高千穂さんのご縁です。
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高千穂さんのご縁です。

RKKラジオ 104 Episodes

仏教にまつわる色々なお話を、分かりやすくお話していただく番組です。仏教由来の言葉、豆知識、歴史、迷信、風習、教義、作法などなど。 出演は、熊本市中央区京町にある仏嚴寺の高千穂光正さん。お相手は、丸井純子さん。

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【浄土真宗と聖徳太子(後編)】──親鸞聖人が仰いだ観音の化身

【浄土真宗と聖徳太子(後編)】──親鸞聖人が仰いだ観音の化身

Jun 24, 2026 08:58

🔶親鸞聖人が「和国の教主」と讃えた聖徳太子先週に引き続き、「浄土真宗と聖徳太子」というテーマでさらに深くお話を伺います。日本仏教の恩人である聖徳太子は、浄土真宗の宗祖・親鸞(しんらん)聖人から「和国の教主(わこくのきょうしゅ)」、すなわち「日本におけるお釈迦さま」として深く敬われました。そのお徳を偲び、浄土真宗の寺院の本堂内陣(仏さまが安置されている空間の向かって右側)には、今も聖徳太子の絵像や木像が大切に掲げられています。親鸞聖人の生涯と聖徳太子の間には、聖人自身の歩みを大きく決定づける極めて深い結びつきがありました。🔶『皇太子聖徳奉讃』にみる慈悲の和歌親鸞聖人は、聖徳太子を称える多くの和歌(和讃)を残されており、それらは『皇太子聖徳奉讃(こうたいししょうとくほうさん)』として現代に伝わっています。その中の一首をご紹介します。「救世観音大菩薩 聖徳皇と顕現し 父のごとくに捨てずして 母のごとくに添うたもう」この歌は、「救世観音(くぜかんのん=観世音菩薩)が聖徳太子としてこの世に姿を現し、まるで実の父母が我が子を慈しむように、私たちを見捨てることなくいつも寄り添ってくださっている」という意味です。仏教において観世音菩薩は阿弥陀さまの慈悲の働きを助け、人々の苦しみを救う仏さまです。日本では古くから「聖徳太子は観音さまの化身である」という太子信仰が盛んでしたが、親鸞聖人もまた、太子の中に無限の慈悲を見出されていました。🔶六角堂での夢告とお念仏への導き親鸞聖人が阿弥陀さまの「お念仏のみ教え」に出会う大きな転機となったのも、実は聖徳太子とのご縁でした。聖人は9歳から20年もの間、比叡山で過酷な修行を重ねられましたが、自らの力で煩悩を断ち切ることができず深く悩まれました。そこで29歳の時、意を決して山を降り、太子にゆかりの深い京都の六角堂へ百日間の参籠(さんろう)に入られます。その95日目の暁、聖徳太子の化身である観音菩薩が夢の中に現れ、「示現(じげん)の文」と呼ばれるお告げを授けられました。その内容は、「自力で煩悩を断ち切ろうと苦しむのではなく、ありのままの自分を救い取ってくださる阿弥陀さまにお任せ(他力念仏)しなさい」という、進むべき道を示すものでした。