タイトル
「Appleは間違えている」─OpenAI、情報漏洩訴訟に全面反論
このエピソードで登場するキーワードを説明します。
OpenAI: 高度なAI技術の開発を手がける企業。直近では消費者向けハードウェア事業への参入に向けた動きが注目されている。
Apple: iPhoneなどのデバイスやソフトウェアを提供する世界有数のテクノロジー企業。ハードウェア開発における機密情報の漏洩を巡り、OpenAIを提訴した。
Tang Tan: 元Appleの最高ハードウェア責任者(CHO)などで知られるベテランエンジニア。Apple退社後、OpenAIに移籍し、今回の訴訟の焦点の一人となっている。
それでは解説に入ります。
2026年7月11日、Appleは自社の元従業員2名およびOpenAIを相手取り、製品設計データや製造技術などの機密情報を不正に取得・流用したとして提訴しました。Apple側の主張によれば、元ハードウェア開発者のChang Liu氏らが退職時や退職後にもAppleのネットワークにアクセスし情報を引き出したこと、またTang Tan氏が営業秘密の取得を試みたとしています。さらに、これらの機密がOpenAIの消費者向けハードウェア事業に利用されたと訴え、デバイス出荷前の仮処分(差し止め)を求めていました。
この訴えに対し、OpenAIは2026年8月3日に自社ブログで「Apple is getting this wrong(Appleは間違えている)」と題した反論声明を公開しました。声明の中でOpenAIは、Appleの訴訟を「不注意で攻撃的、かつ奇妙なほど個人的なもの」と批判しています。
OpenAI側が提示した証拠によれば、元従業員が退職後にAppleのシステムへアクセスできたのは「Apple自身のアクセス権限管理の不備」によるものであり、むしろAppleの現役従業員側から、業務上のファイルを探すために元従業員へ助けを求めていた通信記録(iMessage等)が存在しています。また、Tang Tan氏に関しても、他社の機密情報を求めず使用しないようチームに明確に指示していたとOpenAIは強調しています。
さらに手続き上の問題として、Appleは「2月にOpenAIへ連絡したが応答がなかった」と主張していましたが、実際にはAppleの外部弁護士が同姓の別人にメールを誤送信していたことが判明。OpenAI側から指摘を受けてAppleもこれを認めていると指摘し、Appleの主張の信憑性に疑問を呈しています。
OpenAIは、「他社の営業秘密には一切関心がない」とし、Appleの仮処分の請求は虚偽の情報に基づく不必要なものだと切り捨てました。AI分野における覇権争いがハードウェア領域にも波及する中、両者の全面対決は業界内外から強い注目を集めています。
今回のエピソードは以上で終了です。また次回お会いしましょう。
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