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この時間は日替わりコメンテーターによる解説で日々のニュースを掘り下げます。
木曜日のコメンテーター、元RKB解説委員長 飯田和郎のブラッシュアップです。
さて、中国の軍用機が日本の領空を侵犯したという事件。
先週、飯田さんこのコーナーで取り上げまして。
今日もこの領空侵犯に関連するお話。
今日の話は、先週の番外編、続編ですね。
中国がいくつか言葉の反撃に出てきています。
そしてこれらに共通しているのは、過去の歴史問題です。
日本政府からの領空侵犯に対する抗議に対して、歴史問題を持ち出して打って出た格好だと。
私はそんな風に見えるんですよね。
どういう話なんですか?
先週のおさらいなんですが、
中国の情報収集用の航空機が、
先月26日、長崎県の男女軍闘機で日本の領空を侵犯しました。
自衛隊の戦闘機がスクランブルをかけたと。
中国軍機による侵犯は、これが初めてだったという大きなニュースでした。
中国側の反応はというと、
直後に報酬した日中友好議員連盟のメンバーに対して、
中国の国会議長に相当する人が、こんな風に言いました。
意図的ではなかったと。
1週間前の29日、このコーナーでこんな話を紹介しました。
同じ29日に中国の国防省の会見があったんですよ。
当事者である国防省の会見だけに注目されました。
領空審判について質問を受けたスポークスマンは、こんな風に答えています。
中国はこれまで常に各国の主権を尊重してきた。過度に解釈しないよう望む。
記者会見というオープンの場では、
領空審判の事実関係を確認しない、認めない、そして謝らないということだと思います。
これも先週申し上げましたけど、だいたいこれは想定通りです。
ただ、私の想定を超えた動きが出てるんですよね。
それが今日のテーマ、過去の歴史問題をカードにした中国側の反撃なんですよ。
同じくこの会見で国防省のスポークスマンは、中国の国営メディアから質問を受けました。
おそらくこの質問は国防省から指示をされて行った質問だと思います。
かつて日本軍の731部隊に所属した元隊員が、先日、部隊による犯罪を確かめ謝罪するため、
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731部隊の資料展示館や部隊の跡地を訪れました。
731部隊の行為に関連する作業の進捗状況を説明してください。
これは旧日本軍の第731部隊というのは、実戦で使うことを目的に、細菌兵器ですよね。
毒ガスの研究開発を進めた部隊ですね。
中国人の捕虜たちに人体実験をしたと言われている存在ですよね。
731部隊の資料展示館というのは、旧満州、現在の中国東北部の国竜工廠のハルピンにあります。
ここには旧日本軍が残した細菌研究の資料とか、人体実験に使った道具などが展示されているんですよね。
かつて731部隊の少年隊員だったという、現在94歳の日本人の男性が、8月にこの資料館を訪れていたんですよね。
こんな国際条約がありまして、名前は化学兵器禁止条約というんですが、これは化学兵器の開発や使用を禁止する取り決めなんですよ。
日本はこの条約に基づいて、現在の日本政府は旧日本軍が残した化学兵器を廃棄する義務があるんですよね。
だから日本政府は中国国内に現在施設を作って処理作業を進めているんですが、これはなかなか進まないんですよ。
会見で質問した記者が言った、731部隊の行為に関連する作業とは、この毒ガスの処理作業のことなんですよ。
中国に捨てられたこの毒ガス兵器というのは、数にして40万発以上ある。
戦後、中国の住民に被害も出ています。これは現実の起きている問題ですよね。
それもあって、中国メディアの質問に国防省のスポークスマンは、こんなふうに答えてますね。
日本が遺棄した化学兵器は、日本軍国主義が中国侵略によって引き起こされた重大な歴史的懸案であり、現実的な問題です。
第二次大戦中、中国を侵略した日本軍は、中国人民に対し、凶悪な細菌戦を仕掛けました。
おびただしい数の軍人、民間人を死傷させ、人道に反する重大な罪を犯しました。
スポークスマンは、さらにこういうふうに続けています。
遺棄化学兵器の撤去は、日本が避けることのできない歴史的、政治的、法的責任です。
日本側は、過去の歴史に正面から向き合い、心から謝罪し、国際条約や二国間覚書に基づく義務を真摯に果たさなくてはなりません。
日本は、遺棄化学兵器の処理プロセスを加速させるため、あらゆる努力をすること、そして汚染のないきれいな土地を一日も早く中国人民に返すことを求めます。
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もと731部隊の隊員だった日本人の男性が、資料館を訪問したというのは、実際にあったことです。
ただし、それに合わせて日本の過去の戦争責任を追求する。
だけど、中国軍機の領空侵犯が起きた直後に、この遺棄化学兵器の問題を持ち出して、強く強く要求する。
どうしても、領空侵犯との関連を考えてしまいます。
やり返すみたいな感じなんですかね。
そうなんですよ。もう一つ同じようなケースがあるんですよね。
こちらはフィリピンが部隊です。
南シナ海でフィリピンの巡視船と中国の海洋警察の船が衝突。
繰り返し起きてる。これ結構ニュースになってますよね。
ここはフィリピンのEZ、つまり排他的経済水域なんですが、中国も一方で領有権を主張していると。緊張が高まってますよね。
この衝突に対して、フィリピン駐在の日本大使、お名前は遠藤和也さんという大使なんですが、この方がSNSに投稿しました。
こういう立場を表明してるんですよね。
つまり、日本は力や威圧によるいかなる一方的な現状変更の試みにも反対しますと。
この後、日本はフィリピンと共に立ち、海洋における法律の支配を支持します。
つまり南シナ海に関する中国の主権主張は、国連海洋法条約の規定に基づいていないんだと。
この同じような内容は日本の外務省本省も表明してますね。
確かに日本、アメリカ、そしてフィリピンと共に安全保障上の連携というのは強めてますよね。
やっぱりこれはいずれも中国の海洋寝室というのを念頭に置いたものですけれども、
中国はこれに反応したんですか?
