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皆さんこんばんは、マスクマンZPMです。
お昼の収録に続いて、2本目に入りたいと思います。
ナンバーが66回目になりますね。
今日はこれ、朗読のバージョンですね。
朗読の第1章のところを行きたいと思います。
食読の教本を全部読もうと思って、読みながらやってたんですけども、
朗読するのをすっかり1章、初めの1章だけ忘れてね、
他の章は全部朗読したのに、1章は朗読してなかったっていうのがあるんです。
そこはね、すっかり忘れててですね、今頃になって気づいたと。
最近ですね、速読の教室には通ってたんですけど、
ちょっと、速読のなんて言ったらいいですかね、
伸び悩みみたいなところでね、ちょっとくすぶってた状況なんでね。
教本を使って速読をちょっとしていくんですけども、
そこがですね、何回も読んで内容を読み込んどかないとできない部分もあって、
ちょいちょい読んではいたり、こうやって朗読を自分してますんで、
読まなくても聞き流すだけで内容を理解できるっていうのをやってるんですけども、
すっかり1章だけ忘れておりました。一番初っ端のところの肝心なところですよね。
その冒頭のところをやってないというね。
なので今日はちょっと朗読の1章を読んで完了したいと思いますけども、
その前にですね、ちょっとSNSでね、医療介護系のね、サービス残業とか、
それと、そんなのがちょっとトレンドに上がってたというか、ニュースで上がってたというか、
動画で上がってたのでね、そこらへんちょっと話して朗読に向かいたいと思うんですけど、
医療福祉業界ね、サービス残業オンリーですね。
会社によってはね、してくださいとかお願いしますとか言うんですけど、
言うところもありますよ。言わないところもあります。
あからさまにするのが当然よねみたいなこと言うやからもいます。
自分より上の上司の人たちは、して当然よねっていう感覚を持ってます。
自分もちょっと前まではして当然よねっていう感覚は若干ありました。
でも、コロナが流行ったことによるのと、働き方改革がこれだけなされていることによって、
残業をする意味がそこまであるのかという話になってきたんですよね。
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当然突発の残業とかね、それは自分はOKです。
医療福祉業界におって看護師をやっているので、緊急で誰々さんを病院に搬送してくれとか言うのはね、
それは自分が言うほどその日に限って、今日はどこどこ行って用事があるからダメよとか言わない限りはOKします。
それで残業になる分はいいです。
それは自分がこの業界に入るときに覚悟をして入っているので、
例えばですよ、その日に限ってね、神さんがいたとして子供が生まれますからとか言うんだら、
医者じゃない限り断りますね。
赤の他人よりも自分の神さんの子供のほうが、血のつながった子供のほうが優先ですよ。
神さんが容態悪いとかね、親族が容態悪いとか倒れたとか言うならね、
利用者なんかほっぽり出して、利用者なんか他のやつでも誰でも行けるんですよ。
誰が行ったっていいんですよ。自分がわざわざ行く必要ないですからね。
なんなら管理職に行かせておけばいいのに。後で変わるからちょい良いんですよ。そんな感じです。
で、これもあるあるネタなんですけどね。
先輩とか上司が残業してたら部下は残業しないといけないとか、後輩残業しないといけないとかね、
なんかわけのわからん暗黙の業界を作り上げてるね。
ジジイとババアドもね。これ自体はね、むっちゃくちゃおかしいんですよ。
自分が残業しても他の人帰れるならはいちゃちゃ帰れって言いますからね。
ダメですって言いますね。派遣の人が残りましょうかとか残業しましょうかとか言うんですけど、
派遣の人に残業させたら今度こっちが怒られるんですよね、上勤がね。
