反古しらべの発見
保護しらべ 樋口一葉
一 虫干すとて
カビ草木保護どもを 余た取り出しける中に
子兄が残したる草草の筆記あり 事細かに記し留めたる様
これはそれの夏 脳の病起らんとせし前の月
心をとどめて物しつるなり 今
兄の父母への気遣い
かたつかたは霜凍る冬の夜 毎夜必ず父母が寝間をうかがいて
裾に物を置き 襖のたてつけをあらためしころ
おい 今宵はいと寒きに早く寝よかし
風もぞひくと母の大瀬つるに 受けたまわりぬとて