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初めてMacを手にした感動は忘れられない。
ネットの声をご紹介します。
ハンドルネーム、ドクターレインさん。
何もかもスムーズで、早くてビビった。
iPhoneとの連携も最高。
続いて、Mr.Incredible4883さん。
Appleシリコンのおかげで、バッテリー切れのストレスから解放された。
初めてのMacで、そう感じたそうです。
次はあなたが体験する番。
全く新しいMacBook Neo。
心躍るMacが、嬉しいプライスで登場。
詳しくは、Apple公式サイトをご覧ください。
おしゃべり本棚。
この時間は、福岡のRKB毎日放送のアナウンサーによる朗読をお送りします。
これから始まる、新生活!
悩みに悩み抜いた家庭選び!
そして今、やってきた!
山田のワクワクする大特化!
目移りする品揃え!
僕たち、私たちは、山田の家電で充実した新生活を送ります!
山田へ急げ!
多才治む策、犯人、後編、哀れ、嵐に憩いありとや。
ツルは、いわゆる文学青年ではない。
すこぶる呑気なスポーツマンである。
けれども、恋人の森ちゃんはいつも文学の本を一冊か二冊、
ハンドバッグの中に入れて持って歩いて、
そうして今朝の猪頭公園の相引きの時も、
レール・モントフとかいう28歳で決闘して倒れた、
ロシアの天才詩人の詩集をツルに読んで聞かせて、
詩などにはちっとも何も興味のなかったツルも、
その詩集の中の詩はすべて大いに気に入って、
ごとにも、ほ!という題の若々しく乱暴な詩は、
もっとも彼の現在の恋の心にぴったりと来たのだそうで、
彼は森ちゃんに命じて何度も何度も繰り返して朗読させたものである。
暁、童雲、その気配を見たことのある人は知っているだろう。
日の出以前のあの童雲の気配は決して爽快なものではない。
おどろおどろ神々の怒りの太鼓の音が聞えて、
03:00
朝日の光とまるっきり違う何の光か、
粘っこい小豆色の光が木々の梢を血なまぐさく染める印酸、
賛美の気配に近い。
ツルは、川屋の窓から秋の童雲の凄さを見て胸が張り裂けそうになり、
亡者のように顔色を失い、ふらふら部屋へ帰り、
口をあけて眠りこけている雀の枕もとにあぐらをかき、
夕べのウイスキーの残りをたてつづきにあおる。
鐘はまだある。酔いがしてきて布団にもぐりこみ雀を抱く。
寝ながらまたウイスキーをあおる。
やがて夕方ウイスキーを一口飲みかけても吐きそうになり、
帰る。
と苦しい息の下から一言そういうのさえやっとで、
何か冗談を云ようと思ってもすぐ吐きそうになり、
黙って吐うようにして衣服を取りまとめ、
雀に手伝わせて、どうやら身なりを整え、
絶えず吐き気と戦いながら、
つまづきよろめき日本橋の町合さくらを出た。
外は冬近い黄昏。
あれから一昼や橋の田元の夕刊を買う人の行列の中に入る。
三種類の夕刊を買う。
片端から調べる。
出ていない。
出ていないのがかえって不安であった。
記事さしとめ秘密裏に犯人を追跡しているのに違いない。
こうしてはおられない。
金のある限りは逃げて、そうして最後は自殺だ。
鶴は度胸を決めて会社の世田谷の寮に立ち向う。
自分の巣で一晩ぐらいぐっすり眠りたかった。
寮では六畳一間に同僚と三人で寝起きしている。
同僚たちは町に遊びに出たらしく留守である。
このへんはいわゆる便乗船とかいうものなのか伝統はつく。
鶴の机の上にはコップに投げ入れられた銭菊が少し花弁が黒ずんでしなびたまま主人の帰りを待っていた。
06:01
黙って布団をひいて電燈を消して寝た。
がすぐまた起きて電燈をつけて寝て。
片手で顔を覆い小声でああといってやがて死んだように深く眠る。
朝同僚の一人に揺り起こされた。
おい鶴どこをほっつき歩いてたんだ。
三鷹の兄さんから何遍も会社へ電話が来て我々弱ったぞ。
鶴がいたなら大支給三鷹へよこしてくれるようにという電話なんだ。
急病人でもできたんじゃないか。
ところがお前は欠勤で寮にも帰って来ないし森ちゃんも心当りがないというし。
とにかく今日は三鷹へ行ってみろ。
