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音声広告実験隊、今回もロボットスタートの中の人1名と外の人1名でお送りします。
今回は第3週ですので、質問回答会ですかね。何か印象に残ったご質問はありましたか?
そうですね。先月もそうでしたが、引き続き技術動向についてお聞きしたいというお話が多い気がしますね。
マット技術ですか?個人的には興味がありますが、ちょっとリスナーさんの属性が迷ってますか?
本当は番組を始めた頃は、もっと多くの方に聞いてほしいと思ってたんですけど、よく考えると番組のテーマがマニアックだったんですよね。
よく考えなくてもわかると思いますけどね。
特に広告業界の方が聞いてくれてるのかなって最初は思ってたんですけど、意外と音声領域を研究されている方ですとか、技術畑の方も結構いらっしゃるんですよね。
確かに実験っていうキーワードで番組が見つかることも多いと思うんで、実験もしてるんですかね。
そうなんですよ。あとはオーディオスタートニュースというデジタル音声工学領域のテキストメディアの方も運営してますけど、こちらでも技術寄りの話題を取り上げることが多いっていうのもあるので。
なるほど。検索エンジンでマニアックな技術ワードからテキストメディアにたどり着いて、そのサイトの中にあるこの番組のバナーを見つけて、聞き始めてくれる方がいらっしゃるっていう、そんなことですかね。
そうなんですよ。記事ごとのページビューとかも見ていると、あれ、この記事なんでこんなに見られてるんだろうみたいなの結構あってですね。
マニアックなワードが含まれている記事が結構そういう感じになるんですよね。
なるほど。ちゃんと背景があったわけですね。
ここから学んだこととしては、本気でPodcastに取り組むのであれば、プラットフォーム内の検索以外の動線っていうのを意識することも重要じゃないかなっていうふうに思ったわけです。
そういえば3ヶ月前くらいですかね、Googleさんが検索をリニューアルして、確か検索結果からワンタップでApple Podcastとかアプリを立ち上げて番組再生一発でできるようになりましたよね。
はい。詳しいですね。
これってまだアメリカ限定の話なんですけど、検索からPodcast番組への動線っていうのがすごい改良されたんで、いずれ他の国でもそうなることを考えると、ウェブ検索というのは意識することがポイントかなっていうふうに思いますね。
話がずれたので戻しますけど、技術を求められているリスナーさんが多いということで、そのニーズには応えていきたいですよね。
そうですね。ということで、そんな中、早速技術面から業界を見ていこうと思うわけなんですけど、デジタル音声周りの技術開発っていうのはかなり早くなっているので、そもそも月に1回ぐらいは使わないともうキャッチアップできない、ここに貢献するのは難しいんじゃないかなって思うほどの、そういった規模でニュース出てきてるんですよね。
これは話したいだけじゃないと。
そうです。
キャッチアップをしてもらうって意味だと、もうちょっとちゃんとやらないとなって思うところあるんですよね。
番組のコンセプトですもんね。
はい。
確かに先日、ガーファーの一社を掘り下げるだけでもかなりのボリュームになったと思うんで、ちなみに直近では何か気になる動きってありましたか?
ポッドキャスト番組の人口統計予測AI
まずですね、ちょっと業界寄りではあるんですけど、PodChaserっていう会社が業界初の予測人口統計機能っていうのを発表したことで、これはエピソードの内、ポッドキャスト番組の中で話されている内容をAIが分析をして、そこからリスナーの年齢と性別を予測可能とするっていう取り組みなんですね。
これはファーストパーティーデータを活用しなくても、番組内容からリスナーの属性の推測が可能になるっていうイメージですか?
そうです。いわゆるデモグラフィックを推定する仕組みを文章を分析するっていう形で実現すると。
ターゲティングっていうのはそもそもPodcast広告の弱い部分だったので、しかも個人情報広報にも対応した形ですから、こういった機能が出てくるっていうのは結構大きな意味があるんじゃないかなっていうふうに思いますね。
素人目線で見ると、コンテクシャルターゲティングという概念自体の中にリスナーの推測っていう考えが含まれていると思ってるんですけど、それ以上の推測が求められているっていうことですか?
この部分は、広告を出稿される方とか、広告を提案される代理店の方とそれぞれの立場で異なるかと思うんですけど、根拠データを第三者が提供できることに一定の価値があるのかなと。
デモグラフィックで広告を売ってる人なんかはデモグラで話できた方が話が楽じゃないですか。
広告主の方も、うちは何歳の男性にとかっていつもそういう形で広告を出してる場合っていうのは、デモグラフィックで売りたいとか買いたいとかあるのかなって思いますね。
よりどころがあるほうが受け入れやすいし、説明もしやすいっていうことですね。
はい。受け入れやすさも上がると思いますし、結果が出た時にデータ分析を行うことで、その仮説や根拠は正しかったのかっていうのを振り返りしやすくなるっていう点も大きいんじゃないかなというふうに思います。
仮説検証の精度ですとか速度の向上にもつながってくる。
そうですね。デジタル音声広告単体ではなくて、さまざまな広告手段を組み合わせてプロモーションっていうのを行うケースも多いので、他の広告手段と同じ、もしくは近い手法で分析できるっていうのはやっぱりすごい重要なポイントなんじゃないかなというふうに考えています。
デジタル音声広告のターゲティング強化
まだちょっと理解しきれてないんですけども、このコンテクチャルターゲティングそのものがサードパーティークッキー廃止後の手段として注目されてますよね。
はい。
そんな中で、なんでこのタイミングで予測AIが必要になるのか?これが業界にとってどのような意味を持つのかについて、もう少し詳しく教えてもらってもいいですか?
