大腸菌のお話をさせていただきました。
大腸菌自体は、赤ちゃんの糞便から見つかった、非常にありふれた菌なんですけれども、
大腸菌同士が遺伝子をやりとりする接合という性質を持っていること、
それからプラスミドという小さな環状のDNAが、その受け渡しに関わっているということをお話しさせていただきました。
今回は、大腸菌に感染するウイルス、バクテリオファージというものについてご紹介したいと思います。
ウイルスというと、風邪とかインフルエンザとか、そういったものを思い浮かべる方も多いかなと思います。
この間のコロナもウイルスが起こす病気でしたけれども、最近にもウイルスは感染します。
最近にもウイルスは感染する?
大腸菌みたいな小さな単純な生き物であっても、それを宿主に増えていくウイルスが存在しておりまして、それがバクテリオファージというものになります。
考えたことなかったです。
なので、彼らも病気に侵されるんですよね。
侵されたら確実に死んでしまうというか、細胞が破壊されて、またファージが撒き散らされて、周りの大腸菌が次々と感染して死んでいくということが起こります。
トワートとデレルによるファージの発見
ということで、彼らもなかなか生存競争を生き抜いているんだよ、病気もあるんだよというところになります。
このファージの研究をしていく結果、DNAを切るハサミとなる制限酵素というものが見つかりました。
ですので、まずファージについて知っていただきたいと思いますので、ファージをご紹介したいと思います。
ファージの発見なんですけれども、20世紀の初め頃の話になります。
1915年、イギリスの細菌学者のフレデリック・トワートという方が培養していた細菌のコロニーがガラスのように透き通って溶けてしまうような現象が起こるということに気づきました。
その原因を探ったんですけれども、細菌が何かの細菌にやられるとかというようなことではなくて、
フィルターをかけてみたんですよね。病原菌に対して取り付く病原菌みたいなのがいないのかなと思って。
フィルターを通してみたんですけれども、フィルターを通して出てきた液体をまた大腸菌にかけてみたらやっぱり大腸菌が死んでしまうということで、
フィルター自体は病原菌の大きさは通れないほどの目の細かさを持っている陶器のフィルターだったんですけれども、
その陶器のフィルターですら通り過ぎてしまう何かが大腸菌を殺してコロニーが透明になってしまうということが分かりました。
あとは細菌自体が何か出している酵素のようなもので死んでいるんじゃないかなというふうに考えました。
だとすると磁気フィルターも通り抜けるだろうと。磁気フィルターというのは磁石の磁気じゃなくて陶磁器の磁気ですね。
磁気フィルターも通り抜けるんだろうというふうに考えたんですけれども、その後第一次世界大戦が起こってしまいまして、
トワト自身は研究を中断してしまってこの現象を深く追いかけることはできませんでした。
これが最初に発見されたファージが起こす現象ですね。大腸菌を溶かしてしまうということになります。
その2年後なんですけれども、1912年フランスのパッスル研究所にいたフェリックス・デレルという方が同じ現象をまた別に見つけます。
このデレルという方はとても面白い経歴の持ち主でして、パリの生まれでお母さんからお金をもらって若い頃あちこちを旅しました。
16歳で自転車でヨーロッパ西部を回って、さらに17歳の時には南アメリカを旅しております。
自転車で世界を回っていたということで、僕の若い時自転車で北中米を旅行したことがあるので勝手に親近感を持ってしまったんですけれども、
その後カナダで住むことになりまして、自宅に実験室を作って、本と実験で独学区で微生物学を学ぶということをされます。
その後、中米のグアテマラというところの病院で細菌学者として働きまして、その後メキシコでも研究をしたというような経歴を持っていられる方です。
その後パッスル研究所に入りましてファージを見つけます。
これは実際はトワトが先に2年前に見つけてたんですけれども、そのことは知らずに彼も独自に見つけるということになります。
デレルは、セキリの患者さんの便からセキリ菌を溶かすようなものを取り出しました。
