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2021-03-11 14:45

153. 宇宙兄弟が現実に!?月面望遠鏡を実現する第一歩のハナシ

宇宙兄弟の中で作られている月面天文台。

これがなんと現実に!?という研究が報告されていました。

その実現のために、まずは人工衛星で検証だ!!

月の裏側に行って、宇宙の暗黒時代を見ようとする、そんな研究。


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参考資料

https://arxiv.org/abs/2103.05085


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始まりました、佐々木亮の宇宙話。普段、国の研究機関で天文学の研究をしている私が、毎日最新の宇宙ニュースをお届けいたします。こちらのポッドキャスト。
本日はですね、宇宙兄弟の時代が目の前に月面天文台に対する第一歩という研究のタイトルでお話ししていきたいと思いますね。
今回は2日前ぐらいに出ていた論文で、何をするかというと、最終的には月面に天文台、電波天文台を建てるというところの目標を掲げて、
それに向かう第一歩として、人工衛星を飛ばした観測を行っていくというような決意表明みたいな論文が出ていたので、今回はそちらについて紹介していきたいと思いますので、宇宙兄弟好きの方は必見でございますね。
最後までぜひお楽しみいただければと思います。
毎日恒例の研究報告、活動報告になりますが、
今日ですね、午前中は所属している理化学研究所の研究室の年度内最後の打ち合わせがありました。
私自身はですね、2018年からそこに所属させていただいて、3年間ですね、丸3年間そこの研究室にいさせていただいて、この3月で卒業というかその研究室から育つというような状況になったわけなんですけど、
ここに入った理由としては、大学の学部生の頃から宇宙ステーションにある観測機器の運用チームにずっと所属していて、そのチームの本部が理研にあったので、そこの本部チームに合流させてもらったといったような感じなんですけど、
私自身の研究分野が、太陽みたいに自分で光ってる星、光星ですね、それの爆発を見るっていうような研究になってるんですけど、この分野の人っていうのは国内には他に1チームぐらいあるかなぐらいで、なかなかいないんですね。
ただ、理研に集まっている研究者の人たちは、光星の研究は専門ではないですけど、宇宙で起こる特にX線に特化した宇宙現象についてはプロフェッショナルの方たちばかりなので、
例えば、自分がこんな研究成果出してますっていうような報告をしても、同じ分野からは出てこないような、けど物理的にすごく意味のある質問みたいなのがバンバン飛んでくるっていう、ある意味、別の意味で厳しい環境だったんですよね。
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それのおかげで白紙論文もうまくいったっていうような感じもあるので、そういったいろんな分野の方がいる、なおかつ国の専門機関でずっとやれたっていうのは非常にいい経験だったかなと思って、最後のミーティングを噛み締めておりました。
所属しながら実際にNASAに行かせてもらったりだとか、そういったところも結構フレキシブルにやらせていただいてたので、そういったところでも感謝しきれないなっていうような、とても素晴らしい研究者として、1段も2段もレベルアップするような環境を与えてくれた素晴らしい場所だったなと思って、
3月で終わりますけど、3年間を思い浮かべながらすごくいい時間を過ごさせていただいたと思っております。
そんな感じで、1年というか数年間の締めくくりがどんどんやってきているなという印象ですね。
これからもっと自分を厳しい環境に置きながらチャレンジ続けていけたらなと思っているところでございます。
そんな感じで、今日は最後のミーティングがありましたというようなお話で本題に入っていきましょう。
今日の本題はですね、宇宙兄弟の世界が目の前に来ていると、月面の電波望遠鏡建設への第一歩についてのお話をさせていただきます。
今回の研究はアメリカの研究者たちから出された、実際の研究成果というよりはこういう研究計画を進めていきたいですというような決意表明の文章みたいになっているんですね。
一体何をしたいかというと、月の裏側に、月の周りを回る人工衛星を飛ばしてですね、そこから宇宙の遥か昔の時代に飛ばされてきた光っていうのを観測してあげようと。
宇宙の遥か昔の時代って何かっていうと、宇宙ができたのって、ビッグバンって呼ばれる最初の爆発みたいなのがあって、宇宙が始まったと言われてるわけなんですね。
その最初の爆発が起きて、その勢いで世の中、宇宙の空間に水素なりそういうものたちが発生したと。
そこからですね、星ができるまでの間、結局はそういう最初にできた爆発の破片とかそういうのがくっつき合って、星っていうのはできていくっていう話を何回かさせてもらってるんですけど、
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そういった星が最初にできるまでの間、最初にビッグバンが爆発を起こし、そこから一番最初の星ができるまでの間、この間の宇宙空間に何があったのかっていうのは全く不明なんですね。
この期間、約数十万年です。宇宙が始まってから数十万年の間は星が全くできない、つまり全く宇宙空間に光がない暗黒時代と言われてるんですよ。
今回はその暗黒時代を観測してあげようっていう研究計画なんですよね。
これめちゃめちゃ面白くないですか。この全く光がない、真っ暗だった時代を観ようとしてるんですよ。
これは本当に発想がすごいなって思うんですけど、どういうふうに見るのかっていうと、さっき言ったみたいにビッグバンが最初に起きたときに宇宙空間には簡単に言うと水素がまき散らされたような状態なんですね。