上勤が残業してるのになんで派遣が残ってるんだとかね。
まあそれが普通の会社の考えですよ。
ニッチもサッチもいかないとか、あまりに人がいなさすぎて派遣の人にごめんなさい残ってねって言うときは、
それは上司に了解とってごめんなさい残ってくれるって言います。
でもその人が他に用事があります、それとか、
当然派遣の人たちって一社で働いてるわけないですからね。
二社も三社も掛け持ってる人もいるかもしれないじゃないですか。
派遣をしてるからには家庭の事情があって派遣をしてる人もいるかもしれないじゃないですか。
ってなったら当然のごとくそれはそっちを優先すべきですよ。
悪いですけど赤の他人のジジイババーの命なんか放っておいていいですよって話ですよ。
勤務の時にジジイババーの命を放っておいたら大変になりますよ。
それはそうなんですけども、そうじゃなければ赤の他人の命なんか本来は放っておいていいです。
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その人が行かないといけない理由がそもそも全くないですからね。
っていう話なんですね。
サービス残業っていうのはね、夕方残ってサービス残業じゃないんですよ。
朝早く来るのだってサービス残業。
休み時間なんかね、なかなか取れませんね。
しっかり取ろうと思っても必ず連絡が来たりして、
その連絡は緊急でもないのに重要な電話だからって言ってね、
休みを結構遮られて、何のことやらと。
自分なんか休みの期間中に、休憩の期間中にちょっと学校のレポートやら何やらとか、
勉強じゃないですけどそんなのをちょっとやったりするんですよ。
でもね、電話が来てあれ?って思ったらその電話で5分10分平気で取られたりするんですよね。
緊急でない電話を回されるんですよ。
それなんだって言うんですよね。
その代わり管理職とか事務方の人たちは1時間しっかり取るでしょ。
だからなかなかなんちゅう商売なんやろうなーってちょっと思ってもするんですよね。
そういうのもね、サービス残業の中に入るんですよ。
人がいないからって言ってね、利用者さん見なきゃいけないからっていうことで、
その人たちが残業し、朝から遅くまで残業しられるでしょ。
次の日早出だったら帰って飯食いって風呂入って寝たらもう次の日早出ですからね。
ってのことやってるんですよ。
何やってるんだと。
管理職だけはしっかり休憩とってね。
こいつら何様なんだと。
人がいなかったら管理職もね、
フロアの中に入って業務とかするんですけども、
していいんですけど、本来お前らの業務そこじゃねえぞと。
人集めてなんぼだろうと。
人が来ないですで、ごめんなさいで、
あと残ってる人たちに残業してねえじゃないですよね。
言えば二言目に人が来ないんです。
人来ないようにするのを何とかするのがお前たちの仕事だぞと。
仕事の放棄をしてるのはお前たちじゃねえかという話なんですよ。
だから何考えてんだろうなっていうのはあります。
そういうサービス残業が医療福祉業界で横行してますので、
後々人手不足になっちゃうんですよね。
だからジジイババが本当に施設に入って死ねないというね、
在宅で死ぬしかないのかな。
でも人いないですからね、どうするんですかね。
でも入れたところで人いなかったら思うんですけど、
めっちゃくちゃこけてますからね。
人いないときに必ず動くしたがって転倒するんですよ。
転倒したら看護師が常に病院に連れていかないといけないんですよ。
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自分らが特養にいますから、特別養老所ホームなんですけどね、
特養にいる場合は緊急とかこちらの落ち度がない限り、
病院は家族が来てくれるなら受診してくれって言いますけど、
家族が対応できないといったらこっち連れて行くしかなくなりますからね。
