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心理師わたるんの働くをカウンセリングするチャンネル。今回は、過剰適応についてお話しします。
みなさん、1週間お疲れ様でした。公認心理師・臨床心理師のわたるんと申します。
このチャンネルでは、みなさんの週末のお時間を少ーしだけいただいて、就職や復職など働くのサポートをしてきたカウンセラーが、
主に社会人の方々に役立つようなカウンセリングの豆知識や、心理師のあれこれを簡単にお伝えしていきます。
前回、同調圧力という、人が集団でいるとどのようなことが起こるのかについての豆知識を一つ紹介させていただきましたが、
いやー、ありがたいことに反響が大きくてですね。やっぱり組織や仲間の中にいることで感じる違和感って、みんな持っているものなんだなぁと、僕だけじゃないんだなぁというか、改めて実感したところです。
そして、その違和感を持ちながらもしっかりとその組織や仲間の中にいて、輪を乱さずに頑張っている方が多いんだろうなぁと感じています。
僕はそういうことは嫌いというか苦手ですぐにボロが出るので、純粋にそういう方は尊敬します。なんだかんだ人一人でできることって限られてますからね。
とはいえ、その組織や仲間の風潮や雰囲気、期待に合わせすぎようとするのは、それはそれでその人にとって良くないと言われています。
自分の気持ちやりたいことを押し殺して周りに合わせていることってめっちゃストレスかかるっていうのは、皆さんよくわかるところじゃないでしょうか。
これですね、心理の世界では過剰適応という言葉で扱われていることが多いです。
というわけで今回は前回のちょっとした続きものとして、過剰適応というものについて詳しく話していこうと思います。
過剰適応というのは、論文から引用した定義では、ちょっと堅いんですが、環境からの要求や期待に個人が完全に近い形で従おうとすることであり、
内的な欲求を無理に抑圧してでも外的な期待や要求に応える努力を行うことです。
今までいろんな先生たちが研究をしてきた概念でぼやっとしているところもあるんですが、今はこんな定義で定着しているようです。
要は、めっちゃ無理して周りに合わせること、ですね。
過剰適応という言葉自体は、1965年くらいからなんとなく日本でそれっぽい概念が出てきているようです。
1965年といったら、日本の高度経済成長の真っ只中ですから、それこそ自己を捨てた企業戦士が頑張りまくっていたのかもしれないですね。
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ちなみに今は、社会人だけじゃなくて、中学生とかを対象にした過剰適応の研究もあったりします。
発達心理学的にも、周囲から自分がどう見られるかというのをより強く意識し始めるのが中学生くらいと言われています。
割と僕たち人間は早い段階で集団との折り合いに悩まされるようですね。
自分の中学生の頃を思い出すとですね、なんかわかる気がしませんか?
ちなみに僕は中学生の頃は絶賛中二病で、周りからどう見られるのかっていう気持ちが強すぎてこじれていたので、すごくわかるし、すごくなんかこう思い出すと恥ずかしいですね。
いろんなかっこいいアニメキャラに自分を重ねていました。黒歴史ってやつですね。
ちょっとこれ以上は僕のメンタルに悪影響を及ぼすので、これくらいにしておきます。
それでこの過剰適応の傾向が強いとどうなるのか。
つまり自分の言いたいことややりたいことを押し殺して周りに無理して合わせようとしすぎるとどうなるかという研究もあったりします。
そうですね。まず一番取り上げないといけないところは、過剰適応傾向と抑鬱傾向が性の相関。
つまり自分を押し殺すほど気分が落ち込むよ、もしくは気分が落ち込むほど自分を押し殺すよという結果が出ているので、
過剰適応している人は気分が落ち込んでいる人が多いことがわかっています。
そしてこれは鬱病とか適応障害といった精神疾患につながり得るリスクがあります。
こうなってくるとなかなか集団に適応するっていうのも難しい問題ですね。
ただ単に自分を押し殺して周りに合わせていればうまくいくというのであればある種シンプルなんですが、やっぱり自分のことも大事にしないといけないみたいです。
さて皆さんはどうでしょうか。いつ頃から周りに合わせることの窮屈さみたいのを感じ始めたでしょうか。
そして今周りと合わせることに窮屈さを感じてますでしょうか。
ちょっと胸に手を当てて、しっかりご自分の気持ちに耳を傾けてみてください。
こんな風に本当に自分の気持ちに気づこうとするだけでも心持ちは違ってくるはずです。
ちなみに僕は無理しているなぁと感じているし、一方で周りに完璧に合わせようとすることを諦めている部分もあります。
不器用なのでね。まあでもある程度諦めていることが逆に自分の心のバランスを保てているようにも感じています。
ちなみにこれは本筋から少し離れるんですが、
1日15分ぼーっとする時間を作るだけでも気分は変わってくるんですよというのを別の先生が話していました。
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今回の過剰適応と関係があるかはわかりませんが、
時にはやっぱり自分が自分でいられる時間を作っていくことが大事なのかもしれないなぁと思ってます。
それはぼーっとするでもいいですし、ゲームをするでもいいし、スポーツをするでもいいし、何でもいいんじゃないかなと思います。
いろんな自分らしさがありますからね。
さてみなさん、今回はいかがでしたでしょうか。
前回の続きものということで、前回の最後と同じことを言いますが、
組織の一員である以上、組織のルールや雰囲気に巻き込まれるのは仕方ないですし、
それがよく働くことも多いかと思いますが、
もし周囲の雰囲気に合わせようとしすぎてしんどい思いをしていたら、今回の話を思い出していただければ嬉しいです。
では今回はひとまずここまで。おやすみなさい。
ご視聴ありがとうございました。