ここが修正されています。
本技術の潜在的な破壊性と利用見込みを考慮し、SCP-8260-EXの情報は他の非異常組織へは否得されず、正常な物理現象と解釈されます。
担当職員は正常世界に対するオブジェクトの使用を引き続き監視し、オブジェクトが正常性の安定に与える影響を確認し、SCPラプラスの調校を確認してください。
オブジェクトはリリースド、開放済みに再分類されました。
SCP-8260-EXのプロセス図、画像がありますが、特別これは一旦拾わなくていいかなって感じですね。この8260の現象の詳細です。
アーカイブ、008-1945-1102
057へ
君が以前観測した並行世界から得た情報は正しかった。我々は現在、ドイツが戦争を起こしたがっていることを確信している。
ワンが手紙を送ってきた。私に図デーテンを併合するというドイツの提案を飲むよう、イギリスとフランス政府へロビー活動をしに向かうよう提案している。これがどれほどの効果があるのか疑わしいが、もし支持しなければ、確かに戦争は一触即発かもしれない。
今思えば、我々がこれまで考えた数多くの戦争の到来を遅らせる措置、ソビエトとドイツの関係を緩和することを含む、等は実際には戦争の到来を加速させているかもしれない。
ワンがあの時言ったことは正しかった。戦争の趣旨は第一次世界大戦が終息した時には既に巻かれていたのだ。私は、我々がこの戦争をどれほど阻止できるか自信を持てない。対策を講じるための時間を稼ぐためにも、可能な限りそれを後ろに遅らせるしかあるまい。
054、054及び057へ
おめでとう。イギリス人、フランス人、そしてドイツ人はミュンヘン協定に調印した。これによって、英・仏・ドッカンの矛盾はいく分か緩和されただろう。彼らも我々の工作に全面的に協力したいらしい。今ならやや楽観的な見通しを立てられるだろう。
この戦争は回避できるか、少なくとも早期に勃発することはないだろう。これは君たちの功績だ。君たちと、そしてインサージェンシー全隊員を祝福しよう。君たちは暗闇の中で戦っている。財団は正常の維持・人類保護のために君たちが払った犠牲を永遠に忘れない。
051、057へ
ドイツにいるスパイから連絡を受けた。ほぼ確実に、リッペントロップがソビエイトとの協定に署名するためにモスクワへ飛ぶようだ。協定の内容についても聞いた。
彼らは開戦し、ポーランドを分割するつもりだ。
なんという皮肉だ。当初は彼らの関係の緩和は我々の望みでもあったが、今奴らは我々が最も心配した状況を現実にしようとしている。
奴らがポーランドに侵入すれば、A・物が黙っているはずがなく、きっと戦争が起こるだろう。
この情報をワンとイギリス政府に知らせるために人を送った。
彼らはようやくドイツの野心を認識し始めたが、それでもまだドイツとの交渉を望んでいる。
私は戦争を回避できるなんて幻想は全く抱いていない。監督評議会の指示は断固として実行しなければならない。それだけのことだ。
その上、ここまで事態が発展してしまったのだ。もう財団が制御できるものではなくなっている。
君たちもすでに知っているだろう。
今日早朝4時45分、ドイツ軍がポーランドへ進行した。
我々が全力で回避しようとした戦争が予想通り始まってしまった。
だがまだ終わっていない。計画を調整して、どんな犠牲を払ってでも我々の収容体系が正常に運用されるよう保護しなければならない。
特にアノマリーがウェールの外の科学研究機関に再発見されないよう注意せねばならない。
051、054へ
この戦争でドイツあるいは日本が勝利した場合、彼らが何をしでかすのかを分かっているだろう。違うか?
SCP-8260の情報はすでに不可逆的に漏えいした。これも君は知っているはずだ。
我々は遅すぎたのか?
分からない。だがどうあってもソビエト、アメリカ、そしてドイツはすでにそれに気づいている。
収容プロトコルはすでに役に立たないが、我々にはまだ一部の望みがある。
もし干渉しなければ、最初にSCP-8260を使った兵器を開発するのは間違いなくドイツだ。
私はアメリカ政府とソビエト政府に、財団のSCP-8260に関する情報を引き渡すつもりだ。
一方だけがこの技術を持てば、それは最悪となるだろう。
だが皆がこの技術を持ったならば、それは自ずと抑止力のバランスを形成するだろう。
これからアメリカ軍の交換に遭わねばならない。この件については君の助けが必要になるかもしれない。
057
057へ
全世界が今日、広島のキノコグモに注目している。
たった一発の異常技術に由来する爆弾が、街一つを壊滅させた。
最も重要なSCP-8260が、なぜアメリカの首中に落ちたんだ?