でも何回もこけて病院に連れて行って、見守りする人はいないんですよね。
だから一生懸命こけて病院行って帰ってきて何もないですって家族に言って、
看護師を開いて見守り強化しましょうねとか言っても見守りする人がいないからね。
何回もこけちゃってる人もいましたけどね。
だから何やってんだろうなこの施設の管理職っていうのはちょっと思います。
だからそこに24時間監視つけるとか言わんけど、
可能な限り人を割いてそこに持っていかないと月に何十回もこけますよって話ですよね。
そういう人を入れる管理職もどうなのかなと思うんですけどね。
職員じゃないですよ。利用者ですよ。
入居を決定するときの決定基準もすごい明確なものじゃないようなことをしてね。
ちょっとクソと思ったことがあるんですけどね。
これ完全な愚痴ですけどね。
100歳過ぎた人を入居として取ったんですよ。
来るもの拒まず去るもの終わずじゃないけど、
それは良いかもしれないですよ。
利用者を第一優先にしてるのはある意味良いことだと思うんです。
こっちが疲れるけん大変なんですけどね。
職員たちが大変なことになるんですけど、
でもそれでも100歳の人間を利用者として迎え入れますかって話なんですよ。
言うて多い詐欺短いじゃないですか。
その人があと何年生きるんですかって切実に考えてたぶんあと2、3年も生きれないと思うんですよね。
結果入居されて数日経ったら入院をしてもう退居になっちゃったんですよね。
何をもって入居を決定したのかなっていうのがね、
その時誰も対抗馬って言ったら変ですけど、馬じゃないですけど、
入居に上がってくる人たちの順位に反映されなかったとか言うんですよ。
いやいやいや、100歳の人間を入れてどれくらいのスパンを目指してるんですかって話なんですよ。
こう言っちゃ悪いですけど、70、80を入れて2、3年とか4、5年とか言うならまだわかるんですよ。
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100歳入れて4、5年とか7年とかプランはどこにもないでしょ。
入れないとわからないとかじゃなくて、入れても普通わかるでしょっていう話なんですよね。
そこら辺が非常にね、もうそこからして基準が曖昧なんですけどね。
すみません、ちょっとヒートアップして話しすぎちゃいましたけど、
これね、そのまま話そうとしたら30分、40分、50分くらいいきそうな勢いだったんでね、
これくらいにしときたかったんですよ。
まだ言い足りないこといっぱいあるんですよ。
これはもう確実に愚痴ですけどね。
ちょっと朗読の前にしゃべっておこうと思いました。
そういうことにしておきます。
これ以上言い出すと大変なことになりますんでね。
ちょうどよく、もうちょっとしたら13分になりますんで、そこから朗読をスタートしたいと思います。
もう愚痴言っちゃいすぎた。
はい、じゃあ行ってみましょう。
朗読第一章。
りな、霧の谷へ。
あの霧の谷へはどう行ったらいいんですか。
りなは思い切ってそばを通った女の人に尋ねてみた。
霧の谷?さあ聞いたことねえな。
見でわかるがね、この街は駅からただまっすぐに続いているだけだおの。
色の冷めたワンピースを着て下駄をつっかけた女の人は首をかしげた。
りなは泣きたくなった。
ホームが一つで木のベンチが二つ置いてあるだけの小さな駅。
舗装されていない道端の雑草にも駅の建物にも土ぼこりが厚くかかっている。
そのせいか街が白っぽく見える。
一台の自動車と二、三人の人がのろのろと動いている。
はっきり張り切っているのは太陽だけのようだ。
そう思ったら、りなの目から涙がにじみ出た。
驚いた女の人は駅のそばの交番へりなの肩を抱くようにして連れて行ってくれた。
おまわりさん、迷子らしいのす。
と女の人は声をかけた。
すると、ほう、珍しごともあるもんだな。迷子だってが。
と言いながらシャツの衿をはだけた片手にうちわを持ったおまわりさんが出てきた。
