それぞれ今どういう機会がありそうか、みたいなのを伺えればと思うんですけど、
まずゼネコンみたいなところで言うと、どんな印象ですか?
ありがとうございます。非常に何かのヒントになるような話ができればいいなとは思いますが、
全体の話をするとですね、よくあるんですけど、プロダクトとして、
ゼロの状態からプラスに価値を上げるようなソリューション、現場の課題を解決する系のものであれば、
今こういうものをもっとよくできるよっていうソリューションは、なかなか導入が進みづらい、
結構難しいと思います。そもそもマイナスの部分を何とかしたいっていうところが現場として求めていることが多くて、
そういうのじゃないんだよねってなることを結構いろんな会社で見てきたので、
まずは課題だよね、ここ課題で、それをゼロに一回リセットできるようなソリューションはないかなっていうところ、
そういった視点でまずは考えていただくっていうのが原則として持っていただければいいかと思います。
例えば分かりやすくで言うと、一時的にヘッドマウントディスプレイとかが、
作業に入らないかみたいな話があった。
はい、ありましたね。
あれ、なんか便利になる部分も当然あるし、悪いものでもないとは思うんです。
ただ、そこにはやっぱりプロダクトが先にあって、課題がそれほどなかった。
これがないとしんどいよねみたいな課題がなかったんですね。
あればいいけど。
そのあればいいけどっていうのはやっぱり採用はされづらい構造にあるなというふうに感じておりますので、
やっぱり課題にフォーカスするっていうのはやっぱり平田さんのおっしゃる通り重要なので、
そこはちょっと授業を考える際の中心に考えていただければいいかなと思います。
前置きはそういったところがありまして、それぞれの課題ですよね。
共通の話を先にさせていただくと、共通の話の方が圧倒的に重要だと思うので先にさせていただきます。
人手不足は前回もお話しさせていただいた通り、これもクリティカルに必要なので、
人手不足を解消されるソリューションって非常に受けが多いです。
なのでできればそういったソリューションも今だとすごく歓迎されますので、
もしアイデアだとかシーズがある会社はぜひちょっとそのあたり考えていただきたいなと思います。
もう一点が、これも不可逆なトレンドにはなるんですが、温暖化ですね。
だいたい建設業界、皆さん屋外で作業する機会がないんですね。
この30年とかで非常に気温だとか湿度も上昇して、作業に適さない環境になっています。
ただその後期通りですね、我々は向上していかなきゃいけないので、
暑い中で仕方なく仕事をしている部分もあるんですが、
それに対するソリューションは今後間違いなく必要とされていきますし、
ある日急に温暖化が解決するってこともないので、
ここが非常にビジネス機会として大きいかなと思っています。
一番最初温暖化っていうキーワードを聞いたときに、
環境対策、CO2の排出とかそういう文脈かなと思ったら、
そうではなくシンプルに暑さ対策みたいな意味ってことですよね。
暑すぎて仕事できないですよ、夏場とかだと。
これ面白いんですけど、東南アジアから働きに来てこられてるんですね。
日本は暑いからちょっと仕事できないっていう方もいらっしゃるんです。
日本の方が暑かったっていうことですね。
湿度がありますからね、こっち。
そうですよね、確かにな。
それこそ直近というか、多分数年前からだと思いますけど、
空調服、ベストに空調が付いた服を着られる方もすごい増えたなっていう印象を持ちますし、
あの空調服が意外とインパクトあってバカ売れしてるみたいな話もありますもんね。
あれも一つの成功したプロダクトだなというふうに見ています。
空調服に学ぶことって結構あってですね、
いろんなスタートアップさんから、暑い中で作業するのにこういった仕組みがありますよって
ご提案をいただくこともあるんですが、
何が空調服が良くてまだ普及してないものに足りないのかというと、
要はゼネコンが対応するようなものであると継続できない。
ポックまでは行くんですけど、その先に普及がいかないっていうことです。
要はゼネコンが冷却デバイスみたいなのを現場で対応しますよみたいな話ですね。
なぜならばですね、現場に来る方って毎日毎日変わるわけですよ。
明日もしかしたら別の現場に出入りするかもしれないですし、
別の会社の現場に行かれるかもしれないと。
毎日固定した方が来るのであれば、
じゃあ対応しますねっていう発想が割と生きてくるんですけど、
それがなかなか難しいので、
センサーだとかを設置する系だとポックは行くんですけど、