そうなんですよ。
今度は同じフィリピンに駐在する中国の大使が反応しました。
その内容がちょっと感情的でも言えるようなことで、無責任だと遠藤大使のコメントに非難してるんですよね。
そしてこの中でも歴史問題を取り上げてます。
日本大使は第2次大戦中、日本がフィリピンを侵略しマニラを破壊し、
10万人以上の民間人を殺害したマニラ大虐殺も忘れているのだろうか?
マニラでの民間人の虐殺というのは終戦の年、1945年に起きました。
続けてフィリピンの中国大使はこんなふうに答えてます。
バターン死の行進、そしてサンティアゴ要塞の地下室において、
日本兵の軍刀、軍の剣の下で悲劇的な死を遂げた何万もの人々の浮かばれぬい魂を忘れたのか?
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バターン死の行進というのは1942年に起きました。
フィリピンのルソン島のバターン半島を占領した日本軍が、
捕虜にしたアメリカ人やフィリピンの兵隊を捕虜として徒歩で長い距離を歩かせたのです。
そこでは途中で日本兵による捕虜への防衛もありました。
このため、この行進中に多くの人が亡くなったものだから死の行進と言われるのです。
もう一つ、サンティアゴ要塞。
これは今もマニラの中心部に残る観光名所です。
日本軍がここに司令部を置いていました。
数百人の市民をスパイなどの容疑で捕まえてきて、
盗獄して拷問を加えました。
処刑などで多くの人が亡くなりました。
そういう日本はかつてフィリピンで残虐行為を繰り返していたんだから、
フィリピンのことに口出しするなということが言いたいです。
歴史問題においては中国だけじゃなくて、
東南アジアの国々も同じ日本からの被害者だということです。
歴史問題から離れますが、
フィリピン仲裁の中国大使は反論の中で、
福島第一原発の処理水問題も取り上げています。
日本はなぜ人々の命や健康を無視して、
太平洋を下水路にするのか。
福島から汚染水を排出することで近隣諸国も懸念しているのではないか。
南シナ海でのフィリピンと中国の摩擦については、
これに引っ掛けて、
中国が国連海洋法条約の規定に基づいていないからと言うのであれば、
処理水の問題だって海洋法条約に違反しているだろう。
あなたたちはダブルスタンドであるでしょということも言っているのです。
言いがかりみたいですね。
今日は中国軍機の領軍審判から、
中国が歴史問題を取り上げ、
反撃に出てきたという私の見方を紹介しました。
かつて日本軍が製造した化学兵器の問題、
またはフィリピンへの過去の侵略や残虐行為。
これが持ち出すところは、
領軍審判問題と連動していると思うんですよね。
中国の過去の単一外交を振り返ると、
歴史問題は強弱、濃淡はあるんですけど、
日本への外交カードであり続けました。
我々は確かに過去の歴史問題から目を背けちゃいけないんですけど、
あまり関係ないテーマで持ち出されると、
僕たち日本人の対中干渉ってどうなるのかということを分かりますよね。
中国にとっても利益にならないんじゃないかと私は思いますね。
未来に向けて対話を重ねていきたいところなのに、
その度に過去を振り返ってってなると、
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もちろん反省をしなきゃいけないんだけども、
未来に生かされるものであってほしいですよね。
伊田和夫のブラッシュアップをお送りしました。
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