この夢告をきっかけに、聖人は生涯の師である法然(ほうねん)上人のもとを訪ね、浄土真宗の基盤となるお念仏の道へと歩み出されたのです。🔶絵像や彫像にみる太子の真実の姿お寺に安置されている聖徳太子の姿は、私たちがよく知る旧一万円札の烏帽子姿とは異なります。仏教の世界で広く親しまれているのは、髪を左右でお団子のように結った「角髪(みずら)」姿で、「柄香炉(えごうろ)」という仏具を手にした16歳の頃のお姿(孝養像)です。これは、病の床に伏せった父・用明天皇の平癒を心から祈願し、仏法僧の三宝を大切にされた太子の至純な心を写したものです。また、わずか2歳にして東を向いて合掌し、「南無仏(なむぶつ=仏さまに帰依します)」と唱えられた瞬間の愛らしいお姿(南無仏太子像)など、関西をはじめ全国の古いお寺には多様な太子像が残されています。私たちの仏嚴寺にも、そうした歴史の重みを伝える尊い聖徳太子像が大切に受け継がれています。🔶日本人のDNAに息づく仏教の始まり仏教が日本に伝来した当初、それを国家として受け入れるべきか否かを巡り、物部(もののべ)氏(廃仏派)と蘇我(そが)氏(崇仏派)の間で激しい論争と対立がありました。聖徳太子はその対立を乗り越え、仏教の精神を政治と国づくりの根本に据えることで、日本独自の文化の礎を築かれました。もしこれが権力による力ずくの強制であったなら、1500年もの長い間、仏教が民衆に受け入れられ、受け継がれてくることはなかったでしょう。人々が苦しみから救われる道を第一に考えた太子の精神があったからこそ、仏教は日本人の生活や精神の奥深いところ(DNA)にまで溶け込んでいるのです。飛鳥・奈良・平安と時代を経て発展していく日本仏教のすべての始まりの場所には、いつも聖徳太子の温かいまなざしがありました。🔶今週のまとめ【1】親鸞聖人は聖徳太子を「和国の教主」「日本仏教の父」と仰ぎ、真宗寺院の本堂内陣には今も大切に太子の絵像が掲げられています。【2】聖人による『皇太子聖徳奉讃』の和歌では、聖徳太子を観世音菩薩の化身とし、親のように私たちに付き添う慈悲のお姿として讃えています。【3】比叡山での修行に悩んだ親鸞聖人は、六角堂の参籠中に聖徳太子(観音の化身)からの夢告を受け、法然上人のお念仏のみ教えへと導かれました。【4】太子像には、父の病気平癒を祈る16歳の「孝養像」や、合掌して南無仏と唱える2歳の「南無仏太子像」など、信仰に満ちた姿が伝わっています。【5】仏教伝来の論争を経て、太子がみ教えを政治と国づくりの根本に据えたからこそ、仏教は日本人の生活や心に深く根付くこととなりました。次回テーマは「仏教と七夕(たなばた)」です。どうぞお楽しみに。お話は、熊本市中央区京町(きょうまち)にある仏嚴寺(ぶつごんじ)の高千穂光正(たかちほ こうしょう)さん。お相手は丸井純子(まるい じゅんこ)でした。