これは細菌に寄生するウイルスだろうと考えて、バクテリオファージというふうに名付けます。
バクテリオは細菌という意味で、ファージはそれを食べるものというような意味で、つまり細菌を食べてしまう何かということでバクテリオファージというふうに名付けました。
プラークでファージを数える方法
そしてこの研究の時に固形売地を使うことを思い立ちます。
彼は寒天の上にまず細菌を全面に生やします。
一匹一匹薄く巻いて、一匹から増えていってコロニーというのができますよというのをご紹介させていただきましたけれども、
それよりも細菌の濃度をもっと大量にして寒天の上にばらまきます。
そうするとどこもかしこも細菌で覆われているので、寒天の売地の上、シャーレの上は一応に細菌が生えているというような状態になります。
そこの上にファージを垂らすということをします。
このファージのほうは非常に薄い濃度をファージが溶けているとか、ファージが存在している溶液はファージをだいぶ希釈して薄い濃度にしておきます。
そうするとファージが苔培地の寒天の上にひっついた場所というのはそこに大腸菌がいっぱいいるわけなので、ファージに食べられて溶けてしまいます。
プラークというんですけれども、一面大腸菌で白く覆われているのにその中にポツンポツンと丸い小さな穴が開くということで、
これによってファージを数えられるようになりました。
逆の発想というか、大腸菌も固定されていて、ファージは非常に濃度が薄い状態で苔培地の上で固定されてしまっていて、
ファージから見ればファージの餌となる大腸菌は大量にいますので、そこで大腸菌に取り付いて食べてしまって、
大腸菌は食べられてしまうと溶けてしまうので、丸く透明な穴がそこに開くということになります。
これでファージを透明な穴の数で数えるということができるようになりました。
このおかげでファージの種類も分けることができるようになります。
種類?穴の大きさとか形とかそういう?
まず一つのプラーク、穴が一種類から増えていったファージだということが言えますので、
そうすると一種類から増えたやつは絶対同じ種類ですよね。
これを別に取り分けることができるんですよね。
ここのプラークがABCDと例えば5個プラークがありますよというふうになったら、
この5個をそれぞれ別々に培養してやることができます。
そうするとこの5種類をいろいろな方法を使って性質を分けてやると。
性質を見てやるということをします。
例えば何か抗体を作って、その抗体にはファージは殺されてしまうけれども
こっちのファージは殺されないなというふうになった時には
こっちのファージとこっちのファージは違う種類なんだなということが分かりますし、
両方殺されたんだったらこれは同じ種類なんだなということが言えるという形で、
ファージの種類をまず分けてやるということができるようになったということですね。
というところで、とにかくファージを数えれるようにしたというのが
このデレルの仕事になるんですけれども、
ファージ療法とファージグループ
デレルはファージを使って何かできないかというふうに考えて、
病原菌をファージを使って殺すことはできないかなというふうに考えたみたいです。
セキリとかコレラとか、ファージの患者さんにファージを飲ませて
ファージを与えるみたいなことをしたんだと思うんですけれども、
それで病原菌を殺してくれないかというふうにやってみたんですが、
当時としてはうまくいくこともあればうまくいかないこともあって、
やがて抗生物質が発見されると、このファージ療法は伝わっていくことになります。
なんですが、最近は薬剤耐性菌という問題がありまして、
それに対する治療法としてファージが使えるのではないかということで、
改めて今注目されているところになります。
話がわき道にされましたけれども、
ファージの研究ができるような体制が整ったということをご紹介いたしました。
ここから1940年代に入りますと、ファージは物理学者たちを引き付けます。
ドイツ出身の物理学者のマックス・デル・ビュルクという方は、
生き物の遺伝の仕組みを物理の法則的な形で解き明かせないかなというふうに考えました。
