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2023-10-18 37:32

第4回 「わさび研究者対談」山根京子さん×片井祐介さん

ワサビ研究ってなに?

岐阜大学准教授でワサビ応援隊隊長の山根京子さんと、静岡県農林技術研究所でワサビ栽培の研究を行っている片井祐介さんに、ワサビ研究の魅力やわさび田を維持する難しさ、ワサビ文化の危機、ワサビの今後についてお話いただきました。

サマリー

静岡県で行われているわさびの栽培研究についての対談が行われています。わさびの環境適応能力や栽培方法の変化、生産量の減少などが話題となっています。わさびの需要と栽培環境についての対談が開催されています。日本食ブームが終わったことや、若い世代のわさび離れなどが話題になり、わさびの将来に不安が広がっています。しかし、海外での需要が高まっており、新たな需要の創出や環境保護の取り組みが必要とされています。ワサビ研究者による対談による研究成果の発表とプロジェクトへの支援を呼びかけています。地球温暖化によるワサビ栽培への影響や、日本の資源発信の重要性について話しています。

わさびの栽培研究
では、お時間になりましたので、最初に片井さんと2人で始めさせていただければと思いますので、片井さん、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
では、わさび研究者対談を始めさせていただきます。リスナーの皆さんもお集まりいただきましてありがとうございます。
では、まずは片井さんに自己紹介からお願いしたいのですが、どのような研究を行っているかというところを含めて、自己紹介をお願いいたします。
静岡県農林技術研究所伊豆農業研究センターに勤めております、片井祐介と申します。
わさびの研究ということなんですけれども、主に栽培に関する研究をやっておりまして、今現在は育苗、わさび田に植える苗の研究というのを主にやっているようなことですね、今は。
ありがとうございます。わさびの苗の研究ということですね。
そうですね、はい。
そもそもわさびって一体何なのかというところからお伺いできればと思うんですが。
そこら辺山根先生が一番ご専門でいろいろと研究されてて、5本書かれているのも私も読ませていただきましたけれども、
わさび自体は日本が原産の貴重な野菜ということで、あまり日本原産の野菜ってないんですけれども、わさびは日本原産だということで山根先生がいろいろと調べられて、おそらくそうだろうということになっております。
実際、これも山根先生の5本の受け売りですけれども、大体飛鳥時代ぐらいから国内でわさびの利用が始まっておりまして、
大体江戸時代、1600年代ぐらいから栽培方法、人工的な栽培が行われておりまして、特に静岡の宇東城という今でいう安倍川の方の上流域ですね、そこで始まりまして、
私が今いる伊豆の方で栽培が始まったのが大体1700年代、半ばから後半ぐらい、その頃から伊豆の方で栽培が始まったというような形になっております。
なかなかわさびってどうやって育てているのか、わさび田のイメージは皆さん見られたこともあるかと思うんですけれども、大体わさびの場合ですね、わさびの苗については陸で育てているケースがほとんどです。
わさびの苗についても、いわゆる種から苗を育てているものだとか、あとはメリクロン、蛍鳥培養して育てているケースといういろんなケースがあるんですけれども、
おおむね15センチぐらいまで苗を育てて、それをわさび田に植えまして、そこから約1年から2年、わさび田で栽培して収穫するといったような形の野菜です。
わさび、他の野菜みたいに明確な旬がなくて、おおむね1年中収穫・出荷作業を行ってというような形で、じゅんぐりじゅんぐりでわさびの田の中を循環させながら栽培しているというような作物ですので、
他の野菜みたいにみんなまとまってこの時期に出荷・収穫して、また植えてみたいなことがないというような、他とは栽培形式も違うような野菜ですね。
それだけ聞くと、わさびってすごく環境に対する適応能力とか強いのかなって、今聞いて伺ってて思ったんですけど、そういうわけでもない?
そうですね、わさびは暑さにはものすごく弱い作物でして、ですので一般にわさび田という水が大量に流れているところで育てられているんですけれども、
そういうのも暑さ避けというところもあります。特にね、やっぱり直射日光が良くないものですから、夏場の時期はですね、寒冷したということで日光を遮るようなものをつけて、直射日光が当たらないように栽培しています。
なんかすごい、じゃあ結構そのデリケートなというか、水温とかに結構影響するっていうような感じ?
