黒字リストラが起きる理由
さて、今日の学ぼう社会のカギなんですが、近頃、黒字リストラなんていう言葉をね、ちょっと聞くこともあるんですが、この黒字リストラ、リストラっていうとだいたい赤字企業が追い込まれて人員削減という、そういうリストラっていうのはそういうイメージがあるんですけども。
黒字なのにリストラ。
どういうことなんでしょうかね。
今日はこの黒字リストラにつきまして、毎日新聞出版社長の山本中司さんに解説をしていただきたいと思います。
山本さん、おはようございます。
おはようございます。
確かに黒字なのにリストラっていうのはちょっと意外な組み合わせですよね。
私もこの黒字リストラっていう言葉はもちろん知ってましたし、理解してるつもりだったんですけども、
先日ある企業の会長さんとおくじをする機会があって、その時に日本の雇用環境っていうのは劇的に変わってくるよっていう話をしている中で、会長さんの会社の黒字リストラの話になったんですね。
これがなかなか生々しい話で、私も黒字リストラということについて認識を新たにしましたので、今日ちょっとお話ししようと思ったところなんですね。
この会長さんの話では、まずこの会社はいろんな事業を展開してるんですけども、株主からあんまり儲かってない事業に人員割いてるのはおかしいじゃないかというような強い批判が寄せられたのが一つある。
それから今話題のAIですね、人工知能。
これ導入するとですね、その業務している従業員が必要なくなっちゃうと、またそのAI力を入れなきゃいけないので、そこにかかる専門の若い人材を採用しなきゃいけないということなんですが、
そうするとバブル期などに大量に採用した人が、今結構ないい年になってるんですけども、比較的給料高いんで、そういうベテランの社員を一定数整理する必要があるんだと。
それで早期希望退職を募ることになったんだということなんですね。
早期希望退職の場合、割増しの退職金というのを支払うんですけども、10億台の費用がかかるというんですね。
この会社さんのところではですね。
それでも黒字の時にやっとかなきゃいけないと、黒字の時じゃないとできないというんで、これ工場改革だということで断交するんだということだったんですね。
でもこの会社はなかなか古い会社ですので、新卒の新入社員を一括で採用して、この人たちを育てて就寝雇用するという典型的な日本の雇用形態だったんですね。
それでこの会社さん、冒頭に申し上げた通り、日本の雇用環境を変わるよという話になったんですね。
この方は大変優しいですね、大変穏やかな優しい方なんですけど、長年お付き合いしてるんですけど、その人の口からですね、従業員の必要がなくなるとかですね、整理するなんていう言葉が出てきて、私ちょっと激しさに驚いてしまったんですけども、結局そのぐらいの覚悟で取り組んでいるということなんですね。
黒字企業の募集実績と大企業の削減
大手信用調査会社に東京商工リサーチという会社があるんですけども、ここの調査によればですね、昨年2025年に早期希望退職の募集をしたことが分かった上場企業というのは43社ありまして、その募集した人員は1万7875人いたんですけど、
そのうち黒字企業というのは29社あってですね、全体の67.4%を占めると。前年から2.5倍増えてるっていうんですね。募集人員を見ても、黒字企業は全体の85%に当たる1万5205人に残るということなんですね。
先ほど会長さんのお話にもあった通り、割り回しの退職金を払ったりですね、またその再就職の支援をしたりして、従業員の自主的な退職を促すものなんですけども、この黒字リストラが増えてるっていうことが、数字の上からも裏付けられた形になっているんですね。
実はこの数字を押し上げているのが、パナソニックホールディングスという会社の事情が押し上げておりましてですね、ここは国内で5000人、海外含めると全体で1万人規模の勤善削減を行うと、すごい規模なんですけど、
この3家にあるパナソニックという家電のメーカーがありますけど、ここまで主要な子会社を含めた国内の従業員というのは6万人もいるんですね。それでその約半分、48%が50代以上という構成だということなんですね。
それで今後その3割以上の社員が定年迎えるという組織もあるということですので、これ私直接取材したわけじゃないんですが、報道では財務的に健全なうちに5000人規模の仕事をなくすか、配置転換しなければならないんだという、そういう事情があるということなんですね。
また家電とか空調の社員がコロナ禍に多いということなんで、先ほどもちょっと話したAIの時代を迎えるにあたってですね、やっぱり構造転換も図っていく必要があるんだということだと思うんですね。
この他にもですね、過去最高益を出した三菱電機とかですね、ソニーグループとか資生堂、明治ホールにですね、お菓子とか薬も作っています。松田とか、出版社で言えば門川とかですね。こういった日本を代表する大企業が相次いで、この黒字リストラを実施しているんですね。
日本ではもう従業員簡単に解雇できませんので、この早期希望退職ということになっているんですけども、海外ではちょっと事情が違いまして、アメリカ例にとるとマイクロソフトなんかはですね、全世界で従業員の2%に当たる4800人をレイオフする、要するに一時解雇ですね、するという発表をしているんですね。
営業部門とかゲーム部門が主な対象で、特にゲームが不審だということでですね、社員の2割を削減するということのようなんですね。