【聖徳太子】──日本仏教の父と「和国の教主」の精神

【聖徳太子】──日本仏教の父と「和国の教主」の精神

Jun 17, 2026 08:57

🔶厩戸皇子から聖徳太子へ、激動の時代と仏教伝来近年、学校の教科書などでは当時の名である「厩戸皇子(うまやどのおうじ)」という表記が増えていますが、没後に「聖徳太子」の諡号(しごう)が贈られたこの方は、日本の仏教史上、極めて重要な人物です。浄土真宗の宗祖・親鸞聖人は、太子を「和国の教主(わこくのきょうしゅ)」、すなわち「日本の釈尊(お釈迦さま)」であると深く崇め奉りました。そのため、真宗の寺院の本堂内陣(向かって右側)には必ず聖徳太子の絵像や木像が安置されており、今も大変大切にされています。仏教が日本に伝来した時期には、公伝とされる538年や『日本書紀』に記された552年など諸説ありますが、その少し後の574年、用明天皇の第二皇子として太子は誕生されました。当時は、百済などから伝わった未知の教えである仏教を受け入れるべきか否かという「崇仏論争」が激化していた、まさに激動の時代でした。🔶十七条憲法に込められた「篤く三宝を敬え」の精神わずか20歳で推古天皇の摂政となった聖徳太子は、政治の根本に仏教の精神を据え、国家の基盤づくりに尽力されました。西暦604年に制定された「十七条憲法」の第二条には、「篤く三宝(さんぼう)を敬え。三宝とは仏・法・僧なり」と記されています。ここでいう「僧」とは、単に個人の僧侶を指すのではなく、サンスクリット語の「サンガ(ともに仏教を学ぶ仲間の集い・教団)」を意味します。太子は、蘇我馬子(そがのうまこ)らと共に仏教を国教的なよりどころとすることで、人々が争いをやめ、互いを尊重し合える平和な国を目指されたのです。🔶冠位十二階と法隆寺・四天王寺の建立にみる平等思想太子の功績である「冠位十二階」の制定も、非常に仏教的な平等精神に基づいています。それまでの家柄や身分による世襲制を排し、個人の才能や功績に応じて役職(冠位)を与えるというこの制度は、全ての人が平等に仏性(ぶっしょう)を持つという仏教の教えに通じるものがあります。また、父である用明天皇の遺志を継ぎ、推古天皇と共に建立した「法隆寺」をはじめ、日本最古の官寺である「四天王寺」など、多くの寺院を建立されました。この大規模な建築事業の功績から、聖徳太子は現代でも大工や建築職人の世界において「職人の守護神」として尊ばれています。江戸時代には、熊本の細川藩の武家屋敷が建てられた際にも、工事の安全を祈願して聖徳太子像が奉納されるなど、地域を超えた篤い信仰を集めました。🔶烏帽子姿ではない、お寺に伝わる太子の真実の姿かつてのお札に描かれていた烏帽子(えぼし)に笏(しゃく)を持った聖徳太子の肖像画は、後世に描かれたイメージ図です。仏教の世界や古くからのお寺で一般的に安置されている太子の姿は全く異なります。幼少期の姿を描いた、頭髪を左右で結ったお団子のような「角髪(みずら)」姿の像や、わずか2歳の時に東を向いて「南無仏(なむぶつ)」と唱えられたお姿を模した、上半身裸の「南無仏太子像」、16歳の時に父の病気平癒を祈った「孝養(くよう)像」など、多様な重要文化財の姿が今に伝わっています。私たちの仏嚴寺にも、そうした古い歴史を持つ由緒ある聖徳太子像が大切に受け継がれています。🔶今週のまとめ【1】聖徳太子(厩戸皇子)は、親鸞聖人から「和国の教主」と称えられた日本仏教の恩人であり、真宗寺院の本堂にも必ず安置されています。【2】十七条憲法で説かれる「三宝(仏・法・僧)」の「僧」とは、単なる僧侶ではなく、共にみ教えを学ぶ仲間(サンガ)を指しています。【3】冠位十二階の制定や法隆寺・四天王寺の建立には、身分に捉われず人々が共に手を取り合うという仏教の平等精神が活かされています。【4】聖徳太子は建築・大工の世界でも守護神として尊ばれており、熊本の細川藩をはじめ全国各地に太子信仰の形が残されています。【5】お札の烏帽子姿は後世の肖像であり、お寺では幼少期の「南無仏太子像」など、み教えを象徴するお姿で親しまれています。次回テーマは「浄土真宗と聖徳太子(後編)」です。どうぞお楽しみに。お話は、熊本市中央区京町(きょうまち)にある仏嚴寺(ぶつごんじ)の高千穂光正(たかちほ こうしょう)さん。お相手は丸井純子(まるい じゅんこ)でした。

