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北欧に学ぶ、その前に
三連休には妻とよく喧嘩をする。
一緒に過ごす時間がいつもより長くなるから、
その分互いに地雷を踏んでしまう確率が増えるという仕組みだ。
喧嘩になると、すぐに話が噛み合わなくなり、
気がつけば、ことの発端が何だったのかわからなくなる。
今何の話をしているのか、
真剣に考えれば考えるほど、気が狂いそうになる。
妻は割と早い段階で結論にたどり着くようだが、
僕は解消されていない疑問が一つでも残っていると、
結論めいたものが見えていたとしても、ゴールテープを切りたくないのだ。
だいたい、喧嘩の終盤はこのズレが原因で、
プチバトルを展開して、くたびれて、
勝者不在のまま試合終了となるが、
どうせ次の3連球に再試合をする羽目になる。
今、ヘルシンキ生活の練習、パク・サラ・チョという本を読んでいる。
二人の子供と北欧へ渡った社会学者による現地レポートということらしいが、
これがなかなか目から鱗で、子育てに限らず、
僕らの生活にも大変に参考になりそうなことが書いてある。
僕の場合は、会社と家庭における僕自身の物の見方が
リフレーミングされていく気がするし、
価値観をアップデートしてくれちゃう。
さすが北欧。
実際は相変わらずファーイーストの黄色い猿のままなのに、
己の思考が洗練された気がして、
読んでいく側からいい気になってしまう。
こうなるとちょっと危ない。
読んだ本に途中と半端に感化され、
生半可な受け売りだけでその気になってしまっているから、
かえって立ちが悪い。
そう、妻との喧嘩の時なんかに、
僕はそのつけ焼き歯を抜いてしまう。
切れ味が悪すぎて全くもってお話にならない。
そうして尻目ずるつなところを補おうと、
結局は節穴だらけの持論を押し通すのが関の山だ。
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次の三連休はいつだろう。
北欧の知恵は一旦横に置いて、
とりあえず地雷撃境に専念する猿に戻ろう。