フェイスブックなんかやっているメタというアメリカの会社は、世界の従業員の1割、約8000人を一時解雇して、本来6000人採用しようとしていたんですけど、これも中止しちゃったということなんですね。
アメリカの企業ってのはパッと首切っちゃう、解雇してしまうんですけども、このマイクロソフトにしてもメタにしても、全世界で莫大な利益を上げている。それでも業績の悪い部門とか人員なんかを削減してですね、今後AIなんかに力を入れていかなきゃいけないんだということで、やり方は解雇という過激ですけども、
日本の黒字リストラと事情は同じじゃないかと思われるわけですね。というのがこの黒字リストラなんですけども。どうですかこれ、なんかすごいことになってるな。
さっきおっしゃったパナソニックホールディングス、もともとは松下幸之助さんの松下電機ですよね、前身はね。社員は家族だという考え方で、本当にファミリーとして社員の皆さんが松下幸之助さんを尊敬し、最後まで定年まで勤め上げて安定した生活をっていう企業風土。
またそれが日本の良い雇用形態だったんだけども、これがやっぱりそういう会社でもできないということはしょうがないのかな。
AIの存在がやっぱり。
そうなのが僕の感想ですけど。
リストラの本来の意味と従業員への影響
やっぱりそうなんですよね。時代がすごく変化しているということだと思うんですけど、そもそもリストラっていう言葉はですね、リストラクチャーリングっていう英語の略ですよね。日本ではどうもやっぱり人員削減という意味が強いんですけど、本来の意味で言えば再構築ですね。
改めて再構築するということです。事業の再構築なんかですけども、そういう意味からいくと黒字リストラっていうのは本来のリストラを持っている意味の中身になるわけですね。
確かにこれまで見てきたものも、言ってみれば将来を見据えた攻めの構造改革だとかですね。そういう側面を持ちますし、また黒字で余力のあるうちに手を打つことはですね、企業にも従業員にもメリットがあるんじゃないかとか。
やっぱりそのAIの時代に人員配置するのは、先ほど少佐さんもおっしゃってましたけど、やむを得ないんじゃないかという声があるのは事実なんですね。
ただこれやっぱり、経営人から見た話であって、私も経営人いるんですけども、早期に希望退職する従業員のためになるのかという、やっぱりそういう視点が必要だと思うんですね。
少佐さんも先ほど言った家族のように大事にしてきた歴史、従業員のその側のことも議論が必要だということですね。
どうしても早期希望退職となると、給料が比較的高い、中古年が対象になるんですね。先も長くないしというところもあるんですけども。
この中古年と比較的高いのは、若い時に低くはないという面があるんですね。
まあまあ低かったもんね。
最近では低息しようという面も出てますけども、割とそういう面もある。
それからそういう方のいろんな経験ですね、スキルなんかを継承していくことが、ベテランさんがいなくなると難しくなるんだということをよく聞くんですね。
それからその割増し、退職金が割増されるとか、再就職にもいろんな支援しますよっていうのは、
良い条件にも見えるんですけども、やっぱりその社員の人が長年その企業で培ってきたものですね。
こういったものが果たしてその先評価されるのかということはどうなのか分かりませんし、
今度やっぱり会社に残ったとしても、待遇とか役割が相当変わったりとか、もしくは公会社に出向してくださいというようなこともよくあるんですね。
ですからやっぱりその従業員一人一人のキャリアをですね、やっぱり大切にしてあげないと、
先ほどのスキルの継承なんかもありますけど、やっぱり組織にしこりが残る可能性があるんですね。
ですからやっぱりコロジリストラは大事だと思うんですが、その意義ばかりでなくですね、
やっぱりいろんな角度から検証していく必要があるんだろうなと。
会長さんの話を聞きながらもそんなことを考えてたんですけども、いずれにしてもこういう流れですので、
ちゃんと注目していかなきゃいけないなというふうに思っているところなんですね。
企業防衛と働く人の生活の両立
そうですね。僕の友達なんかもう60過ぎてるから、一旦退職してもう一回再雇用でとか働いてる友達とか多いんですよね。
ただやっぱりその友達の考え方によって、部下が上司になって、しかも給料減らされて、
仕事は同じ、なんじゃこれと思うと悲しくなるので、それはありがたく社会性も保たれて、
でも気楽に。俺の仲がおいでよって言ったら、一人は休んでいくって言うけど、一人は会社に悪いって言うんですよ。
お前それ60過ぎて給料減らされて会社に悪いってなんだそれって。
俺の仲見にこいやって言うんですけど、人それぞれ考え方だなって僕は思いましたね、その時に。
でもいい方ですね、その方ね。
その方はいい方。僕にとっては良くないですよ。
ラグに来てもらった方がよっぽどいいですよね。この社畜って僕は呼んでますけどね。
企業側、経営陣からしたら、より多くの従業員、あるいは企業を守っていくためには必要なことなのかもしれないし、
山本さんもね、自分のところの会社のこともいろいろ考えながらやっていかなきゃいけないんでね。
慎重を差し申し上げながら、今日はどうもありがとうございました。
ありがとうございました。
ということで、黒字リストラルについて毎日新聞出版社長山本修司さんにお話を伺いました。