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おはよう、こんにちは、こんばんは。薬と健康に関するラジオ、略してくすけんラジオのうっちーです。
このラジオでは、薬剤師である私、うっちーが薬のことや健康のことなどで、ラジオ置きの方や患者様からの質問などを紹介しながら、
質問に答えたり、薬や健康についての話をしていくというラジオです。どうぞよろしくお願い致しまーす。
以前、ちらっとだけ話をさせていただいたんですけども、うちの薬局、近くに皮膚科を主にしているクリニックが2軒あります。
その都合もありまして、皮膚科関連で処方された薬をよくお渡ししますし、よく質問もいただきます。
その中で、特定の種類の薬をお渡しするときに、すごい嫌な反応をされることが多々あります。
その種類の薬というのは、いわゆるステロイドです。ステロイドというと、副作用が多い薬だろうなーというその認識は間違ってないんですけども、
スポーツでのドーピングとかに使うステロイド、よく言う筋肉増強剤とかですね。
あれと勘違いされているという方もおりまして、筋トレとかスポーツに詳しくない方に特に嫌悪感を示されます。
今回は、皮膚科とかで処方される急な炎症を抑える際に使用するステロイドについて質問をいただきました。
それでは今回の質問はこちら。
ステロイドがなぜ処方されているの?
どの科でもそうなんですけども、ステロイドが処方されていまして、その薬をお渡しするときに、本当にこの質問をよく患者様からいただきます。
今の薬局を改革する前はもちろんのこと、以前勤めた会社にいるときで、それこそもしかしたら薬剤師1年目の時とか、それでも質問されているかもしれません。
冒頭でも話したんですけども、筋肉増強剤のステロイドが本当に悪い意味で有名ということもありまして、ステロイドイコール体に悪いものという認識が非常に強いです。
ですが、医療現場では今回話すステロイド、処方する機会がすごい多いですし、皮膚科などではステロイドの飲み薬だけでなくて、塗り薬も当たり前のように処方されます。
このステロイドが何で今回必要なのかという話をしていきます。
まずなんですけども、今回話すステロイド、副陣という体内の臓器から作られる副陣皮質ホルモンというホルモンの一つでして、糖質コルチコイドとも呼ばれるものです。
なので、今回のテーマでコルチコイドとか糖質コルチコイドというワードが出るかもしれませんが、これが今回話をする処方される方のステロイドです。
ちなみになるんですけども、ドーピングの方で話題になるステロイドは主になんですけども、テストステロンという男性ホルモンの方です。
これが男性ホルモンを活性化させて筋肉増強させたりしますよとか、あとものによってはテストステロンを人工的に作って、より強力に作用するようにしたものなどもあります。
これ糖質コルチコイドとは別物です。後ほど話しますけど、糖質コルチコイドというのは炎症とかにすごいよく使われる薬でして、例えば喘息、喘息の方が喘息の発作が出ないよう予防のために吸入という薬ですね。
これをよく使うんですけども、これにも糖質コルチコイドの方のステロイドが入っているものがあります。これはもう本当ドーピングに引っかからない、全くの別物です。
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今回処方される方の糖質コルチコイドのステロイドの話をしていきますけども、筋肉増強剤の方のステロイドは本当話をしないつもりです。
ここらへんの話をすると本当にいろいろ長くなりますし、例えばなんで一般的に入手できるのにオリンピックなので違反には引っかかっちゃうのか、とか副作用のことなどなど、過剰摂取での副作用の問題などすごい多いですし、
あと過剰摂取をしやすくなってしまうという特性もあるので、本当ここらへん話をすると長くなってしまいます。
筋肉増強剤の方のステロイドは本当話をしないつもりです。話を戻していきますが、糖質コルチコイドを薬として使用しますと、体の中の炎症を抑えたり、体の免疫力を抑制したりする作用がありまして、様々な疾患の治療に使われています。
この糖質コルチコイドは体内でリポコルチンという物質を作りますよという、このリポコルチンというのは炎症、伝達信号を邪魔します。
炎症の伝達信号の邪魔というのは何のことだと思うかもしれませんが、ちょっとイメージになるんですけども、炎症というのは例えば痛みとか腫れ、そういった部分です。
痛みとかは例えば何か異物が入ってきたよという時とか、あと何かぶつけて怪我をしてしまった部分、そういった場所が今この場所はダメージを負ってますよとか、
この場所で異物と戦ってますよというのを体に知らせるために痛くなったり腫れたりします。 痛くなったり腫れることで今ここダメージを負ってるんだなということで、その箇所をなるべく触れないようにしたりとか、
弱っているから守るようにしなきゃいけないなということで自己防衛の反応をします。 なので弱っている箇所を守るためには大事なことなんですけども、
ただこの炎症部分、いつまでも心地良すぎっていうのは正直良くないです。 炎症がいつまでも続いていると、炎症している部分が熱を持っていたりするので、
