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            愚かな男の話
2023-02-18 11:57

愚かな男の話

021 230218 岡本かの子 愚かな男の話 朗読:井口謙

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おしゃべり本棚 この時間は福岡のRKB毎日放送のアナウンサーによる朗読をお送りします。
岡本 可奈子 愚かな男の話
ある田舎に2人の農夫があった。 両方とも農作自慢の男であった。ある時、
2人は自慢の鼻つき合わせてしゃべり争った末、 それでは実際の成績の上で証拠を見せ合おうということになった。
それには互いに鑑賞をさいまいして、 どっちが甘いのができるか、
それによって勝負を決しようと約束した。 ところで、一方の男が考えた。
鑑賞はがんらい甘いものであるが、 その甘いものへ持ってきて、
砂糖の汁を肥料としてかけたら、 いっそう甘い鑑賞ができるに沿いない。
これは名案、名案、と、 せっせと鑑賞の苗に砂糖汁をかけた。
そしたら苗は腐ってしまった。 あるところに愚かな男があった。
知人が家屋を新築したというので拝見に出かけた。 不審は上出来で、
どこもかしこも感心した中に、 特に
壁の塗りの出来栄えが目にとまった。 そこで男は、
知人にその塗り方を聞いてみた。 知人が言うには、
この壁は土にもみがらを混ぜて塗ったので、 こう丈夫にできたのであると答えた。
愚かな男は考えた。 土にもみがらを混ぜてさえ、
ああ見事にできるのである。 いっそ、
実の入っているもみを混ぜて塗ったら、 どんなに立派な壁ができるだろう。
03:04
そして今度は、 自分の家を新築する際に、
このプランを実行してみた。 そしたら、
壁は腐った。 以上二話とも、あまり意気込んで程度を越した考えは、
かえって不成績を招くという通りの 例え話になるようである。あるところに、
ずるくて知恵の足りない男があった。 一月ばかり先に客を呼んで宴会をすることになった。
ところで、その宴会に使う牛乳であるが、 相当たくさんの分量がいるのである。
それをその時、方々から買い集めるのでは、 費用もかかり、手数もかかると男は考えたのである。
そこで、 知人から
父の出る女牛を、一ヶ月の約束でちんがりして、 庭につないで飼っておいた。
女牛の腹から出る牛乳を、毎日絞らずに、 女牛の腹にためておいたなら、
宴会までには、 30日分のものがたまって、
十分、医療の量にはなるだろうと思ったのである。 宴会の日が来た。
男は、してやったりとばかり、 女牛の父を絞った。
そしたら、 女牛の腹からは、
やっぱり一日分の分量しか、牛乳は出なかった。 何か手柄があったので、
ほうびに、王様から、 ほふったラクダを一匹もらった男があった。
男はよろこんで料理にとりかかった。 何しろ、大きなラクダ一匹料理するのであるから、
手数がかかる。 切りさばく包丁は、
じき切れなくなって、 何べんも研ぎなおさねばならなかった。
男は考えた。 こういちいち研ぎなおすのでは、
手数がかかってやりきれない。 一ぺんに、幾度分も研いどいてやろう。
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そこで男は、 二三日がかりで包丁ばかり研ぎにかかった。
かくて、包丁の鋼は研ぎ減り、 ラクダは初期に腐ってしまった。
やはり、おろかな男があった。 腹が減っていたので、
ありあわせのせんべいをつまんでは食べた。 一枚食べ、
二枚食べしていって、 七枚目のせんべいを半分食べたとき、
彼の腹は、ちょうどいっぱいになったのを感じた。 男は考えた。
腹を駆逐したのは、 この七枚目の半分であるのだ。
さすれば、 前に食べた六枚のせんべいは、
むだというものである。 それからというものは、
この男は腹が減ってせんべいを食べるときには、 まずせんべいをとって数えた。
一枚、二枚、三枚、四枚、五枚、六枚。 そして、これらの六枚のせんべいは、
数えただけで食わないのである。 彼は七枚目にあったせんべいを、
口へもっていき、半分だけ食った。 そして、
それだけでは、一向腹が駆逐ならないのを、 いかにも不思議そうに考え込んだ。
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