ただその水素っていうのは別に、ただ存在しているだけだ。
ただ、そういったガスっていうのも何かしらの微弱な信号っていうのを常に発し続けてるだろうっていうのが根本にあるわけなんですよ。
そうすると、その電磁波、目で見える光かどうかっていうところは別として、そこから出されていたある電磁波が宇宙空間を漂ってるはずだと。
ただですね、爆発によって宇宙の大きさっていうのはどんどん広がっています。膨張していっています。
なので、その光っていうのもどんどん遠ざかりながら、つまり宇宙が膨張しながら、もともと放射されていたであろう光っていうの、電磁波って言ってましたね。
電磁波っていうのもどんどん宇宙の果てに引っ張られまくってると。
で、こちらはドップラー効果と呼ばれる、すいません、このカタカナはどうしても言わないと伝わらないので使わせてもらってますが、
ドップラー効果と呼ばれる、物が離れていくと光の種類が変わる。波の性質が変わるっていう現象があるんですね。
これは身近な例で言うと救急車です。救急車は私たちが近づいてくるときと離れていくとき、音の高さは違くないですか。
高い音で来て低い音になっていく、離れていくとき。
こんな感じで真っ暗だった頃の水素のガスが出していた微弱な光っていうのも、宇宙が膨張していけばいくほどその光っていうのは離れていくので、
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ものすごく引き伸ばされた、つまり離れていっている救急車のような状態で光がどんどん引き伸ばされていると。
その引き伸ばされた光が、私たちが知っている光の種類で言うと電波と呼ばれるところに値するような光までグイッと引き伸ばされてしまっているというような状況が予測されているんですね。
なので、この電波っていうのは私たちが目で見ている光っていうのは虹色に対して、赤い方の光っていうのはより光が長い光だと思ってください。
緩い光が赤い方で、それよりも外が赤外線、それよりもまたさらに緩いのが電波みたいな感じで、離れていけばいくほど発せられていた光っていうのが緩く引き伸ばされてしまって、私たちの目では見えないけど電波では見えるんじゃないかと言われているんですね。
ただ、これじゃあ地球から見ればいいじゃんとか、地球の近くから見ればいいじゃん、なんで今回月の方まで行かなきゃいけないのかっていうと、地球の周りはこれの引き伸ばされた電波と同じぐらいの波長、同じぐらいの電波の状況っていうのがすごくごちゃごちゃとしていて、
地球の周りないしは地球上では、その光っていうのは他の光に混ざってしまって見えないんですね。だから、より電波で静かなところ、電波がごちゃごちゃしていないところに行って観測しないと、この宇宙の暗黒時代から飛んできた光っていうのは見つけることができないんですね。
なので、今回アメリカの研究者たちが考えたのは、なら遠くに行ってしまおうという素晴らしいシンプルな発想で、じゃあ一番電波がごちゃごちゃしてない宇宙空間はどこだと。
なるべく近い方がいいなとなったときに見つけたのが月の裏側ですね。月の裏側がどうも電波ではすごく静かな空間が広がっているということで、じゃあ月の裏側に人工衛星を飛ばしてあげて、実際に暗黒時代を観測できるのかどうかを試してみましょうっていうプロジェクトが今立ち上がり始めました。
なので、今回見つけようとしているその暗黒時代っていうのは、最初に言ったみたいに宇宙の年齢が数十万年とかいうレベルの本当に初期の初期の話なので、そうすると何億年前の世界を見てるんだっていうようなそのレベルの研究が今後スタートしようとしているという感じですね。
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これがどういうふうに月面基地に関わってくるのかっていうと、やっぱり人工衛星だと不安定で観測が精密にできないという部分があると。
そうしたら月の裏側でうまくいくのであれば、月の裏側に天文台を建ててしまおうというのが次のステップだそうです。
そしてですね、この月面に天文台を作ってしまおうと計画して実行しているのが、なんと宇宙兄弟の望遠鏡なんですね。
つまり今回のこの宇宙の暗黒時代を切り開く素晴らしい研究プランっていうのは、宇宙兄弟の中で目指していた月面望遠鏡の実現の大きな一歩になるんじゃないかなと期待しております。
今日の話いかがだったでしょうか。少し難しくなってしまっていたら申し訳ありません。
もし質問あったらTwitter等で募集しております。
ハッシュタグ宇宙話、宇宙が漢字で話をつけてつぶやいていただけたら質問にお答えさせていただきますので、ぜひよろしくお願いします。
ではですね、一つだけコメント読み上げさせていただきます。
Twitterネームですね、こちら。
Twitterネームカラフルさんからいただきました。
結構昔のやつを取り上げていただいてますね。
ナンバー48、高星間を自由に旅する星の話。しかもスイングバイまでやるとは、UFOかもしれないオウムアムア。
これはUFOと思われても仕方ないな。重力に捕まわらないのはなぜだろうと。
これですね、数年前に地球に飛覧してきた、これは宇宙船なんじゃないかと言われていたオウムアムアと呼ばれる星のお話を48回でしたんですけど、
これ、なんで重力に捕まらないのか。
簡単に言うと、宇宙は私たちが思っているよりもすっからかんなので、宇宙空間を漂っていてもなかなか他の星にぶつからないっていうのが実際のところですね。
なので、そんなにぐちゃぐちゃに密度の高い空間が広がってしまってたら、地球にも隕石バンバン落ちてきてしまってるんじゃないでしょうかといった感じですね。
なので宇宙を考えるときは、もっとすっからかんな状態で調べてみると、頭の中で想像してみるといいかもしれません。
それではまた明日お会いしましょう。さよなら。
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