赤いカバンと傘を大事そうに握っているりなを見ると、
これは家出かもね。知れねえね。
と言った。
その言葉を聞くと、りなは頭をぐいっとあげて真正面からおまわりさんをにらんだ。
15:00
しょぼしょぼした身の年取ったおまわりさんだった。
私迷子でも家出でもありません。
しかしおまわりさんはまあまあといった格好でりなを交番に招き入れた。
女の人まで心配そうについてきた。
おまわりさんは机に向かうと、名前はなんていうのすと聞いた。
植杉りな。
りなはぶっきらごうに答えた。
りなってどうかぐのすか。
カタカナ。ほう、珍しい名前だごとや。
りなは黙っていた。
何年生なのですか。
6年。
どこから来たのす。
静岡。
静岡から来たってか。
一人で。
女の人がびっくりしたようにりなを見た。
りなはいくらか得意だった。
初めての一人旅。
それも東京と仙台とで2回も乗り換えて、
ちゃんとお父さんの言っていた町へ降りたのだ。
りなを夜行に乗せてくれるとき、
お父さんは向こうへは連絡しておくから、
あの町へ着きさえすればあとは心配ないよと、
乗り換えのことだけを何度も心配そうに繰り返したのだ。
だからりなは迎えが来てくれるものだと信じ込んでいた。
それなのにいくら待っても迎えの人は来てくれない。
さっきまでは心細くて泣き出しそうなのを必死にこらえていたりなだったが、
今は迷子に間違えられたことに腹を立てていた。
おまわりさんはノートのようなものを開いて、
一生懸命にりなの言ったことを書きつけている。
私本当に迷子でも家出でもないんです。
ただ道を聞きたいだけなんです。
りながイライラして言った。
すると女の人がにっこりして、
我慢してやってけで、
おまわりさんのこの町での仕事って言ったらは、
まっすぐな町並みをパトロールすることグレーなんだからと言った。
おまわりさんも書く手を休めると、
5月2日の祭りに喧嘩あったっぺ。
それ以来3ヶ月ぶりで日誌に書くことができたからな。
いつも異常なしだべ。
本当は異常なしがいいことだと思う。
と頭を書いた。
それでどこさ行きてえのす。
やっと本題に入ってくれた。
りなはほっとした。
霧の谷へ行きたいんです。
おまわりさんははてっと言った顔で首をかしげた。
18:01
そして心配そうなりなの顔を見ると、
今調べてやるからと優しく言って、
埃の厚くかぶった大きな帳簿を取り出した。
何しろ道を汚れるなんてまったく久しぶりだからと、
埃をぷーっと拭いてから調べ始めた。
しばらくページをめくっていたが、
まず銀山村のあたりのことらしじゃ。
と手を止めた。
ん、だっですか。
と女の人はおまわりさんを見た。
そして二人は変な顔をしてりなを見た。
二人に見つめられてりなはまた心配になってきた。
何かいけないことでもその村にあるんですか。
そんなこともねえんだとも。
とおまわりさんは自信のなさそうな口ぶりになって、
あそこいらへんは大昔に銀の出たとこなんだおや。
だとも閉山になってからもう三十年近いと思う。
うんだから銀山村の人たちも一人また一人といなくなった。
って聞きだった。
今は何人ぐらい住んでるんだが、
俺の管轄でねえからよくわからねえんだとも。
おめえさん銀山村さ行くのすか。
横から女の人が口を出した。
りなは銀山村なんて知らなかった。
お父さんは霧の谷に知り合いがいると言っただけだった。
でもその口ぶりからはこの町へつきさえすればあとは安心なはずだった。
りなは霧の谷に銀山村しかないのならそこなのだろうと思った。
よくわかりません。
でもたぶん銀山村だろうと思います。
お父さんの知り合いがいるのでそこで夏休みを過ごすつもりなんです。
夏、りなはの声はだんだん小さくなっていった。
うーんとおまわりさんと女の人は同時にうなった。
でも私帰ろうかな。
もうお父さんの知り合いもそこにいないのかもしれないし。
するとおまわりさんがのんきなことを言った。
帰るって言ってももう夕方の汽車しかねえぞ。
