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2023-07-02 20:06

995. 日本の天文学は2023年に世界一に舞い戻る【JAXA】【XRISM】

X線天文学で、再び世界の頂点に日本が返り咲く。そんな日が近づいていると思うとワクワクします。X線天文学の業界で博士号までとった私は、全力えこ贔屓でJAXAのXRISMを応援します!


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ソース

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画像caption : JAXA


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1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております、宇宙話。今回は、日本の天文学の未来について、新しいミッション、2023年にスタートする新しいミッションについて紹介していきたいと思います。
今回の話は、僕が博士号を取る時にメインでやっていた研究にかなり近いところ、そして、日本が世界中を牽引していた時期もあるっていうような、かなり面白い分野の話になっているし、実現も目前というところで、
結構、その近いうち、ニュースとかで見ながら、宇宙話で聞いたなって思えるような、そんな面白い内容になっておりますので、ぜひ最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。
3、2、1、イグネーション、
日本、
スペース、
日本、
佐々木亮の宇宙話。
2023年7月2日、始まりました佐々木亮の宇宙話。
このチャンネルでは、1日10分、宇宙時間をテーマに天文学で博士号を取得した専門家の梁が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
本日でエピソードが995話目を迎えるというところになっております。
基本的には1話完結でお話ししておりますので、気になるトピック、気になるタイトルからぜひ聞いていただければというふうに思っております。
前回前々回が、ちょうどスペースXの注目度が高まってるなっていうところだったので、どういう事業プランなのか、どういう事業モデルなのか、
っていう結構宇宙ビジネスっぽい話、お話しさせていただきました。
で、なんかちょっと未来っぽい話多かったので、今回も未来の天文学の計画、プロジェクト、お話ししていきたいと思います。
その名も、これクリズムと呼ばれる新しいX線天文学を牽引していくであろう、こちらね人工衛星が2023年に打ち上がると、
2023年度になるのかな、っていうところになっているので、今年1年以内に打ち上がる新しい人工衛星が一体どういう性能を持っているのか、
この辺りをお話ししていきたいと思っておりますので、ぜひ最後までお付き合いください。
過去の回はいろいろ聞いていただけたらいいかなと思っているし、
あと、過去の回でも実は今回のクリズムと呼ばれる人工衛星は、紹介したことが多分メインじゃないけどあるんじゃないかなと思います。
で、これクリズム、XRISMって書いてクリズムなんですよ。
これ、だいたいこういう天文学のミッションというのは、何かしらの略称になってこういう名前がついてるんですね。
クリズムは、X-Ray Imaging and Spectroscopy Missionというところで、クリズム、XRISMという風になっております。
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なので、X-Rayっていうのが最初に入っているぐらいなので、X線を見るっていう、そういう天文学のミッションになるんですね。
X線天文学、このポッドキャストだと、多分他のメディアとかに比べたら、結構取り上げる頻度は高いんじゃないかなという風に思います。
X線っていうのは、僕たちが例えば、成形外科とか行った時に使う、レントゲンに使われている光ですね。
X線って聞くと、多分レントゲンぐらいしかピンとこないんじゃないかなと思うんですけど、
実は宇宙からもたくさんX線って飛んできます。
その前に、そもそもX線って何なんだろうっていう話から入っていくと、
X線はこれ、人間の目には見えないけど一応光なんですね。
