HII-Aロケットで打ち上がるX線天文衛星XRISMが解き明かす3つの宇宙のナゾ。3つ目は「時空の果て」。ブラックホールが歪める世界の果てに何があるのか?
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ソース
Credit :NASA/JAXA
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1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております、宇宙話。 今回も、日本が世界一の座にまたつく
X線天文衛星、XRISMが打ち上がるまでの大特集というところで、 XRISMが解き明かそうとしている3つの大きな宇宙の謎、
その3というところで、ブラックホールが歪める時空の果てを目指していく、 そんな研究の内容をお話ししていきたいと思います。
今、X線天文をリードしている人たちが、若手の頃、30年前に発見された その科学的成果の片鱗を、今、全容を解き明かす、そんなタイミングが来たというね
歴史から紐解ける、ブラックホールが歪める世界の話をしていこうと思っておりますので、 ぜひ最後までお付き合いください。
3、2、1、イギネション、ギャラリー、スペース、ブラックホール、ジャパン、
佐々木亮の宇宙話
2023年8月29日、始まりました佐々木亮の宇宙話。 このチャンネルでは、1日10分、宇宙時間をテーマに、天文学で博士号を取得した専門家の亮が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
本日でエピソードが1055話目を迎えております。 基本的には1話完結で、どのエピソードから聞いていただいても楽しめるように作っておりますが、
今、真っ只中なのは、X線天文衛星クリズム、 この打ち上げが目前まで来てるけど延期してしまったなら、この延期してる間にクリズム、ガンガン盛り上げていっちゃおうというような、
X線天文衛星クリズム特集をやっております。 なぜここまでクリズムなのか。今ですね、打ち上げが延期になった2023年8月28日に打ち上げを予定していた、
H-2Aロケット、ここに搭載されるメインミッションが、今回特集しているX線天文衛星クリズム、そして月面着陸船スリムと呼ばれるものですね。
この2つがダブルで、まさに今宇宙に飛び立とうとしていたところだったんですが、残念ながら打ち上げ延期というところで、
特集している理由は、このH-2Aロケットの打ち上げ、注目されているのがスリムの注目度が高すぎる。
そして僕は、X線天文衛星のおかげで、博士号も取れたし、NASAで研究もしてたしっていうようなところがあるので、業界に恩返ししていきたいというところで、
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幸いなことに、ポッドキャストで人気が出てきたこの番組なので、もうこの影響力をX線天文学に全恩返ししていこうというような、そういう企画でやっております。
なので、多分もう日本国内、世界中見てもないだろうってぐらい、しつこいくらいクリズムの話をどんどんしていきたいと思います。
で、これで一応連続で特集するのは4話目になっていて、1回目はクリズムってどんなものなのかっていうところ、そして前回前々回はクリズムが、
クリズムってX線衛星の名称なんですけど、この衛星が今後5年間とかで達成しようとしている科学目標の大きく3つですね。
これを1個ずつ解説していって、今回が第3弾目と。もう1日15分20分話しても、この取り組んでいく3つのメインミッションのうち1個ずつしか話せないんですよ。
前々回が宇宙のレシピを解き明かしていくっていうクリズムのミッション。科学的な進化を遂げていく宇宙を解明していく。
そしてもう一つは力学的な部分、宇宙空間で成長していって、宇宙の歴史をすべて持っている銀河団の設計図を作るっていうような、宇宙の力学的な重力だったり放射だったりっていうところにフォーカスした研究の話。
そして今回は一般相対性理論だったりとか特殊相対性理論とか、そういった言葉がちらちらっと垣間見えてくるような時空の歪んだその先を見ていくっていうクリズムのミッションに関するお話をしていきたいと思っております。
これ、X線天文衛星にとっては悲願というか、もうど真ん中、ここを解明しないとX線天文衛星の存在意義がみたいになってくるぐらいの部分なんですよ。
クリズムが狙っている第三のミッション、時空の果てっていうところですね。
この時空の果てを見ていくっていうのはどういうことなのか。これはブラックホールに吸い込まれていって、時空が歪んでいる宇宙の姿を明らかにしていく、そういうところを目指しているっていう、そういうお話になるんですね。
X線天文学は、今、約50年ぐらいの歴史を持っている、そんな天文学の領域になるんですけど、その天文学の領域の歴史は、ブラックホールの観測とともに成長してきたと言っても過言ではないんですよ。
宇宙でX線が大量に出ている天体っていうのが一体何なのか、そこの一番最初に目をつけられたのがブラックホールだったりするんですよね。
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X線、レントゲンで使われているあのX線ですが、人体に影響はあるけど、実は宇宙にある80%のものから発されている。
つまり、宇宙の80%を見るにはX線を使うのがいいっていうぐらい、宇宙とX線の掛け合わせっていうのはすごくて、その中でもX線で見える世界っていうのは、ものすごくエネルギッシュで、ものすごく熱い、そしてものすごく速い世界なんです。