努力不足を言い訳にするな。
関連技術に触れた者が協力しない限り、このレベルの兵器は到底完成させられないというのに。
これまでに唯一SCP-8260に接触した組織は財団だ。
私の知る限りの状況を見れば、アメリカのSCP-8260を用いた兵器開発に君が協力したことは確実だ。
物理学者として、SCP-8260の最初の発見者として、君はSCP-8260がどれほど恐ろしいかを事前に十分理解していただろう。
君がなぜこんなことをしたのか全く理解できない。
新たな現象の背後に隠された不確実性に対する人類の好奇心は無限だ。
この研究が明るみに出た後で、後続する核技術の研究、核分裂や核融合等が正常性をどれほど破壊するだろうか。
人類に安息の日は二度と訪れず、SCP-8260というダモクレスの剣の下で永遠に生きるだろう。
今、少しでも力のある国家ならば、いつでも気まぐれに人類を滅亡させられるのだ。
君の行為は財団への反逆だ。君は監督評議会全員に説明しなければならない。
O5-1
O5-1へ
申し訳ない。だが私は自分の研究に何の問題もないと考えている。
アメリカの新型兵器開発に協力したことを認めよう。だが、SCP-8260の技術は既に漏洩していた。
君は他のタイムラインが発展した過程をよく知っている。
まさか世界大戦の遅延を試みたのは我々だけだとでも?
SCP-8260は既に8回も独自に発見された。8回だ。
たとえ我々が情報の封じ込めに最大の努力を払ったとしても、ドイツは遅かれ早かれそれを発見しただろう。
そんな結果になるよりはむしろ、双方同じスタートラインに立たせて、その力を使わせた方がおそらくは人類にとってより有益だろう。
その上、あなたが20年求めた目標、戦争の終結はここに実現した。
まさにSCP-8260の功績だ。
私とロバート・オッペンハイマー、オッド・ハーン、そしてアルベルト・アインシュタインは長く共同研究していた。
彼らのSCP-8260に対する考えは、財団物理学研究員の誰よりも成熟している。
何を根拠にSCP-8260を我々の収容下に置くことが彼らのやり方よりも重要だ。
何を根拠にSCP-8260を我々の収容下に置くことが彼らのやり方よりも良い、というのだ。
SCP-8260がもたらすのは脅威だけではない。それはエネルギー源なんだ。
それは無限の可能性だ。
どのような恒星系文明であれ、母星の束縛から逃れるためには化学燃料だけに頼ることはできない。
そんな考えは甘すぎる。
SCP-8260ができることは我々の想像を遥かに超えている。
それは兵器を生み出すだけではなく、発電も、地形を変えて大型施設を建造することすら可能なんだ。
それは我々が宇宙へ踏み出し、星へ到達するために必要な梯子だ。
これらは容易に想像できるだろう。
そんな技術を我々の手中に収めることは、自らの欲望でカナリアを鳥籠に閉じ込め、自由を奪って自分たちのためにだけ歌わせる、
身勝手な姫気味のようなものだ。
人類の不確実性に対する要求はずっと存在していた。
異常と呼ばれるものがこの点を掻き立てることは疑いがない。
ではこの間、我々は一体何をしてきたのだろうか。
057 監督評議会によるインサージェンシープロジェクトに対する評価及びプロジェクト中止・可否の表決
SCP-8260の収容違反により、このアノマリーはすでに深刻な影響を与えた。
人類の歴史の歩みは永久に改変され、正常性の形成に対して不可逆的な損傷をもたらした。
財団はすでに、SCP-8260の特性を理解することで発見し得るさらに多くのアノマリーを確認しており、
これらアノマリーに対する封じ込めプロトコルはすでに不可能となっている。
現在、057率いるインサージェンシーチームが収容する能力を有さず、さらにはこの収容違反を促進したことを大量の証拠が示している。
主要な責任者として057は責任を追求されねばならず、054及び彼以外のインサージェンシー幹部も相応の責任を問われねばならない。
インサージェンシープロジェクトの実行は現在、巨大な損害を生み出している。