どうだべ。まだ昼だおの。
行くだけでも行ってみたらば。
知り合いがいねえってはっきりしてるわけでもねえんだから。
りなはそれもそうだと思った。
いつも忙しがってばかりいて。
りなが休みにどこへ行くかなんて気にもかけないお父さんがどういうわけか。
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毎年長野へ行くんだから今年は霧の谷へ行ってみろ。
たまには変わったところもいいもんだぞと勧めてくれた。
それにやっとここまでたどり着いたのだからこのまま帰ってしまうのもつまらない。
おまわりさんが言うように行くだけでも行ってみよう。
それじゃ行ってみます。
りなは思い切って行った。
おまわりさんはうんだらば地図書いてやるから。
だとも山道だし目印もねえんだから書きづらいこととぶつぶつ言いながら古い帳簿を見い見い苦労して地図を書いてくれた。
まったく久しぶりで水をたどられたのにはっきり教えれなくて申し訳ねえんだと思う。
とりなに一枚の紙切れを手渡した。
女の人はその地図をのぞき込むとまるっきりの山の中だよ。
それは昔は道あったんだけども。
結局戻ってくることになるんだす。
やめたほうがいいと思うともと言った。
山の中って遠いんですか。
りなは少し心配になった。
さあどうなんだべ。
うんだとも町は町外れの神社の脇道を登ってくんだべ。
この暑いのに神社まで行くんだって大変なんだ。
それなら途中までバスで行きます。
女の人は気の毒そうな顔をした。
小町にはバスもタクシーもねえのす。
駅から遠くさすんでる人はみんな自転車を持ってるんだおの。
そうですか。
そう答えてりなは交番を出てみた。
町を眺めてみてそうだろうなと思った。
りなが二人にお礼を言って歩き始めようとしたとき、
おまわりさんはりなに待っているように言った。
そしてげんじいさんと向こうからリアカー付き幸運機でやってくる人を呼び止めた。
げんじいさん家さ帰るんだべ。
悪いともこのわらすを神社のあたりまで乗せてってやってけねえすか。
真っ黒に日焼けして麦わら帽子をかぶったおじいさんはりなをじろっと見ると、
ああいいよとりなに乗るように手であいずした。
おまわりさんはりなをリアカーに乗せてくれた。
これでも歩くよりはましだべとりなに小声でささやいていってにっこりした。
24:02
りながまだお礼を言っているうちにリアカー付き幸運機は走り始めた。
ダッダッダッダッとものすごい音と土ぼこりを立てながらまっすぐな街並みを通り過ぎていく。
右も左も家の後ろは田んぼが山の根元まで広がっている。
田んぼの中にはぽつんぽつんと二三元の農家があるだけだ。
自転車に乗った人がげんじいさんひるめしがーっと声をかけて通り過ぎていった。
軒の低い河原屋根の家が続いている静かな街だがそれでも四五人の人とすれ違った。
りなはリアカー付き幸運機に乗ったのは初めてなものなのだから結構楽しかった。
しかし人に会うとやはり恥ずかしいような気もして早く街を通り過ぎてくれればいいのにと思った。
ところがリアカー付き幸運機は自転車よりもまだ遅い。
どこまでもこのほこりっぽい街並みが続いていくような気がした。
街を通り過ぎてやっと田んぼの中へ出たとき、りなはほっとした。
リアカー付き幸運機は青々とした稲の間を雷のような音と濛々とした土ぼこりをお供にノロノロと進んでいく。
おめえさん、霧の炭砕行くどこすか?と突然げんじいさんがエンジンの音に負けないような大きな声でりなにとなった。
りなは急に話しかけられたことと霧の炭と言われたことでびっくりしてリアカーから転げ落ちそうになりながら、
どうしてわかったんですか?と怒鳴り返した。
口を開けた途端、土ぼこりがしこたま口の中へ入り込んだが黙ってはいられなかった。
おまわりさんは途中まで乗せてやってくれとしか言わなかったはずだ。
なあにずっと昔だったもん、やっぱり神社のあだりでおろしてげでって頼まれたのを思い出したんだ。
