合格全書 伊藤塾が届けるリアルボイス
リスナーの皆さん、こんにちは。声優の佐々木臨です。
合格全書 伊藤塾が届けるリアルボイスでは、
司法試験および予備試験に合格する自分を鮮明に思い描いていただけるように、
学習法についてのお話や、合格者へのインタビューなどをお届けしていきます。
ぜひ、ご自分の学習計画にお役立てください。
今回はゲストに、弁護士の戸北つよし先生にお越しいただいています。
戸北つよしです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
それでは早速、今回のテーマなんですが、
スクールロイヤーの実務と日本の教育の未来ということで、
戸北先生にいろいろお話をお伺いしたいと思います。
戸北先生、まずは自己紹介をお願いできますでしょうか。
私、埼玉県埼玉市にございます、
弁護士法人グリーンリーフ法律事務所に所属しております。
現在、弁護士11年目をしております。
埼玉弁護士会のほうでは、子どもの権利委員会というところの、
今、委員長という職に就いております。
学校との関わりに関しましては、スクールロイヤー、
それからいじめ重大事態の第三者委員会、あるいは私立学校の顧問契約など、
学校とは関わりを持っている状況でございます。
また、いじめ出しとか、学校事故の被害を受けた方や加害とされている子、
そういった方々からのお相談もお受けしている状況でございます。
ありがとうございます。
スクールロイヤーのお仕事をされているということです。
このスクールロイヤー、私も何か聞いたことがあるようなないような、
多分ないんじゃないかなっていう、全く存じ上げないんですけども、
ポドキャストを聞かれている方々も、もしかしたらご存じない方もいらっしゃると思うので、
これどのようなお仕事なのかお伺いできますか。
スクールロイヤーというのは文字通り学校における弁護士による活動を指します。
学校で弁護士のお仕事をされる。
厳密には学校や教育委員会というところで弁護士が関わっていくと。
これまではそういったことはなかなか学校というところ、世界ではですね、なかったところ。
昨今、このスクールロイヤーというのはNHKのドラマなんかでもなりましたけれども、
弁護士がやはり法律の知識をですね、学校の教育現場にも用いていくということで、
さまざま活動するものなんですね。
一般の会社だと法務の方と組んで、法務部と。
顧問弁護士ですからね。
はい、顧問弁護士ですね。
学校でいう顧問弁護士みたいなものなんですか。
実はスクールロイヤー像としてはいくつか見解はあるんですけれども、
大きく言うと顧問弁護士とは違うものというふうに考えられます。
顧問弁護士というのが主に学校から直接依頼を受けて、
学校を守るというスタンスで活動するというところで、スクールロイヤーは実は違うんですね。
そういうところについては立ちされるんですか。
学校の立場でこうすべきかというところ、行動の理念というかを示すことはできるんですけれども、
例えば学校と教職員の権利が対立する場面とか、
そういったところですとなかなか利益相反という問題もありますので。
その個別のケースバイケースでどこまで入られるかってのは変わってくるんですかね。
おっしゃる通りでございますね。
予防フォームという言葉も聞いたことがあって、
特にやっぱり学校って何か大事になってしまうと、それこそ本当に子どもの体も心も傷つけてしまうので、
予防フォームの重要性って一層高いのかなって思うんですけれども、
いじめだったらいじめの予防的にも、
スクールロイヤーの先生方がかなり尽力されているんじゃないかと思うんですが、
そのあたりいかがでしょうか。
実は研修ですね。
これはもともとは例えば管理職ですとかを中心にやっていたところ、
現在ですと学校単位で具体的な事案を用いてロールプレイをしてみたりとか、
そういった形で弁護士が入っていくことで、すごく現場には落ちているなと。
やっぱり法律があって法律を読んだだけじゃなかなか背景までわからないと。
私の場合は当然学校の立場もそうですし、教職員の立場、被害を受けた加害の子とか、
様々な立場で仕事をしていた経験があるので、非常にその全体を見て助言ができるのかなというのは自負しております。
研修されたり、何かテーマを決めて講演のようなこと、授業のようなことをされるのが、
その参加者というか受け手というのは教職員の方。
