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2021-09-25 10:40

今日の10分de1テーマ「スティーブン・キングの小説が面白い理由」について

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本職は編集者のエイドリアン太郎が1日1テーマを決めて10分話すpodcastです。 ※ご意見、ご感想、質問や話のお題などありましたら eidoriantarou@gmail.com へお便りください。

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はい、というわけで始まりました。本日はですね、スティーブン・キングが大好きですという話をしたいと思います。
スティーブン・キングはですね、なんか10年前ぐらいにハマってですね、3年に1回ぐらいそれブームが来てですね、
今もずっとちょっと読まずにいた、超超長編のですね、ぶんこぼんこ札ある
ザ・スタントっていうのを読み始めてですね、やっぱおもろいなと思ってですね、スティーブン・キングの話したいなというふうに思いました。
ただですね、好き好き言っててもしょうがないので、編集者らしくですね、ちょっとそのスティーブン・キングの作劇的な特徴みたいなのをですね、改めて読んで思ったこともあったので、挙げながらですね、ちょっとお話をしていきたいと思うんですけど、まず一つはですね、長いですよね。
この長いっていうのがですね、スティーブン・キングってね、僕は小学生の時ぐらいには超ベストセラー作家だったんで、
10年前にはまったっていうのがすごく遅いんですけど、なんで手が出なかったかというとですね、長いからなんでしょうね。
しかもですね、なんかすごい例えば歴史小説とかなんかこう、変なの読んで勉強になるような、なんかいっぱい情報満載とかだったらですね、まだ長いのわかるんですけど、なんでホラーで長いねんみたいな感じですね、なんか効率悪そうみたいな気持ちがしてですね、
全然読んでなかったんですけど、読むとですね、めちゃくちゃ饒舌なんですよね。
すんごい描写がですね、ねちっこくてですね、そこがすごい面白いところなんですけど、
例えばですね、そのジェラルドのゲームっていうですね、なんか山荘にカップルが行ってですね、山の奥の山荘に行って、よしちょっとSMプレイするかって言ってですね、
なんか女の人をベッドに手錠で縛り付けて、さあ始めようという時にですね、男の方が心臓発作で死んじゃってですね、でベッドで手錠に縛られてですね、男と二人っきりで来たんで誰にも連絡取れずにですね、このままじゃ死んでしまうっていう話があるんですけど、
これ500ページくらいあるんですよね。なんでって感じですよね。なんでそれが500ページかかんねんみたいな感じなんですけど、
これを読んだらですね、描写がすっごいですね、濃くてですね、面白いんですよね、なんだかんだ。
でですね、ただそれがですね、スティームキングがよく言われる映画化するとつまらないってよく言われるんですけど、それの理由でもあるんですよね。
やっぱりですね、この小説の饒舌さに変わる、小説はですね、独自の魅力として饒舌さがあるんですけど、じゃあ映像はですね、映像をする時はそのジェラルドの件を500ページって書かれてる、ものすごく濃く書かれてるんだけど、状況だけ取り出したらですね、
でですね、その小説の饒舌さに変わる良さっていうのがですね、映像の方に必要なんですけど、それを与えられるか否かみたいなところでですね、製品が決まるというところでですね、なんでまあ、スタンリー・キュブリックが監督したシャイニングがですね、名作になるんだけど、
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他のはですね、うまくいかないっていうのもですね、そういうとこに理由があるんですよね、やっぱり。
シャイニングですね、スティーブン・キングはボロクソにですね、ちょっと言った、キング自身はですね、ボロクソに言って、その理由っていうのもわかるし、また後でお話したいんですけど、
一つ目の、キングの小説の特徴と言えばまず、長い、饒舌ってことですよね。
で、二つ目はですね、これちょっと、このザ・スタンドっていうのを読んでですね、改めて気付いたんですけど、アメリカの海外で旅行をすることになりたいっていうのがあってですね、
アメリカの連続ドラマがスティーブン・キングの手法を真似しているんだってことに気がついたんですよね。
どういうことかというとですね、
まず、軍造劇なんですよね、キングの長編小説って。
すごい結構たくさんのアニメーションがあるんですよね。
アメリカの連続ドラマがスティーブン・キングの手法を真似しているんだってことに気がついたんですよね。
軍造劇なんですよね、キングの長編小説って。
すごい結構たくさんの人物が出てきて、
それがですね、短い章でどんどん入れ替わっていくんですけど、
それらのある章に出てくるAさんという人がいたら、
そのAさんは何かの問題を抱えていると。
その問題にですね、ちょっと動きがあってですね、
どうなる?と思ったらBさんの話になる。
で、Bさんは何かの問題を抱えている。
Bさんはこの問題を抱えているんだ。
なんか動きがあった、どうなる?と思ったらCさんの話になるみたいな感じですね。