そのためにファージを使うことを思いつきます。
ファージはとても扱いやすい。
大腸菌を餌として増えてくれるウイルスということです。
大腸菌は20分で倍に増えます。
ファージは大腸菌に感染するので、同じようにあっという間に増えてくれるという形で、
1回の実験サイクルが非常に短くて済むということになります。
なので何か失敗しても、また次の日に失敗を見据えて、
ここが間違っていたかもしれないから、こういうふうに実験を改良しようということが
簡単にできるということで、モデル生物として非常に扱いやすかったということです。
ただ、ここで1つ困った問題が起きます。
1944年の夏より前は、研究者ごとに別々のファージと別々の大腸菌を使って
結果を比べるということをしていました。
そうすると、この研究者が使っているファージと細菌だったら
この結果が出たはずなのに、他の人は追試ができないみたいな問題が起こります。
これではちょっと良くないということで、
このデリブリックさんは、大腸菌のB株というものとそれに感染する
7種類のファージだけを使ってみんな実験するようにしようというふうに呼び掛けます。
これによって実験材料が揃うということになりましたので、
いろいろと研究内容を比べるということができるようになってきました。
これによってファージを使った研究の土台が整っていきましたよということになります。
T2ファージと遺伝子の正体
その中でT2ファージというタイプ2のファージというふうに分類されたファージがあるんですけれども
これがよくその中でも研究に使われるようになりました。
T2ファージは大体面白い形をしています。
明らかに生命でないような形をしております。
まず頭の部分が正二重面体みたいな形をしていまして
そこから下に円柱みたいな形になっていて
一番下の部分から横に足が出ているような形で
よく例えられるのが月に行ったアポロ宇宙船の月面着陸船
月面着陸をしたときの船の形にそっくりみたいな
そういった不思議な形をしているものになります。
その例え方はちょっとロマンチックだね。
ロマンチックというか、初めてファージの学生時代にファージというものを習って
それの電子顕微鏡写真とか模試した図とかを見たんだけれども
これってすごい不思議な機械チックな形だなと思ったのを思い出します。
という本当に不思議な形をしております。
なのでぜひインターネットなんかでバクテリオファージとか
T2ファージとかで顕微鏡写真とか検索してもらうと
そういった画像がいっぱい出てくると思いますので
一度チェックしてもらえると面白いなと思います。
このT2ファージはDNAとタンパク質だけでできた
とても単純な構造を持ったウイルスになります。
ウイルスって大体DNAとタンパク質だけなんですけれども
頭の月面着陸船の人が乗る部分ですね
頭の殻の部分というのはタンパク質でできています。
細胞ではないので自分で増えることも
エネルギーを作ることもできないというような形になりまして
感染の手順としては脚のような着陸船の脚の部分ですね
ここが大腸筋の表面に引っ付きます。
しばらくすると大腸筋の中で新しいファージが100個以上作られまして
大腸筋が破裂して新しいファージが外に出てくるということになります。
ここまでの出来事は感染してから新しいファージが出てくるまでが
30分ぐらいです。
この当時一つ大きな分子生物学会の中での疑問がありました。
ファージというのはDNAとタンパク質からできているんだけれども
大腸筋にくっついた後に中で新しいファージを作らせる設計図は
DNAなのかタンパク質なのかというのが問題としてありました。
この時代はDNAが遺伝子というのがまだ分かっていない時代になります。
当時の大きな謎というのが遺伝子の正体というところで
遺伝子という考え方は19世紀のグレゴール・メンデルまで遡ります。
中学校だったかなと思うんだけれども
メンデルの遺伝の法則というのを
豆の色が白になる場合と緑になる場合が
親インゲン豆を白と白で掛け合わせた場合
緑と緑で掛け合わせた場合というのをやったのって覚えてます?
あとシワシワになる豆がシワシワシワが入る場合と
ツルッとしている場合とか
勉強したのは覚えてる?
