2024-08-26 22:33

第2回「まともな見積り書いたら通らないんじゃね?」

第2回目は「お見積り」についてたっぷり語ります。

正直に見積もりを提案しても、なぜかお見送りになってしまう理由とは?

システム開発者の視点から、「お見積り」に関するリアルな事情をお届けします。

▼ホスト:島田徹

▼MC :鴨志田怜

▼ゲスト:辰巳純基

------------------------------------------------------

▼お便りメール

メッセージをお待ちしております!

Googleフォーム: ⁠https://forms.gle/DCema6crfoux1ZAR9⁠

------------------------------------------------------

▼会社プラムザ のホームページ

 システム開発などでお困りの事があればお問合せ下さい。

⁠https://www.plumsa.co.jp/⁠

------------------------------------------------------

▼𝕏アカウント

⁠♯ふてはな⁠ 』で番組の感想、ご意見、質問など、ポストしてくれた投稿には返信することもあるのでぜひフォローお願いします!

 ・番組𝕏: ⁠@futehana⁠ 

------------------------------------------------------


サマリー

このエピソードでは、システム開発業界における見積もりの実情やその課題が議論されます。特に、コンペにおいて適切な見積もりが通らない状況や、業者の戦略的対応が業界全体に与える影響が焦点となります。見積もりの重要性や適切な提示方法についての議論が行われ、クオリティとコストの関係が取り上げられます。顧客の知識向上や業者選びの基準も強調され、システム開発過程での教育的な役割が求められています。