予防という関連で言うと教職員の方向けの研修、特に今夏休みの時期ですと非常に立て込む状況になっています。
夏休みも忙しいですね。
やはり先生方も暇ではないというところでございます。
そして生徒さんの保護者の方ですよね。保護者の方々とはどういうふうな関わりがあるんでしょうか。
最近ですと、例えばスクールロイヤーという立場で、学校からの相談を受けた後に保護者との面談をすると。
そこにスクールロイヤーが同席をして、法律のことを詳しくお話ししたりとか、そういった形での関わりがまず一つです。
もう一つは生徒児童向けのいじめ予防授業というのをクラスで具体的に実施したりするんですけれども。
そこに保護者の方に参観していただいて、見ていただくということもございます。
そのいじめ予防授業は時田先生が先生として教団に立たれて、生徒さんたちにいじめはいけないよじゃないけど、そんなことを。
まさにその通りです。
そうなんですか。授業もされるんですね。
授業もすることがございます。
そうですか。
じゃあスクールロイヤーのお仕事というのは、やっぱり多面性があるというか、
先生方への研修、講義など、啓蒙的な活動と、
それから生徒さんへの目配り、もしくはその予防授業的なものと、
生徒さんの保護者の方へのアプローチ、法律的なお手伝いみたいなのがあるということですね。
そうですね。スーパーバイズみたいな立ち位置なのかもしれませんね。
同席されて法律に関わるアドバイスをされるというのは、例えばどういうことが存在するでしょうか。
やはりいじめの件が多いのかなと思いまして、
例えば不登校になっていじめの訴えがあったといったときに、学校もどう対応していけばいいのか。
一つは事実関係の調査だったり、再発防止というのを考えなきゃいけないという調査がある。
他方でその不登校の状態を何とか解消できないか、学習権保障できないかというところでの活動がありまして、
そういったところで法的な見解ですね。
やはりいじめ防止対策推進法、ここに聞いていらっしゃる皆様が、
じゃあ読んだことありますかと言われると、なかなか今初めて聞いたという方もいらっしゃるのかなと思ってまして、
やはりこのいじめの定義一つとっても、実は保護者の方々のイメージと違ったりもするんですね。
いじめの定義。いじめの定義って何だろう。
今法律ができたのが、かれこれやはり学校での自治だったりとか、
不登校というところがこれまでの歴史の中ですごく問題になってきました。
いじめの定義、もともとは国の方で一応の定めはあったんですけれども、
法律ができたのは今回初めてなんです。
結論から言うと、とても広い定義になってまして、
受け手の生徒さん児童さんが心身の苦痛を感じれば、それはもういじめとして扱います。
となるとですね、やはり傷ついたというところに深く着目をしていく定義になったんですよ。
それはいじめを受けた子どもがどう感じたかどう傷ついたか。
そうなんです。
が、いじめがあったと判断される保守環境になるってことですね。
そういうとですね、やはり皆様いじめがあまりに広すぎる。
保護者の方々だと、おそらくその年代からすると、それなりに継続的にやられてるとか、
強いものが弱いものに対してとかですね、多数対一人だとか、
その被害もかなり重いものじゃないといじめなんて言えないでしょっていう方も実はいらっしゃるので、
そこのそのまず説明ですね。
そうですよね。
いじめた方が、いやいじめてないよと、いじめたつもりじゃないと、言い張るってことってよくあるのかなと思って。
そんなつもりじゃなかったとか。
自分の方が弱いと思って、強い相手に対してちょっと反撃しただけだとか。
難しいですよねこれ、それぞれ言い分があって。
そうなんです。
そこが本当に大事でして、やはりただこのいじめの法律は傷つきに着目する。
学校側はどんな些細な傷つきも見逃さない。
これ誰か加害者を罰するためとかではないわけなんです。
いじめを築いて、それに対して学校側がいかに介入できるか、再発を防止できるかっていうところが大事なので、
こういう定義は広く取っていると。
弁護士もそうなんですけど、行為主義っていうんですかね。
どんな行為があったんですかと。
で、その結果はどうなって、その因果関係はどうなんだと。
よく議論したくなるんですけど、もういじめの出発点はとにかくその子のですね、傷つきです。