そうですね、かなり水温、一般的に8度から18度ぐらいの範囲内でわさび育つということは言われておりますけれども、その中でも一番適しているのが12、3度ぐらいということで、非常にピンポイントなところが適しているところで、
例えば水温が高いとですね、病気が発生しやすくなったりといったような形でして、あまり水温の高いところでは、まあ栽培が難しいっていう作物です。
なるほど、山瀬先生が、もしもし、聞こえてますか、すいませんでした、ちょっと、あ、良かったです、すいません。
では、今ちょっと山瀬先生がその辺、わさびとはっていうところをちょっといろいろお詳しいと伺ったんですが、山瀬先生の自己紹介、わさび、どんな研究をしているかっていうのをお伺いしてもよろしいですか?
スピーカーをオンに、マイクをオンに。
これで聞こえます?
はい、聞こえます。
すいません、申し訳なくて。
初めてです。
あ、聞こえますか?山瀬先生の声が聞こえなくなってしまいました。山瀬先生聞こえますか?
ちょっとじゃあまたお話しできるようになったら声をかけてください。
わさびの栽培と環境
では、かたいさんすいません。
はい。
はい、ではでは、先ほどの続きの話ということなんですが、わさびが水温かなり12から13度というピンポイントの環境が適しているっていうお話だったんだけど、それに関して静岡という場所が向いているっていうことなんですか?
そうですね、静岡というか大量に有水のあるところ、湧き水が多く必要になってくるというところですので、静岡でも栽培しているところというと、天城山の湧き水が出てくる伊豆地域、あとは富士山の湧き水が多く出てくる富士宮とか御殿場のあたり、あとは南アルプスからの有水が出てくる安倍の方というような形でして、
わさびの栽培の条件といたしましては、大量の有水、安定した大量の有水が必要ということになっています。
わさびの栽培方法って、そんなに江戸時代から変化はないんですか?
そうですね、そこら辺も山根先生が一番ご専門でいろいろ調べられているところなんですけれども、今行われている、皆さんが静岡で見たことのあるわさびだというと、団団畑みたいになっているわさびだと思うんですけれども、あれが畳石敷と言われるわさびだなんですね。
ぱっと見には団団畑のように見えるんですけれども、あの中実は層みたいな構造になっておりまして、あのわさびだの中で上から小さい綱からだんだん下へ行けば行くほど大きな石が積み重なってできている畳石敷のわさびだと言うんですけれども、
表面が水が伝うものと、あとはわさびだの中も浸透するといったようなやり方の方法なんですけれども、その方法が考案されたのが明治時代に考案されて、それから基本的なわさびだの構造は変わらず、
一部ね、その秘副の資材とかっていうのは色々変わってきてるんですけれども、わさびだ時代の構造としてはもう明治時代に確立した方法をそのまま引き継いでいるといったような感じです。
へー、なるほどー。あ、山根先生いかがですか?
すいません、なんか途中で機内モードになってた。すいません、もう本当にすいません、なんかもう、なんか令和の時代に行ってないですね、私まだ。すいません、ごめんなさい。
今ですね、ちょっと。
あ、聞いてます、はい。
あ、はい。
大丈夫です。
明治時代からわさびの栽培方法ってほとんど変化がないっていう話を伺ってたんですが、
なんかそのあたりってなんで変化がなくここまで来てるの?
まあでも本当その栽培の歴史自体が割とわさびって他の栽培植物に比べたら浅いというかですね、今の水わさびと言われている。
また音声が途切れてしまいました。
山根先生、ちょっとじゃあ山根先生が復活するまで片井さんちょっとおしゃべりをしてみましょう。
どこまで話しましたっけ?
あの明治時代からまあ栽培方式あんまり変わってないよというような形なんですけれども。
山根先生が復活した。
これなんか私やり方わからないです。なんか喋ってると聞こえないんですよね。
すいません、どこまで聞こえてました?