1000万度とか1億度っていうような温度に達するプラズマと呼ばれるガスから飛んでくる光もX線だし、光のスピードで動くようなものから出る光っていうのもX線だし。
で、ブラックホールはまさにこれらを兼ね備えた、そんな天体であり、X線天文学の発展とともに理解が進んできたと。
で、特に今回、クリズムが解明しようとしているのは、時空の果てを見ていく。どういうことか。
ブラックホールだったり、っていうようなものすごく重力が強い天体、こういった天体、あとは中性子星って呼ばれるちょっと変わった天体だったり、白色外星っていう天体だったり、色々あるんですけど、まあ今回はブラックホールに注目していきましょう。
星が死んだ後に、例えばブラックホールみたいな天体が残って、で、それって星が死んだ後に残される天体なんですけど、しばしばこの周囲に非常に強い重力に引き寄せられる物体たちがあるんですね。
例えば、ブラックホールってどうやって見つけるのかっていう話にちょっと戻ると、ブラックホール自体は光を発さないから見つけることはできないんですよ。
ただ、ブラックホールを見つけるためには、ブラックホールに吸い込まれていく宇宙空間のガスだったり、近くを通った星だったり、そういったところが吸い込まれていく、まるで断末魔の叫びみたいなものを観測することで、あそこ何も見えてないけど実はブラックホールあるよね、みたいな風に見つけていくのがこのブラックホールの発見の仕方だったりするんですよ。
で、そういったブラックホールに吸い込まれていく天体たちのガスっていうのが作るブラックホール周りの円盤みたいなものを光着円盤と呼んだりします。
で、実はX先天文学ではこの光着円盤と呼ばれるところに注目して過去に観測したことがあって、どういう風なものを観測したかっていうと、
吸い込まれていくそのガスがどのぐらいのスピードで吸い込まれているのかっていうところをどんどん観測して細かく見ていってあげたことがあって、その結果なんとですね、
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吸い込まれていくガスの中に鉄の成分が発見されたんですけど、その鉄の成分が重力によって光がひん曲げられているっていうような現象を発見されたんですね。
これはブラックホールが光を吸い込むような相対論的な動き、つまり時空を歪ませるような重力を持っているっていうところの観測的な証拠なんじゃないかっていう風に言われている。
実はそういう先行研究がすでにあるんですね。
そして、その研究成果を出したのは1993年、もう今から30年前に打ち上げられたアスカと呼ばれるX線観測衛星だったんですよ。
この頃はまさに日本が世界のX線天文学をリードしていて、その観測によってブラックホールの周りで時空が歪んでいる可能性っていうところを観測的に示唆を出していた。
そんな背景が実はあったりします。
つまり、今回のクリズムが解明しようとしている時空の果ての研究っていうのは、30年越しに、そしてそのアスカの頃から比べると能力が10倍以上に跳ね上がった感度っていうのを観測器で見ていく。
それによってブラックホールが歪めている時空の先を見ていこう。そんな研究を目指しているのがまさにクリズムの狙っているところなんですね。
で、これ何が面白いか。
このアスカって呼ばれるプロジェクト、1993年に日本のX線天文学のマイルストーンというか、X線天文学が成功していく中で大活躍した衛星の一つで、
そういった観測的にブラックホールが歪めている空間みたいな特徴を発見したってなってるんですけど、今、日本のX線天文学を牽引している各大学のX線天文学の研究者たちだったりとか、
そういった人たち、その今第一線で活躍しているトップの人たちっていうのが、まさにこのアスカ世代の人たちなんですよ。
アスカ世代。僕は今年30歳になるっていう年なので、アスカと同い年ぐらいだから、もう全然僕が生まれた頃に活躍してた人たちが、今のX線天文学を牽引してるんですね。
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なので、彼らの目線から見ると、自分たちがキャリアを築いてきた、ファーストステップぐらいであった、アスカの残した最大の功績といってもいい、ブラックホールが見せた時空の歪みのシグナル、これを解明できるかどうかっていうところがかかってるのが、まさにこのクリズムなんですよ。
すごいですよね。この時空の歪み、そして何十億年何百億年という歴史で見えてきたブラックホールと呼ばれる天体の特徴っていうところを、X線天文学、短い50年の歴史の中で、30年前ぐらいからその成功を見てきた人たちが、今まさにそれを解き明かそうとしているっていうのが、このクリズムで狙っている3つ目の宇宙の謎。
時空の果てと呼ばれる研究ですね。この頃、その30年前から使われている技術よりも、さらに本当にエネルギーの感度みたいなものが10倍に跳ね上がった観測装置を使うことによって、今まで見えてこなかった宇宙空間の動きっていうのが発見できるっていうのが、まさにこのクリズムが扉を開いていく新しい科学の世界になってくるので、
これから打ち上げられていくX線天文衛星クリズムっていうのは、本当にワクワクする能力を兼ね備えているというところをね、今回はみんなに伝えたいなと思って、こんなお話をさせていただきました。
で、当時のね、アスカが残した、X線天文衛星アスカとかが残した研究っていうのも、かなり面白いものになってたりするんですけど、これがね、X線天文衛星の良くないところというか、直感的にむずすぎる研究結果が出てくるんですよね。