その熱などによって周りの細胞も破壊してしまいます。 なので炎症している部分とか弱っている部分が広がったりする恐れがあります。
そのために体の中ではこの炎症が広がりすぎないようにするようという役割になっている部分があります。
それがこの糖質コルチコイルでありまして作られるリポコルチンであります。 このリポコルチンが炎症が伝わっていくのを抑えることで炎症が広がるのを抑えますし、
炎症が起こっている中でも炎症が伝えていくのをそこを信号を途絶えさせるので、 炎症を抑えていくという働きもします。
ただ体内にあるリポコルチンだけでは炎症を抑えていてもそれじゃちょっと間に合っていない。
例えばひどい怪我を負ってしまっているとか、 あと先ほど挙げた基幹支善則これも喉の炎症から起きております。
こういった時に体の外からコルチコイルとかを補充してあげることで、 より炎症を抑えやすくするというのがステロイドの役割です。
基幹支善則だけでなくて、肺炎とかこの時期ですとアレルギー疾患、花粉症とかにも使われますし、
腎臓病とかにも使われたりするので、本当にステロイドはいろいろな疾患に使われます。 この時期ですと特に花粉症と話もしましたけども、
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花粉症、以前少し話をしたことあるんですけども、 花粉症というのも体の中の免疫が花粉という異物に対して反応して起こる
炎症反応なので、ステロイドを使うことでこの炎症を抑えることで症状が楽になります。 ちなみになるんですけども、よく言うロキソプロフェンとかイブプロフェンと言われる
痛み止めとか炎症止めなんですけども、これらは非ステロイド性消炎鎮痛薬と言われます。 ステロイドではないですよ、でもステロイドじゃないけども痛みや炎症を抑えますよという薬です。
こういった非ステロイド性消炎鎮痛薬、ロキソプロフェンとかイブプロフェンは正直な話、コルチコイドとかに比べると痛みや炎症を抑える効果が弱いと言われます。
ステロイドほど副作用が少ないというのも利点もありまして、ステロイドを使うほどじゃないだろうという痛みとかにこういったロキソプロフェンとかイブプロフェンを使うと言われております。
また、ステロイドなんですけども、例えば花粉症とかの場合は飲み薬だけじゃなくて、目薬や点鼻薬、鼻にシュッとする薬ですね。こういったのが処方されることもありますよ。
あと先ほども話した喘息に使える吸入薬、これなんかも飲み薬じゃなくてもすごい薬でありますねという、こういった飲み薬じゃないやつ、飲み薬ですと副作用が怖いというのは実際あるんですけども、
こういった目薬、点鼻、あとそれと軟膏もここ入りますねとかなんですけども、目とか鼻とか皮膚とか効かせたい部分にだけ薬が作用するような形にすることで、体の中に入れる量を減らせます。
例えばになるんですけども、ある飲み薬のステロイドを飲むとき、その成分を5mgとか0mgとかで飲む必要があるんですけども、点鼻薬とかだと50μgとかで済むようになります。
μはミリの千分の1、飲み薬が例えば5mgだとすると点鼻薬50μということは体の中に入れるステロイドの量が100分の1で済みます。
それによって副作用のリスクを軽減することができます。こういった形でステロイドに対しては副作用対策いろいろされておりますが、じゃあなんでステロイドを副作用のことがよく言われるのかという話をしていきます。
まずステロイド、胃の防御因子、胃の粘膜とか守っているところを破壊するという性質がありまして、胃を荒らしやすいというのが結構早めに出たりします。
それと、長時間とか大量にコルチコイドとかのステロイドを使うと、これなりやすくなるんですけども、血糖値とかを上げやすくなったりします。
コルチコイドが体の中で多くなりすぎると、体のタンパク質とか脂肪、こういったのを糖に変えるような働きを起こします。
タンパク質とか脂肪を糖にどんどん変えていくので、血糖値が上がっていきます。
その血糖値が上がった影響で、今度は体の中にある水蔵にあるインスリンが、血糖値を下げろというために大量に出てきます。
インスリンというのは、血糖値を下げる時に脂肪を作りやすくするという特徴があります。
それによって体重が増えやすくなったりしますし、顔に脂肪がつく、いわゆるムーンフェリスという丸い感じの顔になったりします。
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こういったのが、よく言うステロイド、コルチコイドでよくある副作用です。
他にも、コルチコイドには免疫を抑えるという作用があります。
実は、この作用を良い面に使う治療もあります。
例えば、硫マチ。
硫マチというのは、体の中の免疫が反応しすぎちゃって、プシプシとかを痛めたり、炎症を起こします。
なので、免疫の反応を下げてあげれば、硫マチとか楽になるよね、というので使ったりするんですけども。
当然、免疫を落とすということで、感染症への注意が必要だったりします。
こういった副作用の怖さが、やっぱりステロイドには付きまといます。