見積もりの基本と課題
この番組は、システム開発25年の株式会社プラムザが、赤坂より開発の現場の今と本音をざっくばらんに話していこうという番組になります。進行は私、鴨志田と、代表の島田と、今回のゲストは株式会社プラムザ執行役員の辰巳さんです。
はい、2度目のお出迎えです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
ということで、今回の題名が、「まともな見積り書いたら通らないんじゃね」というところになるんですが、そもそも見積りっていうのはどういうものなんですか?
見積りはですね、うちの場合はシステム開発の会社なので、お客さんからこういう内容をやってもらったら、いくらになりますかと聞かれるわけですよね。
だいたいは深掘りしていかないと見積りって書けないので、いろいろとヒアリングをして、我々なりに、だったらこういうふうなシステムが必要だねとか、サーバーはこうなってはいけないよねとか考えて書くのが、それがうちの業界の見積りですね。
見積り、多分正確な見積りを書くっていうと、結構正直手間がかかるっていうところになってくるんですかね。
かかりますね。
ヒアリングをするんだけど1回ではだいたいすまなくて、大きなシステムだと要件定義みたいな感じで何ケ月もかけて決めて、見積りもそれに合わせて作るんだけど、簡単なものだったら1回、2回のヒアリングでそれを機能一覧にして書くみたいな感じですかね。
なるほど。そうすると、一般的には見積りを書くっていうのは無料でやるものなんですか、有料でやるものなんですか。
大きいものは有料になることがあるんですね。
それも最初1,2回の会社さんとかを聞いて、どんなふうになっていくかっていうのをそこで判断するっていう形になるんですかね。
そうですね。
しかも定価がないんですよね、システムの開発って。要望がお客さんごとによって違うので、SaaSの企業みたいに月額の定額のプランがあるわけでもないので、その時に島田さんって何を根拠に見積りをするんですか。
基本的には作業工数、そのシステムを作ったらどれだけの時間がかかるかっていうね、工数って業界で言いますけど、それを元にして積み上げていく。
この機能はこれぐらいの工数がかかるんで、この金額になりますっていう。
それが一般的なんだけど、最近工数をベースにして見積もるのがダメだとかっていう話もちらほらと業界で言われてるけどね。
それはなんでダメなの。
そうするといいものが作れないっていうか、お客さんはこれだけのシステム作ってもらったらこれだけの売上が上がるのにっていうような期待を持って出してるわけなんで、
それに対してうちがそれをバックアップするような、いろんなあの手この手でバックアップしていくようなことをやっていくのがむしろ良くて、
要件を固めてね、工数を積み上げていって、おいくらですっていうのはお客さんと同じ方向向いてないみたいなことがあるんだよ。
それってまたプロフィットシェアとちょっとまた違う感じ。
そうそうそう、ちょっと違うんだよねそれはね。
でも似たような感じよ、お客さんと同じこのビジネスっていうかこのプロジェクトを成功させるんで何割かちょうだいみたいな、そういうイメージの方がプロジェクトは上手くいくっていう話もあると。
かつ、ある程度前払いしてもらったり。
前払いはそうだね。
プロフィットフェア、プロフィットシェアってなんですか。
例えば僕から説明すると、この機能によって売り上げが1000万立ちますと。
利益は例えば50%500万残るとするじゃないですか。
そうなった時にその500万のうちの例えば10%50万をうちで利益としてもらいますみたいな、そういうビジネスになる。
歩合みたいな感じ。
言ってみればそうかもしれないですね。
なるほど。
利益をシェアしようっていうやつだね。
で、見積もり書くのにいろんな問題だったり大変だったり。
そもそもどうやって書くかっていうのも多分今の話を聞いていると様々なのかなと思うんですけど。
コンペにおける見積もりのジレンマ
そんな中でまともな見積もりを書いたらダメなんじゃないっていうのが。
また尖ったね。
今回題名なわけなんですけど。
今島田さんに書いてもらったわけなんですけど。
今どんな問題が起こっててこういう題名にされたんですか。
これをそもそもコンペ案件の時だけ思うのはね。
コンペというのは。
お客さん一人に対して複数の業者が見積もりを出してお客さんの判断をすると。
前のマッチングサイトの時とまさに同じ状況。
コンペになっているんで基本的には安い方が。
安い方は必ずしも勝つわけではないけど大体安い方が勝つと。
お客さんはやっぱり安い方が好きなんで。
なので言うと入札ですよね。
業者によってはですね。
入札を通したいがためにですね。
わざと言われてないことは本当は言われてないことでもプロとしてはやらなきゃいけないっていうことがたくさんあると思うんだけど。
そこを削ぎ落として入札を入れるわけですよ。
だって言われてないんだもんみたいな。
そうすると安くなるんでお客さんは選びますよね。その業者をね。
通ってから言い出すわけですよ。
そんなのありなんですか?
それをやる業者がね。
多いんだよね。
あえて炎上っていってトラブルというか開発が遅延している状態をわざと引き起こしてこれ解決するにはもう少しお金くださいみたいな。
だってはじめ言ってなかったじゃないですか。
依頼者の方の責任になっちゃうんですね。言ってなかったから。
そうなんだよね。
なるほどですね。
それは確かに安く書いてと取ったもん書きみたいなところありますよね。
うちなんかは経験が多いんでこうなったら絶対おかしいですよねみたいな感じで。
セキュリティなんかもね。
脆弱性があったらまずいので先回りしていろいろと要件詰め込んでおいくら万円でずっと出すとめっちゃ高いみたいな。
他の業者がうちの半分くらいで提案してますよみたいなことが言ってくるわけですよ。
そんなことあるよみたいな。