監督評議会は、このプロジェクトを継続することは財団がプロジェクトを開始した当初の目的、
さらには財団の確たる原則、脅威の確保、異常の収容、正常性の保護にすら大きく違反すると考えている。
よって、監督評議会はインサージェンシープロジェクトを直ちに中止し、監督評議会が当該チームのすべての権限を回収するべきであると考える。
オーファイブ4、オーファイブ7、オーファイブ11がこの表決に拒否しています。
オーファイブ12だけ危険して、他のオーファイブ構成員は賛成、だからこのプロジェクトの中止に賛成しています。
賛成9、反対3、危険1、議題は可決された。
インサージェンシープロジェクトは即刻中止される。
オーファイブ7及びインサージェンシーの収容責任者に対する問責は後日行われる。
前監督評議会殿、良い知らせがあります。
今日、逆説的な保険証書の18番目の情報を受け取りました。
このメッセージが発信された時間はまだ追跡できていませんが、それが21世紀末以降であることは確認できました。
1948年には何も最悪は起こりませんでした。我々は人類文明の保護に成功したのです。
SCP-711オブジェクト担当チーム、以下の内容はO5-7が携帯する簡易式レコーダーから回収されました。
情報は1936年1月23日に記録されました。
エイドリアン・クリステンセン、君が私の要求に応えて危険を犯して我々に連絡をしてくれて嬉しいよ。教授。
O5-7、なんということはない。私もまたインサージェンシープロジェクトの一人でまだ財団に所属しているというだけだ。ある意味では私たちは同じだ。
ああ、確かにそうだな。それで、君は1948年に結局何が起こったのかを知りたいんだろう?
そうだ。逆説的な保険証書はほぼ全てのタイムラインで、我々の歴史の進展から大きく逸脱しない限り同じ状況になる。
彼らは1948年12月に送信された逆説的な保険証書を受け取る。観測できた状況が君たちに告げているはずだ。
他の財団に問いただしても同様の答えが返ってくるだろう。
1948年に戦争中のどこかの国、それはイギリスかもしれず、アメリカあるいはドイツかもしれないが、独自に何らかの異常技術を発見する。
この異常技術は奇跡かもしれず、核物理学かもしれず、現実理論かもしれない。
いずれにせよ彼らはこの技術を戦局に転用して戦争に勝利するが、その後は正常性が不可逆的に破壊されてしまう。
その通りだ。
それが君の関心事ということならば、1948年には確かに何かが起こった。確かに似たような状況が現れた。
だがそれがこの大戦で人類を壊滅させることはほとんどなかった。
がいして言えば、この技術が世界を壊滅させるほど発展する前に、いずれかの勢力が戦争の勝利を勝ち取っていた。
さらに言えば、壊滅するような事態では誰も逆説的な保険証書を送信できっこない。
本当の最悪とは、それ以来、財団自らが社会全体の振興に介入し、社会を壊滅させるような状況を生み出した。
しかし、その結果、人類は戦争の勝利を勝ち取っていない。
その結果、人類は戦争の勝利を勝ち取っていない。
なんてメッセージを送る奴がいるか。
本当の最悪とは、それ以来、財団自らが社会全体の振興に介入し、社会の隅々まで年金のごとく広がり、
人類社会の一挙一動を監視し、人類未来の発展を念入りに、財団の望むように形成することだ。
不確実性は二度とない。可能性は二度とない。未来は確定に変わってしまうのだ。
それじゃあ、逆説的な保険証書の文字列17は?
それはきっと、レジスタンスが送ったメッセージだろう。
こうしたレジスタンスは財団の一員かもしれないし、我々のようなカオスインサージェンシーかもしれない。
我々はこの確定した運命に抗っている。
人類社会を隅々まで監視しようと食わたててはならない。人類が得るべき未来を人類に返そうじゃないか。
だが、異常インシデントは確実に勃発した。まさか、それらに対応するべきじゃなかったというのか。
異常とは何だ?教授、異常とは何だ?