コルチコイドがすごい花粉症を楽にするので、大量に患者様が欲しいと言われることもあるんですけども、
副作用を起こさないためにも、花粉症の時は症状がひどい時だけ、このコルチコイド、ステロイドを飲んでね、という感じで処方されたりします。
すごい有益な薬があるんですけども、医師の方でも細かく量を調節したりします。
例えば、今日と明日は1日6錠飲んでね、あるステロイドの薬ですね。
でも、3日目からは4錠にしてね、3日目4日目が過ぎて、5日目になったら今度は1日3錠にしてね、
だんだんだんだん量を調節していくと、それぐらい微調整が必要だったりします。
これ一気にやめてしまうと、症状がぶり返しやすくなるので、ステロイドというのは、やめる時もだんだんと順序を追って減らしていかなきゃいけないという特徴があります。
ただ、今回質問いただいた皮膚科ですと、よくある肌の炎症、例えばアトピー性皮膚炎とか虫刺されとか、
そういったので、肌で起きている炎症を抑えるためにステロイドを使ったりもしております。
皮膚科の場合なんですけども、こういった軟膏とかですと、表面部分だけに使うことで、やっぱり体の中に入れないので、薬剤をなるべく少なくしております。
なので、正直、塗り薬では血糖値とか胃とか免疫の影響は、よっぽどおかしい使い方しない限りは大丈夫です。
もちろん、無駄に強い薬を長期的に使ったりすると、それはそれで肌を悪くすることがあったりするんですけども、
両方容量を守っていれば、ほとんど問題はないです。
確かによく言うステロイド、副作用が多い薬ですが、短期間で済むような処方とか、ひどい時だけ使う、量を多くしすぎないとか、そういうことであれば副作用はかなり抑えられますし、
実際、医師のほとんどはステロイドについてかなり注意をしておりまして、量の調節をしておりますので、両方容量を守れば安全にお使いいただけると思います。
以上、ステロイドが処方される必要性と危険性について話をいたしました。
そして、ここからは本日のワンポイントです。
本日のワンポイント、ステロイドは朝に飲むのが良い。
ステロイド、今回で言う糖質コルチコイドですけども、症状が辛い時に飲んでねっていうことが多いんですけども、基本的には朝飲む方が良いという話をします。
もし、過去にステロイド処方された方で、朝夕食後とかじゃなくて、朝昼食後といった形で医師から指示されたりすることがあるんですけども、これから話すのがその理由にもなります。
体内で作られるコルチコイドですけども、体の中で多く分泌されやすい時間帯と、あんまり分泌されない時間帯というのがあります。
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多く分泌されるのは、深夜から朝方に多くなりまして、そこからだんだん減っていきまして、夕方に最低になる。
そこからまた増えていくというリズムがあります。ここで夕方など少ない時間帯にステロイドを服用するとどうなるかというと、少ない時間帯にコルチコイドが多くなるので、ある意味効きやすくなります。
痛みとかが楽になるんですけども、体の方が本来コルチコイドが少ない時間帯にも関わらず、コルチコイドが体内に大量にあるぞという、多く作りすぎているかなと勘違いを起こしまして、コルチコイドの体内の分泌量をわざと減らす恐れがあります。
コルチコイドの分泌が減ると、自力で体内の炎症を抑えるとか、そういうのがしにくくなります。
そうすると結局ステロイドを飲まないと炎症を抑えられないということで、薬に頼らないといけなくなっていくということもあります。
こういった負のスパイラルを抑えるためにも、基本的には朝に多めに飲んで、夕方に飲むくらいなら昼に飲んでねと指示されたいとか、そういった指示をされることが多いです。
なので基本的には花粉症の時期とかで症状がある時とかだけだったらば、常用しなければ別にここまで正直気にする必要はないです。
体の調子が崩しやすい夕方に飲んだ方が効きやすいとかもあるので、ただもう毎日飲むよとか決まっている方とかですと、基本的には朝飲んでもらった方が副作用とかのリスクは減りますよとか、
結果的にはコルチコイドが体内で減らないので、自力で炎症を抑える効果これも保つことができるよということです。
今回はこんな感じです。どんな薬にも言えるんですけども、効果と副作用のバランス本当難しいです。
特にステロイドはかなり難しいです。 多くの方が副作用のことを懸念して避けたがるという薬ではあるんですけども、
ただ炎症をそのままにしておきまして、炎症部分が悪化していくというのは正直それも体に良くないです。
ステロイドを短時間使いましてしっかり治して薬をすぐに止めるのも結果的にはQOLを維持するためには大事だったりします。
とはいえやっぱりステロイド怖いのはわかります。処方された際はなぜ必要なのかなどをお係りの医師とか薬剤師と
納得するまで相談してみるのをお勧めしております。 今回も最後までお聞きいただきましてありがとうございました。
また次回も聞いていただけると大変嬉しいです。それではまたお会いしましょう。
また次回は医師や看護師、薬剤師などの話を優先するようお願いいたします。