1章20ページくらいの短さのですね、
起承転くらいのエピソードをですね、
軍造劇でつるべ打ちにしていくんですよね。
だからですね、ぐいぐいぐいぐい読めるんですよね。
またDさんくらいまでいったら、またAさんの話の続きだ。
あなたどうなったんだろう?
そんなことになったのか?
また話が動いたら、今度またBさんの話かみたいな感じですね。
ずっとそれが続くんですよね。
でですね、それってその、
普通軍造劇ってやっぱりですね、
基本的には難しい手法なんですよね。
一人の主人公でですね、ぐいぐい一本線で読ませた方がもちろん、
作る方も作りやすくてですね、読む方も読みやすいんですけど、
その短い章でですね、
どんどんどんどんたくさん人物を紹介していく、
その人物に起こる出来事っていうのをですね、
ちょっと書いては次っていうのをですね、
ぐいぐい読めると僕は言ったんですけど、
もちろん同じ手法を用いてですね、
ぐいぐい読ませられない人の方が多いと思うんですよね。
なんですけど今回改めてザ・スタンドを読んでてですね、
感じたのが、
この各章の冒頭でですね、
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スッと感情移入させる技術がやっぱすごいなと思ったんですよね。
それは具体的には出だしの一行目、
一文目ですね。
出だしの一文目にかなりその技術があるなと思うんですけど、
主人公が置かれている状況をですね、
もう描くんですよね。
でですね、スタンドの冒頭を読んでみるとですね、
第9章。
彼らが襲ってきたのは暗くなってしばらく後、
彼がUSルート27の廊下と歩いている時だった。
から始まるんですよね。
この暗くなっている道をですね、
廊下と歩いていたら何者かが襲ってきた。
っていきなりこの状況、
なんかの状況からバーンと始まってるんですよね。
で、あと例えば第10章。
目が覚めるとすぐにラリーは二日酔いなのを感じた。
これも一緒ですよね。
その章の主人公はですね、
置かれている状況っていうのをまずボンと描くっていうところがですね、
グイッと感受入させてるんですよね。
あと結構ある手だしとしてはですね、
時間を描くということですよね。
時間を描くっていうより、
時間を描くことで何か異常な事態が進行していることを示す、
みたいな感じなんですよね。
例えば1文目が、
壁の時計の針は夜中の2時を過ぎようとしていた、
みたいな手だしがすごく多くてですね。
そしたらこれですね。
夜中の2時を過ぎるような時間から何が始まるんだろう、
みたいな感じなんですね。
興味をグイッと冒頭の1文目で引かせるんですよね。
でですね、そういう技術を用いてグイグイ読ませるんですけど、
これはですね、さっき言ったようにこのロストとかね、
ロスト以降のアメリカの連続ドラマは完全にこの手法を真似てたんだなということですね。
このスタートを読んで改めて気づいたなというふうに思いました。
3つ目の特徴はですね、
キリスト教的な善と悪の戦いなんですよね。
でですね、このキリスト教的な悪というのは何かと言ったら悪魔のことなんですよね。
で、悪魔ってどういう悪さを働くかというとですね、
人を誘惑するんですよね。
この悪魔自身が悪いことをするんじゃなくてですね、
人を誘惑させて悪いことをさせる。
神の似姿である人間にですね、
悪をなさせるということがですね、
その悪魔のなす悪なんですよね。
まあその何かその辺はね、
バットマンのジョーカーとかはまさにそうなわけですけど、
バットマンという正義の象徴に悪をなさせるということをですね、
ジョーカーという悪魔の化身がやるっていうのがバットマンとジョーカーの対立軸なんですけど、
そういうですね、人に悪をなさせるという悪を基本的にはキングは描いてるんですよね。
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でですね、これがですね、面白い面と残念な面の両面があるんですよね。
キングはですね、よくその終盤手前までがめっちゃ面白い。
で終盤、最後の最後でん?っていうところがあるっていうのがよくキングの小説の言われることなんですけど、
さっきキングの群蔵劇の話をしていてですね、
その群蔵劇を難しい群蔵劇なんだけど、
群蔵劇の冒頭で一文目でぐいぐい引き込ませるように読ませていくっていうことを言ってたんですけど、
もう一つスティーブン・キングの群蔵劇っていうのはですね、
群蔵劇なのに面白いっていう理由がですね、
その群蔵劇で出てくる登場人物が全員ギリギリなんですよね。
例えばすごいアル中の教師とかですね、
なんか例えばですけど夫からものすごいハラスメントを受けている妻とかですね、
何かギリギリの立場に立たされている人っていうのが全部の群蔵劇に出てくるんですよね。
でですね、それがですね、やっぱりそのギリギリの状態、いわば机の端っこみたいなところで立ってて、
今にも崖から落ちそうみたいな人ばかりなんでですね、
こう折ってぐいっと引かれるわけですよね。
それでこうその群蔵劇っていうのがですね、面白く読めるんですけど、
この辺でですね、10分過ぎたんでまた続きは明日話したいと思います。よろしくお願いします。
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