【仏教と蓮】──泥中に咲く「妙好人」 み教えの光

【仏教と蓮】──泥中に咲く「妙好人」 み教えの光

Jun 10, 2026 09:03

🔶泥中から清らかに咲き誇る悟りのシンボル暑い季節を迎えると、水面に美しく大輪の花を咲かせる「蓮(はす)」は、仏教において最も象徴的な植物です。お釈迦さまが誕生されたインドの国花でもあり、仏教では「悟り」や「清らかさ」の象徴とされてきました。蓮は濁った泥の中から茎を伸ばし、泥に染まることなく清浄な花を咲かせます。この姿が、迷いや苦しみに満ちた現実世界(泥)にありながら、それに決して染まらずに清らかな智慧と慈悲(花)を開かせる仏さまの悟りの姿に重ねられているのです。🔶『阿弥陀経』が説く「みんな違ってみんないい」の世界浄土真宗で大切にされる『仏説阿弥陀経(ぶっせつあみだきょう)』には、お浄土の池に咲く蓮の様子が「池中蓮華 大如車輪 青色青光 黄色黄光 赤色赤光 白色白光 微妙香潔(ちちゅうれんげ だいにょしゃりん しょうしきしょうこう おうしきおうこう しゃくしきしゃくこう びゃくしきびゃくこう みみょうこうけつ)」と描かれています。青い花は青い光を、黄色い花は黄色い光を、それぞれがそのままで輝き、気高い香りを放っています。これは「十人十色」の言葉通り、私たちは誰一人として同じではなく、それぞれが「ありのままの姿」で阿弥陀さまの救いの目当てとなり、お浄土で輝かせていただけるという平等の教えを表しています。🔶衆生を救うために一歩を踏み出す前傾姿勢阿弥陀如来の立像(立ち姿)を拝すると、蓮の花の台座(蓮台)の上で、少し前方に傾いた「前傾姿勢」をとられていることに気づきます。これは、苦しみの中にある私たちを「必ず救い取る、一刻も猶予していられない」と、座って待つことすらできずに、今すぐこちらへ一歩を踏み出そうとされている慈悲の躍動的なお姿を表しています。どんな時でも私の方を向き、至り届いてくださる阿弥陀さまの強いお心が、その立ち姿に具現化されているのです。🔶金子みすゞの詩「蓮と鶏」に響く阿弥陀さまの働き浄土真宗の教えに出会い、お念仏を喜びながら人生を歩んだ人々を、仏教では白い蓮華に例えて「妙好人(みょうこうにん)」と称します。26歳という短い生涯を駆け抜けた詩人・金子みすゞさんもまた、真宗のご門徒の家庭に育ち、その豊かな感性で教えを表現した妙好人の一人といえます。彼女の詩「蓮と鶏(にわとり)」にこうあります。泥の中から蓮が咲く。それをするのは蓮じゃない。卵の中から鳥が出る。それをするのは鳥じゃない。それに私は気がついた。それも私のせいじゃない。蓮が咲くことも、雛が生まれることも、自分の力ではなく自然(じねん)の大いなる働きによるものです。そして「私が今、お念仏を称える身にさせられている」のも自分の力ではなく、前傾姿勢で私を包み込んでくださる阿弥陀さまの「お働き(本願力)」によるご縁だったのだという、深い感謝と喜びがこの詩の背景には息づいています。🔶「さびしいとき」の詩にみる摂取不捨の慈悲もう一つ、彼女の代表的な詩に「さびしいとき」があります。私がさびしいときに、よその人は知らないの。私がさびしいときに、お友だちは笑うの。私がさびしいときに、お母さんはやさしいの。私がさびしいときに、ほとけさまはさびしいの。周囲の人がどれだけ寄り添ってくれても、孤独や悲しみを完全に分かち合うことは困難です。しかし、仏さまだけは、私の寂しさをそのままご自身の寂しさとして受け止め、絶対に孤独にはさせない。「摂取不捨(せっしゅふしゃ=おさめとって見捨てない)」という阿弥陀さまの慈悲のぬくもりを、みすゞさんは「ほとけさまはさびしいの」というあまりにも純粋な言葉で表現しました。頭での理解を超え、自らの言葉として阿弥陀さまの真実に出会っていった金子みすゞさんの詩は、今を生きる私たちの心にも、温かい一輪の蓮華を咲かせてくれます。🔶今週のまとめ仏教において蓮の花は、濁った泥の中から清らかな花を咲かせる「悟り」と「清浄」の象徴です。『阿弥陀経』の「青色青光…」の一節は、一人ひとりが個性を保ったありのままの姿で救われていく平等の世界を示しています。阿弥陀如来の立像が前傾姿勢なのは、苦しむ私たちを救うため、今すぐに向かおうとされている慈悲の表れです。真宗門徒であった金子みすゞさんは、お念仏の喜びを詩に託した「妙好人」ともいえる尊い存在です。「蓮と鶏」や「さびしいとき」といった詩の背景には、阿弥陀さまの「お働き」や「摂取不捨」の慈悲が深く息づいています。次回テーマは「聖徳太子(しょうとくたいし)」です。どうぞお楽しみに。お話は、熊本市中央区京町(きょうまち)にある仏嚴寺(ぶつごんじ)の高千穂光正(たかちほ こうしょう)さん。お相手は丸井純子(まるい じゅんこ)でした。

