あの、夜寝る前に、スマホをワイヤレス充電器にポンって置くことはありますよね?
はい、よくある日常の光景ですよね。
画面を見て、ああ、100%まであと少しだなって確認して、安心して眠りにつくわけです。
ええ。
でも、翌朝目が覚めてスマホを手に取ると、なんか本体が触れないくらい熱くなってて。
うわあ、嫌な予感がしますね。
しかも、バッテリーはなぜか80%で止まってるんですよ。
ああ、やっちゃいましたね。
こんな経験、あなたにもありませんか?
白には急速って書いてある高い充電器を買ったはずなのに、なぜか普通のケーブルより圧倒的に遅いっていう。
そうなんですよ。実はそれ、物理法則からすると非常に理にかなった現象なんです。
理にかなってるんですか?
ということで、今日はそんなあなたのためのキュリオシティノーツリプライです。
はい。
分厚い技術報告書とか、いろんな検証データを徹底的に読み解いて、非接触急速充電の真実を明らかにしていこうと思います。
ええ。便利さの裏に隠された仕組みを知れば、なぜあなたのスマホが熱くなるのか、
そしてどうすれば本当に早くて快適な充電環境を手に入れられるのかがはっきりと見えてきますよ。
いやあ、今日はもう目から鱗の連続になりそうです。よし、早速これを紐解いていきましょう。
よろしくお願いします。
まずは基本的なところから整理したいんですけど、そもそもケーブルをつないでないのに、
ただ置くだけで電気が流れるって、冷静に考えると魔法みたいじゃないですか?
確かに不思議ですよね。
これ、中で一体何が起きてるんですか?
種明かしをしてしまえば、電磁誘導っていう現象を利用してるんです。
電磁誘導ですか?
はい。充電器の中にぐるぐると巻かれた送電用のコイルがあって、
そこに電流を流すと、目に見えない磁界、つまり磁力線が発生するんですよ。
その磁界の中にスマホ側に入っている受電用のコイルを近づけると、
今度はスマホ側に電流が発生するんです。
なるほど。
空間を通して、目に見えないエネルギーの橋渡しをしているわけですね。
あー、見えないエネルギーの橋渡し。
なんかそれってバケツから別のバケツへ空中で水をドバッと移し替えているようなイメージですかね?
あ、まさにそのイメージがぴったりです。
本当ですか?
ええ、もし2つのバケツ、つまり充電器のコイルとスマホのコイルが
上下に完璧に重なっていれば、水は一滴もこぼれずに効率よく移せますよね。
そうですね、きれいに入ります。
初期によく使われていたQと呼ばれる通常のワイヤレス充電は、
出力が5Wから7.5W程度だったんです。
ふむふむ。
つまり小さなコップの水を移すようなものだったので、
多少位置がずれとも被害は少なかったんですよ。
あ、コップの水ならこぼれてもちょっと濡れるくらいで済みますね。
でも、今の私たちが求めている急速充電って15Wとか、
最新だと25Wですよね。
そうなんです。
コップどころか、巨大なバケツで大量の水を一気に流し込もうとしているわけじゃないですか。
まさにそこが問題でして、大容量のエネルギーを空間伝送するときに、
もしコイルの位置がわずか2ミリとか3ミリでもずれていたらどうなると思いますか?
え?2、3ミリですか?結構こぼれちゃいそうな。
はい。物理学の世界ではこの効率の指標を結合係数と呼ぶんですけど、
ほんの数ミリのずれで伝送効率が30%から50%も急降下してしまうんです。
半分もこぼれちゃうんですか?
そうなんです。
そしてここが非常に重要なポイントなんですが、
バケツからこぼれ落ちたその莫大なエネルギーは決して消えてなくなるわけじゃありません。
じゃあどこに行くんですか?
すべてジュール熱と呼ばれる熱エネルギーに変換されて、
スマホの背面を直接炙ることになるんです。
うわぁ、ずれてこぼれた水が熱に変わるんだ。
だから回路みたいに熱々になっちゃうんですね。
そういうことです。
でもちょっと待ってください。
ここからが本当に面白いところだと思うんですけど、
マグネットの力でバケツの位置が完璧になって、
こぼれる水がゼロになったとしてもですよ、
25ワットもの大電力をフルパワーで送り続ければ、
必然的にある程度の熱は出ますよね。
おっしゃる通りです。
冒頭でお話しした朝起きたら80%で止まっててスマホが激熱っていうあの悲劇はなんで起こるんですか?
それはですね、スマートフォン自身の自己防衛本能であるサーマルスロットリングが発動しているからです。
サーマルスロットリング?
はい。スマートフォンの心臓部にあるリチウムイオンバッテリーは、
熱に対して非常にデリケートな化学構造を持っているんです。
まあ熱には弱そうですよね。
高温状態が続くと内部で化学的な劣化が急激に進んでしまって、
最悪の場合にはガスが発生して膨張したり発火する危険性すらあるんですよ。
うわーそれは怖い。
つまりバッテリーが熱でダメになっちゃうから、
スマホのOS側がこれ以上は危険だって判断するわけですか?