江戸時代、栽培作物としては比較的新しいというところまでは。
激劇な明治時代に変化というか素晴らしいシステムができて、なかなかそれを超えるようなシステムをまだ新しく作られていないのは、
やっぱりそれだけあのわさび栽培の歴史にとっては画期的な発明だったと言えるんじゃないでしょうかね。
加泰さんの話でわさびのその結構工作放棄が進んでいく原因として、なかなかわさびの生育不良が起こっているという話を伺ったんですが、
そのあたりってことなんですか。
それなんですけれども、私より多分静岡県とかの方のほうが、生産者さんのほうが肌で感じておられると思いますので、
静岡に感じておられると思うんですけれども、工作放棄がうまく育たなくなったからっていうことでは、それだけが原因ではないと思います。
わさびの生産量と課題
大分前からですね、バブルの頃をピークに価格が下がってきてしまって、作っても再産が取れないというか、あまり儲からなくなってしまって、やめてしまうというのがかなり大きな原因と、
それから最近もすごく水害というか、今日もありましたけれども、そういう問題もあってわさび田が被害を受けて、それを復興するだけの力が地方とかに残ってなかったりとかして、複合要因だとは思うんですけれども、
水害とかに関しては、最近はやっぱり温暖化の影響があるので、水温とも全く無関係とは思えないんですけれども。
片井さん、その辺はいかがですか。
そうですね、栽培量とするとピークがやはりバブルのあたりがピークでして、それから徐々に徐々に減ってきて、だいたいピークから比べると現在生産量は半分ぐらいになっているというような形です。
特に放棄されたわさび田の多くが、かなり休憩者地にあったりだとかというところで、生産性が非常に悪いというところもあったり、あとは伊豆半島にしても静岡の方にしても、鹿の被害というのが多いんですね、最近。
それによって鹿の被害対策とかやるのも負担になるということで、栽培をやめられてしまうといったケースも今見受けられています。
鹿がわさび食べちゃうんですか。
わさびの根系のギリギリのところからバリバリバリバリ食べてしまって、特に冬場ですね、1月2月3月ぐらいっていうと、他の新芽とかってほとんどなくなるんですね。
そうした中、山の中でわさび田だけは青々とした葉っぱが付いていると、非常に鹿にとってはおいしい餌になってくるというところもあります。
ですので、わさび田の被害の多くは、要は森に草がなくなる冬場ですね、1月2月3月あたりになると、鹿が現れて結構わさびを食べていくといったようなことが起こっております。
なるほど、そうか、そのわさびが先ほどその旬の時期っていうのがなくて、1年中収穫の時期があるっていうことが、そういう冬場の被害につながってしまっているっていう。
そうですね、冬の山を想像していただくと、緑の作物って結構自然の中だと少ないんですね。結構みんな冬枯れしてしまっている中、わさびだけは青々とした状況であるというところのものですから、非常に餌として魅力的ということで、特に伊豆も相当鹿が増えているっていうこともありまして、
かなり被害対策としてネットで囲んだりとかいろんな対策はしてるんですけれども、それでもなかなか小さい区画だったりだとか斜面がきついところだと守りきれずに対策をやるのも負担だということで、やめられてしまうというケースも見受けられるという形ですね。
そういう生産者さんにとっては大変な状況の中で、わさびの需要っていうのはどうなんですか。
本当ここ数年、3.11とか開いた形のものが起きると、どうしてもわさび、特に伊豆のほうのわさびの根系っていうと、ほとんどが高級食材というような形で飲食店で使われてっていうケースが多いんですけれども、やはりああいった災害が起きたり、最近のコロナなどがあると落ち込んでしまうんですけれども、
わさびの需要と若者のわさび離れ
コロナの前までは比較的インバウンドとかそういった需要もありまして、かなり日本食というのがブームになっていたということもありまして、わさびの栽培環境としては追い風なところもあって、ここ数年っていうのは炭化がやや戻って上昇傾向にあったんですね、コロナ前までに関しては。
一気に落ち込みまして、ようやく最近持ち直してきたかなっていったような状況です。
なるほど、じゃあまたこのコロナが落ち着くにつれて、また需要も伸びてきそうだなといったところ。
おそらく需要がある程度ある中で、生産量の方の落ち方の方が激しいものですから、炭化は上昇傾向になるかなというようなところはあるかもしれません。
なるほど、なんかそれは難しい、歯がゆいというか。
そうですね、なかなか他の野菜ですと炭化が上がったりすると新規産入で入ってきてみたいな動きがあるんですけれども、わさびに関してはまずわさび田の整備というところのハードルが非常に高いので、新規産入の障壁がもう他の葉物野菜に比べて圧倒的に高いというところもありますので、
