1. 心理師わたるんのカウンセラジオ
  2. 70.「自分探し」の楽しみ方ー..
2023-11-03 08:54

70.「自分探し」の楽しみ方ーモラトリアムと行動実験について解説ー

要約:「モラトリアム」とは、自分が人生でやりたいこと、成し遂げたいことがわからない状態をいいます。誰もが通る道ですが、ともすると大人になり切れずにうろうろして、自立に問題を抱えることもあります。モラトリアムは「自分探し」とも言われますね。

自分を見つけるには、行動と振り返りあるのみ、と思います。行動した結果が失敗でも自分探しのための収穫と捉えられれば、その過程も楽しめるんじゃないかと。これを僕ら心理士は「行動実験」と呼んでいます。


前に配信した「67.働くことは好きですか~自分のやりがいってなんだろう~」でちらっと触れた「モラトリアム」。今回はその解説と私見をお話ししていこうと思います。

何なら僕も細かいとこではモラトリアムやってます。今後のキャリアとか、このPodcastとか(笑)ただ、それはやって収穫を得ながら決めていくものかなとも思ったり。


このチャンネルで取り上げてほしいこと、心理士にきいてみたいこと、エピソードのご感想などあれば、こちらのお便りフォームまでメッセージをお願いします!

https://forms.gle/sCeHYKuZZvqn8hKM8

X(twitter)でもぼそぼそつぶやいてます。

https://twitter.com/wata_lune

00:00
心理師わたるんの働くをカウンセリングするチャンネル。 今回は、一度は皆さん聞いたことがあるはず、自分探しについて解説していきます。
皆さん、今週も1週間お疲れ様でした。公認心理師・臨床心理師のわたるんと申します。 このチャンネルでは、あなたの週末のお時間を少しだけいただいて、就職や復職など
働くのサポートをしてきたカウンセラーが、主に社会人の方々に役立つような カウンセリングの豆知識や心理師のあれこれを簡単にお伝えしています。
いきなりなんですが、このチャンネルを聞いていただいている方々の年齢層の割合を改めて確認したんですけれども、それがですね、
35歳から59歳の方で6割を占めるそうです。 僕としても、働くをカウンセリングすることを意識していますから、
その年齢層の方々に聞いていただけるのは想定通りというか、とてもありがたいことです。 あとはあれですね、そもそもポッドキャストを聞いている方の年齢層がそこに偏っているという可能性も、
もしかしたらあるかもしれないですね。 で、残りの4割はそれよりも上か下かということになるんですが、
その中の3%がですね、18歳から22歳の方なんですね。 いや、わずかではあるんですけれども、その年齢層の方にとって働くというのはまだ未来のことかもしれないですけど、
興味を持って聞いていただけるのもとても嬉しいです。 そんで、今回はその18歳から22歳の方にはタイムリーなお話で、
それ以上の方、35歳から59歳の6割の方には、 ああまあそんな時期もあったなぁと思えるようなお話をします。
それはズバリモラトリアム、言い換えると自分探しですね。 モラトリアムというのはエリック・H・エリクソンという先生が作った言葉で、
自分が何者か自分はどういう人間かを探すための人生の中の猶予期間のことを言います。 ちなみに自分は何者か自分はどういう人間かという概念そのものについては
アイデンティティという言葉があります。 アイデンティティは皆さん聞いたことはあるかもしれないですね。
これもエリクソン先生の作った言葉で、 俺はこういう人間でこういうことが好きでこれが嫌いで人生ではこういうことを
成し遂げようと思っていて、とかそういう自分について確立しているかどうかということを言います。
モラトリアムはそれを固めるための猶予期間、アイデンティティを固めていくための時期ということですね。
03:03
ちなみにエリクソン先生は前回の夢のエピソードで登場したフロイト先生の娘さんで、精神分析科のアンナフロイト先生のお弟子さんです。
なんか歴史の資料みたいですね。 モラトリアムは基本的には青年期、ちょっと時代的に古い資料なんですが、
だいたいそれこそ18歳から20歳で固まっていくと言われています。 まあでも今の時代いろいろと多様化してますからね。
