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2024-06-27 10:14

#9 ウェブアクセシビリティと音声の関係

「チャコウェブラジオ」は株式会社Cyber Catsが運営するチャコウェブのスタッフが、ウェブアクセシビリティやSNS運用など、ウェブに関するテーマについて楽しくお話しするポッドキャストです。

第9回は、音声コンテンツとウェブアクセシビリティの関係について解説しています。

音声コンテンツをウェブページに導入する際、WCAGの達成基準1.4.2「音声の制御」を満たすことが重要です。この基準では、以下のことが求められています。

  • 音声が自動的に再生される場合、3秒以内に停止するか、ユーザーが停止できる仕組みを提供すること

  • ユーザーが音声をオフにしたり、音量をゼロまで下げられるようにすること

  • 音声コンテンツの再生をユーザーのアクションに委ねる

音声コンテンツも動くコンテンツと同様に、ユーザーが自由に制御できることがウェブアクセシビリティの重要なポイントです。

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サマリー

ウェブアクセシビリティと音声の関係について話します。音声を含むコンテンツは、ユーザー自身で再生や停止、音量調節ができる仕組みが必要です。

音声を含むコンテンツ
ゆみこ:こんにちは。チャコウェブラジオは、株式会社Cyber Catsが運営するチャコウェブのスタッフが、
ウェブアクセシビリティやSNS運用など、ウェブに関するテーマについて楽しくお話しするポッドキャストです。
進行を担当するゆみこです。よろしくお願いします。
みあ:みあです。よろしくお願いします。
ゆみこ:本日のテーマは「ウェブアクセシビリティと音声の関係」です。
みあ:前回は、動くコンテンツについてお話ししましたが、今回は音声を含むコンテンツについてお話ししたいと思います。
ゆみこ:音声を含むコンテンツも、動くコンテンツと同じように、ユーザー自身で再生や停止、音量調節ができる仕組みが必要なんですよね。
それではまず、この音声を含むコンテンツとは、具体的にどんなものがあるのか教えてください。
みあ:はい。WCAGの中に明確な定義があるわけではないのですが、他の達成基準などから見て、ポッドキャストや音楽のような音声だけのメディアやビデオコンテンツに含まれる音声トラックが該当すると考えられます。
ゆみこ:ポッドキャストなどの音声メディアだけではなくて、ビデオに含まれる音楽やナレーションなども対象になるんですね。
みあ:はい、そうなんです。ここで質問なんですけれども、どうして音声を含むコンテンツをユーザーが制御できるようにする必要があると思いますか?
ゆみこ:えーっと、以前、音声コンテンツの自動再生を避けた方がいいというお話があったときには、ページを訪れた際に音声や音声付きの動画が自動再生されると、テキストリーダーの音声が聞き取りにくくなるからという理由がありましたよね。
うーん、音量調節とか音声の停止ができないと、スクリーンリーダーでの操作がしにくくなるからでしょうか?
みあ:はい、まさにその通りなんです。スクリーンリーダーの読み上げと同時に他の音声が再生されると、スクリーンリーダーの音声が聞き取りにくくなってしまいます。
そうすると、スクリーンリーダーを使用している人は、サイト内のどこにいるのかわからなくなってしまったり、操作できなくなってしまう可能性があるんですね。
ゆみこ:なるほど、確かにそれは避けないといけないですね。
みあ:そうなんです。さらに、スクリーンリーダーの音量がコンピューター全体の音量と一緒に制御されている場合、スクリーンリーダーの音量もウェブサイトの音声コンテンツの音量も一緒に上がったり下がったりすることになります。
ゆみこ:あー、どちらも一緒に上がったり下がったりするから、ウェブサイト側の音量だけを下げるということができないんですね。
みあ:そうなんです。そうなってしまうと、スクリーンリーダーを使用している人は非常に困ることが考えられるため、そういった事態を避ける必要があるとされています。
このことは、WCAGの達成基準でも触れられていて、1.4.2音声の制御に音声を含むコンテンツの音声をオフにしたり、音量をゼロまで下げられるようにすることが重要と書かれています。
