前回のぶつざくネオは、無性生殖と有性生殖どっちがいいの?っていうディベートをね、してたんだけど、これ考えれば考えるほど無性生殖の方がいいねって。
有性生殖は、別の性のものが融合しないと、出会わないと無理だし、子供を産むのは片方のどっちかだし、大体はメス個体なんだけど、それで見たら有性生殖全然増えないやん。
なんでこれが無性生殖から有性生殖に移り変えたんだろうっていう、こんなリスクをとって、すごいコストがかかって、なんでその保険のプランから乗り換えちゃったの?って。すごいお金かかるけどって。
でもどうやら、それがいい説が誕生したんでしょう?
そうなんですよ。今日は、コスパ悪すぎない有性生殖にどうやって進化したのかっていう、有性生殖誕生の謎に迫った研究があるんですね。
これがですね、実は2022年に掲載された論文。北海道大学農学研究院の長谷川さんが掲載した論文なんですけれども、これがすごくわかりやすかったんでちょっとお伝えします。
まず有性生殖といっても、2段階いろいろあるんですよね。まず原数分裂をして、別のものと接合するっていう有性生殖が始まる。これがまず1つの段階。
この段階ではまだ同型配偶種なんですよ。全く同じものが2つとにかくくっつけばいいよねっていうやつだったんですけど、今実際有性生殖のものを見てみると異型配偶種のものばっかりじゃないですか。
そうだよね。性子と卵とでって。
そう、全く別物ですよね。なのでここの進化についてもちょっと言ってるので、ちょっとその辺を話していきたいと思います。
まずいろいろ性のコストっていう話を前回したと思うんですけれども、原数分裂するにはコストが生まれるじゃないですか。
原数分裂するにはコストがかかる。
そうなんです。原数分裂自体にコストがかかるんですけど、確かに別の遺伝子を持った細胞と接合すれば多様性は生まれるんだけど、自分の遺伝子を薄まった状態で子に遺伝させるってことになりますよね。
半減させちゃうもんね。
そうなんですよ。だから半分の状態で遺伝させるっていうことが果たしていいのか。自分の遺伝子を残したいから、生殖で子供の子孫を残してるわけであって、半分だけでいいの?っていう。それで満足?っていう。
先生遺伝を防ぐっていうのもあるんだろうけど、確かに全部引き継ぎたい気持ちは確かにあるかも。強欲な生き物であるからして。
そうなんですよ。そういう形で、原数分裂をすることのコストっていうのもやっぱりあるし。
あと、オスとメスが出会わなければ子はできないじゃないですか。ランとセイシが会わなければ、動物であれば。
うん、確かに。
これを解明解明というか、これを何とかするためにオスの方、つまり生子の数を膨大に作成するっていう手法に出てますよね。
確かにいっぱい作れるもんね。
そうなんです。これはこれでたくさん生子を作らなければならないっていうコストが生まれますよね。
エネルギーかかるわ。
そうなんですよ。この辺をどうやって解決したのかっていう考え方なんですけど、まず原数分裂の方はシーソーエフェクト説っていうのがあるんですね。
初めて聞いた。何それ。
シーソーエフェクト説っていうのがあるんですけど、2022年に掲載されてる論文ですから、まだ全然新しいですね。
確かに。
まず無性生殖から有性生殖への進化なんですが、これ長谷川さんが発見したことで、最初の有性生殖が起こったときに、その原因となる対立遺伝子が原数分裂と配偶子再接合の過程で遺伝子座上に機械的に固定されてしまうっていうことを見出したんですね。
簡単に言えば、有性生殖を行ったとしてもさ、ある一つの生物が有性生殖したとしても、それが淘汰されたりとか、他の無性生殖の方が多ければ有性生殖で固定されないよねって。
そうだよね。
有性生殖ばっかりのプールにはならないわけじゃないですか。
今までの研究だと、無性生殖と有性生殖の混じった遺伝子プールで、その有性生殖をする遺伝子が広がって固定するため、その有性生殖っていうのに全体がなるためには、2倍より大きい性の利益っていうのが必要だと考えられてたんですね。
それをした方がめちゃくちゃ利益が出るんじゃ、そっちになるかっていうふうな。
でも、それは考えづらいんだもんね。
そうそう。正淘汰が行われて有性生殖の方が有利だから今それが残ってるっていうような考え方が普通なんだけど、
それをするためには無性生殖よりも2倍以上の利益というか、利点がないとなかなかそれは起きないよねっていうふうに言われていたんですが。
これは機械的な固定っていうやつなんですけど。
なるほど、機械的に。だから良い悪いとか関係なしで何か固定されちゃったっていう。定まっちゃったっていう。
それしかできなくなっちゃったみたいな。
そういうことです。つまり件数分裂が自動的に起こると、1回の繁殖で有性生殖って固定されちゃうっていうのがわかったんですよ。
なるほどね。自動的にそっちに切り替わるっていう感じなんだね。
そうそう。だからコストも何もないっていう。
うわー、なるほどね。何でこれこうなっちゃうんだみたいな?