ただ事でないような兄さんの口調だったぜ。
鶴はそうけだつ思いである。
ただ恋とだけ言ったのか。
他には何も。
すでに羽を着てズボンをはいている。
うん何でも急用らしい。
すぐ行って来たほうがいい。
行って来る。
何が何だか鶴には訳がわからなくなって来た。
自分の身の上がまだ世間とつながることができるのか。
一瞬夢みるような気持になったがあわててそれを否定した。
自分は人類の敵だ。
殺人鬼である。
すでに人間ではないのである。
世間の者々は全部力を集中してこの鬼一匹を追い回しているのだ。
もはやそれこそ蜘蛛の巣のように自分を捕まえる網が
行き先行き先に張り巡らされているのかもしれぬ。
しかし自分にはまだ金がある。
金さえあれば束の間でも恐怖を忘れて遊ぶことができる。
逃げられるところまでは逃げてみたい。
どうにもならなくなったときには自殺。
鶴は洗面所でうがいして顔も洗わず部屋へ帰って押入れをあけ
自分の氷の中から夏服シャツメーセンのあわせへこうび毛布運動靴
09:06
スルメサンバ銀笛アルバム売却できそうな品物を片端から取り出して
リュックに詰め機上の目覚まし時計までジャンパーのポケットに入れて
朝食も取らず三鷹へ行ってくるとかすれた声でつぶやくように言い
リュックを背負っておろおろ寮を出る
渋谷から地下鉄新橋下車銀座のほうに歩きかけてやめて
川の近くのバラックの薬局から眠り薬ブロバリン200錠入りを一箱買い求め
新橋駅に引き返し大阪行きの切符と急行券を入手した
大阪へ行ってどうするというあてもないのだが
汽車に乗ったら少しは不安も消えるような気がしたのであった
それに鶴はこれまで一度も関西に行ったことがない
この世の名残に関西で遊ぶのも悪くなかろう関西の女はいいそうだ
自分には金があるのだ一万円近くある
汽車に乗る鶴は浮かぬ顔して首を振り胸のポケットから手帳を取り出し
鉛筆をなめたうまくできたら森ちゃんに贈ろう
片身である鶴はゆっくり手帳に書く
我にブロバリン200錠あり飲めば死ぬ命
それだけ書いてもう詰まってしまった
あと何も書くことがない読み返してみても一向につまらない下手である
鶴は苦いものを食べたみたいに心から不機嫌そうに顔をしかめた
手帳のそのページを破り捨てる詩はあきらめて
今度は三鷹の義兄にあてた遺書の作成を試みる
私は死にます今度は犬か猫になって生まれてきます
もうまた書くことがなくなった
しばらく手帳のその文面を見つめふっと窓のほうに顔を背け
熟子のような醜い泣きべその顔になる
五日ほど経った早朝鶴は突如京都市査協区の某商会に現れ
かつて戦友だったとかいう北川という社員に面会を求め
二人で京都の街を歩き鶴は軽快に古着屋ののれんをくぐり
身につけていたチャンパーワイシャツセーターズボン
冗談を言いながら全部売り払い代わりに古着の兵隊服上下を買い
12:04
浮いた金で昼から二人で酒を飲みそれから応用機で北川という青年と別れ
自分一人京阪市城駅から大津に向う
なぜ大津などに行ったのかは不明である江戸っこらしい薪舌で
一夜の宿を求め部屋に案内されるやすぐさま仰向けに寝ころがり
両足を激しくばたばたさせ班頭の持ってきた宿長にはそれでも
ちゃんと正しく住所姓名を記し酔いさめの水を頼みやたらと飲んで
それからその水でブロバリン200錠を一気にあった模様である
鶴の死骸の枕元には数種類の新聞と50戦士兵2枚と10戦士兵1枚
それだけ散らばってあった霧で他には所持品皆無であったそうである
鶴の殺人はとうとうどの新聞にも出なかったけれども
鶴の自殺は関西の新聞の片隅に小さく出た
京都の傍聴会に勤めている北川という青年は驚き大津に急行する
宿の者とも相談しとにかく鶴の東京の寮に打電する
寮から人が三鷹の義兄の下に馳せつける
姉の左腕の傷はまだ糸が抜けず左腕を白布で首に釣っている
義兄は相変わらず酔っていて表沙汰にしたくねえので
今日まであちこち心当たり探していたのが悪かった
姉はただもう涙を流し若い者のアホらしい色恋も馬鹿にならぬと思い知る
卓語家の縦川翔司です
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