【雨と仏教】──一水四見の智慧と心の安居

【雨と仏教】──一水四見の智慧と心の安居

Jun 3, 2026 09:01

🔶唯識が説く一水四見の教え仏教の「唯識(ゆいしき)」という思想の中に、「一水四見(いっすいしけん)」という言葉があります。これは「一つの水であっても、見る者の立場や境遇によって四つの異なる見え方をする」という意味です。例えば、天上の世界に住む「天人(てんにん)」には美しく透き通った瑠璃(宝石)のように見え、私たち「人間」にはそのままの水に見えます。また、「魚」にとっては大切な住処(すみか)であり、飢えと渇きに苦しむ「餓鬼(がき)」にとっては、燃え盛る炎や恐ろしい膿(うみ)の川に見えるとされています。この教えは、私たちが生きる現代社会にも深く通じています。同じ「雨」であっても、仕事や立場、環境が変われば、その捉え方や意味合いは大きく異なります。私たちは誰もが自分自身の価値観や境遇というフィルターを通して世界を見ており、「私の見えている世界がすべてではなく、他者には全く違う世界が見えているかもしれない」と気づくことが、他者を尊重し共生していくための第一歩となります。🔶雨季の修行から生まれた「安居」の伝統仏教の母国であるインドには、激しい雨が降り続く長い雨季(うき)があります。お釈迦さまの時代、古代の仏教教団では、この雨季の期間は外での移動や修行を行いませんでした。雨季は多くの小さな生き物たちが地表に這い出してくる時期であり、外を歩き回ることで、それらの尊い命を誤って踏み潰してしまう恐れがあったからです。そこで、僧侶たちは一カ所に集まり、外出を控えて熱心に勉強会や修行を行いました。このサンスクリット語で「ヴァルシャ」と呼ばれる雨季の引きこもり修行を、漢字では「安らかに居る」と書いて「安居(あんご)」と言います。現在でも、浄土真宗本願寺派をはじめ日本の多くの仏教教団において、この伝統を受け継いだ安居が開催されており、仏教の歴史の中で学問や教理が深く発展していくための極めて重要な契機となりました。🔶スマホ社会と読書(晴耕雨読)の大切さ雨のために外へ出られない時期は、古くから「晴耕雨読(せいこううどく)」と言われるように、静かに本を開き、学問や読書に励むのに最適な時間です。現代はスマートフォンや電子書籍が非常に便利になり、いつでも手軽に情報を得られるようになりましたが、ともすれば自ら腰を据えて紙の本を読む時間が疎かになりがちです。画面をスクロールしてピンポイントの答えだけを拾い上げるネット検索とは異なり、紙の本をめくる読書には、予期せぬ言葉や思想との豊かな出会いがあります。例えば、紙の辞書を引くとき、目的の単語の周囲にある別の言葉がふと目に留まり、それが新たな知識として蓄積されていくような面白さがあります。雨の季節こそ、デジタルから少し距離を置き、自らの手でページをめくる時間を大切にしたいものです。🔶AI時代の情報収集と自ら考える力近年はAI(人工知能)の進化によって、私たちが検索すらする必要のない時代が到来しています。問いかければ一瞬でデータをまとめ、完璧な文章や原稿を作成してくれる非常に便利なツールです。実際に、日々の正確なデータ整理などにAIを活用することは有意義ですが、すべてを依存してしまうことには危うさも潜んでいます。人間は、どうしても楽な方へと流されてしまいがちな存在です。だからこそ、効率的に得られる答えだけに満足せず、立ち止まって「自分の頭でじっくりと考える」プロセスを失ってはなりません。雨で外に出られない静かな時間は、効率性を求める日常から離れ、自らの内面を見つめ直し、知識を深くインプットするための貴重な「安居」の時間となるのです。🔶多様な視点から仏教を学ぶ読書の歓び読書を通じて見識を広げることは、自分の狭い殻を打ち破るきっかけをくれます。例えば、日本を代表する哲学者・西田幾多郎(にしだ きたろう)の代表作である『善の研究(ぜんのけんきゅう)』や、仏教学者であり哲学者でもある鈴木大拙(すずき だいせつ)の著作は、西洋哲学と東洋の仏教思想を対比させながら、深い知恵を私たちに授けてくれます。また、民俗学の創始者である柳田國男(やなぎた くにお)の視点から仏教を紐解くことも、日本人の信仰や生活の根底にある豊かな繋がりを教えてくれます。インターネットの世界は、個人の好みに合わせた情報ばかりが流れてくるため、油断すると自分の思想が凝り固まってしまいます。本という開かれたメディアを通じて、自分とは異なる立場や全く新しい視点に触れること。それこそが、一水四見の教えにあるような「多面的なまなざし」を養い、心を柔軟に保つための素晴らしい営みなのです。🔶今週のまとめ同じ水でも立場によって見え方が変わる「一水四見」の教えは、他者との価値観の違いを理解する智慧を伝えています。インドの雨季に生き物を踏まないよう一カ所にこもった「安居」は、仏教の学問が発展する重要な契機となりました。スマホやAIの利便性に頼りすぎず、雨の時期こそじっくりと読書をして自ら考えるインプットの時間が大切です。西田幾多郎の『善の研究』や鈴木大拙、柳田國男の著作のように、多様な角度から仏教や人間の営みを見つめ直すことが見識を広げます。心の凝り固まりをほぐすために、インターネットの枠を超えて多様な視点や言葉に触れることが現代を生きる支えとなります。次回テーマは「仏教と蓮(はす)」です。どうぞお楽しみに。お話は、熊本市中央区京町(きょうまち)にある仏嚴寺(ぶつごんじ)の高千穂光正(たかちほ こうしょう)さん。お相手は丸井純子(まるい じゅんこ)でした。