Excelで日付をこうやりたいのに何か勝手にスラッシュ入ってきて、何だこれってなるよね。
何これってなったよ。このチェック外さなきゃダメなのかっていうあれだね。勝手にチェック入っちゃってるやつだね。
そうですね。
じゃあもう生物にとって、何だこれうまくいかないじゃんって思ってた通りじゃないじゃんみたいなことを思ってるよね、絶対。
それはそれで良かったから、別に淘汰されなかったから生き残ってはいるんだろうけど。
この関数でもいいかみたいなね。
そうそうそう、そういう感じ。そうなんですよ。
なので、これがわかった時点で、減数分裂の2倍のコストっていうのも消失する。2倍いらないじゃんってなったから、
小さい利益、単純にちょっとだけでも有性生殖の方が有利じゃないみたいな、本当にやっぱり多様性の方がいいよねみたいな、
それぐらいのものだけで無性生殖など膨大に増えるっていう、コスパ良すぎな件には勝てるっていうことがわかります。
利益が1.1倍でもあればやっていけるか。
1.01倍でもあればちょっとずつ増えていくか。
そうなんですよ。1倍だったら別に変わんないから、そのまんまで現状維持で有性生殖したらそのまんまでいっかってなるもんね。
そうだよね。
そうですね。
なるほどね。
これ原理なんですけど、簡単に説明すると、確かにそうだよなって思うんだけど、
あるとき減数分裂を行う遺伝子を獲得するじゃないですか。
そうすると、それが減数分裂が行われますよね。
これによってN4つあるんですけど、何かしら1つの遺伝子が減数分裂するぞっていうような突然変異を得てるから、
この4つのNのうち2つは減数分裂遺伝子を持ってるけど、2つは減数分裂遺伝子持ってないですよね。
ってなると、減数分裂遺伝子を持ってない方はペアを作れずにその後の生殖ができない。
なくなっちゃうみたいなもんだよね。
そうそう。今までにNでいたのにNっていう風になっちゃってるから、このままペアを作れないと生き残れないんですよ。
ペア作るしかないってことになっちゃったのね。
そうそう。だからペア作れたやつしかそもそも生き残んないじゃんっていう。
ひどいな、そのチェック。なんでこんなところにチェック入ってんだみたいなね。Nしか無理じゃんみたいな。N同士じゃなきゃ無理じゃんってなるね。
そうなんです。だから減数分裂遺伝子を受け継いだ方、その残りのN2つだけが接合できて、
つまり残ってるのは減数分裂遺伝子を持った者だけだよね。
ってことはもうこれ以降全部減数分裂遺伝子持つよねっていう。
なんかもうそうじゃなきゃダメだよって誰かに言われたぐらいな感じで結構なんか押し付けられたよね、優生生殖を。
そうだね。
そんな感じで優位に立つっていうか、それで固定されるっていう風に持っていかれちゃうんだ。
そうそう。でも意外となんか考えてみればまあそりゃそっかってなるんだけど、意外とこれがなんか新仮説らしい。
そうなんだ。でもまあそういうインパクトっていうか、そういうことが起きなきゃまあ無理だよね。
最初に言ってたように無生生殖よりも利益が何倍もないと優生生殖がやっぱり主にはならないよ、主軸にはならないよっていうのは。
でもそれってでも難しいよね。結果論的な話みたいになっちゃうもんね。
あ、よかったじゃんみたいな。
そうなんだよね。そう、結果論なんだね、結局ね。もしかしたら過去にはいろんな他の性のパターンが出てきたかもしれないけどね。
減数分裂ではないパターンができたかもしれないんだけど、なんだかんだ今残ってるのは減数分裂型っていうね。
