テレビのリモコンには40個から50個のボタンがついているのに、あなたが毎日必ず押すのは電源とチャンネルと音量、せいぜい3つか4つだけ。先週末、棚を作ろうとホームセンターに立ち寄った私は、「プロ仕様・50種類の機能を搭載した万能工具セット」2万円を、隣に並んでいた1200円のシンプルなドライバーセットではなく、迷わずカゴに入れました。しかし家に帰ると分厚い説明書に完全に迷子になり、結局使ったのは普通のドライバー機能だけ。後日、知り合いの大工さんにその工具を見せたら笑われてしまいました。「道具は少ないほうがいいんだ。使い慣れた3本のドライバーがあれば、家一軒建てられるんだから」。この一言が、私の知る大学生トレーダーの姿とぴったり重なりました。彼はカレーに味噌も醤油もチョコレートまで入れてしまう「ジャイアンシチュー」のように、移動平均線・RSI・MACD・ボリンジャーバンド・一目均衡表など10種類以上のインジケーターを画面に並べ、宇宙船のコックピットのようなチャートを前に、資金を100万円からわずか3ヶ月で70万円、さらに40万円まで溶かしてしまいました。なぜ真面目に学ぶほど、私たちはシンプルさから遠ざかり、複雑さという「鎧」を着込もうとしてしまうのか。そして、飛行機のパイロットが何千回飛んでも離陸前に必ず読み上げる「チェックリスト」が、感情に振り回された脳をどうやって冷静な判断へと導くのか。59歳投資家メンタルナビゲーターのふくおが、「使わないボタンを捨てる」という引き算の技術について、やさしくお話しします。
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