王の物語
王と呼ばれた山猫がいます。
彼はキルギスの高原で発見された老病で、生まれつき片目を欠損していながら、向かうところ敵なしの強さを誇り、周辺の動物たちの群れの頂点に長いこと君臨し続けていました。
しかし、しかし、その年ばかりは訳が違いました。ことさらに厳しい寒さが続き、冷たい風が吹きすさび、山の恵みも大地の恵みもついに枯れ果てた時、
王は自身の寝蔵の前に動物たちを集め、無言のまま前に進み出て、その場に横たわりました。
彼が静かに目を閉じた時、動物たちはすべきことを理解しました。
友よ、すべては不滅です。かの誇り高き魂が、今も美しい高原の空と共に荒んことを。