その通りです。OSは常に内部の温度センサーを監視していて、
一定の温度を超えるとシステムが自動的に非常ブレーキを踏みます。
なるほど。
これがサーマルスロットリングです。
25Wで勢いよく充電していたはずが、
強制的に5Wとか3Wみたいな1桁の出力まで絞り込まれたり、
80%の段階で完全に充電をシャットアウトしたりするんです。
いやー、ワット数の高い高性能な充電器を買ったせいで発熱して、
結果としてスマホ側からブレーキをかけられて充電が遅くなるって、
これ完全に本末転倒じゃないですか?
えー、皮肉な話ですよね。
今回の資料の中にすごく面白い実測データがありましたよね。
あー、Amazonベーシックの25W対応パッドと、
Apple純正のMacSafe充電器の比較データですね。
はい、それです。
どちらもカタラグのスペック上は最大25W出力って書かれているんです。
でも30分間の充電テストで残酷なほど明らかが差が出ました。
同じ25Wなのに差が出るんですか?
はい。Amazonベーシックのパッドは、
充電中に表面温度が約54度まで跳ね上がったんです。
54度、それって結構暑いですよね。
ずっと触っているが、低温やけど起こしかねない温度ですね。
結果としてサーマルスロットリングが強烈にかかって、
30分で31%しか充電できませんでした。
なるほど。じゃあApple純正の方は?
一方でApple純正品は約42度という比較的低い温度を維持して、
30分で40%の充電に成功しています。
全然違いますね。同じ25Wという水を送る能力があっても、
熱をコントロールできなければブレーキがかかっちゃって、
結果的に9%も差がつくんだ。
そういうことです。
だから最近AnkerとかCIOの製品でやたらと冷却ファンが付いていたり、
冷蔵庫に使われるようなペルチェ素子の冷却プレートが付いているモデルが出てるんですね。
まさにそこなんですよ。
ただ単にコイルの出力を上げる時代は終わって、
発生した熱をどう逃がすかが現在のワイヤレス充電の最前線になっています。
いや、熱を制するものが急速充電を制するというわけですね。
ええ。中には温度センサーが熱を検知すると、
あえて自ら7.5Wに安全に降下させる賢いセーフティモードを積んだ
モバイルバットリーまで登場しているくらいですから。
そうなんですか。賢いな。
じゃあ、パッド側の冷却が絶対条件だということはよくわかりました。
はい。
でもここで一つ重要な疑問があるんです。
そのパッドに電気を送り込む台元、
壁のコンセントに挿すアダプターの話をさせてください。
どうぞ。
私、完璧に冷える25Wの充電パッドを買ったら、
絶対に自分が持っている一番強いアダプターの差しますよ。
とおっしゃいますと?
例えば、ノートパソコン用の100Wの巨大な電源アダプターとか。
だってパワーの供給源が太ければ太いほど、
余裕で爆速充電できるはずじゃないですか。
台は小を兼ねる力技作戦です。
あのー、その力技作戦、お気持ちは痛いほどわかるんですが、
はい。
電気の仕組みにおいて、それは完全に間違っています。
え?違うんですか?
だって100Wの極大ホースで一気に電気を流し込めば、
パッドもフル回転するじゃないですか。
その流し込むというイメージ自体が誤解の元なんです。
そうなんですか?
電源アダプターは、電力を無理やり押し込んでいるわけじゃないんですよ。
デバイス側が自分に必要な分だけを引き出しているんです。
引き出している?
はい。例えるなら、スマートフォンや充電パッドの制御チップは、
人気のナイトクラブの入り口に立つ非常に厳格な用心棒だと思ってください。
用心棒ですか?
ええ。お店、つまりスマホの定員が25人だと決まっていれば、
外に100人の客が列を作って待機していても、
用心棒は絶対に25人までしか中に入れません。
あー、なるほど。
つまり、100Wの巨大なアダプターを使っても、
25W以上のスピードで充電されることは物理的にありえないんです。
単なるオーバースペックで、お金の無駄遣いになってしまいます。
押し込むんかなくてスマホ側が引き出しているのか。
用心棒がシャットアウトしているなら、確かに100Wを買っても意味がないですね。
そうなんですよ。
じゃあ、25Wのワイヤレス充電パッドには、
何Wのアダプターを組み合わせるのが正解なんですか?
25Wには25Wのアダプター?
それだと少し足りないんです。
ワイヤレス伝送ではどうしても空中でエネルギーのロスが発生しますよね?
あ、さっきのこぼれる水の話ですね。
はい。なので、パッドから実質25Wの出力を出すためには、
大元の壁のアダプターからは30Wの電力を引き出す必要があるんです。
なるほど。
具体的に言うと、15Vの2Aです。
つまり、25Wのパッドには30W以上のUSB PD対応アダプターを用意すれば、
それで完璧に条件をクリアできます。
25Wを出したければ、少し余裕を持たせて30Wのアダプター。
それ以上は不要。
いやー、すごく明確ですね。
ただし、一つだけ例外があります。
例外?