どうしてそんな傷ついたの、どういう気持ちの変化、あるいは関係性ですね。
子どもたちへの日々変わる関係性の変化があって、なぜ傷ついたのか。
そこに目を向けるのが大事です。
そうなんですね。
確かにね、つもりとか加害者側の言い分とかだとやっぱり全然見えてこない部分あるし、
判定がやっぱり難しいと思うんですね。
それを傷つけられた側が傷ついたかどうかというところに一本化したので、
すごくはっきりするんじゃないかなって今僕が思いますね。
おっしゃる通りです。
そのいじめた側を罰するためではなくて、
事態を正確に学校側が把握して、
そんなことが起きないようにどのような対策が取れるかということを検討するための指針というか、法律なんでしょうね。
そうなんです。
なのでちょっと誤解されやすいのが、これは国も言ってるのが、いじめは絶対にあってはならないと。
そういう言い方だとですね、どうしても絶対にあってはならない程度のいじめを想像されてしまう。
ただそうじゃなくて、やはり意図せず傷つけるってことは日常あるわけで、
ただそれを無視しないといじめとして捉えて、
ただだからといって加害者厳しく指導するかというとそうではないこともあると思うので、
そのあたりはまさに学校現場の指導力だったりとか、教育という考えになってくるのかなと思いますね。
非常に興味深くてずっとお伺いしたいんですけども、
そもそもというか、スクールロイヤーを今お話しいただいてて、
この戸北先生のようなスクールロイヤーのお仕事をされている弁護士さんなんですよね、基本的には。
ロイヤーですから。
そうですね。
日本の中では教育現場の中でどの程度浸透というか、今あるんでしょうか。
ありがとうございます。
スクールロイヤー自体がようやく浸透してきたのが5年から6年ぐらいでして、
最近なんですね。
それで埼玉県内でも見てもですね、やっぱりその半分も行ってないのかなというところで、
もともとは文科省の方で一部お金を出してくれて、
試験的に導入した自治体から始まったところなんですけれども、
ただ今少しずつですね、スクールロイヤーの依頼というのは増えている。
そういった状況ではございますね。
個々の学校がスクールロイヤーをお願いするかどうかを自主的に決定できるということですかね。
厳密にはこれやはり予算の関係でですね、やっぱり市が。
教育委員会が大体市の方に説明に行き、市の方でじゃあやりましょうと言って導入されるので、
パターンとしてはやはりある程度やっぱり学校現場や教育委員会が困ったケースがあったときに、
やっぱり導入したいねというニーズでされることが多いのかなと思います。
なるほど、何も問題なくて平穏なときにちょっとスクールロイヤーでもってならないんですよね。
何があったときにどうしたらいいかなというので、
スクールロイヤーっていうのがあるよってスクールロイヤーの先生頼んでみるみたいな、そういう話になるんですかね。
そしたら先生方とか、もっと言うと生徒さんの保護者の方、
スクールロイヤーという言葉がまだそんなに認知されてないんじゃないかと思うんですけども、
どうなんですかね、だんだんこれも徐々に徐々にという感じですか。
そうですね、やはりメディアの方々もこのスクールロイヤーの制度を埼玉県内でもですね導入したときに、
割と新聞で取り上げていただいたりはしたはしたんですけれども、
なかなか日常的に聞く言葉ではないので、ここは確かに課題だなと思っております。
なんかこう同席、子供との面接とかで弁護士の先生が同席するとびっくりする方もいらっしゃるじゃないか。
なんで弁護士の人が来てるのみたいな。
もちろん最初にご説明はですね、差し上げて、当然同意なくですね、勝手にズカズカ入っていくという存在ではございませんし、
対立するために存在するわけではないので、ご理解いただきながらとは思います。
なるほど、学校側が依頼人ではないということなので、やっぱりそこにちょっと言葉はあれですけども、
警戒心なんかをお持ちになることもなく、本当に問題解決のための存在だということですね、スクールロイヤーの先生。
ただやはり学校側から呼ばれてきたというところですとか、どう見えるかというところはやはり課題もありまして、
やはりどうしても学校側、教育委員会側だというふうな考えを持つ方ももちろんいると。
そのために子どもの権利委員会もそうなんですけど広くやはり法律相談活動してまして、