炭化が上がっていっても、なかなかじゃあ新しくわさび始めようかという人たちは出て、なかなか出にくいということにはなるのかなと思います。
山根先生そのあたり、わさびの需要って今後どうなっていくと思われますか。
そうですね、静岡に関してはブランドがしっかりしてて市場でもきっちり値段がちゃんと高値がついたりとかして、コロナでやっぱり落ち込んじゃったっていうのはあったんですけれども、ある程度戻ってくると思うんですけれども、わさびの業界全体として考えますと、
やっぱり若い人たちのわさび離れっていうのは、私はちょっと深刻だなというふうに感じてまして、その傾向がかなり加速度的にあるなって肌で感じてますので、これから将来的にわさびなんていらないよねとかわさびなくてもいいよねっていう風になってくると、
わさび業界全体としてダメージだろうなっていうふうには感じてるんですけれども、逆に今海外の本当に需要というか注目度が高まっているのをすごく感じるんですね。
ドイツなんか今かなりのわさびブームらしくて、どこもその国もわりとわさびを欲しがっているという状況がありますので、すごく海外との温度差を感じてますね。
なぜ若い人のわさび離れが起こっているんでしょうか。
なぜですか。
そうですね、もう多分わさびだけじゃないですよね。いろんななんとか離れっていうのはもうたくさんあると思いますし、例えばからしとかは本当にわさび以上にチューブにしても売れないそうなんですよ。
唐辛子は皆さん好きですし、胡椒もかなり好きな人が増えてるんですけれども、ある一般的な香辛料のそれ以外のものとしてはかなり落ち込んでしまっているのは、
例えばお寿司屋さんとか開店寿司行っても、昔だったら多分覚えてらっしゃる方いらっしゃるかな、お皿の色によってわさびの有り無しが区別できたりとかしてたんですけど、今はもう入ってないのが当たり前になったり、パックのお寿司とか買っても、
今は基本は入ってないとかですね。昔は入っててそれを我慢して食べたとか、そういう傾向もあったり、あとはお家でお父さんがわさび食べてて、もうお前もそろそろ大人になったんだから食べてみるかみたいな、大人への階段を上るみたいな、
そういう昔ながらの風景も最近あまり見られなくなっちゃったりとかして、いろんな要因があるんじゃないかなと思います。
結構じゃあそのわさび需要においても、その若者のわさび離れっていうところがあり、その栽培にとっても今どんどんその工作放棄が進んできて、結構わさび今かなりあれなんですかね、深刻な状況ということなんですかね。
私ですか、そうですね、ずっとそれはわさびの危機をずっと訴え続けてきてるんですけれども、ただ本を書かせていただいて、最初本当に多分売れないだろうなということで、300部どうやって売るかなみたいなことで悩んでたんですけれども、
実際蓋を開けてみると、実はわさびのファンでしたっていう方が相当数いらっしゃるってことはわかったんですよね。まだまだやっぱりファンは多いんじゃないかなっていうことを感じて、こういう輪をどんどん広げていって、若い人にもいろんな機会を設けて食べていただくことで、私は可能性があると感じてるんですけれども。
今後わさびの将来どうなっていくと良いかっていうところをお二人からお伺いできればと思うんですが、片井さんいかがですか。
栽培面から言うと、ある意味明治時代に今の方法が確立してそのまま変わらないよっていうことは、機械化が進んでないんですねあんまり。一般的に他の多くの作物ですと、要は面積広げると、例えば機械の利用効率とかが上がって生産コストが下がってみたいな形で、規模拡大のメリットっていうのが出てくるんですね。
ただわさびの場合は経費のほとんどが人件費。ほとんど人手で全部やっているものですから、あまり規模拡大のメリットっていうのがないっていうところもあって、なかなか他の野菜だと大規模な生産者っていうのが、野菜だとか米だとかトマト、いちご、そういった方とはいるんですけれども、わさびに関しては大規模な生産者ってほとんどいらっしゃらないんですね。
特に静岡に関しては。ですので、栽培環境という面では非常に規模拡大しにくいよっていう中で、少なくとも今ある人たちが今あるものだけは確保できるようにっていうところはあります。
特に栽培して耕作放棄、水が少なくなったりっていうところで育ちにくいよっていうところでも、育っているような品種の育成とかっていうのも私たちのほうで心がけておりまして、どちらかというと上級品を作るというよりも、中下級の田んぼでもわさび田でもきちんと育つような品種を育てるといったような形の取り組みをして、
わさびの将来と環境保護の必要性
今以上にわさび田が減らないような、栽培の方でのバックアップはしていくというような状況です。
なるほど。育ちやすいわさびの品種を育てる。