これはシステム開発業界だけの話?他にも似たようなものなんですか?
受託業ではあり得るかもしれないですね。コンサルだとかマーケティングだとか。
つまりわかりやすい値段を設定できない業界においては起こり得るってことですかね?
そうだね。でも家とかだとどうしても実績として残ってですね。
変なものを作ると業界で噂になったりSNSとかで晒されたりするんで。
Googleマップに口コミで悪評を書かれる可能性があるんですか?
システム開発ってだいたい一点ものだし、なかなか比較がしにくいっていうのがあるんでね。
だから必ずしもこのプロジェクトがうまくいかなかったのか、業者のせいだったのかわからなかったりする。
クライアントとの関係と教育
あんまり口コミで広がるってのは結構あるようでないんでね。
一概に何が原因だったのかっていうのは、はっきりしないことが非常に多いんですよ。複雑すぎて。
他に言いたい部分とかあります?
僕のエピソードで言うと、最初は弊社一社だけに問い合わせが来ていて、提案をしていたんですね。
そうなった後に最終的な決断を会社さんでするために、やっぱりもう他の会社にも聞いてみたいって話になりました。
当初この金額、例えば600万だったら600万、1000万だったら1000万みたいな形で提案していたんですよね。
当然なんですけれども、僕の提案をベンチマークにされるわけですよね。
まあそうなりますよね。
じゃあ1000万だったのが800万になりますと。
僕に関してもそれなりの工数を割いて提案をしていたにも関わらず、
要は僕らベンチマークにされるんで、機能の洗い出しとか、会社の工数とか金額っていうのも機能単位で出ているわけじゃないですか。
じゃあそれなりにちょこっとちょこっとちょこっとずつ下げていったら、簡単に800万円とかになるんで。
そうなってきたら、結構それに関してはしっかりした見積もりを出していた自負はあるんですけれども、
本当に僕らの数週間かけて出した提案が、数日のちょろっとそれぞれの金額を下げた提案で、そっちが通ってしまうみたいなこともあったんで、
そうなってくると、まともな見積もりを出すっていうのは意義があるんだろうかっていうのは非常に思いましたね。
ヒアリングのお客さんのまとまってない話を聞いてまとめた提案書があって、それ見られたら簡単なんだよね。
本当です。間違いないです。
だって僕ら結構その会社さんの打ち合わせ、4回して提案した上で、多分そこの会社なんて1回か2回かオンラインぐらいの打ち合わせでそうなってるんで、
完全に踏み台にされるってことも全然あるので、それだったらもっと高い見積もりを出さざるを得ないっていうふうに考えなくもないんですけど、
そういうふうにやってしまうと業界全体のモラルが崩れてしまうんで、なかなか難しい問題だよね。
これはどこに問題があってどう解決できるものなんですかね。
クライアントさんの側も例えば他社の見積もりとか内容をシェアしないとかそういうことでも防げていけるものなんですかね。
提案に関しては基本的には、これはコンフィネンシャル扱いにしてもらって、この提案書を外部に見つけたらダメだよみたいな、そういうふうにするって一つの手ではあるけどね。
でもやるお客さんはいるんでね。
しかしやっぱりコンペって避けられないので、前も多分島田さん、僕がその時失注した時に言ってたのが、僕らが提案しましたってなるじゃないですか。
で、他社さんが提案したのを僕も参加して聞いてみればって。
そうなった時に、じゃあ相手のしてきた提案を聞いてみて、それはどう考えても無理でしょっていうコメントをして、
他社さんというよりかはクライアントさんとそこでやり取りをして、たぶんここでこういう提案があったんですけど、たぶんこれは無理だと思いますみたいな。
っていうところだったりとか、あとはそもそも機関とか、要は工数が下がるってことは、納期もその分下がるって話になってくるじゃないですか。
要は安くしてもっと早くさせてくださいっていう。
やっぱりそういう提案では、費用的な分もそうですし、機関としても現実的ではないですっていう、ちゃんと説得をしてお客さんに啓蒙をしていく必要があるっていうのはまず一つだと思います。
啓蒙。
ナーチャリングとかでも言いますけど。
ナーチャリングとは。
全くその通りです。
要はお客さんに特にそういう発注の経験がなかったりだとか、業界に対する知識がないお客さんに対して、これはこういうものですよ。
なのでこれはそういう常識とか業界における通念においてはちょっと逸脱したものになるので、違いますよってことを教えていって、知識を上積みしていただくような作業のことを言います。
システム開発を依頼するっていう、ある種の知識とかノウハウが必要になってくるってことだと思うんですけど。
僕はある方がいいなとは思ってますけど、なくても全然できると思ってます。
というのは。
要はなんですけど、僕も全然パソコンでWordとExcelしか使ったことないような会社さんとも全然発注いただいてやり取りしてるんですけど。
そこで一から全然教えることもできますし、できるだけ専門用語を使わないような切り口をお話をするっていうのもできるんですけど。
相手が業界知識だとか発注の仕方とか経験があるっていうようなお客様でも全然どちらでもいいですけれども、
見積もりの重要性
どっちでもいい、あんまりそこで優劣をつけないほうがいい気がした気がしたりとか。
あるいはその業界知識とか発注経験があるかないかっていうお客さんが選ぶみたいな話になっちゃうんで。
これ難しいな。
正直、プラムザではそういうのも対応できるし教えるよってことだと思うんですけど、
クライアントサーバー側の問題としてはその見分けがつかないことですよね。
そこの業者さんが言ってることは正しいのか、そもそもこの見積もりできるのかっていう判断がつかない。
確かにそこにつけいる業者さんがいるっていうのはあると思います。
だからまともな見積もり昇格、費用が高くなってしまったものに対してパッと見やすいほうが見栄えがいいと。