これまず前提として、番組の内容をもとにリスナーの年齢と性別をAIが予測するってことから、コンテクチャルターゲティングとは対立するっていうよりは補強、補足するといった要素があるんじゃないかなっていうふうに捉えています。
その上でポッドキャストの番組数が日に日に増えているので、人力では分析は当然追いつかなくなってきますよね。
この無数ある番組っていうのと広告主のマッチングを考えた際に、その自動化につながる技術というのは広告主の目線で見ても、ポッドキャスター目線で見ても必要だというふうに思います。
ファーストパーティーデータもサードパーティーデータも使えない状態で、効率的なマッチングの実現を考えた場合に、デジタル上で推測する機能にあったほうが自動化を実現しやすいって、そんなイメージですか?
ちょっと細かい部分まで説明するとかなり時間かかってしまうんで、端的に既存のアドテック技術と融合しやすくするっていうのは間違いないだろうなというふうに思いますね。
あと、私たちのようなアドネットワークを運営する立場から言うと、再生数が少なくとも広告価値の高い番組っていうのはたくさんあるわけなんですよね。
人力によるマッチングでは、ビジネスの効率の観点より後回しにされてしまうことがちっちゃいんで、これ後でいいやみたいなことも起こり得ますけど、
そういった機械のロスを生まないためにも、自動的にいろいろデモグラフィックしてくれるっていう技術は重要だと捉えてますし、そういったところは常に僕らも追いかけてるっていう状況にありますね。
ここまで役割ですとか重要性があるとすると、このデータの信頼性っていうのも大きなポイントになると思いますけれども、このPodcasterさんってそもそもどのような会社なんですか?
これもともとアドテクの会社ではなくて、Podcastのデータベース構築とかツール提供を行っている会社なんですね。
今回のAIについても、500万を超えるPodcastのデータベースを使って詳細な人工統計を元に開発したってことなので、少なくとも十分な共視データというのは持たれていたというふうに考えています。
今、業界初の予測人工統計機能っていうお話をしましたけども、この分野はおそらく今後も動きがあると思いますし、業界に与える影響も大きいかと思いますので、また動きがあればぜひ教えてください。
はい、もちろんです。
ちなみにその他の切り口で何か気になる動きってありましたか?
スマートスピーカー等の音声デバイスについに生成AIの活用が始まったっていうところですかね。
先日もアレクサに生成AIを活用する取り組みが進んでいるっていうお話ありましたよね。
はい、まさに9月の後半かな、Amazonエコファミリーの新製品の発表ってあったんですけど、その発表の際にアレクサの新しい機能というのが発表されましたよね。
どんな機能が搭載されたんですか?
これまだプレビュー版っていうことなんですけど、大規模言語モデルを活用して会話対応がちゃんとしたものが搭載されて、これによって推論だとかユーザーの意図の推測、ものすごい複雑なリクエストに対する理解能力っていうのが大きく向上したってことを発表されてましたね。
対応がスムーズにできるようになるとデータも取りやすくなるでしょうから、パーソナライズのスケールにもつながってきますよね。
そうなってくるとファーストパーティデータを誰が抑えるかって話になりますし、その際デバイスを抑えてる会社が有利ってことになりますよね。
そうすると他の企業も黙ってられないですよね。
まさにこのAmazonの発表の約2週間後ですね、とある企業が同じようにAI音声アシスタントにFace AIを統合するってことを予告したんですね。
これも実質2択くらいな感じしますけど、A社さんですかね。
残念。相変わらず2択弱いですね。
運はね、貯めていくタイプ。ということはGEさんですか?
そうですね。GoogleさんがAI音声アシスタントのGoogleアシスタントに生成型AIのBirdを統合した、
アシスタントwithBirdっていう名前の新サービスを発表されてましたと。
ちなみにどんな機能になるんでしょうか。
これも話すと長くなっちゃうので細かい説明は避けますけど、書かれていたのはインテリジェントでパーソナライズされたアシスタントが望まれるようになったことを前提にしてて、
それに対応した機能を提供すると。Birdも僕日々使ってるんで、これが音声アシスタントに搭載されるとレベル今までと全く変わるなっていうそんな印象ですね。
横文字が多くてフワッとした理解なんですけど、大枠で言うと各社狙っていることは同じような印象ですかね。
そうですね。もちろんAppleもSiriに関してSAIの対応ってのはもちろん進められてるでしょうから、このあたりは僕らも常にウォッチしてるって状態ですね。
そういう意味ではGAFA各社がホットキャストのプラットフォーム競争してるっていうのは認識ありましたけど、音声デバイス面でも今競ってるってことですね。
それだけこの音声領域っていうのは注目しているという点と、あとやっぱりファーストパーティデータの重要性が高まっているっていうのも大きいんでしょうね。
ファーストパーティデータの重要性
ちょっとこの点に関しては日本が出遅れてるのかなっていう危機感も感じますけれども、話の全体としてはこのファーストパーティデータを誰が抑えるかっていうものと、
抑えれないなら推測推論AIで戦おうっていう、そんな戦いが始まってるんだなっていう印象を持ちました。
そうですね。この辺りについてはここ多分数年ずっとホットなテーマになると思うんで、音声領域の切り口からにはなりますけど、引き続き取っていきながらこちらでも紹介できればなというふうに思ってます。
というところで、本日はこの辺りにしましょうか。
はい。
本日もお聞きいただきありがとうございました。
ありがとうございました。
音声広告に興味のある方、音声広告についてもっと知りたい方、こんな検証をお願いしたいという方がいれば、概要欄にあるリンクよりお気軽にご連絡ください。
それではまた。