【お寺の掲示板】──門前から響く「現代のメディア」

【お寺の掲示板】──門前から響く「現代のメディア」

May 27, 2026 08:58

🔶お寺の掲示板の由来と伝道の役割お寺の門前に必ずといっていいほど設置されている掲示板は、単なる行事案内(広報)以上の大切な役割を担っています。これらは「伝道掲示板(でんどうけいじばん)」と呼ばれ、明治時代、浄土宗がキリスト教の熱心な伝道活動に影響を受け、仏教の教えを広く一般に伝えるために始めたのがきっかけといわれています。門信徒のみならず、お寺の前を通りがかる人々の目にも留まるよう、仏教の智慧や心のあり方を短く、鋭い言葉で貼り出したのが、現代の形へと受け継がれました。🔶「輝け!お寺の掲示板大賞」の広がり2018年より、公益財団法人「仏教伝道協会(BDK)」が主催している「輝け!お寺の掲示板大賞」が大きな話題を呼んでいます。SNSの普及により、全国各地のお寺に掲げられたユニークで深い言葉が「バズる」ようになり、ありがたさやインパクト、ユニークさを競うコンテストとして定着しました。これにより、お寺の掲示板は「現代のメディア」として、若い世代を含む幅広い層に仏教の視点を届ける窓口となっています。🔶心に刺さる掲示板の言葉たち昨年の大賞(2025年)に選ばれたのは、鹿児島県南さつま市の浄土真宗本願寺派・顯證寺(けんしょうじ)の言葉でした。「自分ファースト」という貧しさ「自分さえ良ければいい」という独りよがりな心を鋭く指摘し、他者への思いやりを問いかける作品です。また、第1回(2018年)の記念すべき大賞作品は、岐阜県郡上市の願蓮寺(がんれんじ)によるものでした。「おまえも死ぬぞ」釈尊衝撃的な一文ですが、これは初期仏典『相応部経典(サンユッタ・ニカーヤ)』にある「生まれたものが死なないということはあり得ない」というお釈迦さまの言葉を、直截的に表現したものです。限られたスペースで、いかに真理を伝えるかという知恵が凝縮されています。🔶仏嚴寺の掲示板に込める願い私自身、仏嚴寺の掲示板に言葉を書く際は、特に「車からでも読みやすいこと」を意識しています。道路沿いという立地を活かし、大きな文字で、時には漢字一文字でメッセージを届けます。例えば「願(がん)」という一文字を掲げた際は、浄土真宗の根本である「阿弥陀如来の四十八願」や、平和への願いなど、見る人の心に「考察」を促すことを意図しました。かつて祖父が書いた「いのち のびのび」といった、ひらがな主体の柔らかい表現もあり、掲示板にはそのお寺や住職の「カラー」が如実に表れます。🔶門前から始まる仏教との対話お寺の掲示板は、日常生活の中でふと立ち止まり、自分を見つめ直す「心の鏡」のような存在です。最近では切り絵やイラストを添えたり、謎解きのような深い言葉を掲げたりするお寺も増えており、掲示板を通じて住職との対話や交流が生まれることもあります。掲示板の言葉を見て「どういう意味だろう?」と興味を持たれたら、ぜひ気軽にお寺の門を叩いてみてください。その一言が、仏教という深い智慧の世界への入り口になるはずです。🔶今週のまとめお寺の掲示板は「伝道掲示板」と呼ばれ、明治時代にキリスト教の影響を受けて、教えを広めるメディアとして始まりました。「輝け!お寺の掲示板大賞」をきっかけに、ユニークで深い言葉がSNSで注目され、仏教の智慧が身近なものとなっています。顕正寺の「自分ファーストという貧しさ」や願蓮寺の「おまえも死ぬぞ」など、短い言葉の中に仏教の本質が込められています。掲示板は車から見やすい文字の大きさや、見る人が考察できる言葉選びなど、お寺ごとの個性や願いが反映されています。掲示板の言葉をきっかけにお寺に立ち寄るなど、門前を起点とした地域との交流も大切にされています。次回テーマは「雨と、仏教」です。どうぞお楽しみに。お話は、熊本市中央区京町(きょうまち)にある仏嚴寺(ぶつごんじ)の高千穂光正(たかちほ こうしょう)さん。お相手は丸井純子(まるい じゅんこ)でした。

