00:28
毎週木曜日のこの時間は、飯田和郎のブラッシュアップです。
今日は、アメリカと中国の関係についてですが、
中国の新しい外交官がワシントンに赴任するって、どういうことですか?
このニュースを伝えたアメリカのニューヨークタイムズの報道から紹介したいと思います。
その記事についている見出しがユニークなんで、水木さんに紹介してもらいます。
おかえりなさい、パンダ!
2頭の毛むくじゃらの外交官がワシントンへやってくる!
ってことは、毛むくじゃらの外交官っていうのがパンダのこと?
このユニークな見出しに続く記事の書き出しも面白いんですよ。
パンダがいない。それは長く悲しむべき半年間だった。
ワシントンにおいて、誰もが知っていたソフト外交のシンボル、ジャイアントパンダ。
絶え難いほど膨らんだ渇望に間もなく終止符が打たれる。
さすがニューヨークタイムズ、センスがいいですよね。
オスとメスの2頭のパンダが今年の11月にワシントンにあるスミソニアン国立動物園にやってきます。
現在この2頭は中国の四川省にいるんですが、2頭とも今2歳で間もなく3歳になります。
パンダの1年間は人間の3年間に相当するらしいので、人間なら間もなく9歳、小学校3年生ぐらいですかね。
子供パンダなんで、アメリカの市民はこれからこの2頭の成長を見守っていくことができると思います。
これは中国からアメリカへのプレゼントじゃなくて、中国のパンダが外国へ渡る場合、貸し出しという形式もありますよね。
その通りなんです。あくまでレンタルです。
ジャイアントパンダは中国だけに生息しますよね。
中国政府はパンダをこんな風に指定してまして、国家一級重点保護野生動物、絶滅危惧種なんです。
それだけにお急げと外国にプレゼントというわけにはいかない。
同時に大切な宝を貸し出すには中国の経産も働いています。
このレンタルなんですけど、アメリカと中国の双方から、ちょっと1週間ぐらい前に発表されたんですが、かなり発表のトーンが違うんですよ。
特に中国側の発表が気になるんですけど、
03:00
これまで中国とアメリカはパンダの保護を研究において長く協力してきたということを紹介した上で、こんな説明を付け加えています。
中国とアメリカの双方は、ジャイアントパンダの保護や繁殖、疾病治療、技術交流において大きな成果を挙げてきました。
それに続いて具体的な数字も並べています。
これまでアメリカでパンダ4頭が誕生しました。
また、115冊の専門書、300以上の学術論文の発表で米中が協力し合い、野生生物保護の専門家を1500人以上育ててきました。
パンダの貸し出し対応は学術研究のため、自然保護のためというニュアンスなんですね。
一方、こちらのアメリカ側の発表なんですけど、貸与の期間はこれから10年間、2034年の4月までとなっています。
このレンタル料なんですけど、当然お金も発生しまして、年間アメリカドルで100万ドル、日本円にするとおよそ1億6千万ぐらいですかね。
これはアメリカ側から中国側に支払うという内容です。
こういうふうな発表は中国側にはないんですよね。
中国からアメリカへのパンダのレンタルはこれが初めてではないはずですよね。
初めて中国のパンダがアメリカに行ったのは1972年ですから、50年以上前ですね。
スミソニアン動物園でも飼育されていたんですけど、3頭が昨年の11月にアメリカに帰っているんですよ。
中国に帰ったんですか。
アメリカから中国に帰ったんです。
アメリカの南部のアトランタには今も4頭はいるんですけど、首都のワシントンからパンダが消えたままになっていたんですよね。
パンダがいなくなったスミソニアンの動物園の前では、パンダ社の前ではですね。
いなくなったパンダの3頭は今中国で元気に暮らしていますっていう盾看板が設置されているんですよ。
でもとはいえですね、この半年間パンダを見たいっていう声は根強かったんですよね。
今年11月に新たに2頭のパンダがワシントンへ来るっていうことは、不在が埋まるっていうことになりますよね。