りなはおじいさんに霧の谷のことを詳しく聞いてみたかったが、このものすごい音の中ではとても長話はできない。
やがてリアカー付き幸運機はこんもりした森の前で止まった。
エンジンが静かになると森の方からセミの声が聞こえてくる。
27:00
ほれ、あの道に登ってけば霧の谷さ出るから。
げんじいさんは赤い鳥の方を指さした。
りながリアカーから降りてお礼を言おうとするとげんじいさんは不意に、
そのおめさんの傘だと思うと、りなの傘を見た。
それは白地に赤い水玉模様の傘で、絵の先にはピエロのニーと笑った顔がついている。
りながとても気に入って大事にしているものだ。
その傘で思い出したんだとも、霧の谷から銀が出なくなった頃だから、
もう30年も前だべかな、馬車におめえさんと同じ年ぐらいの男わらす乗せてやったこともあったのや。
男わらすはそれと同じ赤と白の変わった傘を持っているから、
おかしいとも思ったんだけど、男わらすの持つ傘でねえよな。
げんじいさんはりなの傘をじっと見て、りなの方に目を映した。
うんだうんだ、おめえさんみたいにぷっくり太った男わらすでな。
顔もどこかしら似てるような気がするとも。
げんじいさんは首をかしげた。
私と似てる、あらもしかしてお父さんじゃなかったのかなとりなは言った。
そして家へ帰ったら、げんじいさんの馬車に乗ったことがあるかどうかお父さんに聞いてみようと思った。
するとげんじいさんが言った。
その傘はおめえさんの父さんのものなのか。
いいえ、お父さんの知り合いの人にもらったんです。
りなが答えるとげんじいさんはうなずいて突然ダダッと高音機のエンジンをかけた。
じゃあ気をつけてな。
げんじいさんは大声で言った。
りなは慌ててぺこりとおじぎをした。
げんじいさんはにっこりしてまた土ぼこりを舞い上げて田んぼの中を進んでいった。
りなは傘を鞄のとってに挟んでずり落ちないように気をつけながら神社の脇のゆるい坂を登っていった。
蝉がひっきりなしに鳴いている草の青臭い匂いが鼻についた。
登るにつれて両脇の草がかびこって道がだんだん狭くなってくるし石ころで歩きにくい。
周りに木があるのだから涼しいはずなのに風はちっとも吹かないで木々が厚苦しくさえ思える。
30:01
りなの歩みが次第にゆっくりになってきた。
その代わり息が弾んでくる。いつの間にか傾斜が急になってきたようだ。
山登りに来たんじゃないのに本当にひどいところだ。なんて暑いんだろう。
それになんて重いカバン。夏休みの宿題持ってきたせいだ。
カバンを憎らしげに見直したりなはハッとした。
傘を落としてきたらしい。ついさっきまで気をつけてたのに振り向くと道の少し下の方に白いものが見える。
よかった。りなはそこまで戻るとカバンを投げ出してぺったりと座り込んだ。
汗が首筋をはうのがわかる。ハンカチを出して汗を拭きついでに地図を出してみた。
おまわりさんの地図は神社のところに矢印があってここを少し登っていくとしか書いていない。
まだまだ登るのかしら。とりなが山道を見上げるとすぐ脇の杉の木に何か打ち付けてある。
目を細めると霧の谷。雨だらしになった板にそう書いてあった。
りなは杉の間を覗き込んでみた。いくら覗き込んでもうっそーとした木立がしーんと静まり返って続いているだけだ。
帰っちゃおうかな。私は何もこんなところへ行きたかったわけじゃないのに。
お父さんが無理やりに起こしたんだもの。りなはどうしようかと迷いながらゆっくり立ち上がった。
突然風がブワーッと吹いた。森は一斉にガサゴソと傘がパッと開いて風に飛ばされた。
りなは捕まえようとしたが傘は二本のヒマラヤスギの間に隠れてしまった。
りなは鞄を掴むと慌ててそのヒマラヤスギの間に飛び込んだ。
背の高い木が茂っていて薄暗い森の木の間に白いものが見える。確かに傘だ。
ところがりながそこまで追いつくと傘はそれよりちょっと先へ行ってしまう。
りなは夢中になって追いかけました。
