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神戸金史 のCatch Up 時代の先端を走った「森崎和江」三回忌にファン集まる
2024-07-09 13:51

神戸金史 のCatch Up 時代の先端を走った「森崎和江」三回忌にファン集まる

RKB解説委員長 神戸金史
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00:28
毎週火曜日のこの時間は、神戸金史のCatch Upです。
福岡県室田市在住だった、詩人でノンフィクション作家、森崎和江さんが亡くなって2年が経ちました。
6月15日が明治で95歳ということですね。
三回忌にあたり、戦後の社会に大きな足跡を残した森崎さんを忍ぶイベントが、先月末に西南学院大学で開催されたんですね。
そこでは森崎さんに関わるRKBとNHKのドキュメンタリーが特別上映されて、150人集まりました。
やっぱり人気があるなぁと思いましたね。
森崎さんって、95歳で2年前亡くなっているので、あまり直接は知らないかもしれないんですけど、
1927年、昭和2年に朝鮮半島で生まれました。
父親は日本の植民地だった当時の朝鮮で教師をしていた。
森崎さんは17歳で、1944年ですが終戦の前の年に現在の福岡女子大学に進学して、
初めて内地で暮らして、そこで敗戦を迎えた方です。
イベントでは、RKBのディレクター木村英文さんと言われますが、
97年に制作したドキュメンタリー、月城の道、戦場から描いた詩人が上映されました。
主人公は森崎和弥さんが帰国後に詩を学んだ医師の丸山豊という方です。
丸山さんは戦争中、軍医として南方先生に従軍して、戦争の悲惨さを目の当たりにしてきたんですね。
詩人でもあって、いろんな詩を書いていらっしゃる。
これを書いた詩集、月城の道のドキュメンタリーにしたRKBの番組でした。
その時に森崎和弥さんは、自分も登場しているんですけど、
構成を担当して番組は森崎さんの視点で描かれています。
冒頭をお聞きください。
丸山豊、心に火が灯りました。この町に詩人がいらっしゃる。
03:10
こんな感じで番組が始まっていきますが、17歳で日本に帰ってきた。
そして敗戦を迎えた森崎さんが出会った詩人丸山豊を取材していくという形です。
朝鮮で生まれた森崎和弥さんにとっては、ふるさとは朝鮮なんですよね。
初めて日本に戻ってきたということです。
敗戦後に、自分は朝鮮半島では実は侵略者、抑圧者の側だったんだと。
それを気づかずに朝鮮を愛して暮らしていたということに気づく。
自分のふるさとは朝鮮なのに、そこをふるさとと言っていいのだろうかというふうに悩んでいく。
そこが森崎さんのその後の行動や文学にもものすごく大きな影響を及ぼしています。
とても真剣な姿勢が反映しているんですね。
そのイベントには、大阪から文学の研究者2人が招かれました。
この80分のドキュメンタリー、築城の道を見た後に、大阪大学大学院の渡辺恵理教授がこういうふうに話していました。
今日ここで見れたことが良かったということの一つは、私たちの戦争の記憶ってどうしてもですね、
太平洋戦争という言い方がそうであるように、アメリカとの戦争みたいな感じでどうしても記憶されていて、
そうするとアメリカに負けたのだという感じで、被害の記憶としてやっぱり形作られてしまうところがあります。
ところが実際には日本はアジアに進出をして、そしてそこでですね、侵略もしたし、
そういう意味での加害の記憶というのも含み込まれた映像を、
今日はこの場で見れたということはすごく大事なことかなというふうに思っています。
2022年の6月15日に森崎一恵さんが世を去って、早くも2年余り経ちました。
その3回期に合わせたこの催しを実現することができ、
そしてですね、こんなにたくさん方が来て、森崎がこんなに求められている世の中なんだということを再実感できて
とても嬉しく思っています。
大畑さん、この4月に「闘争のインターセクショナリティー 森崎一恵と戦後思想」という5本、
こちらをですね、制度社よりご出版されました。
森崎一恵研究の紛れもなく第一人者の一人です。
これ、筑法時代の森崎一恵というものにじっくり取り組んだ、本当にすごい本だというふうに思います。
渡辺教授が紹介した大畑凛さんも大阪大学の研究者で、
本のタイトルは「闘争のインターセクショナリティー」というカタカナのちょっと難しい言葉なんですが、
インターセクショナリティー、日本語で訳すと交差性、交差する性質という言葉なんですね。
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インターセクションは交差するポイントですね。
何かと何かが交差したときに、そこには別の変化が生まれてくるという考え方なんですけど、
例えば人種、階級、ジェンダー、セクシュアリティ、国籍、世代、いろんなものの立場の違いがあって、
それが交差するときに、それぞれが関係して人々の経験を作っていくという考え方なんですね。
そこに着目したという本です。
いろんな抑圧が複数化されていて、誰でもそうなんですけど、生きる困難さが生まれてくる。
例えば、人種問題だけ解決したとしても、女性の問題が解決できていなければ、
その人の抱えている困難さは解決できないわけです。
それが両方あるということ、3つ4つもあるということ、