だからこそ先ほどのニューヨークタイムズの記事にあったように、それは長く悲しむべき半年間だったっていうふうになるわけですね。
ここからなんですけど、ここには中国側の仕掛けが見えるんですよね。
昨年秋に習近平主席がアメリカを訪問しました。
これはワシントンに前にいたパンダ3頭が中国に帰った直後だったんですよ。
この訪問時に習近平主席はこんなふうに言ってまして、パンダは米中両国にとって有効のための施設だと、支社だと言ってまして、
パンダを改めて貸し出すという前向きな姿勢を示していました。
06:00
そういう流れの中で今回合意に達したわけなんですよ。
もうアメリカ市民は待ちに待ったって感じなんですかね。
そうですね。パンダは人気者ですから。
このスミソニアン動物園は年間190万人が訪れるんですけど、当然パンダが最大のエンターテナーで、
動物園は飼育していたパンダの様子を撮影し、インターネット上で動画を公開してきました。
これのページビュー、再生回数が1億回を超えるそうですよ。
すごいですね。みんな釘付けなんだな。
これアメリカの政府はどう受け止めているんですか。
まず一方、中国の方なんですけど、中国は自分の国との関係強化、イメージアップのために、
莫大な金を毎年使っています。いろんな方法で。
だけどその一つとしてパンダを外国にレンタルするんですけど、
これはパンダを使って相手国のイメージを良くしようという手法なんですよね。
さっきケムクジャラの外交官というニューヨークタイムズの表現をしましたけど、
パンダを外交官に見立てたこの表現のニュアンスは、考えてみると、
単に愛くるしい希少動物というだけじゃなくて、
白と黒の見た目の可愛らしさの下に隠された本音、
したたかな思惑を抱いた、ある意味腕利きの外交官という意味もあると思うんですよ。
皮肉もこもっていると思います。
だから私はこのニューヨークタイムズのケムクジャラの外交官という表現をすごくまとえているように感じますね。
僕たちはこのケムクジャラに隠れた部分、
毛皮の下の部分を見なくちゃいけないかなと思いますね。
中国は学術研究のためというふうに強調してますけど、
やっぱり本当の狙いというのはアメリカとの関係を良くしたいっていう、
そのためにはアメリカ国民の感情、心情というものを良くしたいというところなんですかね。
国民の心情なんですよ。
もう一つは合意のタイミング。
パンダが大好きなアメリカ人をジリジリと自断したように私は見えますね。
習近平さんの訪米から半年が経ったと。
貿易摩擦や、巨大な戦争を続けるロシアへの対応とか、台湾問題とか、いろいろ摩擦がありますよね。
何より4年に一度の大統領選挙が11月に迫ってます。
選挙戦は当然中国との向き合い方も重要なテーマになりますよね。
その大統領選挙の結果が出る11月にパンダがやってくるっていうタイミングですよね。
表向きは学術研究のために貸してあげるっていうもので、中国の思惑も働いてると思いますけども、
パンダを心待ちにしているアメリカ首都ワシントンの市民からするとね、本当ね。
だって日本で動いたら上野からパンダがいなくなって、やっとパンダが帰ってくるって思ったら、
それは待ちわびますよね。ワシントンの方々の気持ちも分かります。
中国のソフト外交を警戒するアメリカの政府もいるわけで、2頭のパンダに様々な思いが混雑してるっていう。
09:05
この2頭のパンダは特別に仕立てられたカモツキで太平洋を渡ってきます。
動物園はすでに新しいパンダ舎の施設も作ってるんですよね。
まさに国民待遇の歓迎だと思います。
少なくとも昨年秋の習近平さんのアメリカ訪問よりも、アメリカ市民から大きな歓迎を受けるのは間違いないと思いますね。
なるほどですね。本当楽しみにしてるんでしょうね。
ここまで飯田和夫のブラッシュアップをお送りしました。
飯田さんありがとうございました。
ありがとうございました。