それで要は親から子供に係室は伝わるということは
ある一定の法則を持って伝わるということは
当時知られてはいたんですけれども
伝わるのが何で伝わっていくのかというのは謎のままでした。
それで遺伝子の正体はタンパク質なのか
遺伝子の正体はおそらくタンパク質だろうというふうに
当時は思われていました。
DNAというのは4種類の塩基と呼ばれるもの
アデニン、グアニン、チミン、シトシンというものでできています。
たった4種類しか種類がないんですね。
それに対してタンパク質というのは
20種類のアミノ酸でできています。
生命現象は非常に複雑ですので
20種類ぐらいパターンがないと
次に伝わらないだろうと
20種類をさらにいっぱい組み合わせたもので
伝わらないと伝わらないだろうというふうに
当時は考えられていたんですね。
より複雑だからタンパク質って思ったんだ。
というふうに思われていました。
ただ一方でDNAも4種類だけだけども
遺伝情報になるんじゃないかと
考えた人たちももちろんいました。
グリフィスとエイブリーの実験
1928年、イギリスの細菌学者の
フレデリック・グリフィスという方が
肺炎吸菌という菌を使ってある実験をいたします。
肺炎吸菌には病気を起こす菌と
起こさない菌というのがいます。
グリフィスは病気を起こす方の菌を熱で殺しました。
それで病気を起こさない方の菌
こっちは生きている状態にしておいて
殺した病気を起こす菌と
殺さなかった病気を起こさない菌を混ぜて
ネズミに注射するということをします。
普通だと病気を起こさない菌を
ネズミに注射した場合だと
別にネズミは病気にならないので
ネズミは死にません。
その病気を起こす菌の死骸を混ぜた
病気を起こさない菌は
ネズミが死んでしまいました。
ネズミは病気を起こす菌にかかったのと
同じ状態で死んだと思われます。
死んだネズミを解剖してみて
そこから取り出した菌は
病気を起こす肺炎球菌が出てきました。
ということで
病気を起こす肺炎球菌の死骸から
何かが飛び出して
病気を起こさない肺炎球菌に
病気を起こす肺炎球菌に変えてしまう
何かを取り込んだということが示唆されました。
わかりますかね?
言っていることはわかる
マジックショーみたいだなと思って聞いて
マジックショーみたいだね
要は何かを渡しているんだろうなと
バラバラになった緑の折り紙と
綺麗な赤い折り紙を入れたら
綺麗な緑の折り紙が現れましたみたいな
そんな感じかも
そんな感じになります。
のことが起こりました。
ただそれが何が映ったのかが
わかりませんでした。
その後に1944年に
アメリカのオズワルド・エイブリーという方が
行った実験です。
病気を起こす菌を大量に培養した後に
熱で殺します。
ここまではグリフィスの実験と同じです。
そして殺した病気を起こす菌を
病気を起こさない菌に混ぜると
その菌が病気を起こす菌に変わりました。
ここまでも同じことをやりました。
その性質は子孫にも受け継がれたということで
この物質の正体を絞り込んでいこうということで
病気を起こす菌を殺した後に
その菌をタンパク質を分解するコースを加えて
タンパク質をなくしてしまいました。
そうすると病原性は移りました。
次にRNAを分解するコースを加えてみても
やはり病原性は移りました。
ところがDNAを分解するコースを加えた時だけは
病原性は移りませんでした。
ということで犯人の広報を
一つずつアリバイなどから
潰していくような実験を行いまして
これをすることによって
エイブリーたちは遺伝子の正体はDNA
何かケースを変えるものはDNAであるということを示しました。
ただこれもそれでも疑う人たちは
研究者は多くいたようです。
ハーシーとチェイスが示したDNA
1952年にハーシーとマーサー・チェイスが
いよいよT2ファージを使って
この問題に決着をつけようと試みます。
T2ファージはタンパク質とDNAだけでできていますよ
というお話をさせていただきましたけれども
ポイントとなるDNAとタンパク質を
別々に目印をつけました。
DNAにはリンが含まれていて
タンパク質にはリンはほとんどないんですね。
逆にタンパク質にはイオウが含まれています。
そこで放射線を使いまして
リンを放射線がついたリンですね。
放射性同位元素といいますけれども
放射線がついた放射能を出すリンと
放射能を出すイオウですね。
それを用意しまして
ファージにタンパク質だけ目印がついているファージと
それからDNAにだけ目印がついているファージという風な形で
2種類を用意いたします。
この2種類のファージを大腸菌に感染させます。
感染が始まると
ファージは大腸菌の外側に取り付くという話をしましたけれども
取り付いた後にミキサーをかけて激しくかき混ぜるということをしました。
取り付いた後にミキサーで激しくかき混ぜられると
取り付いたファージの殻はボロって外れるわけなんですね。
それで振り落とした殻は
売地の方に残ります。
大腸菌の方には何かが写っているはずです。
大腸菌は遠心器で遠心すると沈みますので
売地はプカプカ浮いている状態というか