人間の目で見える光っていうのは、赤から紫までっていうところが、
なんとなく例えば、7色ぐらいに見えるから虹とかってそういう色になってますよね。
あれが人間の目に見える光、赤から紫までで、紫の方が結構光の波長っていうのが短くてエネルギッシュな光。
逆に赤い方っていうのが、より緩やかな光っていうところなんですよ。
そうなった時に赤い方よりも、人間が見えないけどまだ赤い方に続いている光のことを赤より外側だから赤外線って呼んだりする。
それに対して紫側よりも外側のよりエネルギーの高い危険な光のことを紫外線って呼んだりする。
赤外線ずっと当たっても何にもなさそうだけど、紫外線をずっと当たり続けると日焼けして肌が壊れちゃったりとか、そういうイメージが湧くと思います。
そういうところでエネルギーの強さの違いみたいなところをちょっと理解してもらえればいいかなっていうふうに思ってますね。
これ逆だったら結構怖いなって思うじゃないですか。赤外線よりもさらにエネルギーの弱い光みたいなのを電波とかって言ったりするんですよ。
これ電波ってまさにスマートフォンだったりとかいろんなもので使われてますよね。
この電波っていうものを使っているものがたくさんあるから、僕たちの体を電波がすり抜けるっていうのはたくさんあるんですよ、状況としては。
その中でこれね、じゃあもしX線とか紫外線とかみたいなより強い光だったら体ボロボロになっちゃいそうじゃないですか。
そういった不安が結構残ったりすると。
そんな感じで紫外線って危ないっていう話がありつつ、X線とかっていうのはそれよりももっと危ない光なんですね。
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これよくレントゲン撮るときとかもその光を当てたら体が透けるぐらい強い光なわけですよ。
だから骨が折れてるところが分かったりとか、ここの骨の形がとかっていうふうに言えたりする。
あとは何かこう腫瘍を見つけたりね、っていうところでX線というのは結構使われるところで、体をすり抜けられるぐらいエネルギーの強い光っていうイメージです。
これ紫外線とか人間の目で見える可視光、目で見えるで可視光ですね。
あとは電波だったりとか紫外線だったりとかX線だったりとか、光というか電磁波にはいろんな種類が名前がついているんですよ。
このそれぞれで天文学が存在している。電波天文学、紫外線天文学、X線天文学というような形ですね。
その形で存在しているX線天文学の今主要ミッションとして考えているのがこのクリズムというものです。
僕はこのX線天文学っていうところで研究をずっとしていて博士号を取った。
それでNASAの研究所で研究させてもらってたりとかっていうのもあったので、X線天文学を否記したくてしょうがないんですね。
だからこのポッドキャストの中では結構紹介される頻度が多いというようなそういう背景があったりします。
これクリズム、なんでこのミッションがすごい重要なのかというところで言うと、
新しい人工衛星で打ち上げられたり新しいミッションというのは技術的に何かがものすごく進化していて、
今まで人類ができなかったミッションを達成できるということが期待されているから国家予算とかがついたりするんですね。
このクリズムっていうのはまさにそういう期待を背負っていて、クリズムは大きく分けてX線を2種類の方法で取得していきます。
一つが殺像と呼ばれる、簡単に言うと写真を撮りたいというところですね。写真を撮る。
そしてもう一つは分光。これは例えばさっき話したみたいな、人間の目で見える光っていうところを分解すると7色に分かれるみたいな話あったじゃないですか。
あれって別に他の光の種類でも中がいろいろ違くてみたいな話って全然あるんですよね。
だからX線天文学の中でもそのX線の光を切り分けるっていう意味で、X線を虹色に分解するみたいな、これが分光っていうところです。
そういったところでX線天文学っていうのを牽引するために、その今2つの能力を持ったクリズムが打ち上がろうとしています。
09:04
このクリズム、ものすごい期待を背負ってますね。
まずはそもそも打ち上げが、このポッドキャストでも以前紹介したスリムと呼ばれる月面着陸船と一緒に打ち上げられます。
実はこの打ち上げが2023年の8月に本当は予定されてたんですよ。
ただそれが叶わなくなった理由っていうのは、ロケット、日本のロケットで最近失敗続きだったH3ロケットの打ち上げ失敗がありましたね。
