著作者人格権と同一性保持権の復習
弁護士のキタガワです。 YouTubeやTikTok、あとはテレビ番組などで法律の解説をさせて頂いております。
金髪頭のおじさん弁護士でございます。
さて、【新中学生でもわかる著作権】と題しまして、
生成AI時代にきちんと勉強しておいて頂きたい著作権について、連日お話をさせて頂いております。
ここ最近は、著作者人格権お話をさせて頂いてますよね。
その中で、【同一性保持権】
自分の作品を勝手にいじらないでと、そういう権利がありましたよね。
まさにこだわって作った作品だから、それを勝手にいじられちゃうと困りますよ、みたいなところですね。
これは、著作権という財産的な側面というよりも、作者のこだわり、感情、名誉、そういった内心の部分ですよね。
そういったものも、著作者人格権として保護していきましょう。
これが著作権法のルールとしても定められているよ、みたいなお話をさせて頂きました。
で、自分の作品を勝手にいじらないでというところ。
逆に言うと、勝手にいじってしまうと、同一性保持権侵害にもなっちゃうし、
これまでも説明していた本案権、アレンジ権の侵害にもなっちゃうよ、ということですね。
なので、ダブルでアウトになっちゃう。
人格権侵害にもなっちゃうし、著作権侵害にもなっちゃうよ、ということ。
しっかり把握しておいて頂ければなと思います。
さて、ここまでが前回のおさらいでございましたけれども、
やむを得ない改変が認められる4つのケース
例外的に、次から説明するこういったケースの場合は、
勝手に他人に無許可で作品をいじってもOKですよ、というのが
著作権法に定められていたりします。
大きく分けると4パターンですね。これを説明していきます。
軽く4つ説明させて頂きます。
まず1つ目が、学校教育目的のためにどうしてもいじらなきゃいけない場合、
教科書に載せる場合とかね、これが1つ目。
あとは建築物、建物の増築とか増改築、修繕、この場合には仕方ないよ、という場合ですね。
あと、コンピュータープログラムのアップデート、よくありますね。
ホームページとかもそうですね。ウェブのシステムとかもそうですね。
アップデート、この場合は仕方ないよね、というのと、今言った3つに似たような場合ですね。
つまり、著作物の性質とかから、やむを得ない改変、改変って改める、変えると書いて改変ですね。
やむを得ないじゃないですか、いじくるのは、みたいな時ですね。
やむを得ない変更と言えるかどうか、これがポイントになってきます。
よろしいですかね。今4つ説明させていただきました。
ケース1:学校教育目的での改変
1つずつ解説をさせていただきます。
次の場合が、作者に無許可でいじっても仕方ないよね、ということでございます。
1つ目というのが、教科書にその作品を載せる場合など、学校教育目的のためなら、多少変更しなきゃいけないよ、みたいなことですね。
例えば、教科書とか、学校のテストとかで文章とか小説、載せたりしますよね。
例えば、入りきらないから、段落を変えないで、同じところに、1つの文章にやってしまうとか、あと一マス空けないとか、そういった部分あったりしますよね。
あとは、美術の教科書なんかでも、壺とか絵とか載せたりしますけれども、絵とかの画角が4対3になってるんだけど、それだと教科書に収まりきらないから、少し細長くしてみるとか、正方形にしてみるみたいな形で、余白部分が端折っちゃってるみたいな、許してね、みたいな、そういうことですね。
それはさ、仕方ないよね。これは仕方ないよね、と。教育目的の場合であれば、これはやむなしだよね。作者に許可なくいじっても仕方ないよ、みたいな考え方があります。これはなんとなくイメージはつきやすいかな。
ケース2:建築物の増改築・修繕
そして2番目ですね。建築物の増改築、修繕とかですね、建物が老朽化して耐震構造をしなきゃいけない建物をね、本当にアート作品と言えるような建築物、お城とかもそうですよね。なんでしょうね、外線門とかもそうなのかな、わかんないけどね。
はい、だけど老朽化のために、例えば外側にね、鉄骨で三角みたいなのを作って耐震構造をね、高めたりしている建物があったりしますよね。こういった場合は、これはあくまで建物が壊れないため、倒壊しないためにやっているものだから、これは仕方ないでしょ、許してよ、というふうに言えちゃうということでございます。
ケース3:コンピュータープログラムのアップデート
そして3番目ですね。コンピュータープログラムのアップデート。これもなんとなくイメージつきやすいかな。例えば初期のね、あのままではちょっとバグがね、ハッキングされちゃうとか、バグがね、残っちゃったままになっちゃうみたいなね。
これは他人のもの、他人が作ったとしても、少しこのね、別のエンジニアさんでアップデートさせてくださいよ、みたいなね、アプリとかもそうですしね、ウェブサービスとか、そういったものを使いやすくさせているだけなんだから、これはOKでしょ、みたいなことが言えるということでございます。
ケース4:その他のやむを得ない改変と判断基準
こういった場合は、元の作者の許可なしに、その作品をいじることができるよ、ということでございます。そして4番目ですね。これが一番揉めます。これがね、めちゃくちゃ大切です。さっき言った著作物の性質から、これやむを得ない、仕方ない改変、まあ変更のことですね、チェンジのことですね。
と言えれば、これは仕方ないでしょってことですね。これはOKだよってことです。ただ、このやむを得ない改変って、別にね、基準が明確じゃないですよね。非常に曖昧ですよね。さっきの1番目とか、1番から3番目ですよね。