液体成分は上に残るということになりますので
まず大腸菌と液体成分と分けるということをしました。
それで放射線を測ってみたところ
売地の方にはタンパク質だけがありました。
要はファージのタンパク質だけがあった状態になります。
大腸菌の方にはリンの放射線だけがありましたという状態になりました。
ということは大腸菌の中にリンが移ったんだということが分かったということになります。
リンはすなわちファージのDNAですので
ファージのDNAが大腸菌の中に入っていったということが分かりました。
これによっていよいよ完全にDNAが遺伝子の正体であるということが証明されました。
これちょっと音声で言うとなかなか伝えにくい部分も分かりにくいところもあると思うんですけれども
以前私はグリフィス、アベリー、ハーシーとチェイスの実験を
以前YouTubeで紹介したことがありますので説明欄に動画のリンクも入れておくので
もしよければぜひ見てみてください。
若い日の僕の顔も見れますのであまり何の得点にもならないかもしれないけど
という形ですね。
1953年にはジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックのコンビですけれども
この2人がDNAの二重螺旋構造を発表しまして
DNAが遺伝子の正体だという考えが一気に確かなものになるということになりました。
このようにファージというのは生命現象をいろいろ解き明かす上で
いろいろと便利に使われていろんな現象が解き明かされていった一つの中に
遺伝子の正体というのを解明する決定打的な実験としても使われましたよ
ということをちょっとご紹介させていただきましたが
大腸菌の制限酵素という免疫
1950年代の初めに研究者たちはあることに気づきます
それは大腸菌の株で増やしたファージを別の株の大腸菌にかけるとほとんど増えないと
同じ種類のファージと同じ種類の大腸菌なのに株が変わるだけで感染がうまくいかないということが分かりました。
ただ例外もありましてごく稀にうまく増えたファージがいたとすると
このファージを取り出して同じ株にかけると今度はよく増えるという形ですね
ただ元の株に戻してからまた別の株にかけるとやはり増えにくくなると
ファージの遺伝子そのものが変わったわけではなくて
感染する大腸菌によって性質が一時的に変わってしまうということがどうも示唆されたんですね
1952年にルリアとメリア・ヒューマンという方が
それから1953年にはジュゼペ・ベルターニという方とジャン・ワイグルがこの現象を報告しまして
ファージが増えるのを何か制限しているものがあるということで
この現象を制限というふうに呼ぶようになりました
メアリーヒューマンですね
ただこの増えたり増えなかったり株によって増えたり増えなかったりするというのは
何が原因でこれが起こっているのかというのはなかなかわからなかったんですけれども
その答えが出たのが1960年代になります
ベルナー・アーバーという方がK12株という大腸菌を使って調べたんですけれども
大腸菌が外から入ってきたDNAを見分けて切って壊す抗争を持っていると
一方大腸菌自身の中のDNAには目印をつけて自分の抗争で切られないように守っているということがどうも示唆されました
これによって大腸菌はファージに対してどうも抵抗する何かがあるんだなと
それがこの制限抗争 DNAを切る制限抗争というものだということがわかってきました
これはファージの増殖を制限するというところから来てまして制限抗争と呼ばれるようになってきます
大腸菌はウイルスの体から身を守るためにウイルスのDNAだけを見分けて切るハサミというのを持っているやつもいるということがわかってきました
我々の体は外から入ってきた敵を見つけて退治することができる免疫という仕組みがあって
免疫細胞を使って体の中を守っていますが
大腸菌はたった1個の細胞からできた小さな微生物ですので
さらにその体の中に免疫細胞を買うということはできません
その代わり制限抗争という抗争を使ってウイルスを殺すと
ウイルスのDNAをズタズタにするということをやって身を守っていたんだということがわかってきました
ただこの時に見つかった制限抗争というのは
入ってきたDNAをズタズタに切ってしまうような抗争でした
ですのでうまく遺伝子工学の道具としては使えなかったのですが
きちんと狙った場所を切ってくれる抗争というのが見つかり出します
というのを次回お話ししたいと思います
今回はT2ファージを使って遺伝子工学が発展してきたんだよと
DNAが遺伝子の正体なんだよというところをお話しさせていただきつつ
いよいよ制限抗争がDNAを切る抗争が
T2ファージと大腸菌の関係の中で
大腸菌を身を守る道具として見つかって
遺伝子工学に何か使えそうになってきたんじゃないかなと
というところをお話しさせていただきました
ということでありがとうございました
ありがとうございました
34:01

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