うん、そうね。
そうですね。はい、っていう感じです。
めっちゃ面白い。まあそうか。じゃあ、有生生殖どうしてこんなに繁栄したの?っていうと、押し付けられたからだよって。
そうせざるを得ないかったからだよって。
一体でもそういう遺伝子ができてしまったら、あと減数分裂なしでは生きていけなくなっちゃったってことですね。
そういうことだね。
そうですね。
だから有生生殖をするものと無生生殖のものとで、やっぱね、そこでもう遺伝子的な断絶が行われましたから。
もう一つありましたよね。今の有生生殖の形、異形配偶子じゃないですか。
この異形配偶子になった仮説っていうのがインフレイテッドアイソガミー説。
日本語じゃないんだね、もうね。
日本語じゃない、両方とも英語です。
確かにさっきのも英語だ。思想ゲーム論?
思想エフェクト説です。
思想エフェクト説ね。ミスチルになっちゃうね。あれ?思想ゲームミスチルだっけ?
思想ゲームミスチル。ミスチル?ミスチル?あってる?ミスチル?
ミスターチルドレン?
ミスターチルドレン、そうそうそう。
はい、ごめんなさい。もう分かんない。何て言った今?
なんだっけな。インフレイテッドアソガミー説、アソゲイミー説。ちょっと読み方知りません?
アイソガミーは生物用語?
アイソガミーは生物用語っぽい。
これはですね、オスをたくさん作るっていう形にどうやって異形配偶種になったのかっていう話なんですけど、
単純にエネルギーいっぱい持ってる大きい配偶種の方が繁殖に有利だよねっていうところからスタートなんですよ。
じゃあ卵がありきみたいな?卵ありきで。
そうそうそう。卵がありきというか、配偶種ってやっぱりでっかい方がいいじゃないですか。いっぱい生存にエネルギー残せるから。
そうだよね。細胞分裂だって卵活だってしていかないといけないからその時のエネルギーも必要だしね。
そうなんですよ。ってことはさ、つまり最初同型配偶種だけど両方ともでっかいもの同士がここにくっつくよね。
そっちの方がいっぱいエネルギーありそう。
そうなんです。これが基本的に最初なんですけど、たまたまある時にオスが小さくてたくさん配偶種を作り出したんですね。
出た。またたまたま論。たまたま論ですね。
そうですね。これがたまたまメスにとっても受精確率の点でメリットがあったので、
メスは配偶種を大きくして受精卵の生存を保証するっていう風になって、オスは数を多く作って受精確率を上げるっていうような共生関係を作っていったっていう。
そうだよねっていう。
結局たまたまかって感じ。
結局たまたまです。
でもそういうもんだよね。進化ってね。
そう。そういうもんなんだけど、意外と言われてみると確かになってすごい風に落ちるというか。
最初は有精生殖の始まりでとにかく同系配偶種だったのが、ある時たまたま本来だったらそれぞれでっかいものを作って、ちゃんとエネルギー交易に分け与えようねっていうような、これ本来大事なことじゃないですか。
結婚するときにそれぞれ片方貯金があって片方の貯金がなかったらあまりうまくいかないですよね。わからないけど。
はい。
これ大丈夫かな。他のそういう人いないと思うんだけど。
いるよ、いっぱい。
いるよね。やばいな、この例よくないな。
でも例えば、だったらだいたいね、同じぐらいの貯金を持って貯蓄を持って子にくっつくのがいいわけじゃないですか。
っていうのが一番大丈夫だよね。
そうだね、これから先も大丈夫な確率が上がりそうだね。