それを全体を見ていかないといけないというのが、このインターセクショナリティの考え方なんです。
大畑さんが見る森崎和泉には、闘争に関わる様々な論点が交差しているということでした。
森崎さんの60年代、70年代を読んでいくと、
基本的には地区法という場所に根差して活動を続けられていたわけですけれど、
その中で、例えば本土復帰直前の沖縄の状況にどうやったら、
地区法とか北九州にいながら繋がれるだろうか。
繋がることを考える中で、当時の若い労働者の問題にコミットしていく。
自分たちの困難さとか戦いというものと、
遠く離れているように思える土地の人々や戦いとどうやったら繋がれるだろうか。
つまり、繋がりを見出すんじゃなくて、作り出していくような。
そういう中で、実はこういうふうな形で社会の構造とかも、
抑圧が交差しているんじゃないかとか。
そういうふうに発見されていくところが、森崎さんの思想の中に交差性というのがあるとすれば、
そういうところがあるんじゃないかな。
森崎さんの本は、近年、復刊が相次いでいて、
真っ暗、女幸福からの危機書き、いわなみ書店、
カラユキさん、異国に売られた少女たち、朝日文庫から、
こういった本がどんどん復刊されているんですね。
そういう視点で見ていくと、森崎さんはいろんな要素を持っていたんだなというふうに思います。
そして、このイベントではNHKが、
2023年の末に全国放送したETV特集、森崎一恵終わりのない旅も上映されました。
映像で見ながら、いろいろ理解を深めていこうということでした。
そして制作したのは、福岡放送局の吉崎武さんで、
石森美智子さんが描いたドキュメンタリーでも、
ワセザ・ジャーナリズム大賞を受賞しているような有名な制作者です。
戦後の思想に巨大な足跡を残した石森さんと森崎さんの二人を比較して、
吉崎さんはこんなふうに発言をしています。
森崎さんはやっぱり、ふるさとを失った方ですよね。
ふるさとと思っていた朝鮮半島が作られた植民地であったということで、
09:05
ふるさとと言ってはいけないというふうに自分に現在の意識を持たれながら、
それで戻ってきたお父さんのふるさとである福岡ですね。
そこでもなかなかなじめないというか、
同じ村内の人は受け入れるけど、異質な人を受け入れにくいというのが日本全体にあると思うんですけど、
やっぱりそういう中で悩まれたり苦しまれたりして、
多分、蓄穂法に行ったのもそれを探しに行ったと思うんですよね。
だから地上にない、石森さん的な言葉で言うと、もう一つのこの世ということを石森さんおっしゃってますけど、
こう、あってほしいとかあるいはあるべきじゃないかと考えるようなものを探し求めていったときに、
蓄穂法、地上にないものが地下の世界に男女平等に働いていたりとか、
非支配ではないような世界を求めていった。
だけどそこでも挫折というか、うまく様々な困難に直面して、
最後はやっぱりもう旅して探すしかなかったということかなと。
やっぱり石森さんはそのミナマタ病というものに直面して、様々な不条理ですよね。
大企業あるいは国とか、強力な力の前に患者さんたちが非常に苦しんでおられる現実を目の当たりにして、
あるべき世の中を求めていこうとしたときに、多分自分のふるさとであるミナマタのかつての姿ですね。
近代化する前の、そこに何かヒントを求めようとされてたんじゃないかなと。
ところが森崎さんの場合は、そのふるさとがないので、やはり旅をして探すしかなかったんじゃないかなと。
地方というか終焉に行くというのは、森崎さんはやっぱり朝鮮半島での現在意識というのがすごく強くあって、
朝鮮の人たちに恥ずかしくない自分になりたいということと、
本当の日本、侵略して植民地にした日本ではない、もともとあった日本ってなんだろう、恥ずかしくないような、もともとの日本を探したと思うんですよね。
もちろん、中央はそれを一つの単一国家にしたいという形で明治以降してきたわけですよね。
それは戦争もしやすいし、そういう形に中央集権的にしたと思うんですけど、
それが残されているところを探していったから、どうしてももちろん地方というか、
終焉に残っている本当の日本を探していったのかなというふうには思っています。
森崎さんは、地方参考で働く人たちを支えるような活動に参加していくんですけども、脱節した後、
その後の後半世では日本全国を旅して取材をしていった、そういったノンフィクション作家です。
12:02
今の若い世代にはあまり読まれていないんじゃないかと思うんですけど、復刊されているので、
特に唐行さん、異国に売られた少女たち、朝日文庫、これはおすすめですよ。
税別620円なので手に取りやすいと思います。
16歳で朝鮮に売られて死んだ女性、東南アジアで罪を成してその後壮絶な自殺を遂げた女性、
故郷を持って売られていった女性たちが異国の地で見た夢は何だったんだろう、
そういったことを追いかけていくというノンフィクションの金字塔と言われています。
ぜひ唐行さんなどから入っていかれると、森崎和英さんを学ぶにはいいのではないかなと思っています。
今だからこそ学んだほうがいい女性作家だと思っています。
はい、ここまで顔面金文のキャッチアップでした。
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立川翔子ニュース
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