スマートフォン、スマートウォッチ、ワイヤレスイヤホンなど、
3つのデバイスを同時に充電できる、
3in1タイプの充電スタンドを使う場合です。
あー、全部乗せのやつですね。
はい。この場合は、3つのクラブの定員を同時に満たす必要があるため、
システム全体を支えるために、
45Wから65Wといった高出力のアダプターが必須になります。
なるほど。
3店舗合同の大型クラブなら、それだけ列の人数も必要ってことですね。
アダプターの選び方は完全に理解しました。
よかったです。
じゃあ、次に気になるのは、
そもそも今あなたが持っているそのスマホは、
最大何Wまで引き出せる用心棒を雇っているのか、という点です。
非常に重要なポイントですね。
ここ、知らずに買っている人絶対多いと思うんですよ。
そうですね。
スマートフォンのモデルによって受け入れられる上限は明確に異なりますから、
最新の情報を整理しておきましょう。
お願いします。
現在、最大25Wの超急速ワイヤレス充電という最も優秀な用心棒を雇っているのは、
iPhone17 ProおよびPro Max、iPhone17 Pro、iPhone16 Plus、iPhone16 Pro Maxです。
つまり、ボディが大きくて最新のProシリーズあたりですね。
はい。そして、ベースモデルのiPhone16と16 Proは少し下がって22.5Wになります。
ふむふむ。
ここで興味深いのが、極薄モデルのiPhone Airです。
Airは最新機種でありながら、20Wに制限されているんです。
あ、それってさっきの熱の話ですよね。
お気づきになりましたか?
Airは薄すぎて、物理的に熱を逃がすスペースがないから、
最初から用心棒の低音を20Wに減らして、サーマルスロッティングによる熱暴走を防いでいるんだ。
その通りです。筐体やデザインそのものが充電速度を決定づけているんですよ。
いや、すべてがつながってきましたね。
さらに、iPhone17eやiPhone15以前の旧モデルになると、上限は15Wになります。
もった古い12ミニや13ミニに至っては、ボディが小さすぎるため12Wが限界に設定されています。
ということは、自分のスマホが15W限界の旧モデルなのに、
高いお金を出して25W対応パッドと30Wアダプターを買っても、絶対に15Wのスピードしか出ないってことですね。
はい。完全に宝の持ち薬になってしまいます。
自分のスマホのスペックを知らないと損しますね。
じゃあつまりこれってどういうことなのか。これをどう実生活に落とし込むかですよね。
明日あなたがネットショップで買い物をするとき、一体どこを見ればいいのか。初心者のための究極なチェックリストを作ってみましょう。
良いですね。情報型にならず確実にベストな製品を選ぶための4つのチェックポイントを通してみましょうか。
はい。では今あなたがスマホで通販サイトを開いているとします。ずらっと充電器が並んでいますが、一番最初に見るべきポイントは何ですか。
まず探すべきは企画のロゴです。
ロゴ。
はい。単なるQEではなくQ2またはMade for MagSafeという認証マークがはっきり明記されているか、これが第一関門です。
さっきのバケツのズレを防ぐマグネットが入っている証拠ですね。これがないとこぼれた水が熱になってしまう。では2つ目は。
アダプターとの組み合わせ、つまり商品のパッケージ内容です。
はい。
充電パッド単体だけ買っても、家に古いアダプターしかなければ用心棒は中に入れてくれません。
25Wの最高速度を出したいなら、壁に挿す30W以上のUSB PD対応ACアダプターが付属しているか、あるいは別売りでカートに追加しているかを必ず確認してください。
30W以上のアダプターですね。メモメモ。じゃあ3つ目は。
あなた自身のライフスタイルと熱対策の照らし合わせです。
ライフスタイルですか。
ええ。もし車の中でナビとして使ったり、動画やゲームをしながら充電するなら、間違いなく熱がこもります。
そうですね。すぐ熱くなります。
その場合は、冷却ファンが内蔵されていたり、アルミ素材で放熱性の高いモデルを選ぶべきです。
逆にベッドルームで寝ている間に使うなら、ファンの回転音が睡眠の妨げになるため、ファンレスの静音モデルを選ぶという判断が必要です。
使う場所の温度環境とか音に合わせるわけですね。なるほど。じゃあ最後の4つ目は何でしょうか。
絶対に妥協してはいけない安全マークです。
安全マーク。
日本国内で使用するなら、壁に挿すアダプターの裏面にヒシ型のPSEマークが刻印されているかを必ずチェックしてください。
モバイルバッテリータイプなら丸型のPSEマークです。
PSEマークですね。
これを満たしていない、安価でデショロの怪しい創悪品は、充電が遅いだけでなくサーマルスロットリングが正常に働かず発火するリスクすらありますから。
うわー、それは絶対に避けたいですね。
Q2マーク、30Wアダプター、用途に合った冷却、PSEマーク、この4つさえ頭に入れておけば、もう創悪品や片落ち品をつかまされることはありませんね。
はい、間違いありません。
あなたが本当に求めていた、早くて安全なワイヤレス充電環境が手に入るはずです。
いやー、これでスッキリしました。