「みなさんご存知の通り、ハローキティに、口はありません。」
サンリオの公式プロフィールには、ハローキティの本名も、誕生日も、家族構成も、ボーイフレンドの名前まで書いてあります。将来の夢は、ピアニストか詩人。設定はここまで細かいのに、キティが挫折する話も、笑われる話も、どこにも存在しません。
エンタメ業界で15年、IPの仕事をしてきて、この「設定はあるのに物語がない」キャラクターたちのことが、ずっと気になっていました。バービーも、ヒーマンも、出自は同じです。物語を持たないまま、何十年も愛されてきました。
人形やぬいぐるみのいちばん豊かな体験は、物語がないことです。子どもが自分で物語を注ぎ込めるから。ただ、その物語はその子の中にしか残りません。隣の子とも共有されないし、大人になった本人が自分の子どもに手渡すこともできない。空白は、次の世代へ引き継げないんです。
2028年公開予定のハローキティ映画、2026年の実写『マスターズ・オブ・ユニバース』、2023年の『バービー』。この3本を並べて、物語を持たないIPがなぜいま映画をつくるのかを整理しました。答えは「回収」だと思っています。
▼話したこと
・ハローキティの公式プロフィールは細かいのに、物語だけが存在しない理由
・人形やぬいぐるみの最大の体験は「物語がないこと」だという逆説
・子どもがつくった物語は外に出ない。空白は次の世代へ引き継げない
・マテルが1983年にヒーマンのアニメで解いた、玩具原作の最初の答え
・実写ヒーマンのオープニング週末、45歳以上が36%で12歳未満は4%
・バービーは64年ぶんの余白を回収しながら、余白の価値を物語で返した
・劇場は製作費割れでも玩具の出荷は年初来3倍。回収は劇場では測れない
▼note記事
物語を持たないIPが、いま映画をつくる理由。
https://note.com/keke_ent/n/nc33341a9bd4d
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