現場としては対応する手間が増えてるじゃんぐらいな感じではありますし、
実際にサービスの応用を享受するのが職人さんだとして、
それをお金払うのはゼネコンなのかみたいな。
本当にいいものであれば、職人さんがお金を出して空調袋で買っていくわけですよね。
でもそうじゃなくて、ゼネコンが対応されたか使うっていうものは、
実際に職人さんのニーズだとか、あるいは希望する価格なんかに追いついてないっていうことになりますので、
厚さ対策みたいなものを考える場合においては、
やっぱり職人さんがお金出してでも買いたいというのがやっぱり成功要因なのかなというふうに思っています。
スタートアップでどの領域でやっていてもよく聞く話なのかなと思いますけど、
いわゆるそのナイスとハブなのかマストハブなのかみたいな、
そういう議論ってことですよね。
なんか副理構成的にゼネコンが出すみたいなのはできなくはないけれど、
結局職人さんが自分の金を出してでも欲しいと思わないのであれば、
永続はしないよねっていうことですよね。
そうですね。
この同じ構図が例えばイメージしやすいのはパワーアシストスーツとかもそうですね。
あー、確かに。
楽に、本当に楽になって、お金もある程度安いんだったら職人さん買うはずなんですけど、
ゼネコン化対応できませんかっていう話がご相談いただくこともあるんですけど、
最初はそれでポックでもいいんでしょうけど、
その先の普及を考えるとそうではなくて、
職人さんが金を出してでも買いたく、楽になるというような、
そういった本当のユーザーだとか課題って誰が持ってんだっけっていうところを向き合うと、
そういう普及しやすいスキームが作れるのかなというふうに思います。
なんかそういう意味で言うと、少し昔厚すぎて作業に適してないよねみたいな議論って、
別に今年始まった話じゃなくて割と前からある話じゃないですか。
なんかその中で結構スタートアップも含めて、
その職人さんの体調管理みたいなのをするっていうデバイスが一時期、
いくつか出てきてた時期があったなと思うんですけど、
なんか最終的に空調服が圧勝してるのを見ると、
いわゆるそういうことなのかなっていうのはなんかすごい感じますよね。
そうですね、はい。センサーが良くないわけではないんでしょうけど、
センサーを普及して誰のメリット、誰があいつのメリットを享受してるのか、
そのメリットを享受する者を誰がお金を出すのか、
そこがやっぱり一致してる方が好ましいは好ましい。
それちょっと全体の話として温暖化は非常に大きなテーマであるということでお話しさせていただきました。
あと個別の用途だとかにおいて求められるニーズの話ですかね。
はい、そうですね。
あると、例えば分かりやすく言うとトンネルとかの工事。
トンネルの工事とかに関しては結構危険な工事なんですよ。
そのトンネルを掘る際の一番先端部分ってドリルではおったりだとか、
ダイナマイトで発波したりするんですけど、非常に危険です。
危険なので無人にしたいんですね、将来的には。
まだ有人だっていうことなんですね。
はい、そんな建築の工事ほど人は多くないんですが、
やっぱり機械のオペレーターさんだとかもトンネルの中に入って工事をする部分があるんですが、
究極を言うと自動化で無人化をしていくっていう方向性があります。
それをする際に必要になるのが、どうやってトンネルの工事中の中の状況をスキャンしていって、
現場に行かなくても技術者が臨場感を持ってデータを見てですね、
異常だとか施工状況を確認できるのか、そういったニーズはありますし、
これも流れとしては多分戻ることはないかなと思います。
あと同じようなことで言うと土木で言うと、
割と自動化だとか無人化っていうのは方向性としては共通な部分がありまして、
造船の工事ですね、土地を平らにするとか工事になりますが、
そこも重機をやっぱり動くと危険ですので、
究極はやっぱり無人化をしていくという方向性、
あるいは遠隔でもいいんでしょうけど、
オペレーターさんが現場に入らないという方向性は一つあるかなと思います。
今、自動化無人化って聞くとすごい素人考えをすると、
AIだ、自動運転だみたいな話だったりとか、
ネットでなんとかなりそうだなっていう気もしたりしたんですけど、
そのあたりっていうのは結局トンネルとかだと当然ネット環境がなかったりとか、
場合によってはGPSが対応してなかったり、
GPSでデータを取り切れないみたいな話があったりとか、
そういうハードルがやっぱりあるから、
それからなかなか自動化していかないみたいな話なんですか?