もう少し長いモラトリアムが保証されている印象がありますし、何ならいつからでもアイデンティティって組み直せる時代なんじゃないかなとさえ思っています。
ちょっと話が逸れましたが、ただモラトリアムが長ければ長いほど、それはそれで良くないことも出てきます。
そうですね。モラトリアムが長い、つまり自分はこういう人間だというのが固まっていない状態が続くわけですから、
わかりやすい例で言うと、定職に就かないとか仕事に就かないとかっていうのは典型的にモラトリアムが悪さしている例かなと思います。
ここからはだいぶ僕の試験が入るんですが、モラトリアム自体は悪いことではないんですが、そこでの期間を有効活用できないのはもったいない良くないことかなと思います。
それは具体的には行動しないことと、行動しても自分の経験を振り返らないことかなと思います。
逆を言うと、行動して行動を振り返ることがアイデンティティを固める、モラトリアムを楽しく解決するのに大事かなと思っています。
例えば、なんかよく聞くのは、自分探しのためにインドに行くみたいなことあるかと思うんですけれども、そういうでも何でもいいからいろんなことを経験していくことって大事なことだと僕は思うんですね。
仕事でもそうですけど、自分が嫌だなって思ってたものでも、いざやってみると意外と楽しかったり、思ってたより苦しくなくできたりとか、今聞いてるあなたもそういうことあったんじゃないかなと思います。
もちろん逆もしかりで、やってみたら意外とつまんなかったとか、合わなかったとかあると思うんですけれども、それはやってみないとわからないことという点では収穫だと思うんですね。
だからまず、行動することが一つ大事で、それでもう一つ大事なのは、今までの経験をちゃんと振り返ることってことなんですね。
振り返らないと、せっかく行動した経験がそのまま過ぎていってしまいますからね。
それは自分の好きを振り返るだけじゃなくて、嫌いとかできるけどきついとか、そういう微妙なラインも含めて把握することと個人的には思います。
好きと嫌いは表裏一体な面もありますから、何かをやってみて自分にとって合わなかった嫌いという体験は失敗ではなくて、これは自分に合わないということを学んだとも言えます。
06:05
こんなふうにいろんな経験をして振り返っていく中で、俺はこういう人間で、こういうことが好きで、これが嫌いで、人生ではこういうことを成し遂げようと思ってて、みたいなアイデンティティが固まっていくんじゃないかなと思います。
それでこんなふうに考えるのはちゃんと根拠があってですね、カウンセリングでは頭で考えてもわからないことはリスクの取れる範囲で行動実験というのをしてみて、どうなるかを試してみるというアプローチをすることもあるんですね。
このアプローチは実験をやってみた時点で大成功で、やってみてうまくいかなくても、それはそれで収穫という捉え方をするんです。
わりかしやってみて、行動してみて失敗したときって、ああダメだった、自分はやっぱりダメだなーって思いがちかと思うんですけれども、そうではないんですね。
この失敗っていうのは収穫にならなかったっていうものではなくて、これは自分にとってうまくいかないという自分の一面を知れたということなんです。
どうでしょう?なんとなくイメージできますでしょうか? ちなみに僕のキャリアもそんな感じです。
最初は具体的になりたい姿があったわけではなくて、割と漠然と心理師になりたいなぁと思いながら、その他は置かれた場所で頑張りながら固めていって、今があります。
それでまあそこそこ納得いってます。 さて今回のお話、リスナーの3%の20代周辺の皆さん、もしくは大多数6割の社会人の皆さん、どう感じましたでしょうか?
これはですね、アイデンティティとかモラトリアムとかそういう大きな話だけじゃなくて、頭で考えてもどうにもならないことは行動実験、つまり少しリスクをとって行動すると、なんか違う景色が見れるかもしれないよというお話なんです。
そうですね、例えば20代周辺の皆さんに焦点を改めて当てると、自分で考えるよりも行動しようという点では、
例えば就職の話だったら進路相談の精選とか、大学のキャリアセンターで相談っていうのは良いかもしれないですね。
今回の話を聞いてみてそうだなぁと思ったら、ぜひ一歩前に進んでみて試行錯誤を楽しんでくださいね。
では今回はここまで。おやすみなさい。ここまで聞いてくれてありがとうございました。また来週をお楽しみに。
08:54

コメント

スクロール