そうですね。特に今、過冬伝って言われるところですね。要は水が少ないよとか水温が高いよというところだと、植えたわさび2、3割しか生き残らないとかっていうわさび田も結構あるんですね。
やはりただそういったところだと再産性とかの面でやめられてしまうというところもあるかと思うので、そういった条件が不利なところでも育ちやすいような品種の育成とかそういったものも心がけてやっています。
ありがとうございます。山根先生はいかがですか。需要面でのわさびの将来どうしていきたいかというところで言うと。
そうですね。本当に赤田さんのお話を伺っていて素晴らしいなと思って、いい品種ができればいいなと思っています。
本当に需要が減ってしまったら食べる人がいなくなったら作る人もいなくなってて、今だんだん悪循環に入りつつあるかなっていう、ちょっとそういう嫌な予感もしていて、せっかくいいものを作ってもちゃんとそれを認めて
お金を出して買ってくれる方がいなくなると作る方もいなくなるということですので、わさびというのは作るのが大変で貴重なんだということを、その価値を皆さんに知っていただくということをまずどんどん進めていって、皆さんで守る意識ですね。
それがないと、たぶんこのなくてもいいよねってなると本当になくなってしまうんじゃないかなっていうところがありますので、それは本当に進めていかないといけないんですけれども、今本当に静岡とか長野の方が頑張ってくださっているので何とか持ってるんですけれども、それ以外の産地は本当に危機的な状況というかも
本当にご生産者さんが激減している状況がずっと続いていますので、日本全体としてですね、わさび需要を増やすような何か策がないかなと思って、私もいつもずっと活動を続けさせていただいているんですけれども。
そこまで山姉先生がわさびに魅了される理由って何なんですか。
私、栽培植物起源学研究室というところ出身で、人と植物の関係を研究したくて、研究室に入ったんですけれども、わさびって人とともに進化してきた植物で、しかも日本でそういう植物ほとんどなくて一番メジャー、一番ぐらいメジャーだということで、最初は単なる研究材料と思って
付き合ってきたんですけれども、皆さん本当にわさびのぜひですね、生えている現場を見ていただきたいんですよ。本当に素晴らしいんですよね。私はわさび食べるのはもちろん毎日のように食べてますし、大好きなのはもうそれは好きですって言わなくてももうわかったわかったって感じだと思うんですけど、
わさびの生えている環境とか、それをずっと大切に作り上げられてきたその伝統とか、そういう全てをひっくるめて、これは絶対に誰かが守らないとダメだっていう意識がすごく関わるうちに強くなってきたっていうのがあるんですね。
だから、わりと食べる立場とか、環境とか植物の立場とかを多角的に見て、これは今の時代に誰かが何とかしないと、これはどこかが一つが欠けても大変致命的なことになるだろうなと思って。
手のかかるほど可愛いじゃないですけれど、何とかしなきゃっていう気持ちでいるっていうのが正直なところです。
ありがとうございます。
今ちょうどお時間になってしまってきているんですが、今加泰さんがアカデミストのクラウドファンディングで、このわさびを育む自然環境を明らかにし、わさび田を後世に残したいというプロジェクトを実施中で、
こちらもそのわさび田を残すための研究プロジェクトになるんですが、こちらについてちょっと加泰さんの方からご説明いただけますか。
はい、まず最近温暖化温暖化っていうのはいろんなところでも言われているんですけれども、そういったのを受けてですね、やはり私たちのところにもマスコミ等からですね、わさび田の環境って昔に比べてどうなってるんですかっていうお話よくあるんですね。
例えば水温がどうなっているのかとかそういったもののお話ってよくあるんですけれども、実はですね、水温とか水量とかに関してもちろん研究として行ったことはありますし、わさび田の環境というのは明らかになっているんですけれども、ただ定点でずっととっているというデータがないんですね。
ですので、例えば今10年前に比べて気温はこう上がってますよみたいな話はあるんですけれども、10年前に比べて水温って上がってるんですかって言われても正直わかりませんという回答しかできないというのが現状です。また水量についてもですね、アメダスの方で雨量っていうのはわかるんですけれども、それが果たして水量にも影響を与えているのかっていうところもちょっと明らかになっていないというところがあります。
ですので、水温水量に関してですね、定点を使っての調査、もちろん年度内で1年の中での変動量っていうのが大きくなっているのか小さくなっているのかっていうのもありますし、10年間かかって10年前に比べて今はどうなっているのか、例えば昔に比べて水量の変動幅が大きくなっているっていうことであれば、水がかかれる時期も起こりやすいということで、さらにそういうのに適した品種の育成とかっていうのも必要になってくるだろうというところもあります。