天文学の研究で一番キャッチーなのって、最近だと、ジェームス・エップ宇宙望遠鏡とかが出してくれるような、宇宙の綺麗な画像みたいなのがパッと出て、前よりもこんなに綺麗に見えるようになったみたいなのじゃないですか。
けど、X線っていうのは、姿を捉えるっていうよりは、飛んできた光の情報を細かく切り分けて、めちゃめちゃ咀嚼して、人間の科学に対する数式的な部分とかも組み合わせて、式とグラフとみたいなのを説明することが多いんですよ。
だから、直感的に分かりづらい研究しか出てこないから、ポッドキャストで話しづらいっていうのが正直なところ。
けど、今回のは結構面白くて、クリズムが目指しているのは、ブラックホールっていう、僕たちが小さい頃から知っている重力で光すらも吸い込む天体。
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この吸い込む天体が内側に引っ張っていく力、この引っ張っていく力って結局重力場と呼ばれるものを歪ませて、沈み込ませて、空間を歪めて、光の粒、光の放射の線も穴に落としていくみたいなイメージだからこそ、
掴みやすいし、ブラックホールってやっぱ、宇宙のロマンが詰まってて面白いよなーって思えるような、そんな研究になってるんで、いろんな成果出てくると思います。
打ち上げはもう絶対に成功してくれると信じているので、その中でどういう研究が出てくるかっていうのは、
なんか、クリズムって一般相対性理論を解き明かしてくれるみたいなこと言ってなかったっけ?って思って待っててくれれば、それだけで研究者たちへの期待値が上がって、どんどんこれから面白い研究が出てきて、
X線天文学は世界一にまた日本が引き上げてくれることを願っているというような、なんかちょっと締まりがいいような悪いような、そんなお話となっております。
けどね、たぶんみんなあんま知らないじゃないですか。こういうX線天文学の中での世代交代みたいな。
で、それで今クリズムっていうのを牽引する研究者たちが、まさに若手の頃に見えてきた宇宙のロマンっていうのが30年越しに解き明かされるだったりっていうようなとこって、
たぶん中にいる人とかしか、あんまりこう人の顔とかがね、僕めちゃめちゃ具体的に浮かぶので、そういったところをね、伝えれるってなかなかないと思ったので、
ポッドキャストっていうこの、なんかニッチで宇宙な好きな人しか聞いてないようなメディアで、こういうの話せたら面白いなと思って今日はちょっとそこら辺をメインに話してみました。
でまぁこれからとにかくね、再打ち上げスケジュールみたいなのはまだ公開されてないので、クリズム一体いつ打ち上がるのかわからないですけど、
H-2Aロケットをしっかり整備されて確実に打ち上がる日っていうところでやってくれると信じているので、
打ち上げが確定して打ち上げされるその日まで、僕はもうポッドキャストでくどいほどクリズムX戦天文学の話をしていこうかなと思っております。
ぜひですね、楽しみにしておいてください。
そして僕が博士課程の時に一緒だった、同期で他の大学で活躍してた子とかは今そのアカデミックの中でクリズムのチームで動いていたりするので、
彼に連絡したら打ち上げ前になんか出て一緒に話せたらいいねみたいな話もしてくれたので、
近いうちにX戦天文学の研究者たちちょっと呼んでみようかなぁなんて思っております。
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ぜひですね、その回とかも楽しみにしつつ、今ですねSpotifyの方ではこのクリズムに関するエピソードだけまとめたプレイリストを公開してたりします。
Apple Podcastとかでも順番に聞いてもらえればクリズムに関するエピソードガンガンガンガン連続で聞けるようになってます。
とりあえずこの特集今スタートしたのがエピソードでいうところの1052話からになってるんで、とにかく連続で聞いてみてください。
で、ちょっとでもX戦天文面白いなと思ったら是非コメントだったりTwitterで盛り上げてあげてください。
H-2Aロケットに乗るのは今流行りの月面探査だけじゃなくて、世界一位の座にまた帰り咲く日本のX戦天文の業界そのものの期待を背負った衛星だったりもするっていうところをPodcastを聞いているみんなと、
最近はこれを公開収録しているTwitterのスペースのみんなと一緒に少しでも盛り上げていけたら嬉しいなと思っているので、皆さん応援よろしくお願いいたします。
ということで今回のお話は以上にしていきたいと思います。
今回の話も面白いなと思ったらお手元のPodcastアプリでフォローボタンの近くにあるレビューボタンで星をつけていただけたら嬉しいです。
番組の感想や宇宙に関する質問についてはTwitterのハッシュタグ宇宙話または概要欄のお便りフォームだったりSpotifyのQ&Aコーナーからじゃんじゃんお寄せください。
次回はですね、まだまだやりますX1000天文特集というところで、今日ちょっとアスカって呼ばれる30年前の衛星が見つけた成果が今解き明かされるみたいな話しましたけど、
50年の歴史を持つX1000天文学の衛星だったり、その歴史、40年か、俺50年ってずっと言ってたけど40年くらいか、40年から50年くらいの歴史があるこのX1000天文についていろいろ深掘りしていこうと思っておりますので、そちらもぜひ楽しみにしておいてください。
それではまた明日お会いしましょう。さようなら。
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