深井・けんすうのまぼろし会議

深井・けんすうのまぼろし会議

深井龍之介とけんすうによる、1週間で消えるポッドキャストです。その時々で2人が話したいことを喋ります。 # 利用規約はこちら https://coten.co.jp/blog/news/2638/ #視聴金額 66万円(税込) # Podcastに出ている人 深井龍之介:株式会社COTEN(⁠https://coten.co.jp/⁠)代表取締役。 けんすう:起業家・エンジェル投資家・ アル株式会社(⁠https://alu.co.jp/⁠)代表取締役。 https://listen.style/p/maboroshi_kaigi?1WKenxzH

近藤淳也のアンノウンラジオ

近藤淳也のアンノウンラジオ

株式会社はてな創業者であり現在もITの第一線で働く近藤淳也が、京都の宿UNKNOWN KYOTOにやって来る「好きなことを仕事にしている人」を深堀りすることで、世の中の多様な仕事やキャリア、生き方・働き方を「リアルな実例」として紐解いていきます。 . 【ホスト:近藤淳也】 株式会社OND代表取締役社長、株式会社はてな取締役、UNKNOWN KYOTO支配人、NPO法人滋賀一周トレイル代表理事、トレイルランナー。 2001年に「はてなブログ」「はてなブックマーク」などを運営する株式会社はてなを創業、2011年にマザーズにて上場。その後2017年に株式会社ONDを設立し、現在もITの第一線で働く。 株式会社OND: https://ond-inc.com/ . 【UNKNOWN KYOTO】 築100年を超える元遊郭建築を改装し、仕事もできて暮らせる宿に。コワーキングやオフィスを併設することで、宿泊として来られる方と京都を拠点に働く方が交わる場所になっています。 1泊の観光目的の利用だけではなく、中長期滞在される方にも好評いただいています。 web: https://unknown.kyoto/ . こちらから本文を読んだりコメントが書けます! https://listen.style/p/unknownradio

IBUKI STATION

IBUKI STATION

ここはアウトドア向けGPSトラッキング「IBUKI」にまつわる人々が集まる場所。 トレイルラン、登山、冒険、ランニング、自転車、ロゲイニング、、 スタイルは数あれど、共通しているのは自然を楽しみ、そして人とのつながりも楽しむ姿勢。 自然を目一杯楽しみ、苦しみながら、人と接する喜びにも気付く。 アウトドアを満喫するみなさんが、ほっとできるIBUKI STATIONです。 IBUKI https://ibuki.run/ 近藤淳也 IBUKIを提供する株式会社OND代表。ポッドキャストプラットフォーム「LISTEN」も展開 桑原佑輔 OND所属。IBUKI事業担当営業・テクニカルディレクター 中川和美 OND所属。IBUKI担当。トレイルランナー

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Dos Monosの荘子itと哲学者の福尾匠によるPodcast 毎週月曜更新。 📍番組のフォローをお願いします ・ Spotify ・Apple Podcasts 📣疎の街 ⁠⁠コチラ⁠⁠からお越しください 📍X シットとシッポ @shitshippo 荘子it @ZoZhit 福尾匠 @tweetingtakumi

桃山商事

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コミュニケーション、男性性、恋愛、人間関係、ジェンダー、ケア、孤独、性欲、会社、友情、老い……メンバーがその時々で気になったテーマを1つ設定して、モヤモヤを言語化していくNEOな座談Podcastです。2011〜2016年「二軍ラジオ」(ApplePodcast)、2017〜2024年「恋愛よももやまばなし」(ニコ生→Podcast)を配信していました。清田隆之(文筆業)、森田(会社員)、ワッコ(会社員)、さとう(会社員)の4人でお届けします。

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