そうそうそうそう。それが一番双方にとってメリットがあるはずなんだけど、ある時片方が抜けがけをして、ちっちゃくて数打ちは当たるじゃないけど、
配偶子を小さくして増やすっていうような行動を取った奴がいたんですよ。
なるほど。それもきっと突然変異で、思っても見なかったことだと思うんだけどね。
そうそうそうそう。でっかければいいっていう考え方だったからね。
確かに。
ただこの抜けがけが許されたことによって、これがたまたまオストメスに分かれていったっていう。
寛容だったんだね、やっぱりいっぱい持ってるから。
いっぱい持ってても、それもありかなって言ってもらえたからね。
言ってもらえた。
ありがとうだね。
これ見て確かにそうだなって思ったのが、そんなに。オスはこうです、メスはこうですって普通に学ぶじゃん。
オスはこういう精子をたくさん作ります。
メスはそのでっかい配偶子、あの卵を作って受精したときのエネルギーを蓄えますみたいなのがあるけど、
逆なんだなっていう、当たり前の話を今してるんだけど。
たまたまそのでっかいものを作るやつ、たまたまちっちゃくてたくさん作るやつっていうのが、それぞれこうに進化していった結果、
なんかオスとメスっていう風になったっていう。
さっきもしろが言ってくれたように、それに至るまでに多分メスの方もちっちゃい卵を作るっていうのもあったと思うんだよね。
確かに確かにね。
だけどうまくいかなかったよね、きっとうまくいかないよね。
そういうことだね。
今のこの確立されたシステムを見る限りでは、やっぱ卵の方がでかい方がやっぱうまくいくだろうなっていうのはなんか思うんだよね。
栄養をたくさん詰めてね。
いろいろね、その2つの説。
まずはどうやって有精生殖をしたのかっていうのと、
あとはどうやってその同系配偶子から異系配偶子になったのかっていう2つの仮説を話したんですけど、
従来の仮説、ちょっとまとめに入るけど、
従来の仮説だと有精生殖が出てきて、無精生殖の2倍よりも大きい何らかのメリットがないと有精生殖の固定にはいたらないよねっていうふうに言われてたんだけど、
このコストを乗り越えるための説得力のある仮説がなかったんですよ。
まあ確かにね。
たぶん今までの感じでいくと、どういうメリットをつけてあげようかみたいなところばっかり考えちゃうよね、きっと。
そうそうそうそう、こういうメリットもあるんじゃないか、こういうメリットもあるんじゃないかっていうような、いろいろ考えてたんだけど、さすがに2倍はいかないよねみたいな。
確かにどう考えたって2倍はいかんかってなっちゃうよね。
そうなんですよ。
だからこれの長谷川さんの考えた仮説、
このシーソーエフェクト説っていうのが、有精生殖の2倍のコストを超えるきっかけ。
2倍っていうより、そもそも2倍いらないっていうのがちゃんと論理的に示されていて。
確かに。
とにかく機械的に固定されるっていうのは画期的なアイディアっていうことで、常識を覆したとして評価されたと。
まあそうだよね。
まあ機械的に固定されちゃって仕方なく、で、上手くたまたまメリットもちょっとだけあるから上手くやれてるの方が、
変なこじつけでメリット、いっぱい変、よくわかんないメリットで、なんとかこれで2倍だって出されたものよりは、まあいいかってたまたまか、いいかってなるね。
そうだね。
ただ、この仮説自体もまだ推論の域は出てないので、実際どうかっていうのは正直まだやっぱりわからないところであると。