君たちは正常な文書で異常とは何かを明確にした。
正常な文書の外にある存在、それが異常だ。
ならば、我々が正常な文書を更新する根拠は何だ?
057 沈黙
わからない。
我々はずっと、正常性はコントロール可能で定義さえできるものと考えていた。
忘れるな。財団が全てに介入し不確実性を消去する理由、それもまさに正常性と呼ばれるものの維持のためだ。
実際には異常なんてものは初めから存在しなかった。
1948年には何も起こらなかった。
それは本来、人類史上の正常な発展の一環であるはずだ。
人類は元々その時期に核兵器、あるいは奇跡兵器、あるいはフィクション理論テクノロジーを発明するはずなんだ。
強いて何かが起こったというならば、それは財団、あるいは今の正常性が人類の運命を確保したことだ。
違う。財団は人類のために戦っている。正常性と人類は決して対立関係にはない。
もちろん違う。人間は自身の体の細胞と対立関係にあるか?
いや、対立しない。
それでも免疫系統は老化したり、病に侵されたりした細胞を同様に排除するだろう?
つまり、財団は人類と敵対し得ると。
私は人類文明が破壊されたタイムラインから来た。
我々の世界では財団は300年前に正常性と自身の秘密の使命を発見し、
自らすべてのアナマリーを解放して人類絶滅計画を開始した。
財団が人類を絶滅させる?そんなことができるのか?秘密とは何だ?
すべての人間の魂の奥深くには同じもの、不確実なものを探求し、発見し、利用し、
利用したいという欲望が隠されている。
この好奇心と期待感は人類文明を絶え間なく発展させてきた。
この過程は人類が既存の正常性を突破する過程であり、
それは異常を発見、または異常を想像する過程ともいえる。
結局、彼らの定義によれば正常性を超越したものが異常なんだ。
人類は少しずつ不確実性を探求してきた。
それは正常性が少しずつ破壊されたことを意味する。
すべての人間は生まれながらにして正常性の創造者であり、
同時に生まれながらにして正常性の反逆者でもある。
人類社会のすべてが完全に財団の制御下に置かれている我々の世界も例外ではない。
不確実性がまだ存在する限り、正常性が財団の望み通り永遠に維持されることは決してない。
財団はこのことに気がついた。
はじめに、大多数の財団職員が自分が一生をかけて戦い続けた正常性の最大の敵が自分自身だと気づき、
何人かは自分の行為が実際には人類の未来を埋葬することに気がついた。
一部の財団上層部は、それが人類に侵入した異物の影響であると結論付けた。
絶望的な感情が財団職員中に蔓延し、かなりの人数が自ら命を断つことを選択した。
要するに、財団上層部は異常の根絶を保障し正常性を維持する唯一の方法、
心を鬼にすることを理解せざるを得なかった。
一部の特別な人間を選び、ベールの外の正常性を転覆させ得る全ての人類を殺害させた。
彼らの目的は、人類発展の一切の不確実性を排除し、人類の運命を固定し、正常性を永遠に持続させることだ。
財団職員以外では一部の反抗勢力だけが生き残って、その中に我々も含まれた。
我々は財団と戦い続けたが、我々の失敗はすでに取り返しがつかないようだ。
わからない。それは筋が通らない。
財団は正常性と呼ばれるもののために人類の未来を犠牲にして人類を虐殺できるのか。
私が見たどんな財団も、そんな極端な組織では絶対になかった。
君の見た財団は、まだその恐るべき一面を覚醒させていないだけだ。
財団の残酷な正体は、まだ世界秩序の平穏な信仰の維持というご立派な名文の下に隠されている。
だがすでに逆説的な保険証書のメッセージを受け取った以上、
やつらの間の手がすでに人類社会の隅々にまで伸ばされ始めたことは明らかだ。
もし私に間違いがなければ、君たちが恐れることは、私が先ほど話した全世界の科学技術を確保する計画と似ているんじゃないか。
それなら、人類の虐殺はどうだ。君たちの財団だけがそうしたのか。
他の財団もそうしたのか。
私たちだけじゃない。いくつかの平行世界では、人類全体が神となり、その後、全人類が財団に収容された。
他の平行世界では財団が定期的に意図的なX系クラス世界終焉シナリオを引き起こし、
その後に四角い穴に入らない丸い釘を使って財団に収容された。
世界が無限の循環に陥っても、人類文明があっさりと滅亡しても、
いずれにせよ、現在の正常性を伝承しようとする者だけが生き延びる。