そういうところに行かれてしまう。
そこの会社さんを選んでしまいがちだけども、その先に結構トラブルがあったということもよく聞く。
そういうことです。
他のプラムザの事業部長で増田さんという方がいらっしゃって、
その方が僕がこの会社に入った時にすごい教えられたのが、
費用と納期はクオリティとトレードオフですよっていう。
要はお金をかければかけるほどいいものも出来上がるし、早く出来上がると。
お金が安いってことはそれなりのクオリティになっちゃうよっていう話。
だし時間もかかりますよっていうところをお客様は多分最初に知っていただいた方が一つ判断基準になるのかなと。
それで言うとね、クオリティの低いものを出すのって難しいんだよね。
お客さんがお金を安くしたいから少しクオリティを下げてもらっていいって言われても、そんなものってなかなか作れないんだよね。
確かに、それもありますね。
だから業者によってはね、分かりました、じゃあもうやっつけて作りますよって言う人があるのかも分からないけど、
そういうのを出すとトラブルになるし、逆にそれで結局後から直さなきゃいけなかったりするんで、
コスト高くなってくるということであれば、始めからある程度少なくとも80点超えるものを作っていかなきゃいけないんで、
そういう意味ではあんまり安く出せないんだよね。
そもそも安く出せない。
顧客の知識向上
本当に安くするのがクオリティを下げるんじゃなくて、機能を必要最低限のものに削ぎ落としといって、
もう少ない機能というか最小の単位でそれを利用開始、運用開始していくっていうのが現実的な規定路線になるのかなと思うんですけど。
だからね、さっき言った話で、お客さんの啓蒙とかって話があったんだけど、
お客さんが富士山登りたいという登山客とすると、我々登山ガイドだったりするわけなんでね。
一緒に登るのは登るし、お客さんのレベルに合わせてやれると思うんだけど、
二人三脚で登っていけると思うんだけど、やっぱり登りながら少しずつ勉強していってもらうというのはどうしても必要で、
最後の最後、頂上の方になってくるとどうしても辛いところがあるんで、ずっと下の方の都会暮らしのままの状態で上まで上がれませんよっていうのは必要なんだよね。
要は最初は別に知識とか経験はなくてもいいけれども、やっていくうちにそこの学んでいただく必要がある。
お客さんは完全なお客さんではないというのがシステム開発はそうなんで、
一回でもやってるとまた違うんだけど、初めての時は多少は勉強しないと。
そうするとシステム開発会社に依頼するってなると、イメージとしてはプロだから丸投げしてやってくれるだろうって思っていらっしゃる会社さん多そうですけど、
それじゃダメだよってことですよね。
業務システムとかになってくるとそれじゃダメで、ホームページ作成でもあれじゃないですか、ホームページってだいたい20万30万の違いだと思うんだけど、
お客さんの方からね、うちの会社の紹介をするページ作ってって言ったら、安いところで5万円で作りますよみたいなところがあったりするじゃん。
作ってみたらスマホで見れないよみたいな、お客さんとしては当然スマホでも見れるだろうと思ったけど、
業者さんの方は聞いてないんで、パソコンのブラウザじゃないと見えませんよみたいなこと言ってきて、スマホで見るんだったら追加ですみたいな話になってきてしまうと。
そういうのもそうなんだけど、お客さんの知識も上げていかないとそういう業者さんに騙されてしまうっていうのもあるんで。
そうですね、その見積もり書く前のすり合わせというかヒアリングっていうのも大事なんですけど、どうしてもそこに工数もかかってきてしまう。
そもそもお客さんが自分がどういう要望を出しているのかっていうのを多分理解するためにも必要だと思うんですね。
さっきのスマホの話によると。
それは本来ある種ちゃんと開発する会社さんにあれば拾い上げて、それを見積もりに含めるけども、それを抜きでも出してしまう会社さんに引っかからないでくださいっていう啓蒙のポッドキャストのチャンネルというところになるんですかね。
そこも含めてプラムザであれば全然業界知識がなくてもお話全くさせていただきたいと思ってますし、
そこも開発を進めていく上で、業界の仕切りであったりとか専門知識っていうのを一緒に学んでいっていただいて、最終的にはいいものをお互い頑張って作れるようにしましょうっていうスタンスでいます。
これ最後にまとめに向かっていったわけですけど、クライアントさんから見た時に、いい業者か悪い業者か、ちゃんとそういった見積もりを書いてくれるとか話し合ってくれそうっていうのは、こういう会社さんがいいよみたいなヒントみたいな目安になるものとかあるものなんですか。
そうですね、やっぱりいろいろあるけども、ちゃんと営業の人、営業に来てる、ヒアリング来てくれてる人が技術分かってるのかなっていうのは大事なところだと思います。
もういいねでバーンって言ってくる営業の人もいるんで、お金の見通しはいくら出してますかって、うちはその8割で行きますみたいなね、辰巳君の話じゃないけどさ。
そういうところってのは、わりと信用できないっていうか、トラブルが目に見えてるんで、ちゃんと分かってそうっていうのは、何か言った時に金額でガンって言うんじゃなくて、根拠がちゃんとはっきり言ってくれるとかね、そういうところで判断するっていうのは信用できるんじゃないかなと思いますけどね。
じゃあ今回はこんなところですかね。
大丈夫だと思います。
まとめが下手で申し訳ないんですけども。
着実に進んでいっている感じ。
じゃあ終わりましょうか。
本日はいかがでしたでしょうか。楽しんでいただけましたらフォローや評価をお願い致します。またXでも最新情報を随時発信しています。
システム開発に関するご相談がございましたら、公式ホームページからお気軽にお問い合わせください。それではまた次回お会いしましょう。
さようなら。
22:33

コメント

スクロール