星を見る
2026-08-18 03:01

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作:Ene @ene_oeuf 様


https://voice-genseki.com/voices/e674e19c-e20a-46a7-a27c-2918ad0d5444


ボイセキにて専用台本を書いていただきました!


ピアノ41

https://maou.audio/bgm_piano41/


【活動まとめ】 https://lit.link/azekura

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00:06
夜に停電したらどうしますか?という質問に、一人だけ、「星を見ます。」と回答した子がいましてね。 小学校の
3年生の授業だったかなぁ。 僕としてはまぁ、機器管理とかね、普段の避難訓練の内容がちゃんと入っているだろうか、とかね。
まぁ、そういう考え方を聞きたかったんだけどね。 実際ね、他の子達はランプを点けますとか、お父さんの言うことを聞きますとか、そんな感じで回答してたんですけどね。
その子だけ、「星を見ます。」って書いてきて、 なんだか妙に気に入ってしまったんですよ。
明かりがないなら星を見る。 そのシンプルな答えがね、なんだか美しかったんですよね。
確かにね、考えてみればね、停電したら人間なんか無力ですからね。 星を見るぐらいしかやれることはないでしょう。
それはそうなんですよ。 でも、なんだかね、僕が美しいと思ったのはね、それだけじゃなくて。
その子はそうやって星を見ている間に、大人たちが電気を復旧してくれるもんだと信じていたってことでしょ?
子供の目線なんですよ。役割を負っていない。 信頼があるように思えましてね。
それがなんだかいいなぁと思ってしまってね。 それ以来その子を気をつけて見るようになりまして、
特にどうってことのない普通の子だったんですけどね。 僕もあの頃教師になって4年目で、一丁前に悩むことも多くてね。
勝手に救われた気になっていたというか、 まあ頭でっかちな若造だったからね。
勝手に意味を見出していい気になってたのかもしれませんけどね。 それでも大人として、教師としての自分の心がフニャフニャしかけていたところに、
ピシッと通る何かができたような気がして、 まあやっぱり救われてたんだろうなと思います。
結局ずっと引きずるのって、大きな出来事よりもそういう小さいことなんですよね。
それから20年後かなぁ。 同窓会で再会しましてね。
なんだか有名な企業に入って忙しく仕事をしてるって言ってました。 結婚して、子供もいてね。
二次会でたまたま近くの席になりまして、ふと聞いてみたんですよ。 星はまだ好きですかって。
そしたらまぁ、キョトンとしてましたね。
ふふっ そんなもんですよ。
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