例えば、教育目的とか、建築物の増改築、コンピュータープログラムのアップデート、これはイメージつきやすいけども、いや、その他のやむを得ない改変って何なの?ってことですよね。はい。
ということでございますけども、これ判断基準はないんですが、さっき説明した1番目から3番目と同じレベルで変えなきゃいけない緊急事態の時は例外的に変えることができるよということでございます。
なんとなく、ちょっと仕様変更したいから、ダメ、だけじゃダメで、このね、コンテンツ、作品をキープするためにとかね、この教育目的のためにとか、そういった強い、もう仕方ないでしょ、レベルの状況であれば、無許可で変更することができるよ、許可なくいじることができるよということでございます。
裁判例:脱ゴーマニズム宣言事件
で、このやむを得ない改変と言えたのかどうかということで争われた裁判例1つあります。これも結構前ですね。脱ゴーマニズム宣言事件というのがあります。脱っていうのは脱ぐってことですね。脱するってことですね。で、ゴーマニズムっていうのはカタカナですね。宣言、宣誓するってことですね。脱ゴーマニズム宣言という事例がありました。
これね、小林よしのりさんというですね、僕と同じぐらいの年代の方はご存知だと思いますけども、おぼっちゃまくんっていうね、ご存知ですか?コロコロコミックでね、連載してましたね。小林よしのりさん、その原作者なのかな?が、ゴーマニズム宣言という書籍を出しました。本ですね。
で、一方、これ別の方です。そのね、ゴーマニズム宣言を読んだ別の作家さんが、この脱ゴーマニズム宣言、いやゴーマニズム宣言はダメだみたいなことなのかな?脱するってことですからね。
っていう書籍を作りまして、それを脱ゴーマニズム宣言の中で、小林さんが元のゴーマニズム宣言を書いた、小林さんが作った宣伝の一部を使って、ちょっと面白おかしく書籍を作った、ちょっとパロディじゃないんだけどね、そういったのがありました。
その中で、元の作者ですね、ゴーマニズム宣言を書いた小林よしのりさんが書いたイラスト、漫画があるんですけども、それを新たな作家さん、脱ゴーマニズム宣言を書いた人がね、作家さんが、それをちょっと拝借したんですよ。
その拝借をしたんですけども、そのイラスト、漫画のキャラクター、登場人物の目に目隠しですね、ちょっとぼかしみたいなのかな?を入れて発売したり、あとはですね、漫画ってコマ割りがあるじゃないですか。
一番上の段が3コマで、次のコマが4コマで、みたいな形でね、コマ割りありますよね、カット割りっていうのかな?その順番、バランスをね、ゴーマニズム宣言を、カット割り、コマ割りを少しアレンジしちゃったんですね。
横一列に4コマ、1,2,3,4ってあったんですけども、ちょっと紙の関係で、4コマ目を一段下に下げて発売したんですね、脱ゴーマニズム宣言はね。
はい、これによって、元の作者、作家さんである小林さんがね、おい、なんか勝手にいじるなと、勝手にキャラクターに目隠しを入れるんじゃないと、勝手にコマ割り、横一列に4コマあったんだけども、なんか4コマ目を一段下げるんじゃねえということね、これ、同一性保持権侵害じゃねえかってことで、訴えていったという事例がありました。
これに対して、脱ゴーマニズム宣言ですね、ちょっと面白おかしく書いた作家さんは、これはさ、引用ですよと、これ後で説明しますけどもね、要は許してってことですね、無断でやってもOKでしょうみたいな形で争っていったという事案がありました。
さてさて、この裁判判決どうなったかというと、まずキャラクターの目に目隠しを入れたところ、これは、これ仕方ないよねってことになったんですよ、やむを得ない改変ということで、同一性保持権の侵害にならない合法政府ということになったんですね。
他方で、その漫画のコマ割りですよね、カット割りで、一列に4コマあったのを勝手に1個下に下げた、これは勝手に変更するのは、やむを得ない改変とは言えません、ということになったんですね。
いやそのままのコマ割りカット割りでできたでしょう、それを何か意図的に変えたのは、やむを得ないチェンジとは言えなかったよね、というふうなジャッジが下されたということなんですね。
私はこの裁判で勉強した時に、勝手に目隠し、キャラクターの目に目隠しを入れる方がひどいんじゃないかと思ったんですけども、そっちの方はセーフで、コマ割りはアウトだったってことなんですね。
よくわかんないですよね。裁判官としては、元の作者小林よしのりさんが、こだわりにこだわり抜いてコマ割りカット割りを考えたわけだから、そこを元々のままでできたわけなのに、勝手にいじられちゃったら、それはかわいそうでしょということで、同一性保持権侵害が認められたということがありました。
やむを得ない改変のまとめと注意点
このような形で、確かに同一性保持権侵害、勝手にいじっちゃいけない権利があります。ただし例外的に、教育目的、教科書に載せる目的とか、建物の増改築でやむを得ない場合、そしてコンピュータープログラムの変更、やむを得ないアップデートの場合、
そしてそれに類似するような、同じレベルで、やむを得ない、緊急事態で変えなきゃいけないような状況の時は、作者に許可なくいじっても、同一性保持権侵害にならないということになっています。
よっぽどのことじゃないと、このやむを得ない改変というのが認められないということを覚えておいていただければなと思います。
最後までお聞きくださりありがとうございました。また次回一緒に勉強していきましょう。