あのH3ロケットの失敗からロケット打ち上げのスケジュールが今後ろ倒しになっていることで、2023年中には打ち上げられればいいかなと思っているっていうところ。
そして今実はこのX線で宇宙を見るっていう装置、日本だとちゃんと所有できているのって1個だけなんですよね。
これが僕が運用とかデータ分析とかやって論文も書かせてもらっていたマキシと呼ばれるもの。
これ国際宇宙ステーションに乗ってるんですけど、これだけっていうところで世界に対して日本の宇宙開発のプレゼンスを高めていくっていう意味でも
このクリズムの存在っていうのはものすごく重要になってくるんですよ。
このクリズム、実は2017年とかに一度注目を浴びたことがあります。
何でかっていうと、前の名前はアストロエイチ、またの名はヒトミっていう名前の人工衛星があって、
これ実は今回打ち上げるクリズムに搭載されている機能とか能力っていうのとほとんど同じ能力を持っていたものが実際に2016年2017年に打ち上げられたんですね。
ただこれ運用を失敗してしまって300億円ぐらいかかってたのかなっていうところがなくなってしまったと。
ただその時に初期に1個だけ天体を観測していたっていう背景があって、その天体観測の結果がものすごい良い性能だったんですね。
遠くの銀河を見ることによって、その銀河の中にある元素の量とかっていうのが、実はいろいろ細かく見ていくと私たちの生活を支えている太陽と似てる部分がすごいあるんじゃないか。
ここってもっと調べないといけないんじゃないかっていう課題だけ残して死んでいってしまった人工衛星があるんですよ。
この人工衛星の能力、成果っていうのは、他の天体を見た時にももっといろんなことがわかるんじゃないかっていう世界中の期待が高まっているから、
運用を失敗してしまった300億円もかけて失敗してしまったアストロエイチっていうところの後継機としてちゃんとプロジェクトが発足したっていう実はそういう背景があって、
12:09
これ2023年の今もう1回打ち上げようとしているっていうそういう状況です。
X線天文学、これなかなか難しい業界になっていて、まずさっき言ったみたいに光っていうのが透過しまくっちゃうんですよ。
透き通っていってしまうっていう表現が正しいですかね。物をすり抜けやすい。
だから普通の望遠鏡で見てもX線の光を集めることってできないんですよね。
普通の望遠鏡っていうのは、例えば天体観測に使って目で覗くようなやつあるじゃないですか。
あれって湾曲したお皿みたいなやつにまっすぐ来た光を集めて、その反射するところを焦点に集めるみたいな、
言ってしまうと虫眼鏡みたいなのちょっと形は違うけどイメージ的にはそんな感じですね。
何か物を通して一点に集めるんだけど、それが浅い角度でも一点に集められるという一方で、
X線はああいう望遠鏡でX線を見ようとしても望遠鏡そのまま全部すり抜けていってしまうから何も見えないっていうのが課題としてあるんですよね。
じゃあこれをどうやって見るのか。光っていうのは結局一箇所に集めれば集めるほど鮮明に見えるみたいな。
つまり焦点に集めたいんですよ。そうするとX線はどうやって集めるかっていうと、もうなんか水切りみたいな、
そういう勢いである金属の板に対して本当にもうすれすれ1度とかっていうような角度でシュッとすらせてあげるようなイメージ。
1度2度とかっていうようなね、そういう浅い角度でシュッとすらせてあげるんですよ。まさに水切りですよね。
勢いよく入ってきた石が水面に対して水平っぽく入っていけばいくほど水の表面をスパスパスパと石が飛んでいくっていうような、そういうイメージと似ている部分になります。
そういった感じでX線っていうのが飛んできたら鏡にすらせて、角度を変えて、それを2段階とかで当てて、それで1箇所に集めていくっていうような、そういうイメージですね。
なのでめちゃめちゃ精密な望遠鏡、反射鏡っていうんですかね。すらせるための反射鏡っていうのを作らないといけないんですよ。
というところでこれちょっと画像、今回のポッドキャストのアートワークの一部として載せてるんですけど、
この筒みたいなところに当てて、正面から入っていくと、ここの今なんかめちゃめちゃ層になってる部分に入っていって、その奥ではある一点に集まるようにここで角度がちょっとずつ変更されて、
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外に、奥に出ていくみたいな。そんな感じですね。これによってX線を集めていくと。
実はこの鏡作ってるところ、NASAの研究所で作っていて、僕が行っていたそのゴダードスペースフライトセンターっていう、