人類は無限の循環に陥っても、人類文明があっさりと滅亡しても、
いずれにせよ、現在の正常性を伝承しようとする者だけが生き延びる。
我々はすでに失敗したかもしれないが、
君たちにはまだチャンスがあるんだ、教授。
プロジェクトエマージェンシーの研究中、
我々は財団の過去22年間の収容行為を全て調査した。
周知の通り、財団が対象を収容する判断基準は、
その対象が正常性を破壊するか否かであるため、
正常と異常の明確な境界が必要となる。
財団はこのために正常な文書を制定した。
これは極めて機密性の高いドキュメントである。
これは何が正常で何が異常かを定義するのだ。
しかし財団は自身が想定するほど強大ではない可能性がある。
我々は本当に正常性を定義する権利があるのだろうか。
正常性は本当に我々が定義した通りに発展するのだろうか。
財団の行動基準はほぼ正常な文書と呼ばれるものに準拠しているにも関わらず、
実際は正常な文書は異常の線引きには大した拘束力がないことが判明した。
この点は平行世界の財団の行動にも見られる。
一部のタイムラインでは財団は人類を滅亡させ、あるいは人類すべてを収容した。
もし正常な文書が本当に有効ならば、正常性そのものは人類に依拠した概念であるはずだ。
したがって人類を収容することは正常性自体を収容することと同義である。
これは財団の基本的な行動基準と背反し、正常な文書もまた何ら拘束力のない虚偽のパラドックスとなる。
SCPラプラスとはエントロピープール理論に基づき、自身を正常性と融合させるとともに、
人類文明が絶え間なく増大する不確実性に依存したまま未来に向けて発展することを阻止するアノマリーだ。
この異常性を探り当てるために、我々は正常性そのものを対象とした研究を行い、前述した統計学的な結論に至った。
要約すれば、正常性とは事実上主観的な概念、つまり人類の比較的安定・熟知した周辺環境の知識の相和、
あるいは人間が熟知するすべての事象の相和と表現されるものである。
すべての人間は自分の正常性についての理解と知識を有し、
客体的な正常性として社会の全人類の正常性への集合認識を構成する。
また、熟知した環境は常に人類自身にさらなる快適さを感じさせる。
逆に言えば、不確実性は潜在的なリスクであることを意味している。
このため、正常な概念における不確実性は、
このため、正常な概念における正常の意味は、
それ自体が確実性を内包することをほのめかしており、
正常性は自ずと維持・現状保護へ向かう傾向にある。
そして、人類の持続発展に必要な不確実性自体は、
この確実性に抵触するため、当然ながら正常性に許容されない。
人類の、こ・人間の社会行動は、正常性自体を普遍的かつ複雑に内包し、
人類自身の行為も正常性自体の行動の一部となる。
つまり、正常性とは有機体であり、正常性を組織するものは、
数多の細胞、人類個人の正常性への認識なのだ。
エマージェンシー理論によれば、このシンプルな基本ユニットが複雑なシステムを形成すると、
形成された複雑なシステムは往々にして、
いくつかの基本ユニットを単純に加算しただけでは得られない性質を有する。
エマージェンシー理論について、
ジョン・ヘンリー・ホランドが著書、
エマージェンス・フロム・カオス・オブ・カオス・トゥ・オーダー
出現・混沌から秩序へ、で述べたエマージェンシー現象化。
これは、一部の特性を実施するためには、
基本ユニット間の相互作用に依存せねばならないためである。
このため、人類が主観的に認識する正常性は、
全く似通った基本ユニットで構成される複雑なシステムであるとみなされる。
エマージェンシー理論のありふれた一例が、人間自身である。
つまり、人間自身は細胞で構成されているが、
人間を構成する細胞をすべて積み上げても、
人間の特性をすべて有するわけではない。
細胞を単純に積み上げたもの自体には複雑な思考と運動を行うことができないが、
人間はそれが可能である。
こうした新しい性質は、異なる細胞間の共同作用によって実現しており、
これがエマージェンシーと呼ばれる。
類似する現象が正常性の概念中にも同様に存在する。
システムの複雑性は相対的な正常性となって、
各個人の正常性の認識中には含まれていないことを示している。
この点で、正常性は自我を持った巨大な有機体であると言える。
これはユングの集合無意識概念の説明に類似している。