スクールロイヤーとしてはその子の直接相談はなかなかその自治体では受けられないんですけれども、
他のやはり弁護士を立てていただくという方も少しずつ増えているのかなと思います。
東北先生は埼玉県のスクールロイヤーをされていますけども、
日本の中で他の都道府県とかでも同じようにこのシステムというのは進んでいってるんですか。
はい、進んでいっております。
これもですね、その5、6年前に私は関東弁護士会連合会というところでシンポジウムを担当したことがあって、
それは関東県内の弁護士の方々が集まってですね、そこでいろいろ仲良くなったりしたんですけど、
やはりその自治体の話を聞いていると少しずつやはり増えている。
これは全国的なお話なのかなとは思ってますね。
教職員の先生方は非常にお忙しいというふうに伺いますけども、
やることが教えるだけじゃなくていろんな事務とかいろいろなことをしなければならない。
労働環境的にもしんどいところもあったりとか伺ったことはあるんですけども、
その先生方の権利もしくは環境を守っていくために
スクールロイヤーの先生方で何か関わられていることっていうのもあるんでしょうか。
間違いなくあります。
やはり現場、私も見ていますとやっぱり先生方が熱心さもあり、
それゆえにすごく重い悩み、疲弊している状況を目の当たりにしてきます。
そんな中で学校があって、何をどこまでやればいいのかわからない。
ある意味ではやりすぎてしまうっていうこともありますし、
そういったところは弁護士の方がきちんと道筋を立てて、
かつ法的なアドバイス、学校側は実は正しいこと言ってるけどこれで合ってるのかな、
その不安だけでも解消してあげるとすごくありがたいという話はよくいただいてます。
そういったところでは業務の時間だけではなく、
そういったプレッシャーなんかは相当にスクールロイヤーの助言で下げることができるのかなとは考えてますね。
そうですか。
今のお話のように安心感を持っていただけるために
何かスクールロイヤーの先生方がサジェスチョンみたいなことをされるっていうのは、
それは法的なアドバイスに近いんでしょうか、それともそれ以前のことでしょうか。
これはなかなか答え方が難しくて、当然法律ですとか、
法律だけでなく国のガイドラインですとか基本方針とか、
そういったバックボーンの知識はあり、かつ訴訟ですとか、
一般的な弁護士としての知見もあっての総合的なアドバイスにはなっていて、
さまざまないじめ一つとってもたくさん本当にさまざまなケースがございますので、
そういった知見に基づく総合的なアドバイスといいますか、
法律だけ単に知ってて、イエス・ノーで答えられるわけでもないところは難しさだと思うんですね。
ちょっと言葉が適切かわからないですけど、
ちょっとカウンセラーさんのような要素もお持ちなんじゃないかなと、そんな印象がありますけども。
私もカウンセラーの資格は持ってはいませんけれども、
やはり継承して現場の悩みがどこにあるのか、どこのところで躓いているのか、
ここを紐解く作業、もしかしたらそういった側面があるのかもしれない。
先ほどいじめの定義のことをお話しくださって、いじめられた側がどう傷ついたかどう感じたかということの、
そこ一本でいじめがあったかないかの原点、出発点になるということだったと思うんですが、
先ほどおっしゃった通り、法律的には行為があって、その行為がどうかというジャッジをするじゃないですか。
やっぱり法的なアプローチの仕方と違いますよね。
それをスクールロイヤーの弁護士である先生がされるというのは興味深いなと思って、
そこはもう法的な枠組みでないアプローチをされる。
考え方の基礎は実は一緒と言いますか、
どういう傷つきの原因となるような事象があって、それによって傷ついていった、傷つきを深まる。
よく心のコップとか表現しますけど、たくさんの傷つきが水、水滴として溜まっていってですね、
結果としてみるとこれ全ての傷つきが溜まったコップなんですよね。
なので全ての行為がやはりその子には影響をしているんだという、ある意味では条件関係というか、
すごく広くは見ているところで、ただ裁判ですとかその民事の世界で言う、
あれは賠償責任を負わせるための因果関係という話なので、そことはやはり区別しているかなと。
ただ因果関係というか関係性を全く考えてないわけでもないというところはちょっとありますかね。
非常に興味深いですね。