おっしゃる通りそこのハードルがあるので、
その人が何を担当されてるかによって結構濃淡違ってくるのかなみたいな、
それこそ前回の終わりの方で触れた体制建設業法の中でも、
いわゆる技術者の方の兼任を認めるみたいな話で、
技術者の方の人手不足がひどいみたいな話とかも聞いたりするなと思ったんですけど、
そうですね、技術者の不足と技能者、いわゆる職人さんの不足って、
2つの側面があるなとは思います。
技術者の不足に関しては先ほどの体制建設業法も含めて、
遠隔、何現場か見れるようになるという話にはなりますが、
それこそ遠隔で監視を管理をしていかなきゃいけないというニーズは、
当然今後増えてくることになるかと思います。
そういったところのニーズは、これからどんどん制作の変化があって、
新しいニーズが起こされていくという状況になるので、
今すでにいくつかソリューションはありますし、
まだこれから出される方についてもチャンスはあるかなというふうに思います。
逆に技能者の方の方で、いわゆるその方が持っている固有、固有ではないかもしれないけど、
技術がベースだと思うので、
そうするとその人が物理的に2現場、3現場やるって無理な話なのかなと思っていて、
そうなった時のアプローチの仕方って、
シンプルに人を増やしましょうみたいな話なのか、
とはいえ人を増やすのが難しいからどうするんだっていう話をしているっていうのを考えると、
いわゆるこれもロボットで何とかしていくみたいな話になるのか、
この辺りのアプローチっていかがですか?
技能者の場合は逆に言うと、
一現場は何人いなきゃいけないっていう制約はないので、
仕事が終わったら皆さん別の現場に行きますし、
今日は10人だったけど明日は3人でいいよとかっていう話で、
柔軟に対応されていきます。
それが一つ前提としてあります。
絶対的に、絶対数が不足してるんですね、職人さんは。
特に附帯系といわれる型枠大工さんだとか、
都備職さんだとか、鉄筋工さんだとか、コンクリート工だとか、
あと設備関係の電気だとか配管だとかさえで、
設備工の方も不足しています。
それに関しては正直人を増やすっていうのが一番重要なところなんですが、
そうは言ってもどこの業界も人手で不足っていう状況なので、
そうは言ってられないというところになります。
今ロボットなんかも非常に期待はされているものの、
やっぱり建設業の特徴としては、
現場の状況が毎日のように変わるんですね。
工場のように安定的に安定した環境で生産をしていくっていう、
連続的に生産をしていくっていう状況ではないので、
非常にロボットが苦手とするその例外処理を非常に多く求められてしまう。
あるいはオペレーターさんが結局つかなきゃいけなくて、
オペレーターは誰がやるんだっけっていうところがよく問題になったりしますね。
これまで職人さんは職人さんとしていただくわけで、
オペレーターはまた別の職能になるので、
オペレーターさんをどう育てるのかとかそっちの話になってきて、
いろいろすんなり進まないハードルがいくつかあります。
っていうと何も解決しないんで。
一つ方向性としてあるだろうなって思われるのが、
いわゆる部材だとかを工場で生産して、
現場では組み立てるだけという方式ですね。
ハウスメーカーさんとかはもう昔から半世紀以上前からそれをされてはいるんですけど、
いよいよ外も暑いし、人も足りないし、
ロボット使うにも環境が安定しないし、
オペレーターいないしみたいな状況になった時に、
解決する手段としては工場で部材を生産して、
現場では最小限の人数で組み立てを行っていく、
っていう生産方式に移行する可能性はあるなと思ってます。
そうなった時に何が起こり得るかというと、
安定した工場の中で安定的に部材を生産していくというプロセスによっては、
ずっとその工場では例えば柱だとか梁だとか、
部材をずっと作り続けていますので、
前回から前々回お話ししたポーキーが非常に長くてですね、
2年とか10年とかするので、
2年前に使ってたアプリをまた着工したから使わなきゃいけない、
みたいなそういうラーニングの問題があったかと思います。
それが連続生産になることによって、
毎日同じ生産を管理していくという方法が取れるので、
例えばアプリだとかも毎日柱を検査する人が毎日毎日使うと、
それが365日、休みの日は除いて使うようなアプリになるということで、
非常にDXの面でも進みやすいところがありますし、
あとその労働集約的な課題に関しても、
ロボットが同じ動作で同じ部材を大量生産していけるということになってくるので、
割とあらゆる課題を解決できるのかなと思います。
厚くもない車工場の中で。
そうですね、ある意味製造業化していくというか、
そんな感じになるんですかね、イメージ的に。
もちろん現場で建てるところは建設として建てていくっていう感じだと思います。
ゼネコンはですね、この方向性を割と前から考えてはいるんですけど、
実現できてなかったので、どうなるのかなっていうところはあるんですが、
今のこの建設投資の需要がこのまま続くのであれば、
もうその道しかないのかなと思います。
そういう方向性になってくるのが数年後かもしれませんし、
もう少し先の未来かもしれませんが、
そこには新たなビジネス機会があるんじゃないかなというふうに思います。