ゆみこ:ウェブサイト側の音声をオフにするか、音量をゼロまで下げられるようにすることが大切ということですね。
みあ:はい、そうです。また、ページを読み込んだ時に音声が自動再生されると、スクリーンリーダーを使用している人は、その音声を停止することができない可能性があることにも注意が必要です。
ゆみこ:ああ、スクリーンリーダーの音声とサイト側の音声が同時に流れると、現在地を見失ってしまったり、操作ができなくなったりする可能性があるんですね。
そうなると、音声の停止や音量調節をする部分も見つけられなかったり、操作できなかったりしてしまうということでしょうか。
みあ:はい、その通りです。ですから、この達成基準では音声を自動再生しないことを推奨しています。
ゆみこ:なるほど。ページを開いた時に自動で音声が再生されてしまうと、スクリーンリーダーの操作が困難になる可能性があるので、ユーザーが自分のタイミングで音声を再生できるようにした方が良いということですね。
みあ:はい。特に音声が3秒以上続く場合は、ページが読み込まれた後にユーザーのアクションによって音声が再生されることが推奨されています。
ゆみこ:うん、なるほど。前回、少しの動きでも気が散りやすい人にとっては、動きの調節機能が大切だというお話がありましたよね。
今回の場合は、音声の調節機能なので、少しの音でも気になるという人にとっても重要になりそうです。
みあ:はい、そうなんです。スクリーンリーダーを使用している人だけではなく、音声に気を取られてしまい、他のコンテンツに集中できないという人にとっても、この達成基準は有益だとされています。
音声制御の達成基準
ゆみこ:そうなんですね。ところで、先ほどもWCAGの達成基準1.4.2、音声の制御について少し触れていましたが、この達成基準にはどんなことが書かれているんでしょうか。
みあ:えー、この達成基準には「ウェブページ上にある音声が自動的に再生され、その音声が3秒よりも長く続く場合、その音声を一時停止、もしくは停止するメカニズム、またはシステム全体の音量レベルに影響を与えずに音量レベルを調整できるメカニズムのいずれかを提供する」と書かれています。
ゆみこ:つまり、ページを読み込んだタイミングなどで音声が自動的に再生され、それが3秒より長く続く場合には、音声を一時停止や停止させられるような機能と、コンピューター全体の音量に影響を与えずに、ウェブサイトの音声だけを調節できる機能が必要ということですね。
みあ:はい、その通りです。
基本的には自動再生を避けた方が良いと思いますが、達成基準で見ると、3秒以内の音声なら自動再生するものでも調整機能は不要となっています。
また、自動再生せずにユーザーのタイミングで再生できるものに関しては、3秒より長いものでも調節機能は不要なことになりますね。
ゆみこ:うん、なるほど。これはあくまでも達成基準に照らし合わせて考えたときということですね。先ほどのお話から考えると、やっぱり自動再生はできるだけ避けた方が良い気がします。
みあ:はい、私もそう思います。
ゆみこ:ちなみになんですが、達成基準をクリアしている例にはどんなものがあるんでしょうか。
みあ:はい、例えばユーザーがページを開いたときに音声付きのビデオコンテンツが自動的に再生されるとします。
ここで一時停止ボタンや停止ボタンを押したら、動画と音声が止まるようになっていれば達成基準はクリアできます。
ただ、これは自動再生によりテキストリーダーでの操作が不能になる可能性があるので、達成基準はクリアできますが、推奨されている方法ではないことに注意が必要です。
別の例としては、ユーザーがページを読み込むと音声が自動的に再生されるけれど、その音声は3秒以内に停止するというものがあります。
ゆみこ:うーん、なるほど。音声も動きのあるコンテンツと同じように、規定の長さに留めるか、ユーザーが調節できるようにすることで、ウェブアクセシビリティと両立させることができるんですね。
ウェブサイトに音声を取り入れたいときに、今回のお話を参考にしたいと思います。
本日のテーマは「ウェブアクセシビリティと音声の関係」でした。
お聞きいただきありがとうございました。感想をいただけるととっても嬉しいです。
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