まずはわさび田の環境っていうのが、経年変化がどうしているのかっていう部分、今までちょっとね正直そこはうちのところもやってこれなかったところなんですけれども、そこの部分を明らかにして、特に耕作放棄、栽培不良で耕作放棄するよというようなわさび田を減らしていくような、そういった方向に進んでいくのが目標として、まずは環境の定点調査というのを行っていきたいということで、今回のクラウドファンディングのほうについてお伝えしたいと思います。
ありがとうございます。こちらのプロジェクトなんですが、8月の18日まで支援受付中ということですね。リターンなんですが、ちなみにどんなものがあるかちょっとご紹介いただけますか。
ワサビ研究成果発表とプロジェクトの支援呼びかけ
なかなかこういった研究支援という形なので、物をお返しするというものはないんですけれども、一番11万円以上入れていただければ、静岡県の伊豆農業研究センターのホームページで、今回の研究成果についてはずっと出していく予定なんですね。
予定は4年の水、水温とかという形で出していくっていうのをホームページ上でずっとやっていきたいなと思ってますので、そういったところでのお名前を掲載させていただいたり、あとは県でも、今回私はワサビなんですけれども、他にも4県同時に行っておりまして、それの合同の研究成果発表会というのを予定しておりますので、そこへの招待などそういった形で、ご支援の返礼をしていきたいなというふうに思っております。
はい、ありがとうございます。ぜひですね、ワサビが好きな皆さん、ここに集まっている方々、ワサビ好きかと思うんですけれども、ぜひこのワサビを残していくための研究にですね、応援をお願いいたします。金銭的なものでなくともですね、ぜひツイッターでですね、情報拡散とかそういったところでもご協力いただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。
お願いいたします。
はい、ありがとうございます。では、山根先生からもこちらのプロジェクトについて何か一言お願いいたします。
はい、ありがとうございます。
はい、ありがとうございます。
あの、実は私の方のところにも、最近ドイツ、それからニューヨークタイムズ、それからロイター通信ですね。
海外からの同じような問い合わせ、つまり、地球温暖化のワサビ栽培に関しての影響はどうですかとか、水温は本当に上がってるんですかとかいう、そういう問い合わせが相次いでるんですけれども、私は研究者なので、ありますってこう、自分の中にデータがないのに言えないのがすごくもどかしくて。
でもこのクラウドファンディングの話を伺ったときに、もうこれ絶対必要だと思って、それはもう日本の問題だけじゃないんですね。海外がやっぱり注目してくれていて、でもこんなに水が豊かで、国ってなかなかないんですよね。
その豊かな水を利用した素晴らしい環境から生まれる資源ですよね。それを全世界の人たちが愛してくれている人たちがどんどん増えていると、それがまた地球温暖化ってこういうところにも影響があるんだっていうことを世界に発信していくっていうことは、ワサビだけじゃないんですよね。
日本ってこんな資源があってこんな国なんだよっていう情報を発信で、おそらく地球温暖化の影響を非常に受けることは間違いないので、このプロジェクト本当に成功してほしいなって心から願っていますので、どうか本当にご支援よろしくお願いいたします。
地球温暖化の影響と日本の資源発信の重要性
ありがとうございます。ワサビだけの問題じゃないっていうお話がやっぱりすごく大事な問題だなというふうに感じました。今日はお二人ご参加いただきましてどうもありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。最初すいませんでした。
いえいえ。
全然ありませんでした。
とんでもないです。ご参加ありがとうございます。はい、お聞きいただいている皆さんも本日はどうもありがとうございました。はい、ぜひですね、今日のワサビ対談の感想とかですね、Twitterでつぶやいていただけると助かります。
あと例えばこんな研究者の話が聞きたいとか、そういったリクエストも受け付けておりますので、ぜひTwitterでハッシュタグアカデミストでつぶやいていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。それではちょっとお時間が過ぎてしまいましたが、本日は皆さんどうもお集まりいただきましてありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
はい、失礼いたします。
失礼いたします。
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