木々はそんなりなを嘲笑うようにりなの頭の上でザワザワと音を立てている。
ふっと気が付くと白いものが流れ始めている。
霧だと分かった時には一メートル先もぼんやり霞んでしまっていた。
思いがけない出来事にりなは真っ青になって立ちすくんだ。
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まだ夕方でもないしそんなに高いところまで登ったわけでもないんだからすぐ晴れるに決まっていると必死になって自分に言い聞かせた。
下手に歩き回らない方がいいのかもしれない。
りなは涙をこらえてその場を立ち止まった。
さっきまで汗をかいていたのにもう肌寒い。
むき出しの腕には鳥肌が立ってきた。
少し運動でもしてから体を温めよう。
りなは元気をふるい起こして1、2と足踏みをした。
あれ、おかしいなとりなは思った。
なんとなくおかしい。
足の下は土の感触じゃない。
それにコンコンと固い音がしたような気がした。
りなはかがみこんで足元を見た。
左足は雑草の上に右足は石の上にある。
それも平らな石。
りなはもう一歩霧の中へ踏み出してみた。
やっぱり石の上でりなの白い靴がコーンと音を立てている。
りなが一歩ずつコーンという音を確かめながら歩いていくうちに
膜が上がるようにさっと霧が晴れていった。
りなはポカーンと口を開けてあたりを見た。
目の前に小さな町があったのだ。
ここがおまわりさんの言っていた銀山村なのだろうか。
とにかくりなの思っていたところとは違っていた。
りなは赤ちゃけた土の上により固まって立っている。
黒ずんだ小さな家を想像していたのだ。
ところが森の深い緑の中には赤やクリーム色の家があり、
石畳の道は雨が降った後のように濡れていた。
森の中にたった六軒しーんとして誰もいないようだ。
まるで外国兵でも来たみたいだった。
りなは振り向いて鞄をつかむと石畳の道を進んでいった。
りなの足音だけが響いて森へ吸い込まれていく。
どの家にも道に面してピカピカに磨かれた大きな窓がついている。
クリーム色の家は本屋らしい。
大きな窓から本がたくさん並べてあるのが見える。
その向かいでは船の道具を売っている。
本屋の隣は瀬戸物が並べてあり、
その向かいは真っ赤なドアのあるいかにも楽しそうなおもちゃ屋だ。
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おもちゃ屋の隣はお菓子屋に違いない。
りなは甘ったるいピンクのドアを見てそう思った。
お菓子屋の向かいの家だけが前の方に庭があった。
他の家に比べると大きくて赤いレンガの壁に白い縁取りのこれも大きな窓がついていた。
ツルバラの絡んだ門の前に立ってどこか変な家だとりなは思った。
煙突が多すぎるのだ、その家をぼんやり見ながらとにかく山の中の村ってこういう山の中の村っていう感じじゃないわねと独り言を言ってりなは驚いた。
りなの傘はその大きな家の玄関に持たれていてピエロの顔がりなににっと笑いかけている。
りなは捕まえようと門をくぐっていった。
これで1章朗読終わりました。
13分くらい喋ってましたからね24分くらいか。
だいたい1章読むのでこれくらいのスピードですね。
やはりなんて言ったらいいんですかね。
小学校の課題図書になる文庫の本らしいんですね。
だからこれ若干読みにくいんですよね。
こっちが漢字変換されてると思った言葉が全部ひらがなになってるんですよね。
それが読みにくいのはなんのというね。
そういうところがあって噛むこともありますがこれは話し言葉の方が方言を使ってるんでしょうね。
方言は読みにくいですねこれね。
と言いつつ自分も共通語を覚えなくて方言でだいたい喋りますけどね。
ただ地元の言葉の方言をあまり出すとこっちの人には分かってもらえないというねジレンマがありますのでそこは方言を使いながらも方言を出さないようにしております。
そんな感じで今日はこれで終わろうと思います。
それではおやすみなさい。