ワシントンDCの横にあるメリーランド州っていうところにあるんですけど、そこでまさに作っていた。
で僕、この分野で近くでやっていたから、その製造部屋とかも見せてもらったことあって、本当になんか丁寧に丁寧に一枚一枚作っているみたいな、そんな感じなんですよ。
というところで、この望遠鏡を使って光を集めていく。そしてまあどういうところを解消しようとしているのかっていうところで言うと、大きく3つですね。
ここら辺ももしかしたらいつか詳しく話せればいいかなと思ってるんですけど、銀河団と呼ばれる銀河の塊の設計図を作っていきたいっていう話だったりとか、
さっき話したみたいな化学蘇生、元素蘇生みたいなところに注目して、宇宙のレシピ、僕たちの体も元素でできているから、そういったものをしっかりと遠くの宇宙まで解き明かしていきたいっていうところ。
そして3つ目は時空の果てまで見に行きたい。時空の果てかっこいいですよね。
これだから、宇宙の果てっていうパターンもあれば、今回の場合で言うとブラックホールとか、ブラックホールに吸い込まれていく、吸い込まれる直前の状況ってどんななんだろうみたいな、そういったところまで見に行こうとしているっていうかなり面白いサイエンスを解き明かそうとしている、そんな研究分野なので、
またちょっとね、みんなからのリクエストとかあったり、あとは打ち上げのタイミングとかで、もっといろいろお話できる部分あるんじゃないかなと。これだけでえげつない量話せるし、なんなら望遠鏡を作ってる人とか、
サイエンスどういうのやろうとしてるとかっていうのを、天文学者の人呼んで聞くっていうのも面白いんじゃないかなと思ってるんで、ちょっとポッドキャスト旋回に向けていろいろ盛り上げていきたいなと思っているわけなので、そのあたり楽しみにしておいていただけたらと思います。
とにかく2023年にこのクリズムっていうの打ち上がります。打ち上がった後には運用がしっかりうまくいけば、まさに日本の天文学の世界中での立ち位置みたいなのが一気に変わってくるフェーズに入ってきて、また面白い日本のニュースとかがどんどん出てくるんじゃないかなと思っていたりするので、ぜひそちら楽しみにしておいてください。
で、先週ゲストに来てもらったヒロですね。ヒロとの話の中でも、ここ実は重要だって話をコラボエピソード、ゲスト回の3回目かなでお話ししてたりするので、後半の方で。そこもちょっと聞いてみていただけると、なんかこう宇宙開発、宇宙ビジネスとかっていうところとの混ざっていく部分とかまでわかってきたら面白いんじゃないかなと思っておりますので、ぜひそちらも聞いてみてください。
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そんな感じで今回は以上にしていきたいと思います。今回は、クリズムと呼ばれる日本のX線天文の未来についてお話しさせていただきました。
いやー面白いですね、これ。やっぱ自分の分野だとより楽しく話せるなっていうところありますね。
だから、このポッドキャストも自分の好きなこと話してるし、実はSpotifyの独占配信に切り替わってからある新しいポッドキャストチャンネルも立ち上げてるんですね。
概要欄で気付いた人いるかもしれませんが、隣のデータ分析屋さんっていうポッドキャストチャンネル、僕新しくやっております。
こちらですね、僕本業がデータアナリストっていうところだったりとか、分析の仕事してたりするので、データサイエンティストをやってる友達と一緒にですね、
宇宙より全然みんなの生活の役に立つような話とか、そういったところをしていたりするので、ぜひそちらのポッドキャストも注目していただけたらと思います。
今僕が大学で持っている1500人ぐらい履修している、すごい大規模な授業があるんですけど、そういう授業とかどうやって作ってんだろうとかっていう、また別格との話とかもいろいろしてるので、楽しんでいただけたら嬉しいなと。
そちらも感想ガンガンお待ちしております。そんな感じで今回は以上にしていきたいと思います。
今回の話も面白いなと思ったらお手元のポッドキャストアプリでフォロー、サブスクライブよろしくお願いいたします。
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それではまた明日お会いしましょう。さよなら。
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