人類社会では現状を打破しようとする人物が常に存在し得るが、
重大な変革に直面したり、社会が問題を選択したりする際には、
人類社会全体の雰囲気はより保守的になる傾向がある。
これは正常性・意志を体現している。
正常性、そして正常に物質化されたキャリアとしての人類社会自体は不確実性をあまり需要しない。
人類社会が現状を変える必要性を感じていない場合、
このような集合無意識中の思考は常に既存の正常性を保護する傾向にある。
しかし、エマージェンシー理論はまさにこれを予言していた。
もし我々が正常性を独立した存在とみなし、
正常性の観点からこの問題を考えれば、
この保守はかなりの程度で人類の意志ではないことがわかるだろう。
つまり、実際は正反対なのである。
まんべんなく存在しているように見えるこの集合無意識は、
一人一人の人間が持っているものではなく、人類の意志が出現したものなのだ。
それは正常性の思想、つまり人類が正常性を停滞させるのではなく、
正常性が独自に人類を保守的な傾向にするのだ。
言い換えれば、正常性は自身を保護し、自身が不確実性と直面することも、
自身が新たな正常性に置き換えられることも望んでいないのだ。
プロジェクトエマージェンシーの研究目的は、
正常性の中の何が周辺環境の不確実性を弱体化させ、
同時に人類の好奇心と発展し続ける空間を抑制するかを研究することだ。
これらによる効果は確実に人類を現状に満足させ、
人類文明の形態を二度と発展させなくするが、
これは正常性が長く維持され続けることも意味する。
プロジェクトエマージェンシーチームの研究は、最終的に次のように結論付ける。
人類の不確実性の発展を阻害するアノマリーは存在しない。
人類の発展の不確実性を削除するのは、正常性自身が内在する性質である。
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喉が痛い。
やっぱり前回言った感じのことをしていますね。
このオブジェクト、SCP-8260についてですね。
これが核融合とか核分裂についての異常現象として認識されていて収容されていたんだけど、
057目線でこれ異常かってなっちゃったんですね。
すごく真っ当な分子反応、原子反応じゃないかっていうような感じかな。
物理法則には特に区別はありませんから。
普遍的で容易に発見されるかをよく知っている。
だから8回、財団が収容できていない状況で、
8260現象、今となっては我々の世界では物理法則の一つとしてある現象が観測されました。
057目線でもうそれは普通じゃないか、正常性じゃね?ってなったんですね。
この異常は自然の成り行きに任せよう。
結果として各国、ドイツ、あとはイギリス、フランス、ドイツはミュンヘン協定に調印した。
だから戦争原爆ですよね、キノコグモ。
アメリカの首中に落ちた。
051は057が流出させた、漏洩させてしまった財団としての責務を果たしていない、
8260を用いた核兵器、兵器が使われてしまったじゃないか、どうしてくれるんだって言ったけど、
051への釈明、弁明としては我々、私も含む研究員たちはいずれどうしても見つけていただろうと、
普遍的な現象だよと、異常現象というにはあまりにも再現性がある状況ということでしょうかね。
057目線では、どこか一国だけにその力を持たせるんじゃなくて、
それだと独裁が始まりかねないから、他の国にも同じような力を持たせたという意見ですね。
最終的には、インサージェンシープロジェクトに対する評価及びプロジェクト中止、
8260がインサージェンシープロジェクトの対象だったんだってことですよね、おそらくは。
収容違反によりこのアルモニーは既に深刻な影響を与えた。
だから、SCP財団が把握しきれない箇所のオブジェクトの一つだったんですね、8260がおそらく。
本来インサージェンシーチームが057へ報告して、
057が処理しといてって一番最初の記憶処理にも加えるんだとか、暗示をかけろとか言っていますが、
057があれってなって一番最後に誰にも話してはならない、これに対する情報制限は二度と行わないということですね。
なので意味なしてないじゃんってことですね。
インサージェンシープロジェクトを起動してないじゃん、機能してないじゃんっていうことで、
だったらもう分解しようぜということで批決されました。