割と海外とかを見ていても、いわゆる工場でユニットを作って、
現場に持ってって組み上げていくみたいなスタートアップって、
いくつか海外だと出てきてるなっていう印象を持っているものの、
一方でその建てれる規模感の限界というか、
スタートアップ自体がそもそもまだちっちゃいからっていうのもあるんだと思うんですけど、
規模感の限界も同時にあるのかなと思ってたんですけど、
そこも含めてゼネコンさんどちらかというと大きい建物を建ててるイメージなんで、
カードルがすっごい高くて、どこまで行ってもやっぱり人が建てるっていうところから抜けないのかなと思ったんですけど、
意外とそうでもないっていう見方というか、むしろそっちしないとまずいっていう感じなんですかね。
よくご存知ですね。
おっしゃる通り、アメリカと特に欧州なんかに向けて、
2010年代後半ぐらいにそういったモジュラー建築をするスタートアップさんが結構創業されてるんですね。
今日はもう部屋を箱で作って現場で乗っけるだけみたいな形で生産していく方法ですね。
それが非常に流行ってますと、実は先月の建築学会でもそのレポート書いたので、
気になる方は言っていただければシェアさせていただきます。
めちゃめちゃタイムリーですね。
結構その方式があってます。
なぜならばアメリカでもやっぱり移民政策、物価の上昇かな。
物価の上昇で移民の方が生活が難しくなって働き手がいなくなったという話だとか、
イギリスとかだとブレクジットの問題で移民政策が変わって、
要は現場で働く方が来なくなってしまったと。
日本と同じように担い手が不足しているという状況が発生しているので、
生産方式をドラスティックに変えないと安定的に供給できないので、
政策的にそういったことをやってたりします。
おっしゃる通り日本ではそれなかなか広がってなくて、
ただいろんな会社さんの方と話してると、皆さん興味はありますね。
興味はあるんですが、まだそこまでいけてないという状況ではあります。
いくつかミスマッチがあるなというふうに思ってまして、
一つはアメリカとか欧州の事例でスタートアップさんがそれをやられてるんですよね。
大企業って組織の完成力があるので、
急に180度くらいハンドルを切ってこっちの方向に行くぞという経営の仕方が難しいので、
思い切った取り組みってなかなかしづらいというのが一つ。
あれはあれで日本にないからっていうのもあると思うんですけど、
見ながら素人目にはすごいワクワクするなと思って見てました。
そうですね、日本にもそういったベンチャーさんいくつか存じ上げているんですけどね。
平屋であれば別にできなくはないかなと思いますし、
いくつか取り組んでいる会社さんもいらっしゃるので、
そういったところには当然期待はさせていただいているんですけど、
もしご興味のある方がいらっしゃれば連絡いただければそのレポートをお配りするんですが、
ドラッガーが言ってるイノベーションってこういう時に起きるよねっていうポイントがあるんですけど、
それにいろんな切り口でことごとく今の建設業界何とかしなきゃいけないっていうところが当てはまってて、
その一つの方向性としてそういったモジュール化、工場で生産していくという方向性は
大いにあり得るんじゃないかなという分析をしています。
ちょっと次回はぜひそういうスタートアップの話だったりとか、
そういうところも含めてお話できると面白いのかなと思うので、
いくつか僕も気になる事例とかを持ってこれたらいいなと思ってます。
いいですね。実際に海外でこういったスタートアップが成功しているっていうのは結構参考にはなりますし、
日本じゃできないのかっていうところは一つの考え方があります。
なんでこれがアメリカにはできて日本にはできないのかとか、
逆に日本でやるんだったらどういう形に変えるとチャンスありそうなのかみたいなところは、
ぜひディスカッションできたら嬉しいなと思います。
ちょっと来週詳しくお話しますけど、
例えばアメリカのスタートアップのプロダクトなんかが日本でそのまま使えるってケースはほとんどないです。
ほとんどなくて、やっぱりローカライズが必要なんですよね。
そこに一つハードルがあることが多くて、
逆に言うと日本のスタートアップさんは海外のすごく大きなスタートアップさんが
いきなり侵食してくる世界ではないからこそ、
最初からローカルなソリューションとして根付いていくっていう可能性が非常に大きいので、
そのあたりも日本のスタートアップさんにとってもプラスな面もあるかなと思います。
海外投資をされているゼネコンさんで海外で投資したスタートアップのサービスを
日本で実証実験するまでにそもそも何年もかかっているみたいなケースもあるなっていうのは認識しているので、
確かにおっしゃる通りで海外からすぐに来れないし、
実証実験したらすぐに現場に入っていくわけでもないしみたいなのを考えると、
日本にフォーカスしてやるっていうことはやっぱりすごい意味があるというところなのかなと思います。
はい、価値筋はあるかなと思います。
わかりました。はい、ありがとうございます。
じゃあ本日はこれにて以上になります。聞